2011年6月20日月曜日

着工

昨年より進めてきた西野の家が無事着工しました。建替えなので地鎮祭はありませんが、先代の家を解体した後にテープを張って、建物の位置を明示し建て主さんに確認していただきました。図面と現場の差を理解していただくためと、まず着工時に大切な①道路→②敷地地盤→③エントランスレベルの確認を行います。要は建物に入る階段やスロープの高さを、道路、敷地内地盤、から逆算して無理のない高さに決めることを行うわけです。この手順をミスると、なぜ玄関ポーチの一段目がこんなに高いの?とか低すぎるの?なんてことに陥ります。安全に容易に家の中に入れることがまずは大切。そんなわけでこの高さの基準をどこに置くのか決める作業はたいへん重要なのです。

たとえば右隣のお庭の地盤面が高いままだと降った雨は自分の敷地に流れ込みやすいですよね?この程度の差なら少し盛り土や敷き砂利で調整可能です。

以前あった前庭の盛り土レベルに合わせて植えられていたオンコは盛り土を排除すると当然ながら高くなります。この場合も敷地内に少し盛り土をする等して(オンコの廻りに残る石を埋めることで)新たな玄関前のレベル(高さを)つくり、玄関ポーチの一段目を最適に設定します。
高齢化社会においては、こうした屋外と室内の普遍的な動線の確保が欠かせません。かつての高床スタイル(1階:車庫、中二階:玄関)のように若いときにしか住めない間取りもまだまだ作られています。「子育て中物入り時代」の一時のために収納性を重視するのは分かりますが、二~三十年で家に入ること自体が困難になるようなつくりは、やはり改善の余地があると思います。