2011年6月11日土曜日

R住宅と住宅検査人

新築の際は、法的に定められた手続きや守るべき基準がたくさんありますが、リフォーム(修理)はほとんど建て主の裁量に任されているのがわが国の実情です。自由である反面野放し状態となりやすくリフォーム詐欺のような被害も後を絶ちません。でもストック型社会とは文字通り、新築よりリフォームの割合が多くなる世の中です。今までのスクラップ&ビルドのほうがむしろ不自然。これからは新築力よりリフォーム力ってことでしょうか?しかしリフォームもいろいろなブランドや仕様があって迷いますよね~?私の事務所では二年前からR住宅仕様の「大規模リフォーム」に積極的に取り組んでいます。

 北海道、住宅供給事業者、不動産業者が官民一体で取り組むR住宅は、いわゆる「リフォームのミシュラン」、改装計画をたてる際に第三者(この場合は住宅検査人)の診断を設計に盛り込むことが一つの条件になっています。まさにセカンドオピニオン。従来の調査人=設計者=工事業者といった一人3役の弊害を改め、複数の専門家の診断がリフォームの中身に生かされるところがR住宅の一番の特徴なのです。

 検査をしていただいたのはエスパス一級建築士事務所の宮下氏。R住宅にリフォームする上で必要となる住宅検査人の資格取得者、第一号です。同社は既存住宅の調査に特化したノウハウを有し、丁寧な仕事には定評があります。この日も約4時間掛けて家中を調べていただきました。毎度の事ながら、家づくりに対する環境はたいへん恵まれているのが北海道のよいところです。

今年もR住宅の参加事業者の募集が始まりました。

詳しくは:R住宅HPまで http://hokkaido-r.jp/

既存住宅の調査.診断なら エスパス一級建築士事務所 http://www.espas.biz/


R住宅の検査内容は現在、目視検査の中では最も詳細なものの一つでしょう。写真は床の高低差をレーザー水準器で測っているところ。


こちらは床の傾斜を計っているところです。


拝啓 日本人の皆さまへ(私も含む)

これから大切になる思考法の一つに「ものからしくみ」への発想の転換があると思います。思えば福島の原発は電力不足の解決を目的にした巨大な「もの」にほかなりません。2011年3/11以前まではそうした「もの」による解決があらゆる面で最適と考えられていました。原発に疑問を呈する人は現実的な視点に乏しいと非難されました。しかし3ヶ月を経過した今、だれも原発を最も安全で安価な解決策とは思っていませんし、自然エネルギーへの転換を笑う人の方が少なくなりました。むしろ「たった一度の事故でなんて高くつく代物だろう。最終的にどこまで被害が拡大するのか想像もできない。」というのが本音でしょう。一方、こうした悲劇を契機に安易に「もの」に頼らず「しくみ」「しくみ」づくりに目をむけた動きが高まっています。節電という意識を社会全体で実践することで電力ピークは予想以上に下げられることに気付きましたし、そのほうが次世代?省燃費エアコンという「もの」の登場をまつよりずっとスピーディーでした。(笑)大企業の経営者でさえ自然エネルギーの分野こそむしろ将来性が高いと声を上げ始めていますし、不安定な自然エネルギーを生かして暮らすためには、太陽電池の効率UPより、それらの本質を多くの市民が正しく理解することや、社会に根付く仕組みづくりが欠かせないことに今皆が気付き始めています。ハイテクとは明日には古くなる技、ローテクとは1000年後も廃れない技。こんなことを考えている私はやはりマイノリティーなのでしょうか?
今日でちょうど3ヶ月。お亡くなりになられた方々に心より黙祷を捧げます。また被災地の一日も早い復興をお祈りしています。

I LOVE ビリージェイ! http://www.youtube.com/watch?v=cDBlqu6KF4k