2014年11月1日土曜日

澄川の家 足場解体+内装ディテール(細部)

 
足場を解体した「澄川の家」。今回始めて採用したとど松の目透シ貼はいい感じ。従来の貼り方とは異なる表情に仕上がりました。木貼りなんていう言葉を聴くと一見古臭い感じもしますが、貼り方やそのデザインは無限です。反対にこんなに色々な貼り方やデザインに対応できる木というものやそれを自由自在に加工して取り付ける大工さんはほんとうに凄いなとあらためて思います。画一的な大量生産品が安い!から地域の特産が一番安い!そして美しい!となってほしいものです。そんな意味でも木貼り「いいね!」と言ってくれる住まい手さんは強力な味方。建築が一般的なものづくりと大きく異なるところは建築主というスポンサーが必要なことです。絵や彫刻のように好きで自分で作る。ということは基本的に難しいのです。ということは建築の外観は建築主さん次第とも言えなくはありません。建築家や作り手は提案はできても最終的にそれを決めるのは建て主さんだからです。別に木に限ったことではありませんが、あんまり画一的な表情ってツマラナイよね!今、私の周りにはそんな建て主さんが増えてきました。(笑)

パッシブ換気のための塔屋が二つ飛び出した特徴的な概観が現れました。
 
大工さんは今度は室内で大活躍です。美しい北海道産白樺の積層合板でドアの枠廻りを作ります。

こちらは玄関の巾木(靴で触る部分)壁が汚れないように構造用合板というラフな材料を用いながら高い精度で納めて行きます。壁から飛び出す巾木の厚みはピッタリ3mm。材料はラフなものでも仕事までラフだといけません。仕上げは床に美しいタイルを貼って完成です。



宮の森の家 板金工事

壁を30cm分厚く断熱するので窓は壁の厚みのほぼ中間に取り付けます。まだまだ北海道の家でも外壁面より窓が飛び出す取り付け方が大半ですが、窓の性能を十分引き出すためには断熱材の厚みの中心に窓を近づけることがたいへん重要です。

 
窓が壁よりも室内側に引っ込むと、窓自体に当たる雨の量は減りますがその分壁に当たる分は増えます。そこで今までの木造の建物では珍しかった水切りを各窓の下に設置して雨を壁の外に落とすように工夫します。黒っぽく見える板金の色は、最近大人気の木製外壁の色変わりが終った後、周りピッタリマッチする色の中から選んでいます。従来はサイディングのような「新しい+きれい」に人気がありましたが最近は急速に木の外壁に人気が集まっています。政府の推奨する「木材ポイント」もその一因でしょうが、実感として感じるのは色変わりや変形のような、以前はともすればクレームと一蹴されそうな事柄を乗り越えて、経年による木肌の表情の移り変わりや変形を自然な味わいとして一般の住まい手さんが受け入れてくれるようになったように思います。もちろん傷んだ時は管単に取り替えられるように外壁はビスで止めつけたりしますが、今までサイディングがほとんどだった街並みに木の外壁が増えるのは木の島「北海道」の建築家としては嬉しい事です。
 
こちらは南側のテラスの骨組みです。まだ床板は張っていませんが、この骨組みの頭にも雨で傷みにくいように全て板金で防水します。

こちらは大屋根の板金。北海道の板金は伝統があって優秀。この形状で雪の落ちない屋根ができます。
 

こちらは下から見上げたところ。壁の通気を処理する通気部材が付いているかどうかの確認です。
 
先日の上棟式でいただいた棟札。これから長きに渡り、家を守るご神体として壁の中に納められます。

宮ノ丘の家Ⅱ 基礎コンクリート打設工事

無事、基礎コンクリートを打ち終った「宮ノ丘の家Ⅱ」。もちろんコンクリート工事はまだ続きますが、山一つ越えた感じでホッと一息。前面道路まではまだ高さがありますから引き続き鉄筋、型枠屋さんよろしくお願いいたします。

さーて上にどんどん建物を延ばしましょう!

今日も現場には落葉が。北海道の秋は短いですね~。