すっかり季節もうららかになり、「宮ノ丘の家」では外構工事が始まりました。工事担当は(有)ガーデンジャパンの宮村さん。社長自ら現場で汗を流します。
傾斜地に立つ「宮ノ丘の家」にとって欠かせないのが、道路と摺りつく法面(ノリメン/傾斜面のこと)の処理です。1階をトンネルのようにくりぬき内部を車庫兼スロープとし、北側の道路と南側の庭をつなげたのですが、このスロープが砂利敷きのままだと、車の出入りのたびに道路に砂利を撒き散らして具合がよくありません。そこで(有)ガーデンジャパンのデザイナー小坂さんお勧めのユーカリの枕木と大好きな札幌軟石で舗装することにしました。
実は二年前の「西岡の家」でも枕木と軟石で街路に面した素敵なお庭をアレンジしてくれた小坂さん。わずか一年でしっとりと馴染んで深みを増す材料と彼女のセンスの良さに味を占めて相談をお願いした次第です。大学時代に美術を専攻していた彼女。素材の使い方や舗装のパターンには、本人は謙遜すれど独特のものがあります。これからのシーズン、皆さんも素敵なガーデナーとお庭づくりを楽しんではいかがでしょう?
グレーの素朴な表情の札幌軟石。現在も埋蔵量は豊富で地域を代表する素晴らしい材料です。昔は倉庫に家畜用の施設。特にサイロなんかにたくさん使われました。その他にも、基礎石や舗装、塀なんかも味わいがあります。
敷き込みは、完全に手作業。軟石も枕木も重量物ですから、職人さんたちは一苦労。おまけにこ周辺は、地盤が良すぎるくらいなので、こぶし大の石がごろごろ出てきます。
軟石の木口。上が鋸で切った平滑面、下がタガネで割った石肌。簡素であたたかく味わい深い表情です。軟石は多孔質の石でコケが繁殖しやすく1年くらいで程よく建物に馴染みます。コンクリートやブロックとは一味違う、癒し系のキャラでしょうか?(笑)
写真はタガネと槌で軟石を割っているところ。上手く石目を見つけるとサクッと割れて気持ちがいい。もちろんコツはありますけど。(笑)
インナースロープとなっている「宮ノ丘の家」かなり舗装面積はあります。
すっかり緑に色付いた背後の雑木林。どんぐりの木(ナラ)の大木がきれいでした。
緑に映えるこげ茶の外壁。ふと見ると...おっ!
ハチの巣を発見!あまり大きくならないうちに処置するのが肝心。
南西側から見た「宮ノ丘の家」トンネルから北側の道路が見える。
今日は一日、汗まみれになって働いた二人に贈ります。
サイモン&ガーファンクルなんていかがでしょう。