本日は「桂岡の家Ⅱ」の構造図を描いています。
コロナや雪の心配もあれど、春一番の着工を目指して快調に実施設計を進めている「桂岡の家Ⅱ」。もちろん「北方型住宅2020」仕様ですから長期優良住宅の要件である耐震等級2を豪雪地域の小樽市内でクリアせねばなりません。そのために担当工務店である丸作吉田建産株式会社(以降:ヨシケン)さんオリジナルのハイブリッド工法で設計を進めています。
「北方型住宅2020」とは? https://www.kita-smile.jp/north2020
日本古来の伝統工法とは異なり戦後普及した我が国の在来軸組工法は当初、斜め材による筋交いで耐震性を確保していましたが、特に外壁に関しては断熱施工の難しさ、それに伴う壁内結露や腐朽の問題に直面し、現在では主に外壁に構造用合板を貼るスタイルに進化しています。
明治以降、地域をあげて洋風化が始まった北海道ではいわゆるお雇い外国人(洋風化を目的に本国から招いた外国人教師)を通して現在の枠組み壁工法(2×4工法)の元祖であるバルーン工法がアメリカからもたらされます。札幌時計台はまさにそれで、工法は知らねど全国的にすっかりお馴染みだと思います。
実は北海道って和風の流れの中にちょっと洋風の香りが混ざるのにはこんな理由があるからでして・・今ではこれも愛すべき地域性だと思っています(笑)。
その後、主に道東地域においては在来工法よりむしろ2×4がより身近な工法として発展したり、それが結果的に在来工法の進化も促したのは、やはりライバルの存在って大切だなあ~と感じるところです。
そんな理由で、北海道の作り手である私的には、在来工法も2×4工法も和小屋組も洋小屋組(トラス)もみな小僧時代から馴染み深いものですし、時代の中でそれを作り上げてきた工務店さんや棟梁さんたちをリスペクトしているという訳なのです。
まさにヨシケンさんのハイブリッド工法はそんな地域のオリジナリティーに溢れた独創性を感じさせるもの。過去には自社オリジナルとして個別認定も取得しています。
プレカットは従来通り工場で、柱の間に入れる耐力面材であるパネルは自社の土場で作り現地で合体するという共同作業がキモですから、設計者の役割は工場と土場を間違いなく結ぶことになります。
面白さ半分、緊張感半分・・でも学べば学ぶほど合理的で洗練されていて毎日、新たな学びに喜びを感じています。それもこれも私に自邸の設計というチャンスを与えて下さった住まい手さんのおかげ、もう一つはヨシケンさんをご紹介いただいた同期のM社長さんのおかげです。
ヨシケン一級建築士事務所HP https://www.daichinoie.co.jp/
引き続き地域色豊かな設計を楽しませていただきます。(笑)
最近は主に図面描きに全集中なので作図のお供はYouTube。コロナもあってたくさんのアーティストの方が動画をUPされていますよね。みなさんお上手な人ばかりでびっくり・・今日はそんな中からAyasaさんなんていかがでしょ!