随分と雪融けが進みましたね~今シーズン最初の着工となる「追分の家」の届け出も終わり着工準備が完了しました。
もちろん北海道が長年、地域に相応しい住まいとして改良を重ねてきた北方型住宅の最新版「北方型住宅2020」の住まいです。
上の写真は、当事務所ではもうすっかりおなじみになったBELSの標識です。
外皮(断熱)性能を示すUA値は0.2W/㎡K、生活の中で家電を除いた一次エネ(化石エネ)削減率は35%。寒冷地の人間にとって関心の高い暖房用の一次エネの削減率に至っては45.7%の削減となりました。
ちなみに一般的な北海道の住まいの断熱性能はUA値が0.46W/㎡Kを下回ることを目標にする場合が多いですが、近年のコロナ禍、ウッドショック、2/24に突然勃発したウクライナ戦争の影響で益々高騰が続く石油価格を前にしては全く不十分です。っと言うか・・コロナ前から既に不十分のところに想定外の大波が押し寄せている・・そんな感じでしょうか。
上の表は昨年の11月、国により示された地域別の断熱性能の強化案です。それによれば従来は最高等級とされていた等級4は上から4つ目のものとなりその上に3つの等級(等級5~7)が新設されるようです。
2009年から始めた300mm断熱プロジェクトの家づくりですが全棟がこの新等級6~7に該当します。13年前に始めた試みが、少しも陳腐化することなく、むしろ時を重ねて大切な社会的価値として認識されつつあることは本当に作り手として嬉しい限りです。それと同時に今まで大切な家づくりをお任せ頂いたみなさまに「これからも胸を張ってお住い下さいね」と言える住まいがさしたる苦労もなく提供できる北海道の今は、開業した1998年と比べて隔世の感があります。
こちらが「追分の家」の一エネルギー(化石エネルギー)の設計と基準の内訳。簡単に言えば私たち設計者はハードルとして設定された「基準一次エネルギー」をいかに下回るかを追求します。
300mm断熱の家は簡単に暖房費が半分になりますがその理由が上記のように計算結果にも表れています。実際の住まい手さんは省エネ意識を持ってさらに節約して暮らす方も多いのでこの計算結果よりも良い場合も少なくありません。
もちろん寒さに耐え室温を限界まで下げるような・・やせ我慢的な節約ではなく晴れた日にはブラインドを上げて日射で暖房するとか、暖房する時間をタイマーを用いて効率よく管理するとか・・そんな簡単な工夫で燃料費が減ることは逆に楽しいとみなさんおっしゃいます。これからも北海道の住まい手さんを笑顔にする300mm断熱の家をたくさん作りたいと思います。
今日は最近、製図中にはまっているHSCC
とてもカバーバンドとは思えない。音も最高です!