気密試験が終了するといよいよ電気配線工事。内装と室内側付加断熱を兼ねる下地を室内側にもう一層作り、そこに配線してゆきます。上の写真はそんな特別製の壁構造がよく分る写真。水平に走る下地材の上にオレンジ色の気密ビニールが見え、その上にもう一層下地が組まれ断熱されているのがお分かりいただけると思います。私たちの現場では気密ビニルの内側で電気の配線を行います。こうすることで気密ビニールを破くことなく配線が自由にできるようになります。現在一般的な仕様書では壁の中に配線しておいた線をビニールに穴を空けて取り出しスイッチや器具を取り付けます。穴の開いた部分は再度気密処理となっていますが、別の観点から見ればそもそもせっかく大工さんが苦労して完成させた気密構造を一時的とはいえ破るのは矛盾していると思います。そこで設計の段階から断熱層と配線層は分けて計画することで各工種どうしの衝突をなくし、気分的にも性能的にもより高い水準を目指しています。こうしたディティールの工夫は設計者にしか出来ないことです。特に若い設計者にお願いしたいのは正しい設計思想を図面化することを普段から意識し、仕様書の丸呑みではなく健全に疑う「なぜ?」の精神を大切にしてほしいのです。
ビニールの内側に取り付けるので気密コンセントボックスやシール材は必要ありません。
電気の配線が行われるということは、他の配管も同様ですので貫通部分等々を確認してゆきます。写真はお湯と水の配管。二階のキッチン用です。
こっちは暖房用の配管です。
先日の気密試験はまずまずでしたが、気密性能命の武田社長により外部側から気密シールされた窓廻り。これから雪に備えて外壁先行で仕事を進めますので隠蔽部分は再度チェックです。
秋晴れの中快調に工程を消化する「宮の森の家」