2019年4月25日木曜日

野幌の家Ⅱ 屋根断熱工事

建て方が無事終わり、工程はすぐさま屋根に移行します。写真は桁上に貼った合板(1階から見上げると天井部分)に厚手のビニールを敷いてテープ止めしたところ。

その上にグラスウールを詰め込むための下地を作って行きます。一層目約24cm厚さのグラスウールを詰め込むための下地を作り、その上に10.5cm更に断熱します。写真は第一層目の断熱下地を作っているところ。

 
この工法は2012年に考え出した方法に現場毎に少しづつ改良を加えながら行ってきたものです。当初は留め付けに構造用金物を多用したりいたしましたが、大工さんたちの献身的なアドバイスや実践のおかげで最近はほぼ釘のみでたいへんスピーディーな施工が可能になっています。北国北海道とはいえ、雪解けが終わると降るのは雨ばかり・・・ですからまずは日本建築の伝統通り、屋根から仕上げて行きたくなります。もちろん天気は待ってはくれませんからシンプルで合理的な工法で屋根の防水と合わせて断熱工事も素早く終わらせてしまいます。
 
一般的には屋根の防水工事と断熱工事を分けて工程を組みますが、分けると屋根の断熱は室内側から重力に逆らうかたちでそれも工程の終盤になってしまい易いのです。それまでの間、特に夏場は屋根のトタンが焼け込んで、建物の中に居ても暑くて仕方がありません。屋内で働く大工さんや職方さんたちにとって晴天時に暑くならない室内を早くから用意することは良好な作業環境のみならず結果的に作業も早く進みます。
 
そんな理由もあって屋根の防水と断熱を一気にしかも早く終わらせる方法が欠かせないのです。

 
グラスウールはパラマウント硝子工業さんの20KG/m3高性能品。硬くて切断しても形がしっかりしています。昔のグラスウールと違って素手で扱え防塵眼鏡やマスクがなくても工事可能なところに進化を感じます。性能も良くて一般的な16KG/m3高性能品に比べて同じ厚みでも断熱性能が約1割向上します。

 
週末から雨の予報なので、特大のブルーシートをしっかり準備しておきます。断熱材は絶対に濡らせないので連休に向けて準備は万全にしておきます。

 
きれいにまず14cm入りました。次に10cm、最後に10.5cm入ります。

 
こちらは屋根の通気垂木。垂木は並べて使いますが垂木内を通る空気が一方向のみならず直行方向にも流れるように垂木に刻みを入れておきます。

 
積雪荷重1mを考慮してスパン約6.4mのエントランスポートですから、尺梁を鋼材で両側から挟み付けてたわまぬよう補強します。木造家屋の梁の間隔は元々1.8mピッチが多いのですが北国で積雪荷重を考えるとその半分の90cmピッチとしています。
 
 
サッシは地元産のYKK430。トリプルガラスでありながらコスパの高い樹脂サッシができて本当に良かったです。
 
今日はW.Montgomeryを聞きながらブログを書いていました。いいすね~(笑)