2010年11月10日水曜日

南あいの里の家 気密+断熱


現在、チーム南あいの里は気密試験の成功の余波で活気付きながら、内装下地のボード貼りが進行中です。丁寧に丁寧に漏気部分をつぶしていった結果、気密性能は0.1cm2/m2にまで到達しました。このブログをお読みの皆さんの中には私のご同業の方々も多いと存じます。「なにもそこまで気密にこだわる必要はないでしょ?北方型ECO+の基準だって1cm2/m2以下じゃないの、それで高気密住宅としては十分なのだからオーバースペックを喜んだってあまり意味が無いんじゃないの?」もちろんご説ごもっともです。しかし1cm2/m2の気密住宅はどんな条件でも1cm2/m2の性能ではありません。街の周りに空地が多く、冬期の季節風も強く吹き付ける現在の敷地の条件下では気密性能は簡単に低下してしまいます。風の強い地域では、その影響により建物の漏気量は飛躍的に増えますから風の強い地域ほど気密性能に安全側のマージンが必要となるのです。もう一つの理由は、北海道の住宅に必用とされる断熱の水準が300mmであると考えている点です。この世界になると、体温や日射、調理や入浴の際にでる生活排熱さえ室内を暖房する大切な熱源として無視できなくなります。驚くべきことに昨年竣功した銭函の家では、冬の夜に子供の友人が遊びに来ると室温が上がりそれを家族が体感できるほどです。照明をつけても室内の気温が緩やかに上がるのがわかります。室内の気温変化はさらにゆっくりと穏やかになります。普段はほとんど気付かない熱が支配的になる環境においては、前述の漏気量もずっとデリケートに扱う必要が生じるのです。
測定シートを見て、ほ~っと目を細める人はかなりのマニアですね~。外気温が6℃に満たない条件下で室温が約15℃、既に断熱気密的には完成した状態ですから建物の性能を体感することができます。

ASJイベントに参加します。

11月13(土)、14(日)ASJさんのイベントに参加させていただきます。
当日は私の他にも、北海道で活躍中の建築家が多数参加いたしますのでみなさんぜひモエレ沼公園に遊びに来てください。

詳細は http://www.asj-net.com/event/data.php?eventid=94-10