2019年4月22日月曜日

芦別の家 着工しました

 
好天に恵まれた先日の地鎮祭。行政に対する届け出も完了し、「芦別の家」が無事着工しました。ご担当いただくのは美瑛町の清水組さん。2015年の「東光の家」から旭川方面の案件をご担当いただき、どれも立派に作り上げていただきました。棟梁はK所長のお父さん、職長は弟さんが担当します。本社のある美瑛からでも1時間以上、大工さんの多くが住む旭川市からだとそれ以上の通勤となりますので現地に宿舎をお借りして工事を行う予定です。
 

現場には遣り方(建物の大きさと主に基礎の高さを検討するための定規)が出され、既に基礎の高さが決定されました。

 
GL(基準となる地盤面)より約1.4mまではやや軟弱な地盤ですので、砕石杭によって地盤補強を行います。写真は敷地に杭の位置を青のテープで出したところ。この位置に穴を掘り砂利を充填して充分突き固めて固い地盤を作ります。
 
この砕石杭ですが地盤補強と言う本来の目的の他に暗渠としての効果もあります。2010年に手掛けた「南あいの里の家」では支持地盤がGL-15m以深とかなり脆弱で地下水位も高く、土を掘ると敷地から水が沸く程でしたが、砕石杭によって地下水位が下がり床下への浸水はありませんでした。
 
砕石杭HySPEED工法HP https://www.hyspeed.jp/

 
芦別市の凍結深度はGL-70cm。札幌市より10cm深く、旭川市より10cm浅いとはいえ冬の厳しさは札幌以上。どちらかと言えば内陸的な気候で旭川寄りです。地方のお約束として生コンクリートの価格が高く、基礎部分のコンクリート量を安全に圧縮するアイディアが求められます。
 
そこで今回は昨年の「神楽岡の家」同様にスカート断熱を採用して札幌並みにGL-60cmの基礎にします。
 
 
今日はビートルズなんていかが https://www.youtube.com/watch?v=WrAV5EVI4tU
 

SIR工法技術講習会

 
うーん先日のセミナー・・目からウロコ・・でした。ご存知のように古い建物を耐震改修するのに、外壁を剥がして合板を貼るのはよくやる方法・・「ついでに断熱も~」なんつー人はよほど省エネだったり健康意識や予算に余裕がある人が多い・・なので全国的に見れば耐震性1番、防火性2番、断熱性3番みたいな優先順位(あくまで予算的には・・)に陥り易い。(寒い北海道のみが断熱の優先順位が高い)要は・・耐震と断熱を一緒にできればそれに越したことないけど・・耐震性向上に直接関係ない断熱はやっぱ・・予算的にはお荷物なのよね~(笑)というのが今までの常識だった。
 
 
しかしみなさんどうだろう?・・実は”ある特定の方法”でボード状断熱材を取り付けた方が遥かに耐震性に優れる建物になるとしたら? その工法が第三者機関の技術評価を取得済みで今後、国を始め地方自治体が様々に用意するであろうリノベ認証やインセンティブに使えるとしたら?・・・凄ーいいハイテクを使ったコアで高価な方法じゃなくて・・原理だけ見ればみんなやってきたありふれた民間療法・・だからそもそもハードル低し(笑)でもそれに向き合って地味な実験を繰り返しボード状断熱材が実は耐力面材として高いポテンシャルをもつことを発見し・・第三者評価まで取得する。最近、新築にも改修にも使える技術こそ最高だと思うようになってきたけど・・また新たな北海道発の技術として大切に使わせて頂きたいと思いました。素晴らしい技術を開発していただいたUM教授(元北総研)、H准教授(元断熱材メーカー)、そして関係各位のみなさんに心より御礼申し上げます

 
なーんだ・・断熱も一緒にやる方が耐震性もあがるんじゃんね~となった方が、寒冷地にとっても温暖地にとってもハッピーだと思います。

 
しっかり第三者の評価も得ているところがよい。従来型の新築のみならず、後から直す型の技術がたくさん出てくると、今あるストックを直してもう一度使うことができるようになる。親の家を子供が引き継ぐことができれば、子世代は家づくりと言う大きな投資から解放され子供の教育や自身のためにお金を使う余地が生まれる。
 
結果として、デザインや設計と言った事柄に価値を見出す人が増えると思う。

 
北海道において、良い技術とは様々な人々の協力で生まれるという事実。
 
今日はH.E.R.Oでスーパーパワーズなんていかが