3/26.27の二日間に渡り、建て主さんのご好意で実現した見学会。当日は隣町や札幌圏、遠くは道東方面からもたくさんの方々に来ていただくことができました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。(笑)
想えば一昨年、完成したばかりの「澄川の家」で初めてお会いした建て主さん。大きな窓と高い吹き抜け天井のある間取りを一目で気に入っていただいて家づくりの仲間に入れていただきました。以前のブログに書いた通り、この二階居間型プランは冬の長い北海道にピッタリの間取りとして力を注いできたものですが、いかんせん札幌圏よりずっと寒冷な道北圏での実績はまだありませんでした。
主な理由はいくつかありますがまずはトリプルガラス以上に断熱性に優れた開口部が必用となること。地方都市の常としてインナーカーポートの要望が多いために二階の居室の真下(床)が冷気で冷えやすいこと。建築の設計というものは札幌で問題がないから旭川でも大丈夫とは行かない場合も少なくありませんから、この二つを具体的にどう解決するのかがまずは宿題でした。
窓に関しては、断熱サッシのスペシャリストである、びえいからまつ共同組合さんの協力で、30cm断熱で厚くなった壁厚を利用して、ペアガラスを二枚(四重ガラス)使った箱窓として解決することが出来ました。床に関してはマット状のグラスウールに加えて板状断熱材で熱橋(熱の逃げ道)となり易い梁材を丸ごと包みこちらも下階の寒さを感じない床が出来ました。いずれも長年に渡って現場で鍛えられてきたみなさんの技術のおかげです。工期中はこんな素敵なものづくりの環境が身近にあることに何度も感謝しました。
当日は一緒に現場で働いた仲間の多くが、家族や子供を連れて現場に来てくれました。みんな自分の担当した仕事の前で足を止めて嬉しそうに苦労話しをしてくれました。それは私にとって、建て主さんの笑顔と同じくらい嬉しいものです。みんな悩ませてごめんね!でも最高の仕事をありがとう!(笑)
中でも若い大工さんが「自分もこの家の現場に来たかった」と一言・・・「次はぜひ来て下さいね」と私。
南側に設けた開口部は約8畳分の大きさ。春の柔らかな光を浴びて気持ちのよい二日間になりました。もちろんもう暖房はいりません。
尻尾の生えたかわいいのが二匹・・・ 匠工芸の二代目の遊び心・・・スツールなんですが女性に大人気でした。
この場をお借りして、素敵な挑戦の機会をいただいた建て主さま、貴重な休日に遠方から足をお運びいただいた来場者のみなさん。そして最も過酷な冬の現場を納めてくれたつくり手のみんなに心より感謝を捧げます。もちろんそんな素敵な職人の妻としてご主人を支える奥様と家族にもです。また次も一緒に仕事をしましょう!心よりありがとう!(笑)
今日はそんな仲間に贈ります!3月9日