2016年5月19日木曜日

ニセコの家Ⅱ 断熱下地工事

 
「ニセコの家Ⅱ」では更なる300mm断熱の施工効率化とコストデザインの進化に挑戦します。建築って基本的に凄く高価なものですよね、ですから出来上がりの良さや機能を果たすって言うことと同じ位、その時代に合わせたコストの検証は欠かせません。建設コストの内訳の多くは施工手間が占めるのですからその多寡をきめる設計と施工法の見直しをテーマとしました。
 
写真は屋根の厚物合板の上に貼った気密+防湿ビニール。その真ん中に見えるのが断熱垂木です。このままこの垂木の厚み分、一発で吹き込み断熱を行ってもよいのですがそれだけだと垂木の部分は熱橋(熱の逃げ道)となり、吹き込み部分との間に大きな断熱性能の差を生じます。そこで熱橋を減らす工夫をもう一手間加えて合計約35cm分の屋根断熱を一回で吹き込み施工する予定です。 通常の吹き込み断熱は下から上向きに(例えば下階から天井裏に向かって)作業することが多いですが、今回の場合は下向き仕事(重力方向)に広い面積を吹くことでどの程度時間当たりの施工効率が上げられるのかを確認します。

こちらは外壁の耐力面材(OSB合板)の施工です。写真は北壁を1階まで張ったところですが今後二階まで張り上げ、屋根と同じように気密+防湿ビニールを表面に貼り屋根の気密+防湿ラインと連続させます。接続を待つ屋根の薄緑色のビニールが折り曲げられているのがお分かりでしょうか、要はカブトムシの甲羅のように合板を面貼りした構造体の外側をすっぽりとビニールで覆ってしまうことで従来、壁は室内側、屋根は屋外側(当事務所は使い道の乏しい天井裏が出来る天井断熱は行っていない。基本的に外貼りの屋根断熱が標準なので)にあった気密+防湿ラインをシンプルに連続させました。こうすることで(専門家の人は断面図を思い浮かべてください)室内側から1:構造レイヤー+2:断熱レイヤー+3:通気、仕上げレイヤーが壁も屋根も同じ構造で施工可能になります。またこうした屋根、壁の構造の統一化は各工程の終了を合わせる事が容易になり次の工程の手配も簡単になります。従来のように屋根は屋根専用の断熱納まり、壁は壁でまた別の納まり、床は床で~なんて分けていてはその複雑さが工程の足を引っ張ります。 前述のようにシンプルな3レイヤーに建物構造を統一し、外壁材を貼れば壁、屋根材を貼れば屋根。要は3番目の材料が違うだけでその他は一緒!というシンプルな設計にしました。
 
余談ですがこの後、窓を取り付ければすぐに気密試験が開始できて、もし漏気を発見しても屋根、壁のビニールが全て露出していますから手当ても簡単に出来ます。漏気部分の特定には夏場ですからトレーサーガスを使ってみようかな?なんて考えています。気密試験終了と共に断熱工事開始。室内壁は従来通り大工さん、屋外は吹き込み屋さん。と手分けして一気に始め、こちらも単位面積当たりどの程度の施工出来高になるのかを確認したいと思います。
 
後はお天気が心配。この方法は基本的に雨の多いシーズンだと養生に更なる工夫がいるでしょう。今頃の穏やかな北海道向きですね。
 
今日はヴァレンティーナのピアノ。ラフマニノフで
 
 
 
 
 
 

2016年5月18日水曜日

ニセコの家Ⅱ 建て方開始

 
先週、ニセコの家Ⅱの建て方が始まりました。羊蹄山の麓で小さな家は見る見る出来上がって行きます。それにしてもニセコ晴れ!現場で働くのはとても気持ちのよいものです。
 
写真は床下暖房の配管。ウエルドメッシュ(金網)に安価なO2ストップ管を番線で固定して簡単に現場製作してしまいます。従来は床の上に高価な放熱器を置く設計でしたが、最近の傾向は基礎断熱した床下空間を積極的に暖房空間として活用することで床上の放熱器を不要とするものです。床下に熱源を広く薄く分散させることで、床下のコンクリートの潜熱除去(乾燥)を季節を問わず行うことが出来ます。例えば夏季に床下をほんの少し加温することで露点をかわし(カビの発生を抑え)同時に床下の乾燥を促して、結露の本番、冬に備えます。

JAS認定品の構造柱であることを確認します。近年は輸入材、特に旧東欧の国からの輸入材が増えました。森林大国の北海道ですが地域材がもう少し地元に流通できるような工夫を提案できないものか思案しています。 

梁、根太の天端を揃えた剛床工法はすっかり北海道に定着しましたが、重量のある厚物合板の取りまわしの際、高所でも大工さんたちが安全なように梁のピッチは極力半間(約90cm)以内としそれに直交する根太は20~45cm以内で梁に落とし込めるようにしてあります。従来は10cm角の角材を約90cm間隔に入れる工法でしたが、羽子板ボルトの省略と早期の足場確保のために最近ではこの方法をよく使います。
 

羊蹄山を背景に根太を固定するM職長。設計者としての図面の改良はこうした現場の声を即座に図面にフィードバックすることで行っています。大工さんが安全に効率よく作業できる構造図を描くことも大切なことですよね。

今日は星野源くんのSUNを女性ボーカルで
 

2016年5月3日火曜日

本物

事務所の近くにできた素敵なピザ屋さん。昨日はそこでライブがありました。
美味しい食事と本物の音・・・・・自分もこんな風にありたいなと思いました。

バンドは基本的にアコースティック。ギターなんてエフェクターナシ。
アンプ直結・・・くぅ~っ!シブかったっす。

2016年4月30日土曜日

ニセコの家Ⅱ 基礎工事完了

晴れ上がった羊蹄山の麓で無事に「ニセコの家Ⅱ」の基礎工事が完了しました。3間×4間で12坪の総二階。合計24坪の可愛らしいこの家ですが、さらにコストデザインを突き詰めた新たな300mm断熱として設計しました。従来は3回に分けて行っていた壁の断熱を外部と内部から同時並行で1回で行えるように改良し、屋根も完全な外貼り断熱として約35cmの断熱厚さを1回で施工が完了します。

基礎の外周部分は深基礎とし、内部は浅基礎のフラットスラブを耐圧板にして湧水対策しています。写真で見るとまだ湿って見えるコンクリートの部分が、つなぎ目のない厚み15cmのコンクリート版(フラットスラブ)として地下からの水圧に抵抗します。もちろん力V.S力なら自然にかなうわけがありませんからこの耐圧板の下は深めに砂利を入れ外周の深基礎の下の砕石層とつなげてあります。要は雪解けの時期に基礎の下に一時的に水が入ってもすぐに低いほうに引くように水はけを徹底的に良く改良した地盤の上に基礎を作っています。

コンクリート打設時にトロがボルトに飛んで付着するとボルトの溝を傷めてしまいます。そこで写真のようにしっかりテープで養生しています。また耐圧板のつなぎ目を極力なくすために吊り枠として布(立ち上がり)と床を一体で打設しました。

蟻避けの保護モルタルを塗り下げてから埋め戻しを行いました。

「ニセコの家Ⅱ」の基礎断熱の厚みは20cm。

こちらはパッシブ換気の給気口です。湧水等で地下水位が高い敷地の場合はアースチューブ(地中熱で外気を予熱するための埋設管)はむしろ危険です。通常通り基礎の横腹を抜いて給気管を入れます。

なんとも長閑なニセコの現場。GW明けからいよいよ建て方開始です!
 
さて今日はまじめすぎるブログだったので曲は~オリラジなんていかが(笑)
 
でも・・・思うにオリラジのネタ元はやっぱりこれじゃないだろうか? ft.Hyunaバージョンで
まあ~歌の内容は分らずともこのいケイケ感はオリラジ以上だと思う。(笑)
 
 
 
 
 
 

2016年4月11日月曜日

ニセコの家Ⅱ 基礎の湧水

本日は「ニセコの家Ⅱ」の配筋と仕上がり高さの確認に現場に行ってきました。基礎の周囲の地盤はかなり高低差があって、住宅街の平地とはぜんぜん違います。道路を基準に敷地に入る上で支障のない高さを決め、道路より低い部分は掘削土を用いて埋め戻して道路に擦り付けるようにM所長と打ち合わせを行いました。また融雪期特有の問題として基礎の西側から湧水があり、基礎のベース型枠に流れ込んでくるのでポンプを投入して24時間体制で水を抜いています。

本日の現場は零下の気温。冬に逆戻りしたようです。コンクリートは温度補正なしで施工したいので今は少し気温が上がってほしいです。
 
 

2016年4月9日土曜日

東北住宅新聞社ツアー フロム青森

 
昨日は東北住宅新聞社の紺野さんのアテンドで青森の工務店さん総勢16名が「澄川の家」へ見学にお越しになりました。パッシブ換気が実際に作動する様子や冬場と夏場の使い方、換気量が不足しがちな中間期の対応、パッシブ換気を設計する上での注意点等々を実際の現場を使ってお話しいたしました。

 
最近は大工さんも含めて多くの本州の工務店さんが見学にお見えになります。みなさん同様に凄く真剣で勉強熱心な方たちばかりで、時には自分が恥ずかしく思えるときさえあります。現場見学会の後はセミナー会場に移動して設計用外気温と管径、排気口までの高さを使って設計用換気量を計算する方法や実際の設計における留意点をお話しさせていただきました。

会場移動の際、乗せていただいたバスからの風景(石山通り)。普段バスは使わないので凄く視点が新鮮でした。
 

2016年4月5日火曜日

世界一貧しい大統領

一見豊かな私たちの世界。果たしてほんとうに自分たちは豊かなのか?大切なものを見失ってはいないだろうか?

ムヒカ大統領の演説より   http://logmi.jp/9911

2016年4月2日土曜日

東光の家 お引渡し

昨日は「東光の家」のお引渡しと取り扱い説明でした。昼間は少し春めいては来ても夜間はまだ冷えますね~(笑)。でもしんと冷えた夜に浮かび上がる家の明かりはきれいでした。

給湯暖房器の説明をして・・・・・

キッチンや食器洗浄機の説明をして・・・・・
最後にはお客様から素敵な山形のお酒をいただきました。
想えばこの一年間、貴重な挑戦の機会をいただきました。精一杯家づくりを楽しむことが出来て心より感謝申し上げます。

2016年3月30日水曜日

ニセコの家Ⅱ 現地調査

「ニセコの家Ⅱ」の現地調査が始まりました。今度は又心機一転、雄大な羊蹄山の麓でじっくり家づくりに取り組みたいと思います。担当は飛栄建設のM所長。本日は基礎屋さん、建て主さんと建築位置の確認です。

 
現場の帰りに、2007年に設計させていただいた「ニセコの家」のオーナーさんに教えていただいた、お店のカレーが凄かった。もの凄く美味しいばかりじゃなくその色彩感がきれい。

何気ないスナップが絵になる室内。無理してないのに雰囲気がある。
きっとこういうのをセンスって言うんですよね・・・

片隅を撮ってもヨーロッパの匂いがする。なによりゆったりとしたニセコ時間が最高でした。

東光の家 パッシブ換気作動の様子

 
昨日に引き続き、「東光の家」のパッシブ換気が作動する様子です。冷たい外気を直接取り込む左側の管は大きな内外温度差のために外気の流入量が多いのが見て取れます。一方、右側の管は外部で太陽熱により暖めた外気を取り込むので、相対的に内外温度差が小さくなって流入量が減少します。

今日はケツメイシなんていかが
https://www.youtube.com/watch?v=RWqnve4nxEU

2016年3月29日火曜日

東光の家 パッシブ換気の工夫

超断熱化によって格段に向上する建物特性を上手に利用すれば、家中にダクティング(配管)を行わずとも断熱建物に欠かせない計画換気と計画暖房を同時に解決できる。
 
東光の家のパッシブ換気は今までとは違う新機軸が与えられてる。それは給気予熱にソーラーウオーマーと呼ばれるもう一つの回路を加えたことだ。パッシブ換気の基本原理は家の内と外の温度差による換気量の増大。要は家の内外温度差が大きいほど外気は勢いよく室内に流入する(隙間風が増える)原理を利用するものだ。一方床下に引き込んだその冷たい外気を暖めるためには床下のヒーター(一次エネルギー)が必要になる。一方、この外気を室内に流入する前に一次エネルギーを使わずに暖めてから室内に取り込むことができれば、前述のヒーターに用いるエネルギーを大胆に削減することができることになる。ソーラーウオーマーとはその名の通り、外気を太陽熱で予熱してから床下に引き込むことを目的とする給気予熱専用の太陽熱パネルのことだ。もちろん屋外で外気の温度を上げてしまうから相対的に内外温度差は減少し、結果的に室内への外気流入量は減る。そこでソーラーウオーマー本体には太陽電池で自己発電した電気で動く小さなモーターが内蔵されている。このモーターでファンを回して低下する空気の流速を補うのだ。


 
写真は「東光の家」の床下の給気管。向かって左側が直接外気を引き込む管。右側はソーラーウオーマーを経由した外気が入ってくる管。管の表面温度が低く結露の恐れのある左管は結露除けの断熱ラッキングをしている。より温暖な札幌圏では必要ないが、旭川圏では結露の量も増えるので用心のため行っている。一方、給気温度自体が高い右管は結露リスクも低くなる。風呂場で熱いお茶の入った湯のみが結露しないのと同じ原理だ。
 
こちらは室内に流入する外気の温度差を示した熱画像。外気をダイレクトに引き込む左管は約3.4℃(ほぼ当日の外気温)。一方太陽熱で予熱された右管は13.6℃まで流入する空気温が上昇する。温暖地のように手軽に熱交換換気が使えない道北圏特有の計画換気に対する提案の1つとして今後さらに研究を深め洗練させて行きたいと思う。

こちらはパッシブ換気の高所排気口。排気グリルは湿度感応型で自動的に換気量を可変するデマンド(ニーズ)タイプだ。(ポイント1)*:(ポイント2は壁付けのパイプファン)
 
一般的に室内の暖房された空気は貴重なエネルギー(お金)を使って暖められたものと言い代えてよい。それを換気の必要性(ニーズ)を無視して24時間一定量捨て続けるのは、けして計画的な換気とは言い難い。(笑) 本来、換気のニーズとは居住者の在宅時に生じる呼吸による炭酸ガス濃度の上昇や発汗、また炊事、洗濯、入浴等の生活行動に伴って生じる空気質の低下に対応するものだ。簡単に言えばこうした状況を測る物差しとして生じる湿度の上昇を感知して開いたり閉まったりする排気口がこのデマンドタイプである。
 
たとえば家人が外出し室内空気の汚染源が減少した場合(湿度が下がった場合)は換気量を抑え、反対に家人が帰宅して生活行動が活発化(湿度上昇)した場合は換気量を増やす。
 
 
熱画像を見るとポイント1の排気口から排気されているのが分かる。暖かな室内の空気によって排気口の表面が暖められて壁面と排気口表面の温度差が少ない。一方ポイント2のパイプファンのシャッター表面は外気によって冷やされているのが分かる。
 
こちらは排気口を外部から見たところ。
 
 
外壁が零下に冷やされているのに対して室内の暖房空気によって暖められたセルフード(屋外排気口)はプラスになっている。
 
今日はカーリーじゃなくてローラでCall Me Maybe  この曲大好きなんです。(笑)

東光の家 満員御礼!

3/26.27の二日間に渡り、建て主さんのご好意で実現した見学会。当日は隣町や札幌圏、遠くは道東方面からもたくさんの方々に来ていただくことができました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。(笑)
 
想えば一昨年、完成したばかりの「澄川の家」で初めてお会いした建て主さん。大きな窓と高い吹き抜け天井のある間取りを一目で気に入っていただいて家づくりの仲間に入れていただきました。以前のブログに書いた通り、この二階居間型プランは冬の長い北海道にピッタリの間取りとして力を注いできたものですが、いかんせん札幌圏よりずっと寒冷な道北圏での実績はまだありませんでした。
 
主な理由はいくつかありますがまずはトリプルガラス以上に断熱性に優れた開口部が必用となること。地方都市の常としてインナーカーポートの要望が多いために二階の居室の真下(床)が冷気で冷えやすいこと。建築の設計というものは札幌で問題がないから旭川でも大丈夫とは行かない場合も少なくありませんから、この二つを具体的にどう解決するのかがまずは宿題でした。
 
窓に関しては、断熱サッシのスペシャリストである、びえいからまつ共同組合さんの協力で、30cm断熱で厚くなった壁厚を利用して、ペアガラスを二枚(四重ガラス)使った箱窓として解決することが出来ました。床に関してはマット状のグラスウールに加えて板状断熱材で熱橋(熱の逃げ道)となり易い梁材を丸ごと包みこちらも下階の寒さを感じない床が出来ました。いずれも長年に渡って現場で鍛えられてきたみなさんの技術のおかげです。工期中はこんな素敵なものづくりの環境が身近にあることに何度も感謝しました。

当日は一緒に現場で働いた仲間の多くが、家族や子供を連れて現場に来てくれました。みんな自分の担当した仕事の前で足を止めて嬉しそうに苦労話しをしてくれました。それは私にとって、建て主さんの笑顔と同じくらい嬉しいものです。みんな悩ませてごめんね!でも最高の仕事をありがとう!(笑) 
 
中でも若い大工さんが「自分もこの家の現場に来たかった」と一言・・・「次はぜひ来て下さいね」と私。


南側に設けた開口部は約8畳分の大きさ。春の柔らかな光を浴びて気持ちのよい二日間になりました。もちろんもう暖房はいりません。

尻尾の生えたかわいいのが二匹・・・ 匠工芸の二代目の遊び心・・・スツールなんですが女性に大人気でした。
 
この場をお借りして、素敵な挑戦の機会をいただいた建て主さま、貴重な休日に遠方から足をお運びいただいた来場者のみなさん。そして最も過酷な冬の現場を納めてくれたつくり手のみんなに心より感謝を捧げます。もちろんそんな素敵な職人の妻としてご主人を支える奥様と家族にもです。また次も一緒に仕事をしましょう!心よりありがとう!(笑)
 
今日はそんな仲間に贈ります!3月9日


 

2016年3月21日月曜日

西方さんのブログに載せて頂きました

秋田を中心に全国的に活躍中の環境建築家、西方里見さんが先日「東光の家」にお見えになりました。エコハウスに関する数々の著作で有名な同氏、実は大学時代は北海道とのこと。また古参の新住協(新木造技術研究協議会)のメンバーでもあります。 要は長年に渡り断熱による家づくりを進めてきた先輩に現場を見ていただくという貴重な体験をいただきました。短い時間ではありましたがたいへん密度の高い情報交換の時間となりました。

西方氏が現在、取り組んでいる床下エアコン暖房も床下を予熱空間とするところはパッシブ換気と似ていたり、大きな設備(エネルギー)による問題解決には懐疑的だったりと作り手としての共通項を感じる反面、同じ寒冷地でも旭川ほど寒くない秋田では熱交換換気が主流だったり、総じて電化住宅の割合が高い地域独特の設計思想だったりと凄くためになる時間をいただきました。
この場をお借りして心より御礼申し上げます。

西方さんのブログより http://nisi93.exblog.jp/24237722/

2016年3月17日木曜日

東光の家 見学会のご案内





かねてより、「チーム東光」として取り組んでまいりました旭川市「東光の家」がおかげさまを持ちまして竣工を迎えます。この度、建て主さまのご厚意により見学会を催すこととなりましたのでご希望の方はお知らせ下さい。

たいへん恐縮ですが当日の混乱を避けるために見学会は事前にお申し込みをいただいた方のみとさせていただきますので予めご了承下さい。

■見学をご希望の方は1:住所、2:氏名、3:ご連絡先(携帯可)を記入いただき下記のアドレスまでお送り下さい。確認の後、地図を返信させていただきます。

連絡先 teste-ako.ao@dream.com(誤送信防止のためteste-以降のアドレスをお使い下さい。)

*:いただいた個人情報はご本人様確認以外には使用いたしません。
 

■東光の家とは?
 北海道らしさ溢れる間取りとして最近人気を増す「二階リビング型」。一方、従来から高齢化を気にするあまり、寒冷多雪地域の北海道であってもまだまだ「一階居間型」の間取りも多い。特に地方都市だと車の所有率も高く、そのままでは1階に作りたいものばかりになってしまい、結果的に二階は寝室くらいにしか使えないとなる。またガレージや物置を後から敷地内に増設するケースも多く、そんな理由からお馴染みの雑然とした住宅街のイメージに陥りやすい。そこで発想を逆転し大きな面積を必要とする居間部分(LDK)を緩い階段で二階に上げ、1階の空いたスペースにカーポートや物置を取り込む間取りを考えた。果たして緩い階段で二階に設けられたLDKは巨大な窓も相まって、とても明るく見晴らしもよい。

「西野の家Ⅱ2013」の二階リビング


札幌圏では数棟の実績があるこの「二階リビング型」だが、道北圏では「東光の家」がはじめての試みとなる。この間取りを実現する上で最大の懸念は道北圏特有の厳しい寒さだった。二階を居間とするこの間取りは吹き抜けと大きな窓(8畳~10畳)をセットにすると、とても開放的で気持ちがいい。半年近くも雪に覆われる地域であるからこそ、寒さや雪を気にせず貴重な冬の太陽を存分に室内に取り込めるとしたら・・・・・それはきっと北国の住人誰でもが抱く憧れといってもよいだろう。
「西野里山の家2013」の二階リビング


■超断熱サッシ(Wスキン4重ガラス)
具体的には札幌圏で使うことの多い希ガス入りのトリプルガラスでは性能的に不安なので、以前からアイディアとしてあたためていたWスキン構造の4重ガラスの開口部を地元のびえいからまつ共同組合と一緒に開発することとなった。一般的なトリプルガラスの場合だと開口部の性能を示すU値は概ねU:1.0~0.8W/㎡K程度。一方新開発の4重ガラスを用いた場合はU:0.5台も夢ではない。こうして居間に取り付けられる約8畳(3.6m×4m)の大開口を実現することができた。
「銭函の家2009」で採用したWスキンテラスドア。超断熱化によって必然的に生じる分厚い壁厚を利用して外開き戸と内開き戸を組み合わせ、シンプルに開口部の性能を上げる。ガラスは安価なペアでも性能はトリプルガラスを凌駕する。


■パッシブ換気
寒冷地の断熱建物にとって欠かせないのが計画換気と計画暖房。しかし道北圏の厳しい寒さは熱交換換気(一種換気)を凍結させ充分な解決策とはなり得ない。そこで超断熱化と気密化で建物自体を高性能な煙突に見立て、内外温度差で自然発生する煙突効果を利用して家中の換気と暖房を同時に解決できるパッシブ換気を採用している。「東光の家」ではさらに壁に取り付けたソーラーウオーマー(太陽熱集熱装置)で寒冷な外気を予熱してから床下に導入し暖房負荷の低減を狙っている。

■カラマツ材
美瑛産の唐松材を外装や内装、構造材に用いている。その他にも白樺や真樺材等、地域産の美しい木材を使用した。

性 能
■平成27年度地域型住宅グリーン化事業(長期優良住宅)
■北方型住宅ECOプラス
■フラット35S金利A仕様住宅
■Q値:1.1W/㎡K
■燃費:500L/年.灯油換算
■C値:0.2cm2/㎡

各部仕様
●インナーカーポート+玄関+物置
●パッシブ換気 (換気と暖房に自然エネルギーを併用する北海道産技術)
●薪ストーブによる炎の見える室内。
●道産カラマツ、白樺材による内装
●給湯と暖房(熱源:都市ガスによる潜熱回収型ボイラー)
●4重ガラス(Wスキン)、樹脂製断熱サッシ(トリプルガラス)
●超断熱がもたらす寒さのない穏やかな室内(300mm断熱)
●夜を楽しむ内照式照明、LED照明
●北海道産カラマツによる木貼の外装
●屋根はシート防水による無落雪タイプ
 
施 工
●株式会社 清水組 現場所長:菅野文治 棟梁:菅野和義、職長:菅野昇太
設備工事:株式会社 大林 担当:大林健太
●電気工事:株式会社 美詠 担当:浅野広道
 
サブコンストラクター
●断熱サッシ:びえいからまつ共同組合 平井正美
●20kg超高性能グラスウール:パラマウント硝子工業㈱ 松田三紘
●オーダーキッチン:クリナップ㈱ 直需事業部 石川一人
●製作家具:㈱匠 工 芸     桑原 強
●断熱ブラインド:P.Vソーラーハウス協会 深井萌似
●白樺積層合板:瀧澤ベニヤ㈱  瀧澤貴弘
●ソーラーウオーマー:㈱マツナガ 松永潤一郎
 
環境コンサルタント
●(有)タギ建築環境コンサルタンツ Dr. S.M.タギ
 
プロジェクトマネージャー
●山本亜耕建築設計事務所 山本亜耕  
    

2016年3月15日火曜日

東光の家 上棟式

先週は東光の家の上棟式でした。夏場ならばひと月前がその時期に当たりますが、2月は北海道の厳寒期。中でも道北地域にとって厳しい季節です。現場的にも工程に集中するために時期を見定めておりましたが、建て主さまのご好意もあって晴れて上棟のはこびとなりました。
 
想えば地鎮祭からはや4ヶ月。本当にあっという間でした。現場的にも残すところ内装と家具類の取り付け、最終美装を終えると見学会。正味3週間で「東光の家」の現場も完了です。あと僅かですが、仲間たちと素敵なものづくりの時間をたのしみたいと思います。(笑)
 
宮司さんは地鎮祭の時と同じように見事な笛を吹いて下さいました。吹き抜けの高い天井に朗々と響く大きな声で祝詞(ノリト)が読み上げられ、建て主さまとご家族の繁栄、家内安全、そして現場で働く私たちの安全を祈願していただきました。

 
白木に書かれた立派な棟札。従来の家のような天井裏がない「東光の家」では安置する場所も工夫が要ります。(笑) K所長と相談してピッタリの場所を見つけました。(笑)
 
この棟札には建て主さまの名前ばかりでなく、建設会社の棟梁や設計者の名前も記されています。以前にも書きましたが、次にこの棟札が日の目を見る時は、この家が壊されるか、大改修される時でしょう。その時既に私はこの世にいないかもしれませんが、現場を受け持つであろう未来の大工や現場所長たちが私たちの仕事を見てどんな風に話しているのかとても気になります。(笑) 未来の彼らに笑われぬようあと少し現場に打ち込みたいと思います。

 
美しく変色が進む美瑛産の唐松外壁です。いつも使っているエゾ、トドマツとは異なり木肌の赤い唐松は最初から仕上がりも上品です。年を重ねるごとに味わいを増してくれることを楽しみにしています。
 
さて、あと少し!道北圏では久々の見学会まで、チーム一同頑張ります!(笑)
 
今日は春っぽく!乃木坂ちゃんで(笑)

2016年3月5日土曜日

shiro 武部建設

 
先月の末、旭川からの帰り道、カフェshiroの前を通りかかった。shiroは地元の砂川を中心に展開するオーガニック化粧品のブランド。全国にたくさんの愛用者を持つ。工事中から正面の巨大なカーテンウオールや木造トラスの小屋組み等がちらりと見えて実は気になっていた。
 
先日、別件で武部社長にお会いする機会があってお話しをお聞きしたが、全て自社の設計施工とのことで正直驚いた。こんな店舗や住宅がばんばん出来るなら近い将来、設計屋なんていらなくなるだろうな~(笑)と恐くなりつつも、ある意味北海道のリアルを体現していると感じた。
 
ご存知、武部建設さんと言えば、80年代から高断熱高気密による北国の家を熱心に探求し、新住協(一社 新木造住宅技術研究協議会)の古参会員としてまた役員として北海道の家づくりに取り組んできた輝かしい実績がある。日本の多くの地域でいまだに、断熱推進派VS伝統的木造派の対立構造が言われる一方、同社では断熱が伝統的木造をよりよくするという視点に立って古民家の再生(時には改良)に携わってきた。もちろん純粋な和小屋も得意だが、開拓期にアメリカから伝えられたトラス構造による大スパンの小屋組み再生は今や、同社の特色あるライフワークと呼んでいいだろう。
 
まさに今、北海道の建築は環境的デザインの時代に急速に動きつつあることを感じた。
 
武部さん~かっこいい~(笑) ! これからも「Q1古民家」とか「超断熱デンモク(伝統的木造)」とかオリジナリティー溢れる仕事をたくさん見せてください。もちろん「超断熱10mスパンぶっ飛ばし住宅」なんかも楽しみにしています。(笑)

 
武部建設株式会社HP http://www.tkb2000.co.jp/
 
 
 
 

東光の家 製作キッチン打ち合わせ

「宮ノ丘の家Ⅱ」の製作キッチン
 
 
以前のブログでも何回かご紹介してきた特注のキッチン。それぞれの家の主婦の要望を元に各部のパーツを厳選して作るオーダーキッチンはとても人気があります。写真はクリナップ直需事業部の石川氏と打ち合わせをする「東光の家」の建て主ご夫妻。天板の材質や磨き方、シンクの種類やカラン。作業台の高さに照明、ビルトイン機器のバリエーション等々・・・・・石川氏の手に掛かれば自分だけの一台が手に入るとあって、最近はほとんどのクライアントさんから逆指名(笑)をいただきます。もちろん一台、一台レイアウトも仕様も違うわけですから石川氏の苦労たるやたいへんなもので・・・一方そうした職人技が北海道独特のLDKと呼ばれる一体空間を安らぎに満ちた家族の場にしてくれます。
 
みなさんが何気なく受け入れているLDKの大空間は実は北海道独特の空間で、他の地域に行くと食堂と台所のスペースをまとめて居間から離したりするのが一般的です。一方、家の中心にストーブを置いて暖を取りながら暮らしてきた北海道ではこれらをまとめて一体の空間とすることに抵抗感が薄くそれが現在の一体的なLDKにつながっていると言われています。

 
要はLDKに入ると、ドーンとお客さまを出迎えるのが対面型キッチン!
イメージ的には家具の王様的な存在ともいえるでしょう。

さてさてもうすぐ竣工の「東光の家」ですがどんなキッチンになるのでしょう。今から楽しみです。
 
キッチンの記事は人気なので(笑)
 
 
今日は星野 源くんなんていかが、この曲彼らしさ満点です!(笑)