1月末のお引渡しに向けて全力で内装工事に当たる「宮の丘の家Ⅱ」の大工Aさん。背後に見える壁は床の樺のフローリングを張り上げたもの。この前にTVと薪ストーブがセットされます。最近は室内に炎のある感じが増えてきました。理由はいくつかあるんですが大きな理由は安全な範囲で温度環境のムラを序除に作れるようになったことが大きいと思います。パッシブ換気が使いこなせるようになると上階に行くにしたがって僅かずつ室温が温度降下する性質を示します。要は「宮ノ丘の家Ⅱ」で言えば景色を楽しむ3階が最も温度が低い領域になるのです。もちろん低いといっても1階あたりの温度降下は1~2℃程度。1階が22℃なら3階は18~20℃の温度域になります。そこでその温度低下のムラを薪ストーブをちょっと楽しむ動機に当ててやろうというのが種明かしです。従来の断熱気密が不十分な室内環境で力任せに下階でストーブを焚くとストーブが周囲の空気を燃焼にどんどん使うのでその分、外の冷たい空気が入って来る一方、暖めた空気は比重が軽くなるので上階に逃げてしまっていました。しかしそうした不安のない室内は不思議な事に熱源から離れた階が最も温度が低くなるのです。かつては家中同じ温度にすることが喜ばれましたが最近ではエリアごとのアクティビティー(活動)に応じて室温に最適なムラをデザインしようとしています。
天井はお馴染みの外張り断熱が350mm。室内には構造垂木が全て顕しになります。
階段は名手であるI棟梁の仕事。
今回は床のフローリングの原板を用いた高度な仕事。まず蹴込板と段板が直角ではなく稲妻状に連続する事。
段板と蹴込板は3mmの目透シ継ぎで目地の底にピンタッカーを打って段板と接合しています。
こちらはパッシブ換気の戻り空気の吸い込み口6mmのスリットです。
2階の寝室の天井は吸音効果の高い化粧石膏ボード。これは最近見直しているのですがたいへんよく効きます。特に音の響きやすい断熱建物にはベストです。
外観の板金が全て完了した状態。濃い茶色がたいへん落ち着いた表情を作ります。
今日はテンションが上がってきたのでパフィュームでも(笑)