2017年12月23日土曜日

野幌の家 床の再塗装

美しく唐松の外装が貼り上がった「野幌の家」しかし室内では問題が発生。
 
カバ材の床が上手く仕上がらない。上の写真はその様子。部分的に逆目が多く、そこにオイルが入らないからけば立ってしまっている様子。遠目から見ると床がホコリだらけで誠に冴えない印象。トホホ・・・ 
こちらがその拡大写真。白く見えるのはフローリングの逆目。板それぞれでオイルの染み込み具合が異なりムラも目立って誠に残念。そこで協議の結果、床を全てサンドペーパーで研ぎ直し、再度オイルで塗装しようということになりました。
 
          
床をきれいにサンドペーパーで研ぎ直し、松田所長自ら床を塗装していただきました。その結果が下の写真。白い逆目の下に隠れていたのはなんとも美しい杢目の数々・・・しばし見とれてしまいました。                                
一枚一枚に深い表情があってその光り方が気持ちいい。

こちらは拡大したところですが、無垢のフロアでしか出せない表情に萌えます。やっぱり木の床っていいですよね(笑)
 



2017年12月20日水曜日

南幌町「みどり野きた住まいるビレッジ」

続々と、着工が続く南幌「みどり野きた住いるビレッジ」。今年は残念ながら雪の便りが早く、現場の雪養生が欠かせない。本日も終日ほぼ真冬日、現在の気温は-5℃・・コンクリートには当然ながら耐寒剤が必用になり、打設後の温度養生もデリケートなシーズンに突入した。
 
「みどり野きた住まいるビレッジ」とは?http://www.kita-smile.jp/kitasmilevillage
 
もちろん過酷なシーズンに対する各社なりの工夫や施工ノウハウが一度に見られると言う点も見逃せない魅力。こりゃあ~貴重だ(笑)
写真は武部建設&櫻井百子組さんの現場だが、ヒーターですっぽり囲われたテント内に温風を送りコンクリートが冷えないように採暖養生をしていた。っと・・言うことは6~8時間ごとに灯油を注ぎ足しに来なくてはいけない。なーるほど・・さすが地元の利を生かした作戦と見た。担当所長の細やかな気遣いが伝わってくる。
 
 
確かに外気温は零下でも基礎を作り終えて年を越すのと本格的な降雪期に膨大な除雪をしながら一緒に基礎を作るのではその大変さたるや・・全く違う。僅か1ヶ月弱の基礎工事とはいえ、その貯金を今年中に確かなものとするか、不確定なまま雪の少なさを祈るしかできないのとでは、精神的な差も大きいだろう。恐らくそう考えて積極的に攻めに出たのか?などと考えながら現場を歩く。

仮設トイレも周囲にパーテイションを立て通りから見えにくいように気を使うと同時に、協力各社が乗り込む前にトイレ使用のルールを掲示する。工事中でも多くの見学者を受け入れてきた同社ならではの意識の高さが感じられる。確かに現場内の整理整頓は安全確保の観点からヘルメット着用等と同様、よく見られるが意外にもトイレは見落とされがちである。私たちの現場も見習いたいと思う。 
こういうところが、その現場の品質を作るんですよね~。

さりげないことだが通りからトイレの内部が見えにくいように、また最近は女性の職人さんも多いことからこうした仮設の衛生設備も一層の改善と管理者の意識改革が求められてゆくだろう。武部さん、櫻井さんありがとうございます。私たちも負けないように頑張ります。
 
本日はまだ未着工の2組に向けたエールを込めてスターウオーズからなんていかが(笑)
 
 

2017年12月19日火曜日

帯広の家 気密測定2回目

昨日は6:00に札幌を出発し、森先生と帯広へ、最近は夜が長い。高速を少し走るとようやく夜が明けてきた。
 
目的は「帯広の家」の気密測定の2回目。はたしてどの程度改善したのだろうか、現場は苦労の連続だった様子だが、うまく気密が出ていれば嬉しい。以前の投稿でも書いたように最初の気密測定では、まったく測定が出来なかった。あまりに家中に隙間が多すぎて室内から空気をどれ程吸い出そうとも、全く差圧を得る事が出来ない。そんな状況だった。30年前の家とはいえ壁や屋根に立派な断熱材をそれも当時まだ珍しい外張り工法で作られた「帯広の家」。しかし気密の低さは断熱建物にとっては致命的で、住い手が寒さに耐えかねて窓は3重にし、風除室にサンルームまで取り付けたが根本的な解決とはならなかった。
 
処方箋はずばり気密を出すこと。気密さえ出れば30年間封印されてきた断熱材本来の能力を引き出すことができる。付加断熱を加えて断熱性を最近の水準に近づけることもできるだろう。もちろん計画換気だって安定的に出来るようになるから1階の熱を上階に運ぶこともできるようになるだろう。
 
しかし経験上、気密を考慮することなく作られた建物を後から気密化することくらい難しいことはない。それも今回のように住い手の家財道具を全て中に残したまま、室内から外壁廻りを全くいじることなく全て外部から気密と付加断熱を行うとあってはなおさらだ。もっとも屋根だけは仕方がないので部分的に天井を開口し人を天井裏に上げて吹き付けウレタンにより断熱と気密を同時に行う工法とした。
 
朝方の十勝地方は真っ青に晴れ上がり、放射冷却現象できんきんに冷え込んでいた。車の外は-17℃。空には雲ひとつない。日向は太陽の輻射熱で暖かいのに日陰はぞくぞくするほど寒い。おなじみの晴れた内陸部の冬の日だった。
 
真っ青に晴れ上がった空の下、森の樹氷が先ほどまでの厳しい冷え込みを物語っている。
 
現場に到着し測定を始めたが、なかなか大変だった。相変わらず隙間が大きすぎる。あれほど丁寧に気密を出そうと苦労したにもかかわらずなぜ?しばらく排気機を回しながら漏気部分を探すと、答えは意外に簡単に見つかった。天井裏の24h換気のファンとパッシブ換気の排気口、100φ×2と125φ×2がテーピングできていなかったのだ。
 
早速、テーピングを行い気密化したのが上の写真。その後の気密検査で概ねC値2.6cm2/㎡を
達成し一安心となった。
 
森先生のサーモで見ると壁内の熱橋の様子がよく分る。
 
こちらは床下のピットに防湿シートと断熱材を敷き詰め、熱源を設置したところ。元々床下に外気を給気する設計だったのでそれをそのまま利用して床下換気暖房とした。排気はパイプファンと湿度感応によるデマンド型排気口として、夏場と冬場を使い分ける。昼間でも屋外は零下。写真は-2℃の外気が進入するところをサーモカメラで撮影する森先生。
 
今日はショパンなんていかが

2017年12月16日土曜日

野幌の家 気密測定2回目

 
 
 
本日は「野幌の家」の気密測定の第二回目。本日で最終的な建物の気密性能が確定します。まずは機械を回して測定開始、家全体で31cm2。悪くはありませんがいまひとつな感じがして家中を探した結果見つけました。 原因を見つけて処置した結果が上、25cm2まで改善してC値は0.2cm2/㎡。平均的な300mm断熱の値となって一同安心しました。さてどこが漏気を起こしていたかは下記をご覧下さい。

こちらは2階の片引き戸。見ての通り可動障子がレールの上にしっかり載っていません。方立てとの隙間がわかるでしょうか。ここ漏気の原因。恐らくサッシ屋さんが障子を建て込んだ時にしつかりレールの上に戸車を載せなかったのが原因でしょう。本来YKK430ファミリーの大開口スライディングは引き戸の仲間ながらもの凄い気密が出るはずですから、なにかおかしいと感じていました。 
こちらは上部の召し合わせ部分ですがこのクリアランスが本来です。

室内を正圧にすると室内の高湿な空気が外部に逃げて、外気で冷やされたトリプルガラスの表面で結露します。明らかに召し合せ部分の気密がおかしなことが分ります。
 
気密試験は断熱の完成度にとって欠かせない気密性を確認する唯一の方法です。最近では試験ナシの断熱気密住宅という考え方がどんどん時代に合わなくなってきていると思います。従来のようにビニールを使っているから、合板を貼っているから、サッシが断熱気密サッシだからというのは充分な理由とは言えません。実際にわずかなサッシの不具合を発見した記事を書いたのはそんな理由からです。ぜひ気密試験を丁寧に実施してほしいと思います。
 
今日はかなりハードにポールギルバート
・・今年中に竣工引渡し後2軒!がんばれ~(笑)のハイテンションを込めて。
 

2017年12月13日水曜日

発寒の家Ⅱ 建て方工事



昨日は敷地の前にクレーンを設置して二階の梁掛けを行いました。構造材と断熱下地材でかなりの量があるのでクレーンのオペレーターと大工さん達の連携が欠かせません。敷地面積が狭いこともあり、次に使う材料が埋もれてしまわぬようにやりくりをしながらの作業でした。

敷地前面には電線があるので荷物は遥か上空を越えて敷地内に下ろされます。

棟梁が飼い木をしてその上に荷物を下ろしてゆきます。

みるみる二階の床は一杯に、柱はすぐに梱包を解かれ建て込む準備を行います。

こちらは梁掛け作業大きな梁を吊り上げて金物の上に下ろしてゆきます。

こちらは梁の間に根太を落とし込んでいるところ

梁の間に落とし込まれた根太は屋根の合板を敷くときの安全な足場となります。合板を固定した後は天井の意匠となります。

2017年12月8日金曜日

野幌の家 現在の様子

「野幌の家」は足場が解体され、唐松の力強い外壁が姿を現しました。道路に近い窓には縦格子が取り付けられ外から内部が見えにくいように工夫されています。

建て込んだ住宅街のために窓を付けられる方位が限定される条件の中、南東側に設けた大開口です。袖壁が視線と日射のコントロールを担い明るく落ち着いた室内を実現させています。

きれいに組み上げられた屋根の登り梁と根太。地域材の唐松製です。

白樺の合板による建具枠もきれいに取り付けられました。

こちらは手摺の下地。もうすぐ全てボードが貼り終わるので隠れる部分の下地を見て歩きます。

発寒の家Ⅱ 建て方開始

12/6より始まった「発寒の家Ⅱ」の建て方、前面を資材置き場にし少しづつ材料を奥に運びながら組み立てて行きます。前面道路も狭いのでクレーンの使用は難しく、人力による建て方となりました。

本格的に気温が下がり、材料が濡れる心配は減りましたが、これからは除雪が日課になるシーズンです。

2017年11月24日金曜日

野幌の家 内装工事

突然の寒波襲来で雪が降り、気持ちが先に慌しくなりました。(笑)
 
「野幌の家」は現在、内装工事の真っ最中です。今年は雪が早いので、足場の解体やら外構工事の最中やら板金屋さん来て~等々で一気に騒然となりまして、初雪と北海道の現場のあるあるで先週からてんてこ舞いでした。

室内側の50mmの付加断熱を終えた状態。これに石膏ボードを貼ってゆきます。コンセントやスイッチの位置は良いか?照明器具やその他の下地処理は終っているか?石膏ボード下地とそれ以外の仕上げは図面通りか?いつものように大工さんの邪魔にならぬように見て歩きます。

この頃になると15:30には夕方。16:00には夜になります。雪灯りが射して少しは明るいのですが一日がとても早く感じます。現場も照明を点ける時間が長くなります。建て込んだ住宅街なので四方の視線に対して目を配る必要があります。棟梁が丁寧に作ってくれた縦格子は上手く目隠しになります。

こちらは棟梁お手製のスリッパ立て。仕上げ工程に入ったので原則土足はもう厳禁。きれいな現場は凄く気持ちがいいですよね。さて、来月末にはお引渡し。みなさんあと少し頑張りましょう。
 
今日はアヴァロン ジャズ バンド・・ヨーロッパのジャズの香りがします。

2017年11月11日土曜日

発寒の家Ⅱ 基礎工事 防湿コン

雨の合間を縫って、床下の防湿コンクリートを打設した「発寒の家Ⅱ」。しかしその翌日から雨に見舞われました。今の時期の基礎工事ではけして珍しいことではありません。
 
上の写真は雨水が基礎の防湿コンクリートの表面に溜まったところ。秋も深まり水の上には落ち葉も見えます。11/20を目処に建て方を開始する予定なのでそれまでにはきれいに清掃して水をくみ出します。気温的にはまだ暖かくコンクリートにとって水分のある環境でゆっくり硬化できることはむしろよいのですが、水を汲み出した後の湿気には少々注意が必要です。 
基礎断熱の特徴が充分理解されていなかった頃は・・このまま工事を進め3月~4月に完成し引渡しを行うと、ほぼ必ず初夏から夏場にかけて床下がカビる。という現象に見舞われました。理由は簡単で1:床下も含めて換気経路として計画していない。(床下と床上をガラリでつなぐだけでは不十分)2:床下に熱源がない。以上2点が主な理由です。
 
コンクリートは乾いているように見えても年単位で湿気を放出しながら強度を少しづつ増す性質を持っています。また3月~4月という暖かくなり始めの時期に住み始めるので実質の暖房期間は1ヶ月あるかないかです。要は床下がまだ湿ったままなのに暖房もどんどん弱める(本当は床上の暖房はそうでも床下は強めたいくらい)、換気経路として床下を含めた計画もしていないので床下の換気量が常に不足してしまう。結果的に湿度発生源であるコンクリートを乾かすことが出来ずに、床下は低温+高湿(常時露点)の常態が続き・・・見る見るカビが発生するという具合です。
 
現在では床下を換気経路に含み、熱源を設けることが広く知られていますから、こうした事故は随分減りました。しかし換気も熱源も備えていながら、正しい運用方法を住い手に伝えることを怠ったばかりに同じ問題を繰り返すケースもなかなか、なくなりません。
 
意外に多いのは環境意識が高く、小さな熱源で暮らすことに憧れや使命感をもっている人。特に薪ストーブ1台で暮らしたい等という人に限って床下の熱源も計画換気のスイッチも早々と切ってしまいがち・・熱量の大きな薪ストーブは床上と床下の温度差をどんどん広げるので、床下が冷たく結露しているなんてぜんぜん気付かない。その内、台所で調理のたびに換気扇を入れるとプーンとかび臭い匂いが床から上がるようになってはじめて・・「あれれ?」なんて感じです。
 
パッシブ換気は自立性の高いシステムですから、意図的に塞ごうとしない限り換気自体を止める事は出来ません。特に換気量が最大となる冬場は乾燥した冷気を床下に引き入れ予熱機で温めます。言い換えるなら床下で除湿用の新鮮空気を生産しているのと同じことなのです。
 
薪ストーブやペレットストーブの持つエコ風味や見栄えのする環境性に浸りたい気持ちも分りますが床下の除湿と加温もどうぞお忘れなく。(笑)
 
今日はR.L Jonesなんていかが
 
 


2017年11月9日木曜日

フィンストラルのサッシ

最近少しづつ、国産の窓も進化してきたけど、ハイエンドのものは、まだEUには追いつけない。写真は2012年竣工の「発寒の家」(ハッサムノイエ)だけど、そこで使ったのがフィンストラル社のノバライン。性能よし、デザインよし、拡張性もよし。なので複数組み合わせて南面を全てガラスにするとか、北国の建物であっても寒さを恐れることなく超大開口を含む自由なデザインが可能になる。
 
見ての通りトリプルガラスの製品ですけど、明るいガラスのおかげで初夏と秋の中間期も寒くない。むしろ冬場であっても日射遮蔽を細かく制御して室内の明るさと温度を調整する住い方がピッタリくる窓だった。
 
総輸入元のオスモ&エーデル㈱より本社視察のブログがUPされていたのでリンクを貼っておきます。今度、私も行ってみたい。(笑)  http://osmo-edel.jp/column/2361/
 

枠とガラスは別体で納入。

多数の空気室で構成される断熱性に優れた枠廻り

「発寒の家」では構造躯体の外側に窓を貼り付けて連窓のカーテンウオールとして使いました。

国産との最も大きな違いは製作できる一枚ガラスの大きさ。

ガラスの総厚は40mm
 
簡単に大壁面のガラス化が可能。日射取得による暖房負荷の低減を目指して・・・なんてよく聞くけど、作り手にとって実際は、いかに遮蔽側の調整力をデザインできるかが必要になる。特に超断熱建物にとっては、本来暖房に頼ることなく自ら生み出す自然温度差Δtnが12~13℃はあるから、窓の役割はそれを住まい手にとって健康で快適域となる20~24℃くらいに昇温し微調整する補助ヒーターの役割りと考えるのが良い。
 
超断熱建物の設計にとって大切なことは連続的に安定して使えるメインとなる暖房熱源の選択と前述のように必要に応じて室温調整を担うサブ熱源の組み合わせの妙だと思う。作り手が充分、超断熱建物のポテンシャルを理解していないと、メインとなる暖房熱源を全て機械に頼ったりそれが過大になりすぎたりする傾向から中々抜け出せない。
 
そもそも超断熱建物にとって主たる暖房熱源は自分自身なのだから、問うべきは設備の種類もさることながらその大きさと繊細な調整力だ。もちろんそれらの熱源に化石エネルギー以外を用いる意識が今後のトレンドになって行くべきだと思うし、設計者の仕事も従来のメーカーによるシステムのチョイスからこうした調整力の工夫や今まで見過ごしていた未開拓のエネルギー利用に向うべきだろう。
 
今日はJAZZTRONICで行きましょう!