2022年11月25日金曜日

住い手のみなさん、ありがとう

 

先日、ふとフェイスブックを見たら「藻岩の家」が住まい手さんによって投稿されていました。いつもは自分が投稿する側なので・・なんだか不思議な感じ/笑・・でも嬉しかったのはとても幸せな様子が伝わってきたこと。住まい手さんにとって最高のアジト/笑になることを心よりお祈りしています。

今年も年始からウッドショックにウクライナ戦争・・最近では歴史的円安等々・・建築業界的には大変な一年でしたが・・こんな風に喜んでいただいて今ではホッとしています。

こちらは久々に点検で伺った「追分の家」。少し見ない間に外壁は味わいを増していて・・こちらも楽しそうに暮らされている様子が伝わってきました。
住まい手さんにあらためて住み心地や冬前の注意点をお伝えし、お引越し後から現在までのお話しになりました。その中で・・「ブログってまさにその人の人間性が出るんですよね」そんなお話しを聞いて、こちらも少し不思議な気分になりました。

特にブログは他の交流型SNSと違って匿名性の高いものです。意外に読者の方々の生の声を聞くことは少なく・・建て主さんと言えども如何に計画するか?問題を解決するか?の話しが多くなるので必然的にご契約前のブログの感想なんて中々・・そんな中で、実は今日の日があるのは~なーんて聞くと・・設計者冥利に尽きます。

ああ忘れていました、上の写真はお嬢さんのお友達が遊びに来ていて大好評の屋外テラスの様子。こんな風に楽しんでお使いいただき本当に幸せ・・また雪の前に伺いますね!/笑

今日はテイラーで・・








2022年11月22日火曜日

藻岩の家各室スナップ

「藻岩の家」の各室スナップ。見学会では多数のご来場ありがとうございます。夏のみならず雪と氷点下を前提とした設計の数々をぜひご覧ください。

地方都市の共働きには車二台必要でしょう。とか・・靴や体に雪が付くことを前提にした玄関とか、ウインタースポーツや季節のアクティビティに対応する土間空間、基礎断熱で手に入る床下も照明と換気を完備して使える空間に変えようとか・・・ああ忘れてました・・ジンギスカンやBBQが一層楽しくなる半屋外空間とか/笑

当事務所のミッションは地域固有の「らしさを建築化」することなんです。

 地方都市に車二台の要求は多いし、今回のような敷地環境だと必要ですよね。もちろん車二台だと冬タイヤも合計8本にもなる訳でして・・その他にも冬に欠かせない灯油やガスの給油やボンベ交換等々・・敷地周辺の道路事情や積雪量等に応じて、住宅本体とは別に附帯施設には工夫が必要です。もしこれが街中ならまた違った視点が求められます。
前面道路が4mしかないので冬給油のローリーが停まると道路を占領しちゃいます。唯一の生活道路がそれだとご近所さんに申し訳ないのでカーポート自体を2.3m道路から離し寄り付き空間を確保。もちろん昨年のような大雪の年は家の前までローリーも来てくれない。そんな場合は画面右奥からホースを引っ張ってきて給油せざるを得ない。なので灯油タンクはこの位置なんです。普通・・ガスや灯油なんて家の前に置きたくないじゃない?でもそれに向き合って解決する方法が今回は特に求められました。

車二台ともなれば替えタイヤは常時8本、それ以外にも夏場なら除雪機やスコップ&シャベルその他、一般的に必要となる家庭の物置容量が必要。日本の家づくりってほぼこの屋外物置に関心がないので、実際はカーポート共々完成後にホームセンターに買いに行くのが悲しいかな・・当たり前。ちなみに物置の広さは4畳、灯油&ガス置き場が2畳です。

北海道に住まう人の夏季の楽しみジンギスカン&BBQ。意外や意外・・雪のない時期に屋外で大らかに肉を焼き近所から苦情がこない地域が北海道。当事務所の設計でも安全安心にこの愛すべきリクリエーションを行える場所を大切にしています。具体的には床が熱に対して安心できるものであること、煙がこもらない構造であること。そんな理由でこんな風に作っています。広さは18畳もありますから家族の他に両親や兄弟世帯を呼ぶのもOK。

例えばね・・子供たちと一緒に雪まみれになって遊んだ後とか・・明日のスキー学習に備えてワックス塗ってあげるね~とか・・雪まみれのヤッケやボード&スキーを乾燥させたいとか・・肩や靴の雪を払ってもお母さんに叱られない玄関とか・・色々と違った工夫が要るんですよ/笑

そんな理由で雪国向けの大きな玄関土間です!

北国に住んだことのある人だと分かると思うけど・・気候に幅があるとアウターって凄く増えるじゃないですか。北海道もまさにそう。春、秋、冬のアウターや靴は雪のない地域のほぼ倍・・なのでこんな空間が凄く喜ばれる。学生時代に習った住宅作家の巨匠たちの狭い玄関だと・・まあ無理かな/笑

基礎をぐるりと外断熱した結果・・床下は室内として手に入る。こんな便利で使える空間、なぜ今まで注目しなかったんだろう?って設計者として疑問になるくらい凄く役に立つ。子供たちの探検ごっこにも最高だし、小さな設備屋さんたちは「あのね今日ちょっと床下濡れてたよ」なーんてすぐに教えてくれる。壊れにくいものを作ることも大切だけど・・普段から簡単に目視できる。直し易いことも大切。

床下に置いた小さな熱源は上階を暖めると同時に外断熱されたコンクリートを簡単に蓄熱させる。蓄えた熱を引き出すために冷たい外気を床下に導入し、作り出した温度差勾配を利用して無理なく外気に予熱(熱交換)を行う。つまりパッシブ換気って冷気をダイレクトに部屋に入れないから、すごく居心地がいい。もちろん季節ものの収納や基礎コンクリートの乾燥にも合理的。
手摺は白樺合板。太鼓状に面取りしてWAX仕上。壁はぱっと見塗り壁ですけど、実は表具。補修&塗装可能な石膏素材の壁紙です。

スッと水平に通した薄い床で上下に分割された水廻りの図。「階間に隠蔽ダクト」という縛りから自由になったおかげで、階高やフトコロ厚もまた自由。

すごく大切な家庭事務を中心とした裏のサービス動線。ハレの空間づくりにばっか集中する人が居るけどこういう整理や収納のスペースを用意してあげるから・・結果的に居間や食堂が片付きます!という考え。

眺め的に思いっきり開放可能な方角とそうでない方角を区別して作る半屋外空間。高断熱高気密住宅がともすれば失いがちな大切な空間。暖かいところだけでもダメ、部屋ごとに温度ムラがあるなんてもっとダメ・・意図的に暖かい、涼しい、ちょっと寒い、寒いを選択できるようにするのが大事。

ふり返ると半屋外の収納が・・例えば手直に使う根菜類をちょっと仕舞っておきたいとか、二階がKなので明日朝のゴミ袋をちょっと入れておきたい等々・・もちろん二階テラスは夏も最高なので、ホットプレートや椅子&机なんかも仕舞っておけます。

最近はまっているFIVE NEW OLDいいっすね~