2017年7月25日火曜日

西野まちなかの家 防湿シート工事

建て方と同時に防湿シートを止めて行きます。このやり方は二通りあって、梁を建て込むときに桁との間に挟み込みながら行う、いわゆる先張り方式(シートを外周廻りの構造材で挟み込みながら建て方も行うのが特徴)と、この現場のような後張り方式(建て方と同時並行はしても構造材で挟まないのが特徴)です。

効率よく安全に建て方を進めるために必用な、足場確保の観点から45cm間隔に根太を梁の天端と揃えて落とし込む方法で床を作っていることは前回の記事で書きましたが、こと外周部分に関して言えば、細かく根太材を入れると当然ながら細かく防湿シートも傷つけることになります。そこで中間桁の横腹に根太受けを打ち付けてシートを圧着しつつ根太もがっちり受けるように工夫しています。後張り工法の場合はこの部分の監理が特に大切になります。
 
根太受け材(45×105)が厚手のビニールシートを挟みつけながら根太を受けています。
 
 
根太受けがないとこんな風に45cm間隔に根太を受ける孔をシートに空けねばならなくなります。

10年以上前はこんな風に90cm角の桝目を作ってその上に24mmの厚物合板を貼っていましたが、足場も悪いばかりか、90cm間隔では合板の中央が下がるケースもありました。そこで今では根太材を落とし込んで極力、長辺方向:90cm、短辺方向45cmの桝目となるように改良した床組みとしています。

こちらは特注の高強度集成梁、E150-F435。ラミナ材はシベリア産のダフリカカラマツ。生産は下川町です。

端部は同じ梁成の桁で受けて羽子板は二丁引きとします。  

根太が釘で固定されると次は2階床の厚物合板敷きです。

こんな風に柱の立つところは合板を欠きむ加工をしてくれます。合板でビニールを挟み付けて釘で固定します。ビニールの下にホゾ穴が見えますよね?そこに管柱が立つことで柱でもビニールを挟みます。

こちらは角の通し柱。105×150のものを使っています。

こちらは製造元がフィンランド。構造材を集成材とすることが多い北海道ではさまざまな国の木材を使います。ちなみに土台は宮崎県、柱はルーマニアとフィンランド、梁はフィンランドと下川町でした。
 
夏のMonday Michiruもいいですよね~(笑)

西野まちなかの家 建て方開始

いよいよ始まりました「西野まちなかの家」の建て方。土台を敷いて大引を掛けて、根太を落とし込んで行きます。骨組みの段階でも大工さんの足場が取り易いようにデザインします。もちろん完成した時には骨組みは見えなくなってしまいますが作る途中の安心感や安全性は仕事を楽に早めてくれます。写真は1階の床ですが同じ要領で2階の床(高所)を作り、さらに屋根では組み上げた美しい骨組みを見上げることが出来るように作ります。住まう人にも現場で働く人にも役に立つ設計でありたいと思いながら図面を描いています。

ボルト頭が土台とフラットになるナットを使って壁に充填する断熱材との間に隙間ができないようにします。

天気に恵まれて床下のコンクリートはしっかり乾いています。

床下の高さは約80cm。照明や換気、パッシブ換気の熱源等を設けて室内として使うことが出来ます。要は1階と同じ面積で天井高80cmの大きなトランクルームが床下に付いてくる。基礎断熱っていいですよね~(笑)

同じJIS規格の構造材でも、土台は宮崎県から

柱はなんとルーマニアから。ここらへんは複雑ですよね。少しづつ地元の山の木を使って建築が作られるような健全な資本主義に変わってゆくとよいですよね。やはり本来なら西野に建つ家は西野産の木材で作れるといいな~(笑)。

しっかり足場の掛かった「西野まちなかの家」の現場。
 
今日はボサノバなんていかが