2023年12月31日日曜日

2023御礼

 

2023年の北海道は年明けから波乱の年となりました。ウッドショックに加え長引くウクライナ戦争、円安のトリプルショックで大幅な土地・建材費の高騰、職人不足・・・そして前年同月比-22%にも及ぶ全国一の新築着工戸数の下落。低迷する景気の中で実質賃金は下がり続け、それに輪をかけるようにお金にまつわる不祥事の数々・・家を建てようという人々のマインドもさぞ冷え込んだことでしょう。

そんな中、長期優良住宅の増改築認定を取得した300mm断熱の性能向上リフォーム「発寒の家Ⅲ」、制度設計から参加させていただき、太陽光パネルと蓄電池を実装した「新札幌版次世代住宅基準」のプラチナグレード「発寒の家Ⅳ」、そして「北7条の家」(この二棟は北方型住宅ZEROでもあります)、また旭川市においては西側斜面の景観を楽しむ300mm断熱の家「神楽岡の家Ⅱ」(北方型住宅2020)と4棟の住宅を任せていただきました。2009年の「銭函の家2009」から数えると、40~43棟目の「300mm断熱の家」となり、これ以外に200mm、250mm断熱の新築&改修まで含めると住宅だけで50棟を超えます。これも全てはチャンスを頂いた住まい手さまのおかげです。この場をお借りして心より御礼申し上げます。また1998年の事務所開設から25周年の記念すべき年に最高の仕事の数々に恵まれたことは設計者冥利に尽きると思っています。

少し別の視点からのお話しになりますが、冒頭のような社会の状況を受けてか近年は新築から改修へと大きくニーズが変化している印象を受けます。戸建て住宅のみならず最近では既存マンションの外断熱改修、木賃アパートの断熱改修&長期優良住宅化による再生。各自治体においても従来中心的な住宅施策だった新築から改修基準へのシフト。当事務所にとっては新規事業分野ですが、おかげさまで多くのお声がけを頂くことができました。心より感謝申し上げます。

コロナが過ぎたこともあってか、今年は本州において「住まいの断熱化」に取り組む方々に呼んでいただく機会が少しだけ戻ってきました。毎年「断熱修行の旅」と題して北海道に研修旅行に来られるミライの住宅さんやコロナ前よりお世話になっているYKKAPさん。たくさんの貴重な学びをありがとうございます。

おかげさまを持ちまして、今年も一年なんとか乗り切りました。みなさま、よいお年をお迎えください。しっかり充電して来期もよろしくお願いいたします。

当事務所の仕事始めは2024年1月9日(火)とさせていただきます。












2023年12月23日土曜日

発寒の家Ⅳ 断熱工事

 

柱の外側にOSB合板(筋交いの代わり)が張られ「箱」としての強度が増した「発寒の家Ⅳ」次は札幌版プラチナ水準に必要な壁断熱を行います。

`Hassamu House IV'' has OSB plywood (instead of braces) placed on the outside of the pillars to increase the strength of the ``box.'' Next, we will perform wall insulation required to meet the Sapporo Platinum standard.

当事務所の一般的な300mm断熱の家は外部の付加断熱がGW(グラスウール)14cmですが、「発寒の家Ⅳ」ではGWの倍の性能を持つフェノールフォーム(板状断熱材)で12cmの断熱を行います。壁の中に充填されるGWと合わせると、概ねGW350mm相当の壁の断熱となります。

Our office's typical 300mm insulation house has 14cm of additional external insulation made of GW (glass wool), but in `` Hassamu HouseIV'' we have added 12cm of phenol foam (plate-like insulation), which has twice the performance of GW. Perform insulation. When combined with the GW filled in the wall, the insulation for the wall is approximately equivalent to GW 350mm.

2階のテラス部分の付加断熱です。

こちらが付加断熱の断面になります。90mm+30mmで120mmとなります。

This is the cross section of the additional insulation. 90mm + 30mm = 120mm.

2009年から北海道に相応しい断熱水準を見つけるために取り組んできた300mm断熱プロジェクトですが、ここ14年間でほぼ必要な事柄が明らかになってきました。

The 300mm insulation project has been underway since 2009 to find an insulation level suitable for Hokkaido, and over the past 14 years, most of what is needed has become clear.

結論から言えば・・現在一般的な新築の壁断熱であるGW換算で13~15cm程度の断熱厚では冬はもちろん夏もあまり有効ではなく、特に電気代や燃料費が高騰する2023年現時では住まい手に取ってかなり厳しい経済的負担となるということです。

In conclusion, the wall insulation thickness of 13 to 15 cm (GW equivalent), which is currently common in new construction, is not very effective not only in winter but also in summer, especially in 2023 when electricity and fuel costs are skyrocketing. This places a considerable financial burden on residents.



その一方で、断熱厚を増し必要な気密性能と窓の性能を整えれば、簡単に光熱費が半分から場合によっては1/3程度にまで減ります。

さらにこの家のように壁面太陽光と蓄電池を加えれば災害時も平時も非常に安心度は高まります。自分も歳を重ねてきて・・北国で生きて行く上で、冬の温かさ、夏の涼しさのような室内の居心地は毎日を健全に前向きに生きる上で欠かせないものだと感じるようになりました。

On the other hand, by increasing the thickness of the insulation and providing the necessary airtightness and window performance, you can easily reduce your utility costs by half, or even one-third in some cases.

Furthermore, if you add solar panels on the walls and storage batteries like in this house, the level of security will be greatly increased both in times of disaster and normal times. As I get older, I feel that while living in a northern country, indoor comfort, such as warmth in winter and coolness in summer, is essential to living a healthy and positive life every day. became.


穏やかな室内環境は血圧も安定しますし家中から寒がりな家族がいなくなります。/笑、その結果・・外に出かける余裕が生まれ、今まで憂鬱でしかなかった寒さや雪を楽しめるようにもなります。室内から眺める吹雪もしんしんと降る雪も、いつまで見ていても飽きない地域の大切な情景に変わります。

300mm断熱に取り組んでみて色々な収穫がありましたが、中でも最大のものは、家の作りようで、地域を愛して暮らせる毎日を得られるということです。北海道に住まう人の多くが、長年悩んできた冬を肯定的に見ることができる。まさに今の時代に求められる自己肯定感の復活・・もちろん燃費もお値打ですが/笑

A calm indoor environment will stabilize your blood pressure, and your family will no longer be sensitive to cold. /Lol, as a result...I can afford to go outside and enjoy the cold and snow, which used to be depressing. The blizzard and falling snow that you can see from indoors will turn into important scenes of the area that you will never get tired of seeing.

I gained a lot of benefits from working on 300mm insulation, but the biggest one was that I was able to spend my days loving the community, just like building a house. Many people living in Hokkaido are now able to look at winter in a positive light, something they have been worried about for many years. This is exactly the kind of self-affirmation that is needed in this day and age...of course, the fuel efficiency is also worth it/lol


今日はD.ボウイのカバーをHSCCで・・青春です/笑
Today I'm playing D. Bowie's cover at HSCC...it's youth/lol



2023年12月8日金曜日

北7条の家 BELS


今年2件目の「札幌版次世代住宅基準」のプラチナグレードが「北7条の家」BELSの評価証を頂きました。紺野建設さんのおかげで現在建設中です。各部の断熱グレードをHGW16-38(北海道で一般的な16kg高性能GW)を物差しにして示します。屋根:536mm相当。順に壁:314mm、外気床:538mm、基礎(外断熱):207mm、土間下:58mm、窓:UA0.78W/㎡K、玄関ドア:0.94W/㎡K。BEIは3種換気、太陽光発電考慮せず(札幌市の条件による)、各方位ともサッシの日射熱取得率は0.33~0.34。ガラス色はニュートラルで標準計算としました。

 

敷地から溢れんばかりに積み上げられた断熱材の山。本日より窓付けを開始した「北7条の家」です。
今日はHSCCでも行きましょう!