ベース(底板)と布(立ち上がり部分)の配筋が終了し、保険法人の第三者検査に合格した「西野の家Ⅱ」。もうみなさんお馴染みですがさらにその後に私がチェックに入ります。別に嫌味なわけでもなんでもなく、監理業務というものは複数の目で見て何回も確認することが大切だからです。特にコンクリートは施工すると後から鉄筋を見ることが出来ません。そこで複数の場所を抜き出してチェックしてゆきます。
まずはトップ筋の本数と径、以前もご紹介したようにここ最近は、標準仕様の基礎でも長期優良住宅仕様の鉄筋量を増やした配筋で設計しています。写真はトップ筋が二本ある様子また径が13mmであることを確認したものです。
次は床下の人通口の斜め補強筋の確認です。写真の真ん中より上、斜めの鉄筋が見えますか?次は重ね継ぎ手の長さの確認です。写真中央に鉄筋の継ぎ手が来ています。トップ筋は13mmでしたから40倍以上の重なり部分が必要です。13×40≒52cm以上です。私の布基礎の縦筋と横筋の間隔は20cmのマス目ですので、もう一度写真を見て3マス目以上あるのでOK!といった具合です。
土の上に直接鉄筋を置くと、土の水分で鉄筋はすぐに錆びてしまいますよね?そこで6cm角のコンクリートのピースの上に鉄筋を組んで底にもコンクリートが回るようにします。この6cmをかぶり厚さといって基礎の各部で最低必用な寸法が決められています。そこで私たちは監理の際にそうした寸法を逐一測ってゆくのです。ところで鉄筋が錆びている!と気になった人はいませんか?この錆び、ピカピカになるまで磨いたほうが良いでしょうか?皆さんはどう思いますか?これは建築士の試験問題にもあるんです(笑)。正解は錆びは絶対落としてはいけないです。理由はコンクリートの付着強度が下がるから、もうひとつはコンクリートは強アルカリ性で錆びの進行を長期的に抑制できるからです。もちろんコンクリートも長期的には老化します。専門的には中性化といってアルカリ性の性質が少しづつ失われ、鉄筋の錆びの進行を抑制できなくなってゆきます。しかしそのスパンは平均的な使用期間を十分上回る長さなのであまり心配する必要はありません。
コーナー部分の斜め補強筋を確認します。
拡大した人通口周囲の斜め補強筋です。
出隈部分の重なりと、ピースの数、ねじれの無さを確認します。
現場から出土した強大な石。長さ1.5m、縦横0.7m重たくてとても場外に運び出せないのでコンクリート土間を支える下地として再利用します。これならば床が下がることはまずないでしょう。(笑)
さて3現場が揃ったところで今日はジャーニーでもいかが?