2024年7月19日金曜日

夏のBBQは地域の文化

BBQ&ジンギスカンは愛すべき地域の文化。自分の設計で絶対に妥協できないのが炭をおこせる半屋外空間。でも専用じゃありません。

毎日BBQなんて人はさすがに居ないですから/笑 それと畑かなあ・・

要はBBQ/イベント+畑/外構+場所/建築⇒つーストーリーが私の作りたい住まい。

そんなことを考えながら毎日仕事をしています。
北海道の夏・・野菜は美味しい・・特にシンプルに炭で焼く美味しさは格別。

山本設計お薦めの野菜焼きの方法は実に簡単・・野菜ってそのまま焼いても味が乗らないじゃないですか。塩コショウはじくし・・そこで焼きたい大きさに切った野菜たちをボールに一旦全部入れて、上から食用油を振りかけてから塩コショウします。

こうすることで、表面が油でコーティングされて味までついて後は焼くだけ。
野菜の甘さにびっくりするするからぜひチャレンジしてみて下さい。

この方法を覚えるまでは・・大抵焼き過ぎて炭になっていたネギももの凄く美味しいことに気付きました。農家さん今までごめんなさい。

焼く野菜をスーパーで買うのもいいんですけど・・自分の庭で採れたらもっといいと思いませんか/笑

今はyoutubeがあるから誰でも家庭菜園にチャレンジし易くなりました。

庭に余裕があればガッチリ家庭菜園するのもよし・・

別に奥行き90cmのテラスがあればそこでも立派に野菜は育ちます。もちろん猫も大好きです/笑

発寒の家Ⅳの物置付のカーポート。前に車を出せば通りからの視線を遮断し2~3家族でワイワイ焼き肉を楽しめる。
雪の多い、北海道だとカーポートの需要は多い。普段は駐車スペース&アプローチ動線として、週末は友人を呼んでBBQ・・そんな思いでカーポートをデザインしています。

コンロや炭、うちわに文化焚き付けなーんかは併設された物置から出せば簡単にセットアップは完了!つーことです/笑。

石狩湾を見下ろす桂岡の家Ⅱの2階テラス

大人数でBBQ&ジンギスカンもいいんですけど・・家族で普段の食事を面白くするのも大切って思います。

キッチンの近くにテラスを設けてあげれば最高のアウトドアダイニングに・・海が見えたり山がきれいだったり・・

調理の煙が抜けるように、家族用の小さなコンロや炭が仕舞えるように(桂岡の家Ⅱ)

こんな風に七輪やコンロ、炭なんかを仕舞っておける場所を用意してあげるのはカーポートと同じ。ちなみに内部には照明とコンセントもあるからテラスでホットプレートも使えます。
今日は夏のジブリ・・












 

2024年7月18日木曜日

畑は楽し・・2024

 

写真が中玉トマト尻腐れに強くたくさん採れて楽しい。食べきれないよ~という人はたくさん煮てトマトソースにして保存するとか、横二つ切りにしてドライトマトにするとか・・保存法を知っておくといくらあっても困らない。

今年も畑のシーズンが到来、写真はすっかり栽培が上達した本日のトマト。毎年すごい数が採れるので、お客さんのところにもよくおすそ分けさせていただいてます。

ここ数年、私のお薦め品種は中玉トマトと長粒種のアイコ(ミニトマト)。双方とも栽培が簡単で生食でも加熱しても乾燥させても美味しい。
写真は一般的な赤のアイコ。甘くておいしい

一般的にミニトマトはルビー種(球形の一般的なミニトマト)が有名ですけど甘さや味わいはアイコの評価が高い今日この頃です。

みなさんもぜひ家づくりと共に家庭菜園を始めませんか。この他にも当事務所では各種のハーブやピーマン、シシトウ、ジャガイモ等を事務所の仕事の一環として栽培しています。

黄色のアイコ・・こちらも美味しいです

その理由は「北海道の楽しい暮らしの発見」が当事務所のテーマだからです。何度か折に触れて紹介しているように、北海道の一般的な住まいの間取りはそれが戸建てであれ賃貸であれ雪のない地域のものです。ですから正直、住み難い間取りが多いです。

例えば・・夏靴しか入らない下駄箱や雪を払う余地のない狭い玄関、冬のアウターを仕舞う場所なんてなくて、でも玄関近くに必要だから仕方なくアウター類が溢れ出ている・・そんな楽しくない毎日を解決するために私とその事務所はあります。

いきなり間取りの話しから入りましたけど・・まだ敷地に比較的余裕のある北海道ですから、ぜひ雪のない間だけでも、敷地の一部を畑として楽しんでみては。というご提案でした。

これからジンギスカン&BBQのシーズンですし・・庭に生ってるシシトウやピーマンにナスなんかをもぎたてのまま炭火で焼いていただきたい。凄く美味しいのでおススメです。最近は建材のみならず食品価格も高騰・・家庭菜園って本当に助かりますよ。

こちらはたわわに実ったシシトウ3本も植えておけば夏の間中、家族全員お腹いっぱい食べられます。

今日はシングライクトーキングなんていかが



2024年7月12日金曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.12

 

昨日は紺野建設さんと南幌のプロジェクトについて打ち合わせを行いました。上のスケッチはその様子。

話題の中心は工事予算について・・「0カーボンヴィレッジ」とは読んで字のごとく「北方型住宅ZERO」による住宅展示場でありモデルタウン。2018年にオープンした「きた住まいるヴィレッジ」との違いはズバリ ”進化”・・

きた住まいるヴィレッジが「北方型住宅2020」仕様の住宅展示場だったのに対して6年間の進化が脱炭素化ポイントの明確化。

そうなんです。北方型住宅2020に脱炭素化ポイントという更なるコストを加えたものが「北方型住宅ZERO」。折からの建材費高騰の中にあって、いかにして膨らみ続けるコストを圧縮しようか?そんな議論が白熱しました。

正直、安価な建材に変更する・・とかじゃあ追いつかない。建物の生産方法全体を見直して在来工法をツーバイエイト(枠組壁工法)に変える?とか、二階は全部小屋組みにするのがいいんじゃないか?等々・・・

結局、もう少し間取りを立体的に分析して方向性を探ろうということになりました。またそのために欠かせない紺野さんの生産拠点(加工場)も探す必要があります。いつまでも紙の上で安くならないのかと悩んでいても仕方がない。作り手なら作り手らしく作業場に原寸図を描いてどうすればよいのかを考えたい。今後にこうご期待です!

今日はペンタトニックス・・なぜこんなにいい






2024年7月11日木曜日

福井の家 地鎮祭

 

昨年から設計に取り組んできました「福井の家」本日は地鎮祭を執り行いました。

本日の札幌は朝8時から26℃快晴。日差しからはじりじりと夏を感じます。

私の地元札幌近郊では最近めっきり減った地鎮祭。道外ではまだ行う機会が多いと聞きますが、個人的には中々いいものだなあと感じます。その一番の理由はアナログなところ。

最近の私たちの暮らしはネット社会。場所性は重要ではなく、時間をかけることを嫌がる空気がどんどん濃くなっています。そんな中で地鎮祭はその土地の神とつながって怒りを鎮めることを目的とします。要はアナログでないと成立できない行事。

ご神職の祝詞が朗々と響き山からの爽やかな風を感じてよい地鎮祭となりました。

さて立派な家を建てましょう!いつも身が引き締まりますね/笑

チームを組ませていただくのは飛栄建設さん。ご担当いただくのは宇野棟梁と松田社長さんです。想えば2014年に松田社長のご自宅の設計を仰せつかったことからお付き合いが始まり早10年。その間、数多くの300mm断熱の家を建てて頂きました。

「福井の家」は札幌版次世代基準プラチナ北方型住宅ZEROの基準を満たす住まい。日本一の性能と同時に宇野棟梁の細やかな仕事が今から楽しみです。

本日はおめでとうございました。

今日はブルースホーンズビーなんていかが




2024年7月7日日曜日

色々な「北方型住宅」がある 2024.07.07

 最近、北方型住宅に関する質問が増えている。作り手としては凄く嬉しい。

ふと想えば・・スイスイハイムやヨサワホーム、参上工務店のように固有名詞と見た目が結びつき易い家は分かり易いけど、「北方型住宅」(商標登録済)と聞いて「ああ~あれね」と外観を思い浮かべる人は少ない。

          

そうなんです!「北方型住宅」つーのは特定のヴィジュアルや形は決まっていない。要は形や素材は建て主さんの自由でいいけど、それ以外の目に見え難い大切な事柄をまとめますから、家づくりの際はぜひ採用してね!というもの。要はスイスイハイムやヨサワホームを選ぶと”あの外観”もセットで付いて来るけど、「北方型住宅」だと高い性能や賢い間取り、暖かくて涼しい家づくりの専門家+設計や施工、完成後も設計図をデーターセンターに30年以上保存みたいな、見た目以外のメリットがセットで付いてくるという訳。

「ええ~っ・・早く言ってよ~もう工務店さん&設計者さん決めちゃったよ~」という人も心配ご無用。北方型住宅の仕様(約束事)が一冊にまとまった「技術解説書」が公開されているから誰でも無料でダウンロードして使うことができる。デザインはいいんだけど性能面は少々不安?とか自社仕様絶賛だけど~本当?みたいな作り手の場合は、ぜひこの技術解説書を守ることを契約条件にするといい。内容は現在道内で一般的なもの+α程度だから、どの作り手であっても難しすぎるということはない。

北方型住宅2020技術解説書ダウンロード https://www.kita-smile.jp/north2020

さて前回の記事で北方型住宅が北海道の長年にわたる寒冷地住宅研究の成果であることは説明した通り。今日はその北方型住宅の種類について。

そう「北方型住宅」といっても長年続いているから時代ごとに様々なバージョンが存在します。北方型住宅2005や2010(ECO)は見て分かる通りその年の省エネ基準の年号を取って命名されたもの。

ところで現在の最新版はといえば「北方型住宅2020」これが地域のスタンダード仕様つーことなんです。

ところで「北方型住宅ZERO」つーのも最近ちらほら聞きますよねと・・それって2020とはまた違うんすか?

よくぞ聞いてくれました/笑

この「ZERO」という仕様は「2020」の仕様をベースに任意に選択可能な「脱炭素に資する対策」を10ポイント以上選んで加えたものです。

北方型住宅ZERO={北方型住宅2020}+{脱炭素ポイント>10P}

北方型住宅ZEROとは? https://www.kita-smile.jp/kenchiku/post-675/

ちなみに・・この「北方型住宅ZERO」を南幌で8棟建てて展示販売しようという企画が進んでいてそれが「南幌町0カーボンヴィレッジ」という訳です。

南幌町ゼロカーボンヴィレッジ https://www.replan.ne.jp/articles/42243/

ご興味のある方は当ブログの過去ログをぜひご参照ください。

今日はHSCCでクラプトンのカバーなんていかが・・本家に迫ります。


2024年7月6日土曜日

北方型住宅とは? 2024.07.06

北方型住宅って?・・残念ながら道内/地元の人にその内容はあまり知られていない。

「スイスイハイム」や「結局は性能」、スゲーデンハウスに比べると存在は地味。

そこであらためて・・

北方型住宅:「北海道の気候風土に根差した質の高い住まい」

実は印象こそ地味だが凄いのは、最近ネットで流行りの「エコハウス」や「断熱気密住宅」、「全館空調」、「エアコン一台で家中~」等々の住まいの大半はほぼ北方型住宅の要素技術に関連しているか、その技術を使っているということだと思う。

北方型住宅は数こそ、多くないものの、その技術開発の過程で得られたノウハウを随時民間にフィードバックしてきたことで、今や道内における一般的な新築木造住宅のスタンダードな工法なのである。

上の写真は1981年の第24回寒地建築技術講習会のテキスト。当時で既に24回目の講習ということは、始まったのは1950~60年代と思われる。1988年にリリースされた「北方型住宅」はそれまでのこうした研究成果の集大成であり、その改良は現在まで続いている。
写真提供:菊地組/青森県

要は道内で 理想の住まいを求める際、まずチェックすべきワードが「北方型住宅」だと憶えておいてほしい。もちろん家づくりの情報収集は各人の自由だし、特に最近の住宅系youtubeは気軽で入り易い。その反面、地域性や前提が曖昧なまま個人の感想を押し付けている場合も少なくない。気を付けないと北国の人がそれとは知らずに南国の家づくりを目指している?そんな笑えない現実も増えている。

そもそも特定の作り手個人が自身の地域ではこうしてます!ということと・・それが道内どこでも適切です!というのは全く別の話し。特に北海道は広い・・意外に感じる人も多いが、住まいとはどの地域を前提にするかで適切な設計や施工、設備の内容なども大きく異なる。

先日も道内のかなり寒い地域にお住まいの人からエアコン暖房が最高!というお問い合わせを頂いた。話しを聞くと、築5年でなんともう建て替えたいのだと言う。えっ?最高なのになぜ??と聞くと・・理由は寒いから。厳寒期の夜中にはエアコンが停止してしまう。とのことであった。そもそも暖房設備の選択肢が豊富な道内でなぜ最も寒さに不利なエアコンをチョイス?と不思議に思いやり取りを続けたところ・・今まで6~7地域の設計者発信の情報を信じてきたことが判明した。

エアコンは平均外気温が0℃以上の地域でならば最高の効率を得られる旨を説明した上で、-10℃を大きく下回るような地域では効率が引き出せないばかりか、ご自身で体験されたように条件次第では停止してしまうものだとお伝えした。

これから家づくりを目指す人はまず「前提」を大切にしてほしい。具体的には「地域性」とそれに適した設計や施工、設備の選択を誤ることなく理解できるよう自らを賢く鍛えてほしい。この情報発信がその一助となれば嬉しい。

北方型住宅 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/ksd/200828hoppougata2020.html

*北海道建設部住宅局HPより


メールにて:はじめまして〇〇と申します。道内で住宅取得を目指していますが、一般的な価格や仕様の中でお薦めな方法はありますか?ネットも見ているのですが選択肢が多過ぎて正直どれがよいのかぜんぜん選べません。


山本:平均的な価格と仕様を目指すのであればまず上の二枚を作り手に示して下さい。大まかな希望概要が伝わります。もし設計または設計&施工契約に進みたいとお考えなら、「北方型住宅2020の技術解説書」を守って設計&施工していただくようにお願いしましょう。北海道の実情に即した非常に実践的な内容ですので安心です。

こちらがリンクです:https://www.kita-smile.jp/north2020

仮に自社以外の仕様は難しいと言われた場合はその自社仕様が北方型住宅2020の内容を上回るものか否かを必ず確認してから、頼むかどうかを決めて下さい。意外と大手住宅会社の方が内容がよくなかったりしますのでご注意ください。

冒頭でも少し触れましたが・・平均的な価格と仕様の家(けして自分ら贅沢なんて目指してないす/笑)と思っていても、一般の建て主が家づくりに必要な事柄の全てをyoutuberの動画や他のSNSから得るのは難しい。概要をバランスよく知りたい場合にまとめサイトが便利なように、必要な項目がまとめられた技術解説書は最高のまとめサイトという訳なんです。ぜひお使いください。/笑

今日は「夏」のジブリなんていかがでしょう





2024年7月4日木曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.04

 03:他を見る...異なる考え方に触れる

前回はチーム一丸で解決すべき事柄のお話しでした。

大切なことはね、実はこれって建て主さん個人の問題じゃないんです。むしろチーム全員の自分ごと。家づくりの主役である建て主さんがワクワクするモチベーションを失ったら、どんなに優れた設計も施工も「無」。家づくりが一歩間違うと殺伐とした経験にしかならないのは建て主さんの推進力の大切さをちゃんと理解していないから・・

もちろんそれは今回の家づくりにとっても同じで・・言いかえるなら1丁目一番地。でもね・・そういう事ってよっぽどの幸運がない限りすぐに希望価格で買い手が付いて解決!な~んて事にはなり難い。

じゃあ~売れるまでの間どーするのかと言えば、建て主さんが自身のワクワク感を鍛えること。なぜ夢見ることじゃないの?って言えば・・鍛えるっていうのは根拠のない空想から卒業することでもあるから。

家づくりといえば、みなさん最近はネットで好みの内外装をスクショして保存・・みたいな事よくしてますよね/笑 それがまさに”夢見ること”。自分好みのあれこれが増えて行って凄く自己満足感は高まるけど・・ところでコストや手間、寒冷地に合うの?、道内で売ってるの?メンテは?なーんていう肝心の根拠はほぼナシ・・・

根拠の曖昧な夢ばかりスクラップしてもいざ予算だ、工期だ、職人さんの手配だ、になると残念~となり易いのは夢見るだけで鍛えないから。要は強靭な夢を持てる建て主に自分を育て上げないと家づくりは味気ないものになり易い。

そのためには質の高いコミュニケーションが大切。お客さんの理想を否定するんじゃなくて、より良い改善案を出し続けること。質の高い学びの機会を共有すること。もうここまで来るとネットで簡単に手に入るようなものじゃありません。

時には実物を体験しないと今までの思い込みなんて中々変わらないから、別の住まい手さんを訪ねたりもする。これ凄く大切!

同じ立場の住まい手同士の話だからこそ難しい判断もスッと腹落ちしたりする。そんな視点があったのかと気付きもする。だからまた理解が進むし、視野が広がる。今まで単なる頭の中の絵だったものが、どんどん立体的な色彩を帯びてくるって訳です。そんな理由でOB&OGさんとは工事が終わっても仲良くしなくちゃいけない。

OBさんにとっては既に当然のことでも未来の建て主さんにとっては金言だから。
当時のモデルハウス兼自宅を案内する紺野社長。ぱっと見、眺めの良い居間に見えるが実は3階。建て主さん曰く:毎日上り下り大変ですよね?? 紺野社長:健康にはいいし自分も体重増えてないすよ/笑

もちろん今回も建て主さんを色々な家にお連れしてOBさんOGさんにもお会い頂きました。
例えば2階の居間って意外にいいでしょ?だったり、大きい家って必ずしも幸せじゃあないよね?だったり、ものの見方を変えることで自らの発想が広がったり・・・

家が売れるのまでの間、チーム全員楽しみながら準備を続けました。 続く・・・

今日はBOOM BOOM Satelitesなんていかが






2024年7月2日火曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.02

02:全員で解決すべきこと・・・


昨日はチーム一丸となって解決すべき事柄のお話しでした。いよいよ今日はその続き・・・

早々にお客さまにご指名をいただき、晴れて「建て主」+「施工者」+「設計者」が揃ったチームK.A.P.Sでしたが、建て主さんは既に築浅の戸建てにお住まいだったのです。

そう、南幌移住は今の家を売って残債を返済した上で新たな資金調達ができることが絶対条件。いくら共働きとはいえダブルローンなんて組めません。端的に言えば・・間違いなく良い条件で売れるという前提がなければ、間取りをはじめ・・資金計画や各種の補助申請、お子さんの入学等々が中々、確たる話にならないのです。建て主さんだって無い袖を振るようなことはしたくないし、それは作り手サイドもまた同じ・・そんな中での船出でした。

でもまあ~こんなことは建築の世界ではアルアルで、毎度解決の方向は決まっていて・・前向きに進めるしかないんです。悩んでたって仕方ありませんしね/笑

そんなこともあり、建て主さんには今までの経緯をじっくり聞くことができました。

建て主さん曰く:約10年前に有名メーカーの建て売りを購入したものの、家族も増え毎日が変わって行く中で、少しづつ物足りなさが芽生えていったとのこと、敷地は利便性も高く買い物や通勤にもなんら不満はなし、ご夫婦そろって士業のために働き先にも困らない、新興住宅街らしく周りには同世代の知り合いも多くお子さんの通学や将来的な進学だって不安なし・・

「そんなに恵まれているのになぜ?」って思うかもしれませんよね、建てた当時は正直、勢いもあって営業マンにも急かされて・・子供だって1人でいいかなってよく考えもしなかった。でも兄弟はいた方がいいですもんね/笑 動物も好きだから今では犬と猫もいます。そんな風に家族が増えるのは幸せな事なんですけど、間取りや環境も色々と気になりだして・・そんな時に妻が建築や不動産関係の情報をネットで見ていて、偶然山本さんのブログを見つけたんです。今の家を売らなきゃいけないけど、南幌で再出発するためにチームに入って頑張るなんてすごく楽しそうだなって思いました/笑。


正直、有名メーカーの建て売りを買ってから後悔する人は少なくないと聞く。でも長期のローンを背負った当人にそれを尋ねるなんて普通はできない。誰だって自身の判断を疑うなんてむちゃくちゃ勇気がいることだし、それを前向きに素直に話せるようになるまでにはきっと様々な葛藤があったはずだから・・

そうして最初の打ち合わせが終わり、お客さんを見送った後、紺野社長と私の心はもう決まっていた。

精一杯K.A.P.Sの家づくりを楽しもう!     続く・・

今日はバンプオブチキンなんていかがでしょう








2024年7月1日月曜日

マンション外断熱改修に・・想う

私のブログをご覧の方なら、建築にとって断熱がいかに重要であるか。断熱を軽視した建築が戸建てであれそれ以外のものであれ、いかに住まい手にとって残念な結果しかもたらさないかをよく知っていると思います。もちろんここ最近では北国のみならず断熱が暑さに対しても有効な点に注目が集まってもいますが、今日は戸建て同様ここ数年力を入れているマンションの外断熱改修について書きます。

みなさんの中にはコンクリート造のマンションに住む人も多いと思います。購入した人も借家の人 も様々だと思いますが、共通してよく聞くのが「寒い」、「結露する」、「カビが酷い」といった断熱不足に起因するもの。

意外に思われるかもしれませんが、日本の建築士教育ではほとんど断熱の大切さを教えて来ませんでした。ですのでほとんどの建築士がその分野をよく知りません。その結果マンションに限らず住まいが寒く、結露でカビるのは・・なにも北海道に限った話ではないのです。その一方、耐震性や防火性は建築士の試験でもよく出題されます。結果的に日常よりも非常時が優先される・・いえいえ非常時であっても無断熱の避難所は役に立ちませんから、ある意味、断熱は非常時、平時を問わない大切なものなのですが・・・

それでも道内においては、最も建設戸数の多い木造住宅に関して断熱とその関連技術を教えるBIS(断熱施工技術者資格)がありますが、いわゆる箱モノと称される鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)の設計者や施工者はこの資格の存在さえ知る人は少ないです。まして厳しい予算の中で計画せざるを得ないRC造の集合住宅はそれが分譲であれ賃貸であれ前述のような問題を体質的に抱えながら延々と建てられ続けてきたのです。
BIS:(日本の建築士では教えない熱環境を専門に扱い、建築士を再教育する北海道独自の資格制度)

いわゆる、内断熱マンションは寒い!(今やほぼ日本だけとなった効果の薄い断熱法)と言われるのはこうした理由です。そもそも今の時代、RC造の断熱を連続させることが難しい室内側から行うものではないのですから・・

その一方でどのマンションでも概ね15年毎に必要となる定期修繕をあえて外断熱改修で行ったマンションはその後の状況が一変します。まず耐久性が飛躍的に向上します。一般にコンクリートは頑丈だと信じられていますが、意外に脆く、特に凍結融解が避けられない寒冷地においては紫外線劣化と相まってコンクリート外壁は概ね15年毎に必ず補修を繰り返さねばなりません。反対に外断熱でその躯体を丸ごと覆ってしまえばそうした問題はそもそも生じません。15年程度で壊れなくなるのであれば、15年サイクルの修繕積立金もまた不要になります。築深のマンションにとってお金の掛かる3大要素は躯体、給排水設備、エレベーター。中でも壁や屋根といった躯体が傷むと修理は最も高価になり易い。築深になれば建物も人も老化が進みます。退職者が増えどんどん住まいに掛けられるお金が減って行くのに15年毎にお金が掛かり続ける。そんな一般改修では苦しさは増すばかり・・外断熱改修はまさにゲームチェンジャーなんです。

今や世界の常識「コンクリート造は外断熱」対して日本は悲しいかな未だに「内断熱」。悩ましいのはほとんどの専門家も内断熱しか設計や施工経験のない人が圧倒的多数という事実。端的に言えば外断熱の有用さを経験をもとに語れる人は少数でその反対の立場をとる専門家が大多数という不幸。この状況では、仮に一般の住まい手が悩みを打ち明けたとしても的を得た回答のできる専門家はほぼいないのです・・・

中には・・北海道は断熱先進地域!のように語る人もいますがそれは木造に限ったことであり、それ以外の構造の断熱は古い方法論が未だに当たり前。北海道で買う価値があるのは木造の高断熱建物でRC造に関しては外断熱以外はほぼ寒いよ・・と言われるのもこうした背景があります。


先日・・とある、マンションの管理組合より「外断熱改修を見送る」旨の連絡がありました。役員一丸となって将来を見据え、外断熱改修を推したのだが、いかんせん、意見を求めた専門家の多くが前述のように経験もなく実践もしないままに外断熱改修に対する反対を述べたとのことでした。電話口の向こうからは悔しさが伝わってきます・・「精一杯やったんだから胸を張ってください。残念なのは肝心の専門家が不甲斐ないからですよ」自分にはそう伝えるのが精一杯でした。

今日は大好きなHSCCなんていかがでしょう。上手いです・・



南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.07.01

01建て主決定のその後 ・・・

昨年の9月1日より、南幌みどり野地区のエコタウン企画「0カーボンヴィレッジ」の募集が開始され、紺野建設&山本設計チーム、通称:K.A.P.Sは早々とご指名を頂くことができました。またその模様は昨年の9/13の当事務所のブログにてご紹介した通りです。


あれから早9カ月が経ち・・その後は進捗どーなんすか?というお問い合わせもちらほら・・

そこで、それ以降のお話しをこれからは回を追って記事にして行きたいと思います。住まい手さんのプライバシーを守る観点から固有名詞は極力控えますが、似た境遇の中で新たなマイホームを夢見る人々にとって一助となるべく、住まい手さんのご協力を頂きましたので、事実は事実として極力脚色ナシでお伝えしたいと思います。


9/13より遡ること約1カ月前のブログ、こんな感じで紺野さんとコラボしてK.A.P.Sを結成し0カーボンヴィレッジに参加表明をさせていただいたのですが、僅かこの1カ月後に、11組のライバルの中で最初にお客さんが付くとは思ってもいませんでした。


その後・・・

不思議なくらい、とんとんとお話しが進み・・・
8/31には希望の土地を押さえることができました。
ちなみにお施主さまのお名前はもちろん仮名ですよ/笑・・・


そんなこんなで、北東側に高木が見える1.5区画の敷地が手に入り、早速現地調査やその他を開始したのですが、実はその前にチーム一丸となって解決すべき問題があったのでした。

つづく・・・

今日はラーセンフェイトンバンドなんていかがでしょう




2024年6月1日土曜日

北7条の家お引渡し

先週の5月26日は「北7条の家」のお引渡しでした。馴染みのお花屋さんにお花を仕立てていただいて準備完了。

半年以上に渡り、現場で苦楽を共にした紺野さん。担当は社長さん自ら務めていただきました。建て方からお世話になった高橋棟梁、そして黙々と美しい室内や階段、そして最高の造作を作り出していただいた一ノ瀬棟梁、設備全般をご担当いただいた相澤さん、太陽光発電とそのシステムをご担当いただいた佐山さん。いつも最高のキッチンを作ってくれる石川さん、同じく最高の家具を作ってくれる桑原さん・・感謝、感謝!

そして何より全国一の住宅基準である「札幌版次世代住宅基準」と「北方型住宅ZERO」への挑戦をお許しいただいた建て主さまにこの場をお借りして心より感謝申し上げます。

ふと想えば・・2009年の「銭函の家」から早15年。巷で言われる高性能住宅専門の設計事務所として見た目は違えど300mm断熱の家を作ってきました。

「北7条の家」はその43棟目に当たります。

いつも思うのですが、最高の環境性能を持ち、燃費や居心地の良さが実感できること、そして地域の材料と技で作られていること。寿命の短い機械設備による短期間の高性能ではなく長い間、楽に手間が掛からずに住めること。子供に残して喜ばれる家にすること・・・

全て、今の時代から感じる疑問に答えることを家づくりの目標にしてきました。

事務所を始めて今年で26年目。このブログも15年目になりますが、不思議なことに大切な家づくりをお任せいただく機会をたくさんいただくようになりました。

設計者としては本当に嬉しい限り。引き続き良い家をたくさん提案して行こうと思います。
空間を邪魔することなく、軽やかで光あふれる階段。光あふれる室内はナラ材の床や白樺の家具を引き立てます。
差し込む光は少しづつ夏に、たくさん断熱をして空調計画もしっかり行いましたから夏も涼しく暮らしが楽だと思います。

ぜひ一年を通して住まいを楽しんでほしいと思います。

今日はバネッサ・カールトンなんていかがでしょう






2024年5月19日日曜日

暑さと断熱

  最近、リフォーム案件で小屋裏に出入りする機会が増えた。 5月は爽やかな北海道。だけど、小屋裏は例外なく暑い/笑・・ ふと昨年訪れた夏の岐阜を想い出した。白川郷の合掌造りの小屋裏。厚み60cm超の分厚い茅葺の屋根がまさに防水を兼ねた”超”屋根断熱となり、薄暗い室内を通り抜ける風が心地よかった。

外気温は日陰で約32℃、日向だと34℃、絶対湿度だって18g/kg以上もあった。その熱い外気が小屋裏に入ってくるのだから、心地よいというのも、よくよく思えば変な話。でも、どちらか選べと言われたら、圧倒的に白川郷の小屋裏を自分は選ぶ。

 理由は実に簡単で、茅葺の超断熱屋根は無断熱のトタン屋根のように焼け込まないから輻射熱を感じないし、34℃の外気だって風速があれば暑さに不慣れな北海道人の自分でもそこそこ過ごせるってことが分かったから。それに比べたら5月でさえトタンの焼け込みで屋根面の熱がジャンジャン入ってくる北海道の家の小屋裏は過酷でしかない・・長年の蓄積といえばそれまでだけど、断熱がいかに暑さをしのぐ上で有効な知恵だったのかを分厚い茅葺の合掌は今に伝えていると思う。

 こっから先は余談ですが・・白川郷の小屋裏でもう一つ最高だったもの・・それは北側の窓からの景色でした。


ミライの住宅の林さん、森さん昨年の貴重な学びに感謝します。


2024年5月1日水曜日

発寒の家Ⅳ 見学会を終えて

 

車が二台駐車出来て、雪かきが最小となるレイアウト。冬はカーポート内をトンネルのように使って玄関にアプローチします。夏場は手軽なBBQスペース。物置と駐輪場(除雪機置き場)も設けました。

当日は「発寒の家Ⅳ」の見学会にたくさんのご来場をいただきまして誠にありがとうございます。長く続いた新型コロナ感染症が明けて、やっと本格的な見学会ができるようになりました。引き続き、地域に相応しい住まいのデザインに取り組んでまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

夜間は一転、柔らかな光で街並みを作ります。

また今回の見学会を企画するにあたり、住まい手さまより特段のご厚意とご理解を頂きましたことを、この場をお借りして一言御礼申し上げます。見方を変えれば住まいの多くは個人宅。その一方で北国にこそ必要な間取りの知恵は現地でもまだ十分知られていません。

パッシブ換気の塔屋の壁面に取り付けられた太陽光パネル。すべてを電気で補い電気代の収支をゼロにすることを目指すのではなく、寒冷地に合った熱源の組み合わせで省エネと快適性の実現が設計のコンセプト。太陽光パネルは蓄電池と接続されており、停電時は自立が可能。冬ならペレットストーブや暖房ボイラーに電力を供給することも可能。

そうした事情を汲んで、見学をお許しいただけることはたいへん有意義であると同時に、設計者である自分のみならず大工さんや家づくりに関わる数多くの職人さん達の技を広く社会に示し、地域材の生産者さん、未来の建築を道内で学ぶ学生さんたちにとっても貴重な機会となります。その一方、そうした寛容な大らかさが縮小する社会においてこうした見学の場を地域の文化として育てたいと思っています。

南東向きに大きな開口部を設けたLDK。300mm断熱の家であれば冬場一日、6~8時間の暖房稼働で家中の室温は18℃以上を終日確保できる。但し、ずっと同じ室温環境の中に居続けるとポカポカとした刺激がほしくなる。そこで炎が見えて輻射(ポカポカ感)を改善するペレットストーブを用いて微調整(徐寒)する。

主な暖房設備でざっくり18℃を作り、高い外皮性能と日射を含む内部取得熱でそれをキープし、徐寒の微調整にはペレットストーブ等を用いる。300mm断熱の家も今回で42棟目となりましたが、暖房設備だけで微調整まで行おうとせずに、小さな設備を併用することでかなり不満の少ない暖房環境を実現できます。

シンプルに隠すことを意識した対面型キッチン。開放的なLDKとその真ん中に置かれた対面型キッチンは人気がありつつも充分な収納能力がないと成立しません。住まい手が片付け上手であることはもちろん、居間に対して解放されたキッチンセットは家具の王様でもあります。

こうして見ると実にシンプルですが・・・

実はもの凄く大容量の収納となっています。

手元を居間側から隠し収納力を上げるレイアウトです。

料理本やこまごまとしたものの収納はこんな風に90°ひねった棚を用意しました。写真のように小さなスツールなんかを入れておくのもいいと思います。キッチンに北側の安定した光を導き入れるのにも一役買っています。

こんな感じで収納物が居間側から見え難いようにしています。

間取りの中央に位置しつつも暗くならぬように工夫した階段です。壁をなめるように光が入り階段を奥まで明るくします。曇りガラスを効果的に使うのも大切なポイントです。

冬には自転車を仕舞ったり、スキーやスノボを整備したり、肩の雪も払える暖かな土間玄関です。右側は二畳にも及ぶ大容量の靴箱とコート掛け。玄関廻りの収納不足は北国アルアル・・しっかり対策しています。

最近の北海道は夏がどんどん厳しくなっています。そこでパッシブ換気の塔屋の中にエアコンを装備しています。

3種換気とパッシブ換気の排気口。ナイトパージ(夜間外気冷房)用のドレキップ窓も設けました。窓からは屋上に出ることも可能です。

徐寒目的のペレットストーブ。大きなガラスは炎を美しく見せてくれます。その一方で森林資源由来のエネルギーである薪やペレットは極力少なく使えば済むように計画します。すべてを薪ストーブでという人がいますが、それだと貴重な森林資源はすぐに枯渇してしまいます。より少なく再生可能な範囲で使うからこそ、長く使えるのが木質バイオマスエネルギー。薪だからエコなのではなく計画的に使うからこそ環境的なのが森林資源です。

パッシブ換気の床下給気部分。空気は見えませんから吹き流しを付けて、一目で給気が確認できるようにしておきます。夏場、窓開け換気が難しい期間(エアコンを使用する盛夏時等)のみ3種換気を用います。

こんな風に床下に照明も付けていつでも点検可能なようにしておきます。床下は給排水管等の設備置き場でもあります。どんなに耐久性の高い設備でも建築ほど長くはもちませんから交換時に入り易いよう、普段から点検環境と動線を確保しておきます。

今後は益々、第三者による評価が問われます。「発寒の家Ⅳ」は札幌版次世代住宅基準の最高位であるプラチナグレードです。

こちらは上記の根拠となる省エネ性を示したBELSの評価証です。



今日はタチアナ エバ マリーの歌で・・