2020年4月8日水曜日

常盤の家 建て方完了!



本日はいよいよ登り梁(屋根最上部に掛かる大梁)の建て込み。動画は登り梁を固定するドリフトピンを打つ大工さん

カラマツ集成材の重たい尺梁(梁の高さ寸法が約30cmの梁)をクレーンのオペレーターと息を合わせながら慎重に掛けて行きます。


本日は雲は少々あるものの晴れ!建て方日和ですね(笑)

写真右下に見えるのは屋根の付加断熱。10cmのXPSと呼ばれるボード状断熱材です。普段は10cmのグラスウール(以降GW)を主に用いますが、「常盤の家」では建物の外皮面積(外壁や屋根、床の面積)が増えたのと、BELSの評価で一次エネ削減率40%以上を目標にしたので必要な分を強化したのです。

二階の床に置かれた登り梁に吊り下げようのクランプを掛けて慎重に吊り上げる。 

吊り上げられた梁は上空から少しづつ所定の位置へ・・・「おーい周りにぶつけるなよ~」・・周囲に緊張が走ります。

棟梁が梁を受け取りピタリと位置合わせをして、二人一組で落とし込み・・重たい梁が「ドン」と音を立てて建て込まれます。

こちらは外壁の外に跳ね出した階段の踊り場です。「常盤の家」では階段の踊り場にベンチと本棚を置いて読書が楽しめるスペースを作ろうと考えています。

二階の床から生える6本の柱は4本が住ま手さんのご家族,二本が両家のために・・みんなで屋根を支えています。(笑)

ホールダウン金物(耐震引き抜け防止金物)は全数見て回ります。特に壁内にGWが充填されるところは間違っても絶対に結露しないように防露処置をしておきます。

金物が躯体の中で結露すると簡単に建物を傷めてしまうのでしっかり確認します。

梁架け完了直後がこの様子・・
登り梁、計12本みなさまありがとうございました~(笑)

今日はMr.Bigなんていかがでしょう・・P・ギルバートが若い(笑)




宮の森の家ⅡBELS

「宮の森の家Ⅱ」にBELSの評価書が届きました。

想えば2009年竣工の「銭函の家」から数えて35棟目の300mm断熱の家になります。

一次エネルギー(化石エネルギー)の削減率は国の省エネ基準に比較して-39%です。ブログをお読みの方の中には意外に思われる方も多いと思いますが・・現行の国の省エネ基準(2016年基準)はまだ義務化されておらず、そもそもの目的が法制化ですから「最低限の基準」を指したものに過ぎません。

つまり21世紀に実際に必要になる北海道の住まいの性能とは? これらの最低限基準をクリアすることは当然として・・世界的+長期的な視点でどれだけ性能を上乗せすればよいか?を作り手と住まい手に問うているのです。

そうした理由から・・例えばパリ協定の削減目標を見てみると、2030年度までに家庭部門は2013年度比で39%のCO2削減が日本の割り当てとされています。

今さら聞けないパリ協定(経産省/資源エネ庁HP)

特に再生可能エネルギーに対する高い潜在性が期待されながら、依然、暮らしのエネルギーの大部分を化石エネルギーに頼っている北海道においては、一概に「省エネ」と言っても・・いったいどこに視点を置くのかでその目標は大きく異なってきます。

「宮の森の家Ⅱ」では2030年度を期限とするパリ協定の目標である2013年度比CO2-39%削減を一次エネ(化石エネ)に置き換えて設計する上での目標としました。

今日はSteve Winwoodなんていかがだろう