2017年11月24日金曜日

野幌の家 内装工事

突然の寒波襲来で雪が降り、気持ちが先に慌しくなりました。(笑)
 
「野幌の家」は現在、内装工事の真っ最中です。今年は雪が早いので、足場の解体やら外構工事の最中やら板金屋さん来て~等々で一気に騒然となりまして、初雪と北海道の現場のあるあるで先週からてんてこ舞いでした。

室内側の50mmの付加断熱を終えた状態。これに石膏ボードを貼ってゆきます。コンセントやスイッチの位置は良いか?照明器具やその他の下地処理は終っているか?石膏ボード下地とそれ以外の仕上げは図面通りか?いつものように大工さんの邪魔にならぬように見て歩きます。

この頃になると15:30には夕方。16:00には夜になります。雪灯りが射して少しは明るいのですが一日がとても早く感じます。現場も照明を点ける時間が長くなります。建て込んだ住宅街なので四方の視線に対して目を配る必要があります。棟梁が丁寧に作ってくれた縦格子は上手く目隠しになります。

こちらは棟梁お手製のスリッパ立て。仕上げ工程に入ったので原則土足はもう厳禁。きれいな現場は凄く気持ちがいいですよね。さて、来月末にはお引渡し。みなさんあと少し頑張りましょう。
 
今日はアヴァロン ジャズ バンド・・ヨーロッパのジャズの香りがします。

2017年11月11日土曜日

発寒の家Ⅱ 基礎工事 防湿コン

雨の合間を縫って、床下の防湿コンクリートを打設した「発寒の家Ⅱ」。しかしその翌日から雨に見舞われました。今の時期の基礎工事ではけして珍しいことではありません。
 
上の写真は雨水が基礎の防湿コンクリートの表面に溜まったところ。秋も深まり水の上には落ち葉も見えます。11/20を目処に建て方を開始する予定なのでそれまでにはきれいに清掃して水をくみ出します。気温的にはまだ暖かくコンクリートにとって水分のある環境でゆっくり硬化できることはむしろよいのですが、水を汲み出した後の湿気には少々注意が必要です。 
基礎断熱の特徴が充分理解されていなかった頃は・・このまま工事を進め3月~4月に完成し引渡しを行うと、ほぼ必ず初夏から夏場にかけて床下がカビる。という現象に見舞われました。理由は簡単で1:床下も含めて換気経路として計画していない。(床下と床上をガラリでつなぐだけでは不十分)2:床下に熱源がない。以上2点が主な理由です。
 
コンクリートは乾いているように見えても年単位で湿気を放出しながら強度を少しづつ増す性質を持っています。また3月~4月という暖かくなり始めの時期に住み始めるので実質の暖房期間は1ヶ月あるかないかです。要は床下がまだ湿ったままなのに暖房もどんどん弱める(本当は床上の暖房はそうでも床下は強めたいくらい)、換気経路として床下を含めた計画もしていないので床下の換気量が常に不足してしまう。結果的に湿度発生源であるコンクリートを乾かすことが出来ずに、床下は低温+高湿(常時露点)の常態が続き・・・見る見るカビが発生するという具合です。
 
現在では床下を換気経路に含み、熱源を設けることが広く知られていますから、こうした事故は随分減りました。しかし換気も熱源も備えていながら、正しい運用方法を住い手に伝えることを怠ったばかりに同じ問題を繰り返すケースもなかなか、なくなりません。
 
意外に多いのは環境意識が高く、小さな熱源で暮らすことに憧れや使命感をもっている人。特に薪ストーブ1台で暮らしたい等という人に限って床下の熱源も計画換気のスイッチも早々と切ってしまいがち・・熱量の大きな薪ストーブは床上と床下の温度差をどんどん広げるので、床下が冷たく結露しているなんてぜんぜん気付かない。その内、台所で調理のたびに換気扇を入れるとプーンとかび臭い匂いが床から上がるようになってはじめて・・「あれれ?」なんて感じです。
 
パッシブ換気は自立性の高いシステムですから、意図的に塞ごうとしない限り換気自体を止める事は出来ません。特に換気量が最大となる冬場は乾燥した冷気を床下に引き入れ予熱機で温めます。言い換えるなら床下で除湿用の新鮮空気を生産しているのと同じことなのです。
 
薪ストーブやペレットストーブの持つエコ風味や見栄えのする環境性に浸りたい気持ちも分りますが床下の除湿と加温もどうぞお忘れなく。(笑)
 
今日はR.L Jonesなんていかが
 
 


2017年11月9日木曜日

フィンストラルのサッシ

最近少しづつ、国産の窓も進化してきたけど、ハイエンドのものは、まだEUには追いつけない。写真は2012年竣工の「発寒の家」(ハッサムノイエ)だけど、そこで使ったのがフィンストラル社のノバライン。性能よし、デザインよし、拡張性もよし。なので複数組み合わせて南面を全てガラスにするとか、北国の建物であっても寒さを恐れることなく超大開口を含む自由なデザインが可能になる。
 
見ての通りトリプルガラスの製品ですけど、明るいガラスのおかげで初夏と秋の中間期も寒くない。むしろ冬場であっても日射遮蔽を細かく制御して室内の明るさと温度を調整する住い方がピッタリくる窓だった。
 
総輸入元のオスモ&エーデル㈱より本社視察のブログがUPされていたのでリンクを貼っておきます。今度、私も行ってみたい。(笑)  http://osmo-edel.jp/column/2361/
 

枠とガラスは別体で納入。

多数の空気室で構成される断熱性に優れた枠廻り

「発寒の家」では構造躯体の外側に窓を貼り付けて連窓のカーテンウオールとして使いました。

国産との最も大きな違いは製作できる一枚ガラスの大きさ。

ガラスの総厚は40mm
 
簡単に大壁面のガラス化が可能。日射取得による暖房負荷の低減を目指して・・・なんてよく聞くけど、作り手にとって実際は、いかに遮蔽側の調整力をデザインできるかが必要になる。特に超断熱建物にとっては、本来暖房に頼ることなく自ら生み出す自然温度差Δtnが12~13℃はあるから、窓の役割はそれを住まい手にとって健康で快適域となる20~24℃くらいに昇温し微調整する補助ヒーターの役割りと考えるのが良い。
 
超断熱建物の設計にとって大切なことは連続的に安定して使えるメインとなる暖房熱源の選択と前述のように必要に応じて室温調整を担うサブ熱源の組み合わせの妙だと思う。作り手が充分、超断熱建物のポテンシャルを理解していないと、メインとなる暖房熱源を全て機械に頼ったりそれが過大になりすぎたりする傾向から中々抜け出せない。
 
そもそも超断熱建物にとって主たる暖房熱源は自分自身なのだから、問うべきは設備の種類もさることながらその大きさと繊細な調整力だ。もちろんそれらの熱源に化石エネルギー以外を用いる意識が今後のトレンドになって行くべきだと思うし、設計者の仕事も従来のメーカーによるシステムのチョイスからこうした調整力の工夫や今まで見過ごしていた未開拓のエネルギー利用に向うべきだろう。
 
今日はJAZZTRONICで行きましょう!
 
 
 
 







2017年11月3日金曜日

発寒の家Ⅱ 脱型工事

基礎の型枠を外した「発寒の家Ⅱ」です。埋め戻し前にぐるりと見て回ります。

基礎には埋め戻しのラインが明示されています。

スラブ下の型枠もすっかりばらして運び出され地面はきれいに釘が拾われていました。

こちらはスラブ下に出入りする管のケーシング(筒)

こんな感じですがよく見ると・・・

暖房屋さん電気屋さんが自分のケーシングを入れたことが分ります。

2017年11月1日水曜日

野幌の家 気密測定1回目

昨日は、「野幌の家」で第一回目の気密測定でした。意外にも最初は悪くC値が0.5。即座に全員が「これはおかしい!」となって家中を捜索。予想通りというか、原因は二階の大きな連窓サッシの連結部分。まだ仕上げのシーリング前ということもあり、気流感をはっきり感じるくらいに漏気していました。最終的には仕上げのシーリングを打って完成なので今のうちに原因が特定できてよかったです。
全員でテーピングを行っているところです。

すると、気密が出て、室内のビニールがパンパンに張りはじめました。
前の現場では問題がなかった片引きサッシですが、この固体だけなのか、戸袋側から漏気を感じました。こちらもガスケットを交換+調整して二回目の気密試験に備えます。

結果的に、原因は窓廻り、最終的に0.2に微妙に足りないくらいまで修正して第一回目の気密試験を終了しました。 

「野幌の家」の外壁は耐久性の高い道内産カラ松材。元々、木肌が赤くタンニンの強い性質なので、発色が力強く落ち着きがあります。
 
今日はSting・・レオンのPV付きで