「宮ノ丘の家」の建て方も屋根にまで到達しました。短い晩秋の日を惜しむようにI棟梁の指揮の元、建物はどんどん上に伸びてゆきます。北側の道路から南側の敷地に通り抜けられるスロープの上をまたぐように建物が乗り、全体の形が見えてきました。主な居住スペースは明るい2階に持ち上げ、下階を車庫や物置が占める「宮ノ丘の家」の考え方がよく見える時間帯です。
談笑しながらリラックスするI棟梁。現場の休憩は10時、12時(昼)、15時と二時間ごとが基本。彼らは涼しい顔でこなしますが、大工仕事は高い足場のうえで集中を切らさずに行うたいへんな重労働です。巾10cmの梁の上に乗って、30kgもある梁を持ち上げて何事もなかったように留め付けて行きます。「小僧の時分からやっているから。」と彼らは笑いますが、そのさりげなさこそ、真の芸なのだと思います。長い長い大工の伝統の中で、人の集中が長くは続かないこと、疲れすぎると必ず事故を起こすこと、難しい顔をしていてはよい仕事はできないこと、笑顔で緊張をほぐすことの大切さを自然と身につけるのだと思います。
屋根の大垂木を加工するI棟梁。
晩秋の短い日が沈みます。
美しく建ちあがる束柱。隣の雑木林はすっかり葉が落ちました。
屋根の大垂木を架けてゆきます。
送り手と受け手に分かれて作業は進みます。
足場の最上部からは札幌の中心市街が望めます。
こちらは敷地の奥から見下ろしたところ。
今日はヴァネッサ.カールトンなんていかがでしょう?