本日は快晴の中「桂岡の家Ⅱ」の根切工事が始まりました。今日はとても暖かで気の早い桜のつぼみがピンクに色付いてきました。
旧国道5号線より山側に位置する敷地は基本は石原。掘るとたくさん石が出てきます。地盤は非常に良好なのでシンプルに直接基礎(杭ナシ)で家が建ちます。
写真は総掘りをしたところ。パッシブ換気と収納目的で床下をいわゆる”床の下”ではなくて暖房された室内として使うために、基礎の大きさで総掘りした地盤に水はけのよい砂利を入れてよく突き固めて均シ、防湿&断熱してから厚さ15cmのコンクリート耐圧板を打ちます。
今日は風が強く沖では白波が立っています。光の強さのせいもあると思いますが冬の憂鬱な色とは全然違って見える春の海です。居間にはこの景色を取り入れたいと思います。
反対から見るとこんな感じです。重機(ユンボ)の後ろに山のようにそびえるのがEPS断熱材。基礎立ち上がりは外断熱で160mm厚、耐圧板下は50mm厚。
基礎の周りが毎年冷たい雪解け水に触れても床下が冷たくならず結露しないように、基礎は一般的に多い外周部だけではなく耐圧板下まで断熱してしまいます。丁度船底をぐるりと断熱する要領で地盤の熱が基礎内に伝わらないようにします。
よく聞く床下の夏型結露は地盤の冷たさで冷やされた基礎のコンクリートに夏場の暑く高湿な空気が触れて起こります。解決策はシンプルに冷えたコンクリートを暖めることですが、もし断熱が無いと加温するための設備を丸々後から床下に入れねばなりません。そこで断熱と暖房熱源を最初から結露し易い床下に計画しておくのです。仮に結露したとしてもほんの少し暖房を稼働させれば結露は解決。近年のゲリラ豪雨や夏場の異常な蒸し暑さで北海道の家も冬のみならず夏場の結露対策も重要になってきています。
30数坪の小さな家でもこれだけのボリュウム。建築好きな近所のお父さんからはほぼ必ず「こんなにどこに使うの?」なんて声が聞こえてきます。
断熱好きが多い北海道の人でも想像を絶する量なのだと最近気づきました。実はこのくらいは使いませんと快適な家にはできません。一般に多い50~75mmでは全然不足。もし薄くしたいのなら断熱性能の良い高級なXPSをお薦めします。
こちらは基礎外周部立ち上がりに使う160mmです。
今日は風も気持ちいいしバンアパだね(笑)