本日は、設計者の技量を競う競技会(設計コンペ)のご案内です。
3/11の東日本大震災は、私たちの既成概念を根本から揺さぶる大惨事になりました。同時に発生した福島第一原発の放射能漏れ事故は一旦は収束の兆しが見えたかに思えましたが、時を経るにつれ25年前のチェルノブイリに並ぶ事態となっています。また現地の状況がさらに鮮明になるにつれ、地震とはまったく異なる津波被害の恐ろしさも広く知られるようになってきました。2011年4/21現時、被災地ではようやく仮設住宅の建設が本格化し、一月以上に及んだ避難所生活に一筋の光が見え始めています。そんな中、私の所属する日本建築家協会北海道支部(以下:支部)と外断熱工法を扱う㈱テスクとのダブル主催で設計コンペを行うことが決まりました。日本全国に自粛ムードと風評被害が渦巻く今こそ、設計者の職能による社会貢献を目指し、支部の公式な事業として、建築家仲間たちと一緒に、精一杯コンペを盛り上げたいと思っています。このブログをお読みの方で、北海道在住の建築設計に携わる方はぜひチャレンジしてみてください。
詳しくは 公式ブログまで
第3回 JIA・TSCチャレンジ設計コンペ http://jiatsc2011.blogspot.com/2011/04/jiatsc.html
■ちなみに後援団体は非常に豪華です!応募をお待ちしています。
北 海 道
札幌商工会議所
財団法人 北海道建築指導センター
社団法人 日本建築学会北海道支部
社団法人 北海道建築士会
社団法人 北海道建築士事務所協会
社団法人 北海道建築技術協会
社団法人 インテリア産業協会北海道支部
北海道設備設計事務所協会
社団法人 日本建築積算協会北海道支部
社団法人日本構造技術者協会北海道支部
北海道インテリアプランナー協会
北海道インテリアコーディネーター協会
新建築家技術者集団
北海道デザイン協議会
株式会社 札促社
株式会社 北海道建設新聞社
株式会社 北海道住宅通信社
2011年4月21日木曜日
2011年4月9日土曜日
20110304セミナー御礼 その三
3:工法、コスト編
さていよいよ今日が第三部、結びとなります。
南あいの里、菊水ともに、北海道の標準化工法である在来軸組み構造にマッチングのよい高断熱工法をいろいろと検討するところから、スタートしました。今回のように新しい試みに挑戦するためには、一般仕様は通用しません。たくさんの選択肢から費用対効果最大の工法を見つけ出すことが実はなかなか骨の折れる仕事でもありました。もちろんお分かりとは思いますが、断熱の仕様や窓の仕様、その納まりといった事柄に一般仕様を選択すれば、設計者は、間取りやデザインといった従来の得意分野の仕事に専念できますが、燃費や暖房に頼り過ぎない穏やかな室内気候、地産地消、木質バイオマスエネルギーの導入、バランスのよいコスト、費用対効果を含めたこれからの設計思想といった見えない部分まで欲張ってデザインしようとすれば、残念ながら私という一建築家のキャパシティーを大きく超えてしまいます。まさにチーム編成で設計に当たる意味はここにありまして、各専門家が現場の実践を通して見つけた貴重な事柄を私がみなさんに発信できるのも、すべてチームのおかげなのです。
さまざまな断熱材の使用を検討した結果、積水化学工業が開発した、フェノールフォームを用いることで、目指す費用対効果が得られることが、分かってきました。生産とコストシュミレーションを担当した、武田社長は、断熱材の工法別にすべて異なる下地や付属手間を細かく拾い、金物、必要人員、一日の予想出来高等を勘案してベストな結果を探してくれます。結果は従来どおり壁の中に10cmのGWを充填し、外貼りは板状の高性能な断熱材を一回で貼り、都合二回分の手間で30cm分の断熱を完了してしまう方法が選択されました。またこの構造を傾けたものが屋根、垂直なら壁といったように単純化し、従来のように壁は外貼り、屋根は吹き込みといった異なる断熱方法をとらずに共通化しています。小屋組みをプレカットでトラス化しクレーンで一気に建て方を終わらせるのもたいへん手間節約には有効でした。
単純化された、壁と屋根の構造、断熱材の性能を高めると部位を薄く高断熱化できる。これを分かりやすくいえば、室内を拡大化しつつ断熱性能を確保することが可能となる。結果、二階の天井を水平に貼る必要がなくなり屋根なりの吹き抜け空間としてのびのびとデザインすることが可能となる。
断熱材の止め付け方を工夫し、従来の外貼り断熱材のネックだったヒートブリッジ(継ぎ目に木材が出るためにそこが熱の逃げ場になりやすい。)を極力回避する構造としている。
下地の材を止めつける、内野沢棟梁。
9cm厚で3×6版(91cm×182cm)のフェノールフォームを外壁に止めつけて行く。これでグラスウール20cm分の断熱と同じ効果が期待できる。(断熱は壁の隙間に押し込む充填法よりも外貼り法の方が同じ性能の断熱材を用いても効果が高い。)
従来型の窓と壁の納まりが左側の写真。サッシが構造軸とも断熱軸ともずれ大きく外部側に追いやられているのが分かる。反面、南あいの里や菊水ではサッシの中心軸は構造軸、断熱軸と近接し構造的、断熱的なリスクを減らしている。南あいの里、菊水でサッシを担当するエンヴェロップによりサッシの位置や止水ライン(防水位置)が綿密に検討されている。
ご存知、北海道の偉大な発見であるパッシブ換気を説明するために作成したイラスト。
パッシブ換気とは、「正しく計画され、断熱され、気密化された建物においては、必要とされる換気は機械動力を必要としない。」というもの。隙間風や断熱不足による温度むら、空気や熱の移動を考慮しない間取りといったものから作りてが卒業すれば、煙突効果や対流といった自然の法則を用いて(機械動力に頼らないで)家全体を健全に保つために必要な換気量がモーターを用いずとも得られます。この話は過去に何度も書いていますが、ほんとうに不思議だと思いませんか?建築とはまさに科学でもあります。(*:建築基準法で定められている機械換気を否定するものではありません。実際の工事では、法的に必要な最低限の機械換気、たとえば簡易なパイプファン等は設置を求められますのでご注意ください。)
外気を導入する部分の屋外と室内の写真。外気を床下のヒーターでわずかに温めるだけで浮遊力を得た空気は各階に熱を配りながら室内の最も高いところを目指して上昇して行きます。ヒーターの容量を最適化すれば、換気と暖房を一体で行うことも可能となります。ドイツのパッシブハウスが床下空間を作らないのに対して、積極的に床下を断熱した室内空間として用い、余熱用のヒーターや給気管を設ける場として利用するところが特徴です。
今度は排気口の室内側と屋外側です。実はこの排気口も北海道の特産なのです。グッドマン換気口はいつも愛用することが多い製品です。左の写真の上部がグッドマン、下部がパイプファンです。
北国の家の穏やかな室内気候を完成させるためには、不要な外気の流入がしっかりと遮断されているか否か、実際に圧力をかけて現場毎ごとに確かめる必要があります。
すっかりおなじみのDr.タギ氏による気密測定はけして欠かせない工程です。
写真はドイツのパッシブハウスです。一見してずいぶんガラス面が多いと思いませんか?最近ドイツでは、建物のガラスの面積が増えつつあります。意外と知られていませんが、スウェーデンやノルウェーでは一年12ヶ月のうち、およそ2ヶ月が夜(一日中太陽が顔を出さない状態で極夜という。夏の白夜の反対。)です。こうした日が11月中旬から翌年の1月中旬まで続きます。したがいまして窓を大きくとることで冬場の太陽熱を取得しようという発想自体が難しくなります。むしろ夜の長い国として、短い夏の光を最大限楽しむために窓を大きくしようとするのです。北緯70°以北といえばもうほとんど北極圏ですが、主にメキシコ湾流の恩恵で冬場は本来の緯度からすればかなり暖かな気候といえます。それに対してドイツの場合は、北部以外は冬場の太陽熱を積極的に室内に入れ取得した熱を暖房の足しにすることが可能になります。(北ドイツでは期間は短いですが極夜があります。)さらに緯度が20°以上南に位置する北海道では、冬場でも豊富な太陽光が得られます。こんな理由で私の設計する建物には、冬場、低い軌道で移動する太陽から貴重な熱をいただくために、横長の窓が多く採用されるのです。(下の写真は銭函の家/2009)
ドイツのパッシブハウスの断面模型。断熱材は屋根45cm以上、壁30cm以上という分厚さ、壁の総厚は40cmを軽く越えます。こうした壁をドイツでは工場で断熱パネルとして一体生産するのが通常です。現場で大工さんが3回や4回に分けて断熱材を入れることは一般的とはいえません。先進国として大工の人件費はけして安くはありませんから、そういった工夫が必要になります。写真はドイツではポピュラーな木材から作るウッドファイバー。廃材や間伐材から作られるが、断熱性能はグラスウールと変わらない。私なら、小型プラントを被災地に設置して大量の廃材から断熱材を作りたいと思います。それを復興家屋に必ず使うことも合わせて提案することでしょう。復興する一軒一軒が、その壁や屋根の中に過去の街のDNAを宿している。けして悲劇を忘れない見えない誓いとして、今度は寒さや暑さに対する備えも真剣に行なってほしいと思います。もちろん出来上がった断熱材を販売することで経済も復興してほしいですし、仕事もごみ処分も両立しながら、もう一度立ち直ることができればよいと思います。
対する日本の生産現場は梁と柱の加工こそ土場やプレカット工場ですが、その他はほとんどすべて現地生産が普通です。つまり大工が一人で持ち運べて、工場よりも設備の劣る現場で作っても工場と出来上がりに差がでにくい方法を事前に、大工ともどもしっかりと練っておく必要があるのです。ものづくりの合理性を論じる際に、その国や地域の歴史や生産標準を無視した話をしても答えはなかなか見つかりません。ドイツや北欧が自らにふさわしい方法を長年掛けて見つけたように、私たちも自分たちのやり方を見つけるために日々努力しなくてはいけません。また建築というのは、たとえ先進国であっても地域的な基幹産業としての役割が強い場合がほとんどです。地元の生産者とのつながりや、伝統的な木材の寸法や止め付けに用いる方法や金物、技術者の技量や教育にいたるまで、地域と一体化した経済的な生態系のような構造になっているのが建築という産業の特徴なのです。山がなくなれば良い木が絶える、よい木がなければ大工が絶える、大工が絶えれば跡継ぎも絶える、直す人がいなければ建物が絶える、建物が絶えれば人が絶える、人が絶えれば街が絶えるといったように、鎖の輪のように脈々とつながっています。自分のやり方を見つけたドイツや北欧を尊敬しますが、学ぶべきはまずその不屈の精神であり、彼らが苦心の末見つけた方法を安易に真似るだけでは、本当の ものづくりとは言えないのです。
長らくほとんど棄てられていた白樺から作った美しい積層合板。(よく、廃棄物が原料なのだからほとんど製品代もただ同然という感覚の人がいるが、むしろ一見、ごみにしか見えないものをこんなに美しい製品に生まれ変わらせる技とはさぞや...と思える感性を大切にしてほしい。よいものを見つけるためには、ものを見る目を磨きながら、生産者を尊敬することだと思います。)
木口を美しく見せるデザインがもっと増えると楽しいと思う。写真は2010年グッドデザイン賞に輝いた、ペーパーウッド。(瀧澤ベニア株式会社)、キッチン製作:クリナップ㈱直需事業部、デザイン:山本亜耕。
注:写真のキッチンはクリナップ㈱のカタログモデルではありませんのでご注意ください。カタログ掲載の規格品ではなく、菊水の家のために専用にデザインしたものです。従いまして、デザイン上の版権は山本亜耕建築設計事務所に属します。クリナップ=カタログモデルとの思い込みから、直接ショールームに問い合わせる方が多いとのこと。それ自体はたいへん嬉しいことですが、常備品としての生産はしておりませんので予めご了承ください。製作等のお問い合わせは山本設計までお願いいたします。
さまざまな部分が、エコシラ合板で事前にパーツとして試作された。
さてお話もそろそろ最後に近づいてきました。二月、一ヶ月間の電気量はそれぞれの家でどのようになっているのでしょうか?北海道で使うエネルギーの大きな割合を占める暖房用熱源。3軒とも基本はオール電化ですが、その内容はかなり異なっています。西岡の家と南あいの里の家は深夜電力の一種であるホットタイムを用いた暖房用電気の料金メニューに時間帯別割引が特徴のドリーム8という料金メニューの二本立てで暖房とその他の動力をまかなうのが特徴。それに対してすべてヒートポンプを用いている菊水の家では専用料金メニューとして北電が開発したET-3(イータイムスリー)というメニューで料金が算出されます。まあ結果は一目両全。上右のグラフを見ても明らかなように同じ方式の西岡と南あいの里では一ヶ月間の電気使用量が西岡:2553kw、に対して南あいの里1615kwと約4割も少ないのです。もちろんこの他に南あいの里はペレットを焚くのですが、それを勘案しても、西岡の家は約32,000円/月(暖房+その他)となり南あいの里は、電:約21,000円+ペレット:約4,000円程度で25,000円/月(暖房+その他)となりました。さらに菊水は、ヒートポンプの運転を工夫した結果、一ヶ月で消費した電力量が1114kw。料金は13,000円/月(暖房+その他)となっています。みなさんにご理解いただきたいことは、断熱という一見地味でリーズナブルな工夫を見直すことで、たとえ従来型の燃費のあまり良くないと言われるシステムでもずいぶん電気の使用量を抑えられるということです。
日本人はすぐに最新型の○○...が大好きですが、総合成果物である建築においては、いくら部分だけが飛びぬけていても成果は出にくいということをぜひ踏まえていただくと、家選びを失敗しません。ちょうど車のように、エンジンばかりパワフルにしても、まっすぐ走らなかったり、止まれなかったリでかえって短所が目だってしまうのが家作りの難しさなのです。全体を見通す広い視野と目先に惑わされない設計思想を持つことが家をつくる上ではたいへん重要なのです。よく家は3軒つくらないと...などといわれるのはきっとそうしたことなのでしょう。
最後には、建設コストのお話で、私たちチーム南あいの里と、菊水の研究発表を終わります。きっとここまで読んでいただいた方は、よいのは分かるけれど値段もよすぎるんじゃ?と思われると思います。そこで南あいの里の家の予算書をもとに各工事に対する工事費を比率で表したグラフを示します。みなさんに分かりやすいように、この家を従来型【次世代省エネ仕様(Q値:1.6W/㎡k)】でつくった場合と比較できるように考えてあります。
たとえば、総工費2,000万円程度の家は従来型ならば、木工事が22%。440万円、一方300mm断熱仕様になると23%。460万円。+20万円UP、断熱工事費は従来型は1.5%。30万円に対し約5.5%。110万円。+80万円UP、サッシは従来型6.5%。130万円に対して8.5%。170万円。+40万円UP、逆に暖房工事費は従来型4.5%。90万円に対して2.7%。54万円となり-36万円DN。しめて20+80+40-36=104万円UP。(但し、換気はパッシブ換気、特殊な基礎構造等、ペレットストーブ等は含まないものとする。)
*:余談になりますが、従来型とはいえ、北海道の高断熱住宅の断熱工事費が総工費の1.5%程度という事実に驚く人も多いと思う。こうした各工事の予算配分は、別の見方をすれば価格の設計図に他なりません。時流や建て主の要望、もしもの時の安全性を取り入れたバランスのよいコストデザインが行われている必要があります。立案者をはじめ予算編成にたずさわる人間の見識が低ければ、国の予算と同様支持はなかなか得られません。予算書の中身が近代的か?やむを得ず膨らんだ部分はしっかり説明ができているか?、燃費のように回収すると考える項目のもの、安全性や歴史に耐えるデザインのように回収するという考え方自体がそぐわないもの、そうした事柄を分けて説明しているか?この分野のデザインが進むと建築自体がさらに親しみやすく面白いものになると思うのです。
最終的にチーム南あいの里の推計によれば、300mm断熱化する場合は、総工費2000万円程度の家ならば「追加断熱補強関係」に掛かる費用は総体の約5%程度となりました。よく断熱材に投資しても、回収のあてが付かないという議論を耳にしますが、平均的な西岡の家と比べても南あいの里の家で年間5万円程度、菊水の家ならば10万円程度安くなりますので、10年~20年で十分回収が可能です。(もちろん10~20年間、灯油価格が変わらないなどありえない話ですので実際にはもう少し早くなると思いますが。)
(*:このグラフの結果はチーム南あいの里、固有のものであり工務店や設計者が変われば、当然工事費の割合等が変化します。この割合を単純に当てはめようとしても、工務店や設計者の能力や最終価格を決定する商流等の違い、何よりも建築主の趣向により整合しませんので予めご注意ください。価格とは絶対的なものではなく、個人の趣向や敷地状況が大きく異なる住宅においては一目安とお考え下さい。むしろ誤解を恐れて今までコストに関する研究や臨床的な情報公開がなされてこなかったことがたいへん残念です。
コストを比較する際は、建物構造、杭工事の有無や高価なキッチン、ユニットバス等々の追加断熱補強以外の部分を除いて比較しないと、大きな誤解を招くことになりますので、建築の価格構成に不慣れな消費者の方々は特にご注意ください。)
2011年4月7日木曜日
20110304セミナー御礼 その二
2:性能検証
さて今日は3軒の住宅を例に、一ヶ月分の実測データーをながめながら建物の性能が室温や外気温とどのように関係しているのか見てみたいと思います。「あれ、南あいの里と、菊水の二軒では?」とお思いの方はブログをしっかりお読みいただいて誠にありがとうございます。もう一軒は、現在、北海道の省エネ基準として最もポピュラーな、I地域(北海道地域)用次世代省エネ基準代表として「西岡の家」に登場してもらいます。目的はずばり、南あいの里の家、菊水の家を語る上で目安としてちょうどよいと思ったからです。下記に各家のデーターを乗せます。Q値とは建物の外気に接する部分(壁や屋根等)から平均どのくらい熱が逃げているのかを表しています。たとえば南あいの里の家と西岡の家を比べると、南:1.0W/㎡k、西:1.6W/㎡kとなり1平方メートル当たり0.6W南あいの里の家の断熱性能がよいことが分かります。確かにその差は0.6Wに過ぎませんが、室内と室外の温度差が1℃の時であることを忘れないでください。たとえば室内を20℃で暖房し屋外が-10℃に冷え込むような日は、内外の温度差が30℃にも達します。その場合のそれぞれの家の値は
下記のようになります。
【内外温度差30℃の1㎡当たり】
南:1.0×30=30W/㎡
西:1.6×30=48W/㎡
つまり南あいの里の家は、通常の高断熱仕様の家よりも約4割も熱が逃げにくいということが分かります。仮に一般的な40坪くらいの家をそれぞれの基準でつくった場合、家全体から逃げ出す熱を概算してみますと。(40坪程度、床面積:≒130㎡程度。)
【家全体】
南:30W×130=3900W/h
(-10℃に冷え込んだ夜は40W電球約98個分の熱が逃げる)
西:48W×130=6240W/h
( ” 約156個分の熱が逃げる)
というように、たいへん大きな差になります。
ここで菊水の家も概算してみたいと思います。
菊:0.7×30×130=2730W(同条件なら40W電球69個分の熱が逃げる)
(*:菊水の家は換気装置に熱交換換気を用いているために計算上は有利になります。壁や屋根の断熱仕様は南あいの里とほとんど変わりません。)
また必要熱量とはこの各家のQ値(熱の逃げにくさ/断熱性能)から逆算した必要と思われる暖房設備の大きさです。南あいの里:3.3kw、菊水:2.1kw、西岡:5.3kwとなります。
(但し:外気温-13℃の時室温を22℃とした場合)
「やっぱり西岡はよくないね~」そんなふうに感じられるでしょうか?しかし1kwはヘアードライヤー一本分の熱量、約3kwだと家庭用のカセットガスコンロと聞くといかがでしょうか?南あいの里は暖房対象面積(暖房空間の広さ)39坪(約78畳)をこのカセットコンロ1台で最も厳しい寒さの日を乗り切ることが可能です。よくないという印象の西岡の家ですらカセットコンロ二台も必要ないのです。前回のブログで次世代省エネ基準の性能では北海道のCO2は減らないと書きましたが、こうして比較してみるとどれくらい大変かが一目瞭然だと思います。オール電化をしている方は家中の暖房設備の容量が何キロワットかをぜひ計算してみてください。
現在、策定が進行中の札幌版省エネ基準の案をお見せいたします。緑が新築用、ベージュがリフォーム用となっています。現実的にCO2削減を目指すとなると非常に水準の高い断熱を行う必要があることがお分かりいただけると思います。
仮に南あいの里の家と菊水の家をこの札幌基準で評価すると、新築用基準のスタンダードとハイということになります。今後本格的に北海道でCO2削減に市民総出で取り組むためには最低でもこのくらいの性能を必要とするということをぜひご理解いただきたいと思います。またこのような使ってもよいエネルギーの制限は、日本全体が目指そうとしているストック型社会においては、むしろリフォームされる住宅(古くても直す場合は対象になります。)にとって適用が必要であることも大切なポイントとなります。(これから新築される家をすべて南あいの里や菊水の家のようにしても、既に新築戸数が毎年下降傾向の現状では、既存住宅の性能向上がセットでないとCO2削減は難しい状態です。)
一ヶ月間の室温の変化と外気温の実測データー、厳寒期にあたる二月に計測。さすがに南あいの里地区は寒く、最低気温は-12℃を下回る日もあった。(黒線)、反面床下以外の各室の温度は18℃~24℃の間で細かく振動している。暖房の使用状況はパッシブ換気用の1kwの電気ヒーターは入れっぱなし、主暖房のペレットストーブは、燃料供給を最低まで絞り、朝6:00から朝10:00くらいまでほぼ4時間運転の後OFF、(この条件で2月のペレット消費量は約3kg/日、10kg入りの袋が3.5日でなくなる計算)で寒くもなく生活ができたとの事でした。また夜間も1kwの電気ヒーターのみで室温は18℃(オーナー所有の温度計では17℃)までしか下がらないことも確認されました。
南あいの里の家の室温を最も寒さが厳しかった日を含めて4日間分切り取ったのが上のグラフです。壁と屋根をそれぞれ30、40cmも断熱した結果、室温はほとんど外気温に影響されなくなり、ほとんど暖房に頼ることもなく、22℃近辺の室温を維持することが可能となる。二階の居間とその上のロフトの気温がツン、ツンと角のように尖る時間帯は、12:00くらい。窓からの日射の影響と考えられる。冬場の気温が北欧と同じであっても、低い緯度により冬場の日射量が遥かに多い北海道においては、壁、屋根の断熱に加えて日射熱を手軽に室内に取り込むための、これまた断熱性能に優れた大きなガラス開口部がたいへん有効であります。要は飛び切り寒い日であっても快晴ならば室温を上げることは難しくありません。
一方こちらは菊水の二月、約20日分のデーターです。まず街中である菊水は外気温が南あいの里とはまったく違うことが分かります。最も寒い日であっても-10℃を下回ることはありません。こちらも、室温が細かく上下動を繰り返していますが、よく見ると南あいの里よりもその振れ幅が小さいことがわかります。この理由としては、もちろん熱交換換気の採用や窓がより断熱性能の高い木製枠の三重ガラスであることも関係しますが、最も大きな違いは、敷地の向きと日当たりといえます。南あいの里が日当たりのよい南側角地でなおかつ大きな水平のガラス面を持っているのに対して、菊水の場合は、日当たりの少ない北側敷地で、南側の窓の前には3階建ての隣家が迫り居間の日当たりは南あいの里よりもずっと穏やかです。
太陽の熱量は少なくとも、南あいの里の家よりも総合的には高められた断熱性能により、安定した室温を生み出しているのです。菊水の家の暖房は空気熱源のヒートポンプによる温水輻射暖房ですが、そのままだと暑くなってしまうので、13:00~18:00まで機械をOFFにして生活していたそうです。その結果いくら北側とはいえ、昼間太陽が出れば室温が上がり、暖房時間は一日19時間程度とのことでした。
南あいの里の家に比べて穏やかな12:00頃の室温ピーク。メインの居住スペースである二階と三階(菊水の家は一階はすべて収納スペース。あとは玄関。)は18℃~22℃の間でさらに穏やかに気温変動する波形となっている。(実測:(有)タギ建築環境コンサルタント)
このグラフは、ブログでもすっかりおなじみのDr.タギ氏による非定常計算による断熱厚さ別の住宅の自然温度の動きを感覚的に説明するために作成したものです。たとえば15cm断熱の建物は人が居住している状態で暖房を失うと、外気温が-10℃の時には室温は0℃にまで下がってしまう。翌日朝が来て外気温が上がったとしても11℃までしか室温は回復しない。同じ条件で20cm断熱の場合は最低気温が+4℃に上がるものの室温の最高値は約15℃までとなる。しかし30cm断熱すると大きくこの状態が変わる。室温は人が生活してさえいればたとえ暖房を失った状態でも14℃~22℃の間に収まることが分かる。この温度帯ならばエネルギーを失った非常時であっても寒さにより室内で命の危険が増すことは少ない。現在も危機的状況が続く東日本大震災の報道を見ても冬場の被災がどれほど過酷か皆さんもお分かりだと思う。今回のように発電所が大きく被害を受けると、被災地以外の地域も計画停電等によるエネルギー不足に陥る。もし今の時期の北海道がその対象だったとしたら、家ではたして過ごせるだろうか?チーム銭函に始まりチーム南あいの里、菊水の全員が皆さんにご理解いただきたいのはこうした点に他なりません。私たちはエネルギーが必要です。でもけして頼りすぎてはいけないのではないでしょうか。確かに暖房は快適です。しかし暖房なしで死を覚悟せねばならないような設計思想はやはり誤りなのだと思います。
2011年4月4日月曜日
20110304セミナー御礼
東日本大震災の影響で報告が遅れてしまいましたが、3月4日のセミナーは悪天候で高速道路やJRが運休する中、たくさんの方々にご来場いただきまして心より感謝申し上げます。またご講演をいただきました札幌市環境局さま、札幌版の新省エネ基準策定に座長として参加されている絵内先生、ご後援をいただいた関係各位のみなさま、ほんとうにありがとうございます。
家づくりを通して、クライアントや各分野のスペシャリストが協働することで市民にとって有益な情報公開の場にならないか?特にわが国は衣、食、住の中で圧倒的に住をはじめとする暮らしの分野が弱く、それに対する市民の気付きや本質的価値の理解が不十分なのではないか?そんな状況に答えるためには、市民と、ものづくりの現場を結び、設計者自らが臨場感を交えて解説を行ったり、時には生中継をしたり、見学会や講習会を企画してはどうだろうか?設計者の威厳をことさら強調したり、手柄を独り占めにしたりしないで、たくさんの専門家と実際の住まいづくりを通して、これから家を直したり建てたりする方々の一助になり得ないか?また地域のマスコミのみなさんには、一緒に作り手と建設中からコラボレーションすることで、もっとリアルな分かりやすさと同時に、記事のクオリティーも高めてほしい。「北海道の住宅関連の新聞雑誌はレベルが高いね。」と他県からも引き合いが来るようになってほしい。生産者や施工者のみなさんには、共通の目標のために団結して知恵を出す機会を生かし、皆が知らない地域の技や特色、よい仕事をアピールしてほしい。そしてなによりこのブログをお読みの市民の皆さんが、北海道の特産は海の幸と野菜ばかりではなく、建築もそうだよね!と少しでも感じてくれたらこの試みは大成功だと思います。
それでは、当日会場にお越し願えなかった方々のためにセミナーの内容をダイジェストで報告いたします。
1:現状とコンセプト
家づくりを通して、クライアントや各分野のスペシャリストが協働することで市民にとって有益な情報公開の場にならないか?特にわが国は衣、食、住の中で圧倒的に住をはじめとする暮らしの分野が弱く、それに対する市民の気付きや本質的価値の理解が不十分なのではないか?そんな状況に答えるためには、市民と、ものづくりの現場を結び、設計者自らが臨場感を交えて解説を行ったり、時には生中継をしたり、見学会や講習会を企画してはどうだろうか?設計者の威厳をことさら強調したり、手柄を独り占めにしたりしないで、たくさんの専門家と実際の住まいづくりを通して、これから家を直したり建てたりする方々の一助になり得ないか?また地域のマスコミのみなさんには、一緒に作り手と建設中からコラボレーションすることで、もっとリアルな分かりやすさと同時に、記事のクオリティーも高めてほしい。「北海道の住宅関連の新聞雑誌はレベルが高いね。」と他県からも引き合いが来るようになってほしい。生産者や施工者のみなさんには、共通の目標のために団結して知恵を出す機会を生かし、皆が知らない地域の技や特色、よい仕事をアピールしてほしい。そしてなによりこのブログをお読みの市民の皆さんが、北海道の特産は海の幸と野菜ばかりではなく、建築もそうだよね!と少しでも感じてくれたらこの試みは大成功だと思います。
それでは、当日会場にお越し願えなかった方々のためにセミナーの内容をダイジェストで報告いたします。
1:現状とコンセプト
北海道の人口は大きく減少傾向にあり、今後もさらに加速する見通しである。主な理由は、出生率の低下と、今後、消費を下支えする30才以下の人口流失が著しい。
一方、温室効果ガスの推移を見ると、過去10年間、大きく人口が減少しているにも関わらず、横ばいの傾向が続き減少は見られていない。
人口の減少、特に都市の周辺からの人口流失は、廃校や町村の合併等を加速させ、余剰のインフラが再利用のあてもなく、野ざらしのまま放置される風景を生み出している。反面、新興住宅街の周辺地域では学校をはじめとするインフラが不足し、地域間格差が拡大の一途をたどっている。
主に、高齢化社会を前提に安全性を目指して推進されてきた家庭エネルギーの電化により、家庭内から燃焼器具は減ったが、発電需要が増え、結果としては温室効果ガスは増大した。業種別、企業別に見ても圧倒的に電力事業者の割合が高く、家庭のエネルギーを今後どう選ぶのか?といったことは、そのまま国家の温室効果ガス削減の可能性と不可分な関係といえる。当然ながら将来を見据えた国民の見識が今問われている。
特に北海道の場合は、民生分野(家庭)から排出されるCO2が非常に多く、全国平均の約1.6倍となっている。原因は半年にも及ぶ冬季の暖房によるものだが、もはや単なる地域性として片付けることが難しいところまで来ているのが実情である。またこうした統計の結果から、残念ながら、1999年より実施が始まった「次世代省エネ基準」が少なくとも北海道においては温室効果ガス削減の点からは不十分なものであったことは否めない。今後、北海道において温室効果ガスの削減を目指すならば、効果的な地域基準の策定と普及に加えて、建築主である市民の協力と理解が欠かせない。
札幌の平均的な戸建てにおけるエネルギー消費量に注目してみると、暖房が全体の50%を超え、給湯も合わせると73%となっている。これを見ても分かるように、今後はこの分野の建物側の設計に大幅な努力が求められる。(なぜなら、このデーターは旧式な設備を有する住宅をもとにしたものではなく、あたらしい住宅も含めたものである。)もはや暖房や給湯機器の高性能化に頼っていては燃費の抜本的改善は難しい現状にあることを、消費者が理解しないと、問題の解決はいっそう困難になる。
北海道は道民一人当たり1ヘクタールの森林を所有していると言われるように、広大な森林資源を有している。しかし主に価格を支配的な要因とする供給、生産、流通体質は地域産業の荒廃を招き、自給率を大きく上回る潜在的生産量を現に有しながら地域資源を活用できていない。グラフを見ても分かるようにトドマツなどは潜在的生産量の1/10程度しか活用されておらず、残りもこのままだと使うこと自体難しくなってしまう。その結果、外来材に対する依存度が増し、石油と同じように生産国の都合や為替に過度に影響されやすい体質を一層進めるばかりか、目の前に立派な山がありながら市場に木材がないといったような、誠に??な社会状況を生み出すことにもなりかねない。
この資料は、高齢者の浴室での死亡率をまとめたものである。色が濃ければ濃いほど死亡率も高くなる。特筆すべきは、北海道や青森県が最も死亡率の低い色グループに入ることである。文中にもあるが、各室の温度管理が行き渡っていることがその理由なのだそうだ。いまひとつは建物における暖房や断熱、換気や気密といった基礎的な事柄を北国だけの特殊条件であるとして、しっかり取り組んでこなかった作り手側の責任も大きい。室内の温熱環境を健康的に保つための暖房や断熱は雪国でのみ必要なローカルチックな設計ノウハウどころか、むしろ北国以外の地域にこそ必要なものであることが統計から読み取れる。高齢化社会は国全体の問題であるはずなのに、住まう地域によって高齢者の生存率が著しく違うというのはいかがなものだろうか?さらに、その原因が部屋ごとの温度差と指摘されているにも関わらずそれを改善できないとしたら、それこそ作り手側の怠慢と取られても仕方がないと思う。余談にはなるが、今回の大震災で、命からがら九死に一生を得て避難所にたどり着いても、室内の寒さが原因で亡くなる方の多いことも、建築に携わる人間ならけして忘れてはならない。想定外の震災といった表現にばかり目を奪われることなく、仮に想定内だったにせよ、停電や燃料不足は十分に予測できるはずである。揺れや津波から人々を守っても寒さから人を守れなければ建物本来の役割を果たしているとはいい難い。この経験を糧に大きく考え方がシフトすることを切に願う。それが亡くなった方々に、作り手として報いることではないかと思う。けして電気や石油のせいにしてしまわぬように、これから建築に携わる方々にお願いしたい。電気や石油がない時代から建物が命を守ることに変わりはないのだから。
たとえば、なにか新たなムーブメントを起こそうとするとき、現在の常識や一般的な思考といったものから一旦離れてみることも大切である。たとえば環境と経済と言った場合、ほとんどの人が図の矢印のように相矛盾するもの。といった思考回路を頭の中に描いてしまうとしたら、その後の話がまったく先に進まない。人の思い込み又は既成概念とは得てしてそういったものである。「環境的にすると非経済的、経済的だと環境的ではない。」といった二者択一の平面的思考ではそもそも解決できないところに今の社会の難しさがあることにむしろ気付くべきである。
ほんとうは、経済的な価値と環境的な価値は矛盾しないのではないか?要はkmとkgのように呼び方は似ていても片や長さ(二次元)。片や重さ(三次元)といったような異なる尺度なのでは?と考えてみる。そうした上で目指すべき価値を空中に浮いた直方体のように考えてみてはいかがだろう?反対側から光を当ててそれぞれの面に落とす影の面積が価値の大きさと考えると、上の図のように環境性と経済性は矛盾ではなくなりはしないだろうか?浮いている直方体の太さをのり巻きのようにどんどん太くしてゆけば、経済性と環境性も両立することが可能なはずである。たとえばこれからの住宅のあり方をこんな風にイメージして地域の力や材料を使いながら世界水準のものづくりを目指すとしたらわくわくしないだろうか?こうした可能性を市民の家作りの選択肢としてもっとたくさんの建築家や家づくりに携わる人が発信し、当の市民も巻き込んで北海道の家づくりがさらに楽しくなったらよいと思う。
次回はいよいよ各部のデザインや性能に関してお伝えします。どうぞお楽しみに!
「南あいの里の家」、「菊水の家」プロジェクトマネージャー 山本亜耕
2011年4月2日土曜日
幸せ
東日本大震災の様子をチェックしながら、事務所ではスケッチに集中する毎日。
未曾有の大災害をきっかけに、さまざまな価値観を見直す契機にしています。あらためて私たちの暮らしとはエネルギーと一体なものであること。付加価値よりも本質的価値が遥かに大切なこと。暴走する原子炉は誰にも止められないこと。どんなにインターネットや情報社会が発達しても、噂(風評)にすら勝てないこと。一瞬で数万という命がいとも簡単に失われること。生きていることはむしろ特別であるということ。どれ程幸せか気付いていなかったこと。自然を想定することなどできないということ。反対に、困難が子供を大人にすること。こんなにたくさんのボランティアがいること。想像を絶する状況でパニックに陥らない強さ。助け合いを厭わない人たち。勇気や献身、博愛や責任感等々、震災前までは、しらけて聞こえたことばが現実になった。
尊い犠牲が教えてくれた気付きを大切にしたい。建築家として仕事を通して不器用かもしれないが一つ一つ答えを探したいと思います。
未曾有の大災害をきっかけに、さまざまな価値観を見直す契機にしています。あらためて私たちの暮らしとはエネルギーと一体なものであること。付加価値よりも本質的価値が遥かに大切なこと。暴走する原子炉は誰にも止められないこと。どんなにインターネットや情報社会が発達しても、噂(風評)にすら勝てないこと。一瞬で数万という命がいとも簡単に失われること。生きていることはむしろ特別であるということ。どれ程幸せか気付いていなかったこと。自然を想定することなどできないということ。反対に、困難が子供を大人にすること。こんなにたくさんのボランティアがいること。想像を絶する状況でパニックに陥らない強さ。助け合いを厭わない人たち。勇気や献身、博愛や責任感等々、震災前までは、しらけて聞こえたことばが現実になった。
尊い犠牲が教えてくれた気付きを大切にしたい。建築家として仕事を通して不器用かもしれないが一つ一つ答えを探したいと思います。
クライアントのみなさん。一緒によい家をつくりましょう!本日も事務所にて。AKO
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