2014年12月17日水曜日

北海道名物 産学連携 光の検討

学生さんが作ってくれた採光シュミレーションに驚く!ちなみにシュミレーションしてくれた彼は本日が初めての「澄川の家」。「山本さんのブログを見ながら実際の空間と図面を見比べながら空間をコンピューターの中に作って、採光の検討をしました。」こんな彼の話を聞いて、インターネット世代の新たな学びの風を感じました。(笑)

「澄川の家」の室内環境を数値化すべく持ち込まれた様々なセンサー類。こんな風に地元の大学とフランクにお付き合いさせていただきながら貴重なアドバイスがいただける北海道に感謝したい。

 
巨大なトリプルガラスに取り付けたセンサーの用途を説明する森先生。


昨日は天気最悪+気分最高の日だった。一昨日からの寒波と大雪で雪かきの連続、道は渋滞。そんな午後、北大工学部の森先生(Taro Mori)と院生のみなさんが「澄川の家」へ来てくれました。実は昨年から講座協力の一環として竣工建物の光シュミレーションや3D(立体)レンダリングなんかに図面を提供していてよい刺激をいただいています。「澄川の家」も居間の採光シュミレーションをしていただいて、その完成度の高さに驚いた次第・・・私は北国らしからぬ大きな窓が好きなんですけどその窓から入る光が年間を通じてどんな感じに移り変わるのか?なんてすべて想像するのは無理。たとえば夏の西日をもう少し抑えるための袖壁の長さだったり、入射光を調節する格子の間隔なんて完全に経験値の世界。採光条件の厳しい敷地で部屋のどこまで日を入れられるのか?視線の流入は抑えつつ天空光による照明効果や効率よく拡散光を作り出すには?光の話しに興味は尽きない。ぜひ検討するのが楽しくなるソフトの開発をお願いします。さらに本日は開口部に複数の追加レイヤー(たとえば断熱ブラインドとか遮熱外付けシャッターなんか・・)を加えた場合の開口部状況を解析できるよう各種センサーを取り付けていただいた。窓って難しくてたとえば日射取得したい昼間と断熱強化したい夜では全く求める条件が反転する。これを補うのが各種のレイヤーなんだけど、このレイヤーが北国の家は貧弱で北海道もカーテンくらい。逆に温暖地の家は進んでいて雨戸に障子やガラス戸なんかが戸袋から面白いように飛び出してくる。こちらも以前から「羨ましい!」と感じていた。でもねこれからが楽しみ。今日はみなさんごくろうさま!(笑)こんな風に地域ぐるみで建築を進化させてきたのって北海道の伝統ですよね~。

今日はポールギルバートなんていかが https://www.youtube.com/watch?v=RZqQukK4A0U

旧荒谷邸にて

 
先日東京大学、前研究室の院生 Seiya Yonezawa さんと「旧荒谷邸」や「澄川の家」を回った。実は昨年から北海道の建築家や工務店さん数人と高性能建物の実測に協力させていただいている。自らが設計した建物の癖を知ることは次につながる貴重な蓄えになるし、これからの家づくりは建築家一人ではなく温熱環境の専門家との協働が欠かせないと思う。実は一年半を越える長期の実測から見えてきた改良点を盛り込んで完成したのが「澄川の家」だったからご本人にはぜひ見てもらいたかった次第。作者の一人としてね・・・ 今日はごくろうさま。明日もヨロシク!(笑)

1979年竣工の旧荒谷(現タギ邸)にて熱源をサーモ画像で撮影中。 知る人ぞ知る「旧荒谷邸」は50年先を行っていた省エネ超断熱建物。現在でも延べ床面積100坪を写真の薪ストーブ一台で暖房している。


各所に付けられた温度計を撮影中。
 

現在の住まい手であるタギ博士と。