2016年2月24日水曜日

東光の家 定例

厳しい寒さの中、外壁を貼り進む「東光の家」。基礎工事からほぼ1.5ヶ月でここまで来ました。現場を指揮するK所長。ごくろうさま、これからはいよいよ内装、引き続き頑張りましょう!(笑)

やっぱり道北の冬は別格!資材も人も凍る、凍る・・・
 

一転、平和な室内。下地がどんどん完成。ボード張りに突入です。

この段階でSWの高さや位置等は全部確認しておきます。私の場合はSWは床から1m、コンセントは床から30cmです。 

K所長が細かく丁寧に書いてくれた詳細図を見ながら各部を確認して行きます。

床のタイル割りや各部の細かな寸法を確認します。

2016年2月16日火曜日

アーキテクトミーティング2016

 
本日から2/18(木)まで東北に行ってきます。

2016年2月4日木曜日

東光の家 全力全開!

1月13日から始まった建て方から実質二週間少々。3月完成を目指す「東光の家」は素晴らしい速度で工程を消化しています。実は設計者として今、正直感動しながらこの記事を書いています。1月中旬から今日(2/4)までの約半月間、引渡しや、視察、見学会に講演と目まぐるしくも充実した日を過させていただきました。たいへんありがたい反面、先日は大雪のために現場に行けない等、設計者としてのストレスも感じていました。その間に現場を担当するK所長と棟梁として現場を仕切るK棟梁(K所長のお父さん)の仕事ぶりを定期的に送っていただいた写真を通して拝見していました。

1/15の様子。凄く早い!

300mm断熱のような超断熱化建物にとって建て方(構造部材を組み上げること)と同時に気密&防湿を受け持つシート(先張りシート)を挟み込みながら行うことは欠かせない。一方、現場で働く大工にとっては、先読み力が求められます。どの位置で先張りシートを挟むのか。といった基本的な理解を充分深めておかないとシートを挟み忘れたまま柱や梁を組み上げることとなる。写真は床合板との取り合い部分。1:シート、2:シート押さえ、3:合板を載せるといった順番が守られている。

写真は外気に接する床の上に建つ柱の足元の気密先張りシート。「東光の家」の間取りではカーポートの上部が子供室となる。要は子供室の床のその先は外となる。そこで柱の足元に丁寧に先張りシートを入れてから合板で床を作ることが冷気の進入を止める上でたいへん重要となる。気密試験に慣れた大工しか知らない漏気ポイント。こういう絵(写真)を送ってもらうと思わず設計者として目を細めてにやりとしてしまう。(笑)ちなみに上の写真は1/13のもの。まさに構造と断熱(気密)が一体化したものであることが分る。

最近、リクエストの多い屋根の構造材を顕した天井を実現させるためには、屋根のみ断熱方式を完全な外張りに切り替える必要がある。すなわち床に当たる厚ものの構造用合板の外側に気密シートを貼りその上に厚く断熱材を載せて行く必要があるのだ。写真はまさにその最中のもので1/19のもの。薄緑に見える先張りシートの上に一層目の断熱材を施工しているところ。

同日の写真だが注目はシートのジョイント部分。薄緑色が濃く見えているばかりかテーピングによってダメ押しの気密が行われている。標準施工要領では下地のある部分はシートの重ね幅が100mmでよしとなっているが、用心深く全てテーピングで対処しているところに棟梁の断熱施工に対する哲学を感じる。

樹脂サッシは、壁厚のほぼ真ん中に取り付けられ完成すると壁よりも窓が引っ込んだ見え方となる。風雨から窓を守るということと、断熱上、壁の断熱ラインにサッシの中心軸も合わせる事で窓のポテンシャルを最大限引き出そうとしている。この写真を見て現場所長と棟梁の熟練を感じる部分はサッシの本体枠と木枠の間に15mmの隙間をしっかりと開けているところ。襟巻きよろしく窓の4周にウレタンを充填し断熱材でサッシ枠を断熱補強するためである。もちろん事前にK所長の施工図で確認済みだがそれが現場で厳格に守られていることが安心につながっている。(撮影日時1/19)

こちらは外壁の付加断熱の下地。2012年に丸稲武田建設の武田社長により考案されその後、石膏ボードを貼ることで準防火構造の通則認定として使えるように改良した構造でもある。ポイントは間柱の間隔より半分ずらしてあり、熱橋(熱の通り道)となりにくいようにしているところ。また重量のある外壁の採用にも耐えられるように横方向には貫材を通し構造用の金物で断熱下地がずり下がらぬようにしているところ。指定の金物が使われていることを確認。(撮影日時1/19)
 

こちらはカーポートの天井を見上げたところ。トンネル状になるカーポートの上に子供室がある。カーポートの間口は二間(約3.6m)あるので二階が落ちぬように大きな梁材が必用になります。当然梁材の間は充分な断熱材が入れられますが梁の部分は断熱が入りません。そこで梁の高さを揃え梁の下に性能の良い板状断熱材を連続させて、梁ごと断熱材で包むことを考えました。(撮影日時1/20)

カーポートの壁に面した室内側の断熱材がしっかりと二階の床まで施工されています。気密シートのジョイントは下地のあるところにも関わらず同じようにテープでさらにダメ押しの気密補強がされています。(撮影日時1/24)

こちらはカーポートから見たところ。外側の付加断熱が見えています。肝心のカーポートの天井には、これから吹き込み断熱材でがっちり33cm断熱を行います。(撮影日時1/22)

 
西側の立面が見る見る石膏ボードで覆われて行きます。石膏ボードの役目は市街地に建つ家の防火性を高め、断熱材に吹き込む風を抑え、通気層に貼る透湿、防水、防風シートをピシッと精度よく連続させることに一役買っています。(撮影日時1/24)

いやいや、本日これから旭川ですが、今日こそはK棟梁に感謝を伝えたいと思います。心一杯ね! さすが道北の大工は違うね(笑)。脱帽です・・・凄い!

今日は事務所と自宅で大流行の星野 源くんなんていかが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=7gcCRAl58u4

2016年1月29日金曜日

ホワイトアウト

 
今日は旭川の「東光の家」へK棟梁へご挨拶に行く予定だった。しかし高速は雪でストップし、国道に下りればそこはホワイトアウト。うす曇りの明るい吹雪特有の視界。要は道路の巾も自分の走っている位置もまったくわからない状態。眩しくて眩しくて、しまいには目が痛くなってくる。江別を越えて岩見沢の街を出たところまで頑張ったけど吹雪きもひどくなってきて、さすがに旭川行きを断念!今日はほんとうに残念だった。 次回は偏光レンズの付いたサングラスを掛けて行きます。クライアントさま棟梁、K所長。ごめん・・・

三重県からお客様が


昨日は三重県よりたくさんのみなさんが「澄川の家」の視察にお見えになりました。二年ほど前にお会いした建築家のTさんを団長に、いつも家づくりを共にされている、工務店さん、大工さん、建具屋さん、サッシ屋さんがたいへん熱心にお話しを聞いてくださいました。なにか近々、高断熱住宅にチャレンジされるそうで、そのための技術情報の収集に腐心されているとのこと、「その節にはぜひ北海道のアイディアもお役立て下さい。」とお伝えしました。

最近、関西からの視察が急増してびっくりしています。こちらが恥ずかしくなるぐらいみなさん真剣で立派な方々ばかりです。丁寧にメモを取り、写真を何枚も撮り、理解できるまでもの凄くたくさんの質問をいただきます。 パッシブ換気に基礎断熱、床下暖房に0勾配屋根、C値0.1の室内でも薪ストーブが何事もなかったように燃える様子や内外温度差を動力に無音で全館空調を行うパッシブ換気等々・・・・・時間はいくらあっても足りません。(笑) 

熱心なみなさんとお会いして、私もうかうかしているとすぐに追い抜かされてしまうなあ~と感じました。そんな意味でも毎回、凄くよい刺激をいただいています。惜しげもなく知見を与えてくれた先輩たちと環境技術に溢れた地元に感謝してまた頑張ろうという気持ちになりました。

平和の家見学会 満員御礼!

二日間に渡り、多くのみなさまにご来場いただきまして誠にありがとうございます。
 
当日は遠方から駆けつけていただいた方々、お手伝いいただいたみなさま、チーム「平和」全員と、快く地域のものづくりを公開し発信する場を与えていただいた建て主さまに、この場をお借りしてチーム一同心より御礼申し上げます。 300mm断熱18棟目となった「平和の家」。細部の作りこみやパッシブ換気、床下暖房や玄関土間等々も完成度に一段と磨きがかかり意匠デザインのみならず設備設計においてもチーム全員の更なる自信になりました。
 
地域において長年に渡る知恵の蓄積とその伝承とは想えば凄いもので、寒さとそれらに起因して起こるネガティブな事柄のほとんどが今や何事もなく解決され、静寂の中で計画換気され家全体が穏やかに暖房される様子はある種の不思議ささえ感じます。
 
1950年代の断熱ブロック住宅に始まりオイルショックが起こった1970年代に壁250mm、屋根400mmの超断熱住宅を作り、断熱がそれまでの建築における多くの問題を簡単に解決する方法であることを発見した荒谷(アラタニ)博士から数えて自分たちは3代目に当たります。時々先輩たちから昔話しを聞くことがありますが、当時は遮熱派の先生方、通風換気派の先生方、蒸散メカニズムの権威、温暖地の伝統建築の先生方の中で「断熱しましょう!」なんて言うのはとても勇気のいることだったそうです。 (笑) あれから早40年、やっと日本も断熱を義務化しようとしています。そんな風に考えるとなんだかとても不思議な気分になります。人は一見理屈で分ったような気分になっても、それが身に付くまでにはとても長い時間が必要で、だからこそ一歩、一歩が実は大切なのだとあらためて思います。そんな意味でも私たちの世代で大切な宝物を失わないように、日々精進して行こうと思いました。

居間の一カット。天井高は2.66m

ナラの端材を用いた木ブロックの壁

玄関を開けたところ。右手前がウオークインのコート掛け、隣が大容量の靴入れ、突き当りが冷温庫。玄関土間はこれらをつないでいる。

白樺積層合板を削り出した手摺。

北方型住宅の基準を満たすために巾を狭められた鉄骨の手摺。

樺材のフロアー、白樺積層合板の枠、旭川家具のガラリの組み合わせ

二階のホール。南側には子供室3室と主寝室。計4部屋が並ぶ。

下が4畳、上が2.5畳の明るい子供部屋。二階には読書灯やコンセントの設備もある。

北西側の和室。障子の上下には通気スリットが入れられていてサッシの結露を防止する。

二階のトイレと洗面スペース。朝の大渋滞もこれで解決。

床下は基礎断熱により室内化され、暖房、照明、換気といった通常の部屋と変わらぬ環境を備える。パッシブ換気の予熱空間や床下暖房、それ以外の部分はトランクルームとして大活躍する。

パッシブ換気の外気導入管。冬場に必用な計画換気と暖房の熱移送を自然エネルギーで行う。

壁の断面模型

日差しがあれば基本的に暖房はOFF

断熱ブラインドは夜も昼も大活躍
 
今日はB.Joelなんていかが

2016年1月13日水曜日

平和の家 見学会のご案内


かねてより、「チーム平和」一丸となって取り組んでまいりました「平和の家」がおかげさまを持ちまして竣工を迎えることとなりました。この度、建て主さまのご厚意により見学会を行いますのでご希望の方はお知らせ下さい。またたいへん恐縮ですが見学会は事前にお申し込みをいただいた方に限らせていただきますので予めご了承下さい。

■見学をご希望の方は1:住所、2:氏名、3:ご連絡先(携帯可)を記入いただき下記のアドレスまでお送り下さい。確認の後、地図を返信させていただきます。

連絡先 teste-ako.ao@dream.com(誤送信防止のためteste-以降のアドレスをお使い下さい。)

*:いただいた個人情報はご本人様確認以外には使用いたしません。
 

■平和の家とは?
札幌市西区 平和地区は間近に山並みが迫る環境のよさが人気の住宅地。近年Uターンの進む西野地区のさらに山側に位置し約40年前に開発が始まりました。

建て主さんとの出会いはOBのクライアントさんからのご紹介。敷地探しから始めました。設計条件としては、5人家族であること、将来的な二世帯同居も視野に入れ等々・・・子育て中は家庭にとって最も物入りな時期。当然、間取りも厳しい面積要求となります。その解決策としては、床下と天井裏をロフトや物入、家事室に置き換えて使えるようにすること。それが可能となる断熱手法を選び家中を徹底的に使えるように考えました。結果として二階には子供部屋が3室、夫婦寝室とウオークインクロゼット、客間、WC+洗面の7部屋構成となりました。1階は狭さを感じないL+D+Kと水廻り、玄関土間と冷温庫、階段下には家事コーナーも完備しました。

■コンセプト
1階LDK、2階各寝室というベーシックな構成としながらも従来型の間取りを改良し生活品質を高めた新 北海道スタンダードの追及。

仕様/性能
■平成27年度地域型住宅グリーン化事業(長期優良住宅)
■北方型住宅ECOプラス
■フラット35S金利A仕様住宅
■札幌市エネルギーECO資金対象住宅
■Ua値:0.2W/㎡K
■燃費:3L/㎡年 (300L/年.灯油換算)
■C値:0.1cm2/㎡


●寒さを暮らしに生かす冷温庫付物置
●パッシブ換気 (換気と暖房に自然エネルギーを併用する北海道産技術)
●ペレットストーブによる炎の見える室内。
●道産カラマツ、白樺材による内装
●給湯と暖房(熱源:プロパンガスによる潜熱回収型ボイラー)
●樹脂製断熱サッシ(トリプルガラス)
●圧倒的な断熱性がもたらす寒さのない穏やかな室内(300mm断熱)
●夜を楽しむ内照式照明、LED照明
●北海道産とど松による木貼の外装
●屋根はシート防水による無落雪タイプ
 

■おねがい
おかげさまで、最近の内覧会はたくさんのご来場をいただくようになりました。これもひとえにチーム全員の活躍を楽しみにしていただいているみなさまのおかげと心より感謝いたします。しかしその一方で近隣とのトラブル(違法駐車、ゴミ、タバコの投げ捨て等)も見られるようになりました。残念!(もちろん少数の心ない人の仕業ですが/笑) 私たち地域の作り手に興味をもっていただき、貴重なお時間を割いてまでご来場いただくことは嬉しい限りです。ぜひたくさんの方々に地域の職人さんたちの仕事を見ていただきたいと思いますが、こうした現状も踏まえ、ご理解をいただければ幸いです。ハードルを上げることはけして本意ではありませんが、たとえ人数は減っても実りある見学会を目指してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。 
                         「チーム平和」プロジェクトマネージャー  山本亜耕

2016年1月9日土曜日

「地域材利用拡大緊急対策事業」について

「地域材利用拡大緊急対策事業」

地域材を積極的に活用しましょう!・・・・・でも・・なぜ?

北海道に住むみなさんは「山にはあんなに木があるのになんで今さら地域材なん?」と不思議に思うことはないだろうか?

実はものとしては膨大にあっても、長年産業として育ててこなかったことが災いして、現在身近に建つ建物の多くが輸入の構造材、仕上げ材を使っています。最近ではオーストリア、ルーマニアなんてところから来る材木も多くて作り手としてなんだか凄く違和感を感じているところ。 だって目の前に立派な森林がありながら一万キロ彼方から来た木材の方が安くて手に入りやすい!なんていうのが残念ながら現実だからです。

 
基本的にこうした矛盾は私たちの社会に急速に広がっていて、いつの間にか地域にお金を落とす機会がどんどん少なくなっています。建築でいえば、マイホーム取得中心世帯と言われる30~40代の世代の所得が減少を続けていることは報道等でお馴染みですが、そうした本来なら最も消費に積極的な世代が支払う大切なお金が、地域に落ちて循環する(役立つ)ことなく海外にどんどん流失しているのがこうした輸入材の負の側面だといえます。もちろん自らが住まう地域にお金が回らないわけですから地域はどんどん疲弊し悪循環は拡大するばかり。地域が悪くなれば地域を相手に働く勤め人の給料など上がりようもないわけです。ここ20年で急速に拡大したグローバル化、インターネットを背景とした消費の流動化は手軽で便利なものをたくさん生み出しましたが一方で知らないうちに自らの首を絞めるという困った事態も生み出しました。 私も含め地域に暮らす多くの人が地方都市の大らかさを楽しみながら仕事ばかりでない人生を充実させたいと感じていると思いますが、そのためには今までとは異なる視点と地域経済に対するアイディアが必用なのです。
 

2016年1月7日木曜日

東光の家 建材下ごしらえ

 
本日は、びえいからまつ協同組合の工場で始まった木製建材の下ごしらえを紹介します。まあ~料理で言うところの「仕込み」。 最近は土場(加工等を行う工場)を持つ建設会社が少なくなりましたが・・・田舎っていいですよね~(笑)。このびえいからまつ協同組合の親会社が「東光の家」を担当していただいている清水組さんということで、この工場で羽目板から外装、床材の塗装から集成材、果ては断熱サッシまで作ってしまおうかと考えています。一般的に建材は建材店経由で購入して現場で取り付けますが、今回は美瑛産のカラマツやシラカバをこの工場で最終的な製品にまで仕上げて現場で使うという産直方式に挑戦します。
 

こちらは外壁に貼る貫板。北海道ではトドマツやエゾマツがポピュラーで最近はよく使いますが、今回は「東光の家」専用にカラマツ製となっています。赤みが強く木目も力強いのでどんな表情を見せてくれるのか今から楽しみです。

防雪上屋の中で行われるコンクリートの打設。内部は+気温とはいえ、札幌よりも寒い旭川では防寒養生も進んでいます。

基礎断熱も16cm厚。頑丈な断熱材の上を歩きながらコンクリートを型枠に流し込んでゆきます。
 

こちらは乾燥済みのカバ材。工場でオリジナルの集成材を作って各部に使う予定です。
 
今日は久々に大好きなバンアパなんていかが

2016年1月4日月曜日

2016新年明けましておめでとうございます。

 
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
札幌の年始は、記録的な雪の少なさでとても穏やかでした。一方おかげさまで1~2月はもの凄く忙しくなりそうです。今年も一年、精一杯建築に取り組みたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
この場をお借りしてみなさまのご多幸を心よりお祈り申し上げます。
 

2015年12月29日火曜日

2015年 御礼

 
今年は、たいへん多くの仕事に恵まれ今まで新築中心だった「300mm断熱」をリフォームにまで拡大することができました。それと同時に治すことの難しさ、ひとつひとつ異なる構造や症状に対して最適な処方箋を考え出すことの難しさも学びました。今後は従来の新築(新たにつくる)という立場に加えリフォーム(今あるものを治す)ということに地域的な資産である「断熱」を生かして行きたいと思います。そんな意味で17件目の300mm断熱となった「山の手の家」の性能向上リフォームは得がたい経験となりました。この場をお借りして、現場で奮闘した全ての人たちと、挑戦の機会をいただいたクライアントさんに心より御礼申し上げます。
 
新築においては「平和の家」、「東光の家」といった300mm断熱の家たちが現在も完成に向かっています。「平和の家」においては、外断熱、外張り断熱、充填+付加断熱といった多彩な断熱のバリエーションを駆使して室内として使える空間を最大限に拡大しました。全体で33坪に満たないコンパクトな家ながら二階には7部屋という構成を可能にしています。昔は、いち省エネ対策として始まった「断熱」が「新たな空間獲得」のために使われるようになって来ました。
 
「東光の家」では札幌以外の地方都市のニーズとして多いカーポートを取り込み、札幌圏より寒冷な道北の冬と暑い夏を楽しむことをテーマにしました。地方都市の特性として同じ暮らしでも都心より多くの面積を必要とします。実際に世帯あたりの車の所有率は地方都市の方が高く、通勤をはじめとする毎日の暮らしに欠かせないものとなっています。そうした事情に答える解決策として1階に駐車スペースを組み込みたいという願いは昔から根強いものがあります。そうしたニーズに答えつつ、厳しい道北圏の気候に負けない技術開発として多くのチャレンジを行っています。
 
双方の家とも、ブログを読んでいただいて実際に見学会に来ていただいたことからお仕事をいただくことになった若きクライアントさんです。自らの家づくりを通して地域に投資していただくばかりでなく、その住まいをさらに良くする上で欠かせないさまざまな挑戦の機会をいただくことが出来ました。毎年想うことは程度の差こそあれそうした多くの理解ある建て主さんのおかげで、私たちは糧を得るのみならずたくさんの笑顔に出会うことができるということです。北海道の環境建築を語る上で欠かせない「断熱」は当初、たくさんある省エネ技術の一つとして始まりましたが、今や地域の住まいを語る上で核となる技術(哲学)にまで育ちつつあると言ってもよいでしょう。いわゆる「機械設備」による恩恵の何倍にも相当する効果や長期に渡り劣化しない性能等々、はたまた冒頭に紹介したように、質の高い空間の獲得性といった付加価値の多様さは北海道に暮らす多くの人たちの特典なのではないでしょうか。こうした恵まれた環境で毎年建設的にものづくりに携われることは建築家冥利に尽きると思っています。完成の際には見学会も考えていますので一人でも多くのみなさんに「チーム平和」、「チーム東光」の仕事を見ていただきたいと思います。
 
今年一年、お世話になったたくさんのみなさまに心よりの感謝を捧げるとともに、来年も引き続き、喜びに満ちた困難さ(笑)にご協力いただけますようお願いいたしまして2015年の結びとさせていただきます。
 
冬季休業:2015年12/28(月)~2016年1/5(火)
 
今年はヴェルディーの合唱で!みなさまよいお年を!
 
 

2015年12月24日木曜日

東光の家 施工温度管理

12/23(水)の旭川は今年一番の冷え込みとなりました。14:00でも-7.1℃。昼間もぜんぜん気温は上がりません。内陸部特有の軽く鋭い寒さです。湿気の多い札幌のぞくぞくするような重たい寒さとはぜんぜん質の異なる感覚。これに乾いた冬の匂いが加わって道北圏独特の季節が始まります。

一方こちらはテントの中。上屋の中はプラスです。でもテントに断熱性なんてありませんからこれはジェットヒーターとコンクリートの水和反応熱が主な理由でしょう。

内部はこんな感じで、雪に当たらないのでとてもきれいです。
 
こちらはコンクリートの熱画像。発熱している様子が分ります。
 
基礎の底盤の厚みは15cmですが、その基礎の形状が熱的によく分ります。
 
コンクリートの熱が型枠を通して周囲の地盤を暖めている様子が分ります。

現場はすっかり冬支度ですね。

神々しい大雪山連峰。厳しい季節の始まりです。
 
今日はDuran Duranなんていかがでしょう。