2013年5月31日金曜日

みなさんにとって6月は?

 もう一息で着工が見えてきた「屯田の家」、来週には札幌市さんの認定申請に回せそうで一安心です。さて現在は「西野里山の家」の実施設計に突入。朝から図面漬けの毎日でたいへん幸せです。この「西野里山の家」、技術的にも間取り的にも面白いことを色々と盛り込むつもり。乞うご期待です。「恵庭の家」は基本計画が完了。長期優良住宅であるために現在、建主さんの最終チェックの最中です。「宮の丘の家PARTⅡ」は現在計画中、30°の斜面を敷地にもつこの家。段差と高さをどんな風に料理しようかといろいろと思案中...こちらも面白くなりそうですね~(笑)。

 ところで皆さんにとって6月はどんな季節ですか、今年はいきなり冬になったり夏になったりずいぶん天候不順が続いていますが、本来北海道の6月は室内気候のお手本の月です。暑くも寒くもなく朝もすっきり目が覚めて室温から来るストレスが最も少ない時期ですよね~。こんな風に冬の室内をデザインできるようになりなさいと自然が見本を示してくれる月、確か過去にもこんな記事を書きましたっけ。(http://ako-re.blogspot.jp/2011/06/blog-post_15.html) 

 今年は冬が長く寒い日が続いたので畑のシーズンもずいぶん後ろにずれ込みました。これから一気に遅れを取り戻してほしいものです。わが家も先日、妻と今年の分の苗を全て植えつけました。これからが楽しみです。(笑)

さて6月は小樽のお祭りが始まる月でもあります。すっかりブログでもおなじみの小樽。歴史があって良くも悪くも頑固に伝統を守り6月から7月は各神社のお祭りが毎週のようにあります。札幌では味わえない、日本の情緒を感じるお祭りのシーズン。おとーさん来週は境内で一杯いかが?それとも近所のお姐さんたちとさぶちゃんでも熱唱しましょうか?小樽ビールと海産物の焼ける匂い、海を臨む境内で子供たちは射的にくじ引き、型抜きにチョコバナナ。忙しない札幌を離れてJRのドンコウでぜひ小樽へ!癒されること間違いなし!各神社のお祭りカレンダー貼っておきます。
小樽お祭り日程 http://www.city.otaru.lg.jp/kankou/event/matsuri/

町会の集会所の奥にはお神輿!近所からのご祝儀のお酒もたくさん!

さあてこれからが夜店の時間!

提灯っていいですよね~(笑)

うーん引き込まれる!!


なんだかちょっと怖そうだけど...この感じがいいんですよね~(笑)

男衆の勢いが伝わってこない?

親方たちってかっこよくないですか~(笑)


今日は会場の大カラオケ大会で必ず流れるこの曲を!森昌子なんていかが?

2013年5月30日木曜日

援農の季節?

昨日は、「前田の家」に援農?ならぬ家庭菜園のお手伝いに行きました。(笑)先週、いつもお庭をお願いしているガーデンジャパンの小坂さんに作っていただいた畑(こさか日記 http://ameblo.jp/tongarikame/entry-11537528725.html)。バーク堆肥とピートモスなんかを混合し畑土に改良いていただいた土に石灰と米ぬかを加え、カルチベータ(耕運機)でふかふかになるまで耕します。トマトにナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ、赤シソ、青シソ、バジルにパセリ、ダイコン、にんじん...最近は家庭菜園が流行っているようで、いろんな苗が簡単に手に入ります。ほんの少しのスペースでも出来る家庭菜園は子供たちも大喜び。街中の暮らしだからこそ土に触れ合う機会を大切にしてあげたいですよね~(笑)。

こちらはダイコンとにんじんを植えるための畝(うね)作り。元肥を入れてよく混ぜて一旦埋め戻して少し高い植床を作ります。

にんじんの種を植えているところ。きっと今日の雨で発芽が早まりますよね~。ダイコンもにんじんもしっかり間引きして元気の良い苗を残して大きくします。今から夏が楽しみです。
玄関を入ると正面に壁一杯の黒板が広がる「前田の家」。みんなで楽しく書き込んで家族同士が黒板を上手に使っていました。みんなで畑仕事を楽しみにしていた様子が窺えて、なんだかいいな~と思いました。

すっかり味わい深く色変わりした「前田の家」の外壁です。色むらが逆に味わい深くていい感じ!これで木の外壁シリーズも従来の素地、ペンキ色を加えて三種になり、益々ファンが増えそうです。

やっぱり木は木の味わいがあって良いものですよね~(笑)。想えば北海道らしい家を目指してきましたけど、「らしさ」ってなかなか難しいです。きっと建築だけじゃ不十分で家をどれだけ楽しめるのかっていう住い手さんのスタンスのほうがずっと大切で大きいのかもしれません。作り手として作ることだけに満足しちゃいけないですよね~。そんな意味でも、お漬物が出来る物置とか、畑の見える焼肉デッキとか、大きな室内土間に、キッチンを中心にした明るいLDKとか、今までのなんとなくありがちな間取りから良い意味で卒業できるようにたくさんの提案を考えたいと思います。北海道は確かに寒いところかもしれませんが、でも寒い寒いばかりじゃ、みんなとじこもりになっちゃいます。(笑)これからの素晴らしい季節、室内と屋外の中間を楽しめる間取りとそれを楽しんで住みこなそうとする住い手の皆さんにとって家庭菜園は意識を変えるよいヒントなのかもしれません。

今日はシューマンなんていかが?初夏の昼下がりに庭のデッキで聞きたいです。





2013年5月23日木曜日

最近の設計事情


実は2005年以降、住宅設計が大きく変わったことに気付く人って意外に少ないですよね~(笑)。ご存知耐震偽装で全国を騒がせた姉歯事件直後から、特に構造設計にはそりゃ~厳しい規制強化や綱紀粛正の嵐が吹き荒れ、実務を大きく変えました。事件の核心で大きく問題視されたのは、構造計算書の差し替えでした。一般的に特定の規模や階数を越えると法的に構造計算を求められますが、この構造計算書は膨大な枚数に上る事を知る人は少ないでしょう。簡単な建物でも300~500枚、大きなものになると数千枚になる場合もあります。当然、機械で印刷の最中に誤りを見つければ、そここで機械を止めて新旧の書類を差し替えるという必要性が生じます。ところがこの機能を悪用し実際には12本の鉄筋が必要な柱であるというページを8本の鉄筋でOKというページに差し替え、建物のあちこちで必用な鉄筋量を少しづつ落とすということを行っていたのでした。 特にこの部分を重視した当局により従来は途中で印刷を中止できた機能を改め、一度印刷を始めると最後まで止める事が出来ないようになりました。(実際にはトラブルが起きれば止まりますが、印刷物には全て印刷当日の日付や時刻が刷られるために、後から異なる日付の書類の差し替えは事実上不可能になります。)

 物事は一面的に見れば一件落着ですが、他方ではその影響は様々です。たとえば長期優良住宅は、国が奨めるこれからの住宅像を実践する家として、インセンティブ(補助金)や様々な優遇施策の対象となっていますが、基本的には全て構造計算が義務付けられています。簡単なものなら意匠設計者による簡易的(といってもかなりたいへんですが...)な方法で判定が出来ますが、大空間や3階以上の階を持つもの等は、最初から木造専門の構造設計者に委ねたほうが安心です。もちろん木造用の構造計算ソフトにも冒頭の改良?は加えられていますから途中変更は大きな労力を伴うことになります。一方、巨大なマンションのような建物の構造変更が難しいのは理解できても木造二階建ての間取り変更も同じように困難であることを理解できる建て主はまだ少ないのが実情ではないでしょうか、写真は「屯田の家」の長期関係と確認申請関係の提出物の写真ですが、奥のピンクのファイルの構造計算書は一冊約200枚、3冊を提出し1冊を事務所の控えとしますから、800枚を印刷せねばなりません。誠にお役所的といえばそれまでですが、私はむしろ今までが少し大らか過ぎたのでは?と最近思うようになりました。本来、しっかり設計し施工すれば50年は楽に使えるのが今の北海道の木造ですが、従来のように現場で簡単に間取りのアレンジが出来るような作り方は、結局後の建て主にとってもあまり良いこととはいえません。つい最近まで、住宅に設計の必要性を認める人はほんとうに少数派でした。私たち建築家も、構造や省エネルギーの専門家?というよりは、見栄えのする内装や外観デザインに取り組むデザイナーという印象でした。しかし2005年以降は住宅にも、構造、省エネルギー、長期の耐久性、メンテナンスの容易さ、高齢化対策、特に近年は地域産業や地元の作り手、生産者たちとの連携といった事柄こそ家づくりに欠かせない。という意識に一気にシフトしています。また3.11以降は災害やそれに伴うエネルギー途絶との兼ね合いから特に電力の生産方法を問い直す意識も高まっています。90年代の半ばから急速なITの進化によってもたらされたグローバル化は地域や国といった狭い視野の価値観を一旦は否定したかに見えましたが、むしろ現在はそうしたネットワークを使うことで、以前は漠然としていた家づくりの目的や大切さが広く理解されるようになって、結果としてはよかったと思います。しかし僅か数年でこれだけ広範な事柄を必要とするようになった家づくり。(きっと今後はさらに増えるのしょうね...笑)私の後の代の設計者のみなさんはきっともっともっとたいへんでしょう。 もちろん私も当分頑張りますけど!(笑)

今日はね...J.コルトレーンなんていかが?






2013年5月22日水曜日

急に春っぽく

先週は急に暖かくなって、一気に春めきましたよね~(笑)。おかげで庭の草花も急に生き生きとし出しました。写真は庭に自生しているミント(はっか)です。爽やかな香りと冬の寒さにも負けない丈夫な草で今の時分はハーブティーに大活躍です。

ミントだけでもよいのですが、もう少しすると、いろいろなハーブが育ってきますから、お好みでやかんに入れて、一煮立ち、3分置いてミントティーの出来上がりです。朝毎日飲むと心が落ち着いて爽やか。ミントは一度植えると毎年採れるのでぜひお奨めです。背が高くなってたくさん茂ったら、刈り取って乾燥させドライミントにして使います。茶漉しに紅茶とドライミントの粉末を入れ、ミントの香りの紅茶なんていいと思いませんか~?(笑)

こちらは二年目のイタリアンパセリ。パセリは越冬しても通常は2年が寿命。この木はそのまま育てて、来年用の新しい苗もこれから植える予定です。こちらもたくさん茂りますからじゃんじゃんサラダに使って、余りは乾燥パセリにします。

つつじが満開になりました。ピンクの上品な花は、春のご褒美。庭には何本かつつじがあるのでこれからが楽しみです。

一気に満開になり、すぐに枯れ始めるモクレン。山に咲くこぶしと共に春の素敵な風景です。

子供たちが植え替えた花壇。今年のお花のチョイスは高二の長男。

白と赤のマーブルが中々にきれいです。

庭では水仙が満開。この時期にチューリップも咲きますね~。基本的に一度植えたらずっと咲くお花はとってもお奨め。球根なのでどんどん増えてお庭が賑やかになります。(笑)

すっかり大きくなった猫のレイ君。春のまったりとした暖かさはおもわずごろごろとのどを鳴らして目を細めたくなる季節ですね~(笑)

庭ではウドが食べごろです。てんぷらや酢味噌和え、ウドのきんぴらなんて美味しいんですよ~。この時期のウドは茎も芽も葉も捨てるところがありません。こちらも一度庭の一角に植えると毎年楽しめます。

写真は庭に自生しているフキと三つ葉。三つ葉は日当たりが苦手なのでフキの根元でたくさん茂ります。御汁の薬味に御浸しに大活躍します。もちろんこちらも一度植えると毎年楽しめます。

こちらの笹の葉のような植物はヒトビロ。北海道ではアイヌネギなんて呼んで、春の山菜の王様です。もちろん香りは野生のものに及びませんが、にらやにんにくのような使い方をすると料理がとても引き立ちます。お奨めの使い方は、醤油漬け。まずヒトビロをざっくり刻んでさっと油で炒め(炒め過ぎに注意)瓶に移してお醤油を注ぎます。1週間くらいで見事な香りのヒトビロ醤油の出来上がり!特にチャーハンに入れると最高です。(笑)

こちらは青フキ。大きくなる種類なので葉を払い茎を使って煮物やお味噌汁にします。
さてずいぶん遅れましたけど、ろそろ畑のシーズンです。 今年は何を植えましよう?

2013年5月18日土曜日

さあ行くぞ!

今週はよい意味でたいへん充実した一週間でした。(笑)
まずは5/13(月)ただいま計画中の「西野里山の家」の建て主さんと札幌版次世代住宅基準の補助申し込みに札幌市役所へ、昨年は3軒提出し1軒しか補助に当選しなかったので今年はなにとぞの必勝祈願!この「西野里山の家」は野生のクレソンが自生する小川に面し、北東に都心の街並み北西に里山の緑が迫るロケーション。家庭菜園をしながら家族四人で暮らす小さな家。今、家具のレイアウトをあれこれ考えているんですけど、もう少しなんかこうよくならないかな~...と悩んでいます。
もう少しで見えるぞ!
5/14.15(火、水)は屯田の家の実施設計が一応終了。来週には確認申請と長期優良住宅の適合審査に提出予定。5/16(木)は毎年恒例、北方建築総合研究所主催の「調査研究発表会」を聞くために旭川へ。建築や街づくりに関わる様々な研究テーマはその時代を毎年色濃く反映するとともに今後の傾向やヒントを考える上でここ数年私にとって欠かせないイベントとなっています。特に今年は「開口部の高性能化と日射制御に関わる研究」や「太陽熱給湯設備」、「蓄熱暖房機の制御+ヒートポンプエアコン」等々とても興味深いものが多い年でした。

これからの北方型住宅に関する講演を行う福島副所長。おなじみパッシブ換気の開発者です。
5/17(金)は二年ごとに出版している建築家カタログ「北の住いを建築家とつくろう」Vol.5の出版記念イベント(パネル展)の準備のために札幌駅前の紀伊国屋書店へ。ご存知の方も多いと思いますが、(公社)日本建築家協会北海道支部の建築家との家づくりを紹介する本として二年ごとに出版されています。特に今回の本はなかなかの出来栄え!ぜひ本屋さんでご覧下さい。イベントは5/23(木)まで紀伊国屋2Fにて開催中です。
詳しくは ㈱中西出版HP http://nakanishi-shuppan.co.jp/shum/89115-278-9.html


写真は紀伊国屋2Fの会場の様子

そして午後からは先鋭的な工務店、生産者の集まりである「ソトダン21」さん主催の前真之先生のセミナーへ。前先生は東京大学の新進気鋭の研究者であると共に北海道建築のよき理解者。今年10月に施行が迫る新省エネ基準(2013年度基準)の目玉とも言える一次エネルギー算定ソフトの開発に関わるとともに3.11の貴重な経験を踏まえたこれからの住いに相応しい暖房給湯設備を研究されています。著作である「エコハウスのウソ」は実に痛快で面白い内容。全国で当たり前に行われている家づくりに素朴な疑問をなげかけ、徹底した実測により設計者の理想と現実の矛盾を指摘する姿勢は、結果として北海道の家ってほんと素晴らしい!というエールに聞こえてきます。こちらもぜひ書店へ!きっと目からうろこが落ちますよ~(笑)

詳しくは建設通信新聞HPへ http://kensetsunewspickup.blogspot.jp/2012/08/blog-post_26.html

5/18(土)はなんと前先生に「発寒の家」を見ていただきました。まな板の上の鯉のような心境でかなり緊張しましたが、ずいぶん丁寧に見ていただいて、光栄にもお褒めの言葉までいただきました。建て主さんも私もなんだか大きな「ほっ」が出ました。(笑)

サーモグラフィーを構える前先生(奥より二人目)と緊張する私(一番奥)

機械換気とパッシブ換気のルートを前先生に説明する私。一番左はいつもお世話になっている、住宅雑誌リプランの三木編集長。

無事、前先生をお送りし午後からは出版記念イベントのトークショーのために紀伊国屋書店へ。



司会はFMノースウェーブでもおなじみ竹本アイラさん。そして素敵な本に仕上げてくれた編集者の登尾未佳さんを中心に建築家の大杉崇さんと櫻井百子さんがトークを盛り上げてくれました。実は大杉さん櫻井さん共に大学の後輩なんです。私よりずっと優秀な二人ですけど先輩っていいですよね~いつまでたっても先輩は先輩。(笑)でも最近、大杉さんはサッポロビールのコマーシャルですっかりお茶の間の人気者ですし、櫻井さんも、前述の前先生が絶賛する下川町エコハウスの設計者です。話は変わりますがもう少しで私たちの学び舎であった、旭川の北海道東海大学は閉校します。少子化の影響と言えばそれまでですが、なくなると思うととても残念です。小さな学校ながら彼らの他にもたくさんの優秀な建築家を育てた歴史ももうすぐ終りますが、学校がなくなってもその精神は若い建築家に受け継いでほしいと思います。 さて明日もしまっていこう~! えっ世間では休みなの?ホント...(笑)




2013年5月12日日曜日

モデルハウス見学


 今日はキクザワさんの最新のモデルハウスを見せていただきました。キクザワさんは先日お招きいただいた先進的な工務店さんの集まり「アース21」の会長さんです。光栄にも、社長さん自らご案内いただいて工法や材料などいろいろと丁寧に説明して頂きました。聞けば初めての340mm断熱の家とのことで、2×6パネル工法を改良し各部の納まりにはさまざまな苦労があったそうです。「いや~社長!その気持ちお察しいたします。(笑)」

 びっくりしたのは間取りが素敵だったこと!LDKに並行して水廻りと主寝室を経由して玄関まで通り抜けられる動線が隠れていて、居間でくつろぐ人と顔を合わせずにプライベートゾーンから外部に出入りができます。室内は北海道のよき伝統でもある広々したLDKの一体空間に三角形の小屋組みが吹き抜けとして居間の上に載る空間構成。間取りは社長、内部のインテリアは自社の設計担当者とのことですが、こんな素敵な写真が撮れるのも、北海道の工務店の水準の高さを感じてしまいます。ぜひこの素敵なセンスを大切に30cm断熱をどんどん広めてほしいと思いました。(笑)

詳しくはキクザワさんHPまで http://www.kikuzawa.co.jp/model-blessedgarden.html