2014年10月23日木曜日

宮の森の家 断熱工事

雨にも当たらず、快調に工程を消化する「宮の森の家」写真は室内側から屋根の断熱材を写したものです。構造用の垂木間隔は約30cm。その間約26cmに厚み24cmの高性能グラスウールを充填します。以前に書いたとおり屋根の外側には約11cmのグラスウールが既に入っていますから屋根だけで35cmの断熱厚さになります。一般によく断熱施工の目安として引用される次世代省エネ基準(2013年基準)に比べると随分厚いのですが、その理由として私が値よりも体感を重視するというところがあります。大切なことは住まい手のみなさんが断熱の良さを体感できる事。そのために必要な量が適切な断熱であり、計算値を根拠にした最低限の断熱仕様とはベクトルが異なるのです。将来的に更なる高騰が予想されるエネルギーコストや反面エネルギー無しでは成り立たない私たちの暮らしを考えると、安易に断熱仕様を決めるのには抵抗があるのです。

こちら側は西側の庇の金物。かなり形状を改良してこの形に成りました。

既に外部廻りの断熱は完了し雨に向けても万全の体制。さすがU棟梁。手際の良さが光ります。

開口部の周りは防水透湿シートをしっかり壁に折り込んでテーピングします。

もはや外観はこの状態。不意の雨にも万全。現在は室内から最後に残った壁の断熱材を入れています。

宮ノ丘の家Ⅱ 型枠工事

基礎の型枠が完了し、コンクリート打設を待つ「宮ノ丘の家Ⅱ」。今の季節は型枠の中に落ち葉が入りやすいので極力取り除きます。

特徴的なのは外部廻りの型枠がなく、断熱材で併用しているところです。基礎に用いる断熱材は厚み14cmもありますので鋼材で補強すればコンクリートの圧力に耐える型枠として使えます。こんな風に工夫して毎月どんどん上がる型枠のコストと工期を圧縮します。

通常は画面左のように型枠のベニアが見えますが左はEPS断熱材が型枠を兼ねます。当然ながら型枠をばらす工程も断熱材を使うと不要になります。急斜面の下から大量の型枠を担ぎ上げるのは重労働ですからこんな工夫がとても役立ちます。

澄川の家 内装工事

床貼り工程に入った「澄川の家」この時期になると内装関連の最終的な「決め」の打ち合わせが多くなります。タイルや左官壁に壁紙が入り混じる「澄川の家」ではそれらの取り合い(異なる素材のぶつかる境の意味)の打ち合わせをしっかり行う必要があります。見本も到着して大工、左官、タイル、壁紙、各工種の職長と納まりの最終確認です。 

こちらは大工の大仕事。階段掛けに集中するM棟梁の後姿。階段は大工の腕の見せ所。当事務所の設計では毎回ながら力の入る部分です。

こちらが試作された階段の段板と蹴込板。パッシブ換気の戻り空気が通過するスリットが見えます。初めての工務店とお仕事をする際は次回の現場のためとメモ代わりにこうした部分は極力試作をして作り手と設計者双方で完成形を共有する意識が大切です。

今回の床材はカバ。最近気に入って使っている樹種です。オイルで仕上げると赤味が増して美しい表情になります。室内に多用される白樺の積層合板との愛称もよくとても人気があります。

到着した匠工芸の床ガラリ。すっかりお馴染みになった旭川家具のメーカー㈱匠工芸の床ガラリ。ウオールナットやチーク、ナラ、タモ、ニレ、クルミなんかの樹種で作る美しい製品で当事務所のオリジナルデザインです。
 

ひとつひとつ手作りなので微妙に表情が違い同じものはありませんが、今回は白樺積層合板の枠と合わせてみました。お金が床下に落ちないようにしっかり内部にはネットも入っています。