2009年9月7日月曜日

西岡の家 2階建て方

2階の床を厚手の構造用合板で補強したところ。空は今にも泣き出しそう。さて何をするのかと見ていると。合板床の養生用ビニールシート(通称:ツーバイガード)で2階の床が雨で痛まないようにまずは養生。実に丁寧な仕事。工務店さん「ありがとう」*:通常屋根から先に出来上がる日本の在来工法では床の養生は特に予算を見ない。逆に屋根が最後に出来るツーバイフォー 工法の場合は常識的に見るのが普通です。リフォームのために変則的に2階全てを解体し再度乗せるかたちで進む西岡の家の場合、全体的には在来工法でも工程的にはツーバイ工法となるためにこうした工夫が大切になります。

ワイパーを用いて空気を抜きながら床面に圧着して行きます。こうすると雨で合板が痛みづらくなります。


長い年月のために2階の梁の上端も各部で水平ではありません。本来は梁の上に隙間なく合板を乗せたいところですが各部の高さが違うためにパック(隙間に入れるフィラー)を挿入しながら水平を出します。
白い柱が新しいもの、それ以外がもとの柱です。まだ壁がないので、仮筋交い(仮設の揺れ止め)で1階を安定させます。

30年前の柱と梁に現代の集成材の柱、木材は腐りさえしなければ、年月と共に強度は上がり続ける。また含水率も人工乾燥のものとは比べものにならないほど安定している。見た目は少々わるくてもまったく使用に問題がないばかりか、かえってそっちの方が良かったりもする。(笑)      


近年の現場の新兵器、リモート式ユニッククレーン。(無線機でクレーンを遠隔操作できる。)つまり1人で材料の荷揚げが行なえる。オペレーターも上手なので僅か2mの巾の足場の搬入口から植木と電線を器用に避けて2階の床に見事に着地させる様子は実に気分がよい。荷揚げが下手だと変な汗をかいたり、最悪、材料が落下したりして危険極まりない。

ブームを精一杯伸ばして道路から10m奥の2階の床まで梁を搬入する。ブームがしなっているのが分かる。左手で材料を回転させ右手のリモコンでクレーンを自在に操っている。

合板の上から敷き土台を釘打ちする。継ぎ手はアリ継ぎ。要は2階の梁とこの敷き土台で2階の合板を締め付けて固定しようというもの。在来だが変則的なツーバイの床のような手順になる。

どうやってつながるかが分かりやすい継ぎ手の配置。継ぎ手の種類は金輪継ぎと尻ばさみ継ぎの一部を省略したもの。ずらしながら双方を叩き込み、中央に込み栓を入れて完成させるのが伝統だけど、今はコースレッドビスや釘打ち機もあるからね。(笑)