いよいよ始まったシステムエア社、スキンスカッテベーリ工場視察。案内役はマグナスさん。ダメもとで・・・「写真は?」と聞くと意外にも「全てOK!隠すものなんてない」とニヤリ。
おいおい・・グローバル企業の工場内を全て撮影していいの??まじ?
つーことは・・・御社の
最新型の全熱交換気の製造ラインやロータリー型熱交換素子の内部やドレン、凍結防止ヒーターや内部結露防止の数々の工夫、フィルターの種類や素材、それらのアジアの生産拠点までぜーんぶ分っちゃうけど・・・もし私が○○電気の回し者だったら??(笑)
確かに熱交換換気自体の原理は新しいものじゃない。けど生産現場はその企業が数々の失敗を元に蓄積してきたノウハウの宝庫。それを惜しげもなく「いいよ!」の一言・・
のっけから・・クラクラ来ました。(笑)
こちらは本体を製造するためのコイル。溶融亜鉛めっき鋼板。使用想定環境によって亜鉛ジンクの皮膜厚みが異なるものを使用します。
工場に取り付けられた顕熱型ユニット。配管は全て巨大なスパイラルコイル管。当然ながら外気導入管はしっかりと防露されている。工場内は室温16℃で管理されている。
本国の工場らしく徹底的に自動化され人が少ない。
サプライ(給気)の方向と量を自由に調整し分散するグリルデフューザー(吹き出し口)。
機能もさることながらデザインもカワイイ。
システムエア社の定番商品である3種のユニットを指差し、説明をするマグナス氏。
同社の製品の多くが、たとえ古いものでも内部のモーターを最新のECモーターに交換することが可能とのこと。うーん日本とはぜんぜん製品の設計思想が違う。
ニルセンさんが案内してくれたのは大型のユニットの生産現場。新型のGENIOSを作っている。
こちらは現在建設中のテクニカルセンター(実験研究棟)
えっ本当に中見ていいの?(笑)
こちらがその内部。工事中だけれど既に空調が稼動していて内部は快適。完成後にはじめて設備を動かす日本とは逆。案内はジョニーさん。
こちらは巨大な無響室。もちろん世界最大。扉を閉めると完全に近い無反響環境が得られる。室内に空気を満たしたまま、音すなわち空気の波の影響を受けない実験環境で熱交換後のサプライ空気の伝播や拡散をスモークとレーザーで観測することができる。
当然ながら、室内の空気温と熱交換後のサプライ空気の温度は微妙に異なる。これをいかに穏やかに混ぜ有害な気流感を抑えるか、要は比重の異なる空気の混合という難しい仕事を担うディフューザー(吹き出し口)のデザインを決めるために欠かせない施設なのだ。
この他にも反響がほぼ抑えられるので機械そのものの騒音の大きさを正確に把握することが出来る。
この他にも恒温実験室。要は世界中の気候をリアルに再現する施設で、機械や配管内部の湿度&温度変動を観測しホコリや汚れがどんな風に蓄積するのか、カビやウイルスの繁殖環境も再現可能とのことのようだ。
世界中で製品が使われる企業にとっては、むしろ当然のことなのだろう。
こちらは新型の全熱交換型ユニットのGENIOS。内部では巨大なロータリ型素子が回転している。でも凄く静か。デフロスターの熱源は電気ではなく温水。左奥の上に赤い膨張タンクが見える。平たく言えばこの機械の中に温水パネルヒーターが内蔵されていて、必要時は通水して内部を加温する。
こちらは新しいオフイス。
様々な方向を向いたディフューザー(吹き出し口)配管施工の品質が高くインテリアみたい。基本的に隠すという意識自体が薄い感じ。
こちらは食堂。
天井はこんな感じで意匠的な配管が整然と並ぶ。
こちらはシステムエアの法務担当取締役のミカ氏。ヨーロッパや北米各国の工業規格に精通している。ヨーロッパ内でも各国の規格はかなり異なるから、製品を安定的に販売するためには共通規格化のために大元となる各国のローカルレギュレーションの研究が欠かせない。また、断熱気密空間を前提とした空調と言うビジネスの世界において万が一の事故やその訴訟に備える姿勢は当然ながら自己防衛の観点からも欠かせないのだろう。
「たとえばドイツの○○規格の大もとは○○で、北米の△△規格とほとんど一緒・・・・・」
うわ~っすげ~・・・っていう感じ。
世界中の膨大で複雑な工業規格の世界が一気に簡単になる。
「でっ!わざわざスウェーデンまで来た目的は?なにか私に手伝えることはあるかな?」とミカ氏。
本国で用いる空調配管の施工方法やその清掃に関する規則や手引きはありますか?
「イエス!あるよ・・・データー丸ごとあげるから・・・メモリ足りる?(笑)」
うーんミカさんありがとう。 学ぶ環境って大切ですよね~(笑) 今日はここまで。
今日はJazzTronikなんていかが