2020年4月16日木曜日

常盤の家シート防水工事

昨日は「常盤の家」の屋根防水工事。担当するのはプロテックさん。
北海道の屋根は雪を落とさない無落雪屋根が今やお約束。そのためには誠に長い道のりがありました。 
特に半年にも及ぶ冬場・・屋根上に長期間雪を止め置かねばならぬ場合、板金での施工が難しい勾配3.5寸以下の緩勾配屋根は高価なステンレス防水しか選択肢がない時代もありました。

そんな中、11年前に先輩建築家の小室さんに教えていただいて始めた画期的な屋根がこのシート防水の屋根です。自分的には「小室屋根」と呼んでいます。

最初は勾配0の陸屋根から始まり、11年の間に勾配屋根でも雪が落ちないように雪止めを開発し改良を加えました。

屋根の上から見ると従来のスノーレーン(内樋)式のM型屋根(一般的な北海道の陸屋根)が見えます。

実は北海道の屋根と温暖地の屋根の決定的な違いは雪や氷という個体を相手にするか、はたまた雨という液体を相手にするか・・つまり元は同じ水でも、固体か液体かで求められる形は全然違うということです。

北海道の板金屋さんにとってこうしたM型屋根の板金工事は珍しくありませんが、「軒先に向かって勾配を取るのが屋根である」と教育された専門職にとってはある意味、非常識な屋根型かもしれません。だって建物の中央に水を集めなさいと言うんですから・・(笑)

シートはデスクで屋根の垂木に点留めされ上から防水パッチを溶接して行きます。全面接着ではないので夏冬の温度差にもシートは楽に追随します。

こちらは工業用ドライヤーによる溶接の実演。まずはシート同士を温めて少し溶かし

くっついたらもう剥がれません。こんな風にして緩勾配ながら非常に防水性の高い屋根を作って行きます。

たかが無落雪・・されど無落雪、屋根における北海道の独自進化の裏にはこんな事情がありました。

今日はやっぱバンアパがいいっす!





宮の森の家Ⅱ基礎工事

「宮の森の家Ⅱ」は地盤面の防湿と断熱が完了し、耐圧板の配筋が進行中です。

敷地が広いので作業性は高く、仕事も見易いです。敷地が道路より低いので総堀り状態にて配筋の後、コンクリートを脱設し埋め戻します。

断熱材がない分、ベース下のピースは一般部よりも50mm高いものを用います。

こちらは一般部の背の低いピースです。

今日はバンアパで行きましょう!