地域材を積極的に活用しましょう!・・・・・でも・・なぜ?
北海道に住むみなさんは「山にはあんなに木があるのになんで今さら地域材なん?」と不思議に思うことはないだろうか?
実はものとしては膨大にあっても、長年産業として育ててこなかったことが災いして、現在身近に建つ建物の多くが輸入の構造材、仕上げ材を使っています。最近ではオーストリア、ルーマニアなんてところから来る材木も多くて作り手としてなんだか凄く違和感を感じているところ。 だって目の前に立派な森林がありながら一万キロ彼方から来た木材の方が安くて手に入りやすい!なんていうのが残念ながら現実だからです。
基本的にこうした矛盾は私たちの社会に急速に広がっていて、いつの間にか地域にお金を落とす機会がどんどん少なくなっています。建築でいえば、マイホーム取得中心世帯と言われる30~40代の世代の所得が減少を続けていることは報道等でお馴染みですが、そうした本来なら最も消費に積極的な世代が支払う大切なお金が、地域に落ちて循環する(役立つ)ことなく海外にどんどん流失しているのがこうした輸入材の負の側面だといえます。もちろん自らが住まう地域にお金が回らないわけですから地域はどんどん疲弊し悪循環は拡大するばかり。地域が悪くなれば地域を相手に働く勤め人の給料など上がりようもないわけです。ここ20年で急速に拡大したグローバル化、インターネットを背景とした消費の流動化は手軽で便利なものをたくさん生み出しましたが一方で知らないうちに自らの首を絞めるという困った事態も生み出しました。 私も含め地域に暮らす多くの人が地方都市の大らかさを楽しみながら仕事ばかりでない人生を充実させたいと感じていると思いますが、そのためには今までとは異なる視点と地域経済に対するアイディアが必用なのです。