2011年11月11日金曜日

宮ノ丘の家 壁構造リハ

 今日は、剛建築工房さんにおじゃまして、「宮ノ丘の家」の壁構造を関係者一同確認します。特徴的な「宮ノ丘の家」の壁構造は過去に作ってきたものとは異なり、完全な外貼り工法とします。当然ながら、グラスウール300mm相当になるように、外貼り断熱材はその厚さを増し、全て柱の外側に貼り付けられるのです。その結果、室内側に現れるのは柱と構造用の合板のみということになります。
 もう勘のよい方ならお気づきのように、私の今年のテーマは、300mm断熱を三種類の方法で確立することにあります。昨年の「南あいの里」と「菊水」のプロジェクトでは充填断熱+外貼りという工法で簡単300mm断熱を試みました。また先日完成した西野の家では北海道で最もポピュラーな断熱材であるグラスウール16kg/HGのみを用いて300mm断熱を行い、今回は板状断熱材を外貼りすることで300mm相当の断熱を行おうとしています。
 昨年の二軒のプロジェクトの室温実測から分かったことは、「現在の私たちの暮らしなら断熱を重視することで、暖房をほとんど行わない冬の暮らしも夢ではない。」という驚くべきものでした。私たちの暮らしは、人体発熱に加え、冷蔵庫や大画面テレビ等々家電製品の待機電源による発熱、照明や調理といった生活排熱に囲まれていますが、一定水準を超える断熱を行うとそうした熱で暖房に必要な熱量がほとんどまかなえてしまうのです。もちろん人によって快適だと感じる温度には差がありますから、微調整用にほんの小さなヒーターくらいはあったほうが便利ですが、それも家全体で2~3kw、ドライヤー2本とか3本分で十分です。なんならドライヤー1本以下にすることも難しいことではありません。断熱の目的は「穏やかで安定した室内環境の獲得にあります。またこれは環境的とか省エネなどという前に、温度差による事故を減らし、人間が本来の寿命を全うするために必要な最低限の備えでもあります。設計思想としてはいたってシンプルでしょう。(笑)

柱と桁を組んだ模型に構造用合板を貼り付け、

その上に気密ビニールを貼り、石膏ボードを貼る。

スターターとなる横胴縁を取り付け。

脳天と際にビス打ち。ビスはL:160mmのパネリード。

45mm+90mm=135mmで貼り付け、なおかつ、昨年考案した、□45mmのピースパッキンでヒートブリッジをなくす工法を加えます。高価なフェノール断熱材は極力切断加工を行わないのがポイントです。従来の45mmカット、縦貼り+横貼り工法ではなく、極力ゴミを出さず、ヒートブリッジも出さない方法を考案しました。外貼り工法を割高にしないために、工程の省力化と切断手間の軽減によって、外貼りのみで簡単に300mm断熱を完了できます。また室内に気密シートやそれらの先貼り工程が発生しないために、道外の気密施工に慣れていない大工でも簡単に気密化と高断熱化が計れ、室内は自由に内装が楽しめるのもこの工法の大きな魅力なのです。

断面構造はこのようにいたってシンプル。これだけでグラスウール300mm分と同じ断熱性能が得られます。

今日はプ.ロ.グ.レ.そうYESでもいかが?