2019年7月19日金曜日

新琴似の家Ⅱ 建て方開始

本日7/19(金)より「新琴似の家Ⅱ」の建て方が始まりました。

写真は床の合板を敷く前に土台の下を室内側から気密処理しているところ。もちろん防湿シート一体の気密レールを用いますが、二次気密はこんな風に外周部を全て丁寧に行います。
 
現代的な断熱(古来からある茅葺屋根のような開放系断熱以外のもの)は気密を併用することではじめてその効果を発揮しますから非常に大切な仕事です。
 
ちなみに断熱の黎明期には断熱とは気密を伴うものであるという認識が希薄でした。1980年代以降同じ断熱厚さのままで飛躍的に暖かい家に変貌して行く背景には気密の重要性の発見(理屈ではなく体験を通した)がありました。
 
こんな風に家全体の気密に気を付けることに加えて、必ず最後には気密試験を行ってその確実性を定量的に把握します。
 
大工さんが必要な手間をかけることはいつの時代も大切なことです。一方それが確実にもれなく成されているか否かを確認すことは結果として大工さんの仕事を手落ちの無い真に価値あるものに高めてくれます。
 
気密試験をまるで大工のアラ探しのように勘違いする人が居ますが、自らのミスを自ら発見できないところに仕事の本当の難しさがあります。むしろ次の工程に進む前に早く見付けてくれてよかった。
 
こんな意識を普段から現場に根付かせておくことが住まいの品質を守るコツだと思います。

ですから棟梁自ら行います。
 
 
敷地は三方をぐるりと隣家が迫る住宅街の真ん中です。

資材置き場や搬入経路は北側道路側に僅かしか取れません。そこで道路に最も近づくアプローチ上屋を別棟としそこを資材の仮置き場とできるように建物を敷地奥に配置しました。
 
要は手前の資材を使って奥の建物から作り、資材がなくなったところで道路に最も近いアプローチを作って仕事が終わるように考えました。
こちらは断熱構造を作る上で必要となる屋根廻りの役物加工図。これも私が描いてそのデーターを基にプレカット工場で加工して現場に搬入します。
 
充填断熱には必ず下地が必要になりますからそれらも極力現場加工とならぬように事前に解決しておきます。
 
写真では大工さんとの打ち合わせの結果2の部品は不要となったことを示しています。
 
午後からの雨で残念ながら建て方は中断。明日は屋根まで頑張ろう!
 
今日はパオロ フレスのペットでも聞きますか・・・