2020年4月11日土曜日

常盤の家 屋根断熱工事完了

片流れの美しい登り梁と根太で架構された「常盤の家」の屋根。写真は室内から見上げたところです。このままで天井仕上げになります。以前は骨組みが隠れる天井も作っていましたが最近は木質系のインテリアのリクエストが多くこうした天井をよく作ります。今日はそのお話しをします。

今の現場の様子ですが、手前の白い木と奥の赤い木が見えますよね?白い木肌に品質シールが貼られている材料はこれから石膏ボードで覆われる柱や梁。それに対して赤い材料はこの後も見えたままになる材料です。つまり見せるところには暖かな赤味の材料、それ以外は一般的な材料と使い分けているのです。通常は隠れてしまう材料をあえて見せて使うことを顕わし仕上げと申しまして一般には手間をかけた「良い仕事」を指す意味で用います。その理由は・・・

1:強度のみならず見栄えの良い材を選ぶ目が材料屋&加工屋さんには求められる。
2:設計者は構造図面で顕わす材とそうでない材を完璧に把握しておかないといけない。
3:加工(プレカット)屋さんは接合強度のみならず見せる接合を工夫する必要がある。
4:強度のみならず断熱や気密を両立した上で見せることが求められるために、シートや
   テープの始末。それらが絶対に見えないように組み立て前に完璧に設計し、施工イ
  メージをしておく必要がある。(設計、加工、組立等複数の人が同じ目的を共有す
   る必要がある)・・・これが難しい!
5:材を顕わすということは木材を汚したり、傷つけたりできない。大工さんはもの凄
  く丁寧に力仕事をしなくちゃあいけない。(一発勝負で逃げが効かない)
6:材を室内側に見せるため、通常の充填断熱とは異なり外張り断熱のノウハウが必要。

ざっと・・こんな感じです。(笑) 平たく言えば設計者の私だけが頑張っても無理・・
材料を見立てる人、加工をする人、組み立てる大工さん・・現場に関わる多くの人が目的を共有して作るのがこの顕わしの天井なのです。

今回初めてお付き合いさせていただいたプレカット屋さんは三津橋産業㈱さん。丁寧な図面の確認だったり、材料にケガキ線が出ないように加工機を調整し直して頂いたりと大変お世話になりました。
三津橋産業株式会社HP http://www.mlcmitsuhashi.co.jp/index.html

こちらは隠れてしまう白い材料ですが、屋根から出来上がっているのが分かるでしょうか?きれいに組み上げることは大切ですが・・時としてお天気は待ってくれません。

雨が降ってきて材料を濡らしてしまうと・・美しい材の赤味が台無し・・せっかく多くの人の手を経てきたのに現場はがっかりです。

なので材料を預かった大工さんのプレッシャーは相当なもの・・美しく丁寧に傷つけないように組み上げながら、いつ雨が降ってきても大丈夫なように手早く屋根から作って、仮設の雨養生をしてやっと一段落です。

仮に屋根の本防水前に中に雨水が入っても白い防水シートが守る仕組み。これなら安心です。

風が出てきたので、この後シートをぴっちり張って明日の休みを迎えます。

現在はこんな感じ。屋根の仮養生が終わって、大工さんが外壁廻りの金物取付。その後は耐力面材(OSB合板)を貼って行っています。

「常盤の家」の家は一般的なGWHG16-38ではなくて20-35。ハイフンの前が密度で後の筋が熱伝導率です。

今夜はMr.Bigなんていかがでしょう



「南幌まちなかの家」が町のHPになりました


「南幌まちなかの家」が町HPのトップになりました。
南幌町HP http://www.town.nanporo.hokkaido.jp/

都心以外の暮らしの豊かさを求めて、最近は東京や札幌からも南幌町に移住する人が増えています。数年前までは年間に2区画売れるかどうかだったみどり野地区も、今やたくさんの若い世代が住まいを求める人気の住宅街となりました。

町独自の手厚い移住者施策の充実や札幌とは比べ物にならない除雪環境の良さ、医療も子育ても都会ではおなじみの「待機」がほとんど不要な環境は今の時代大きな魅力です。

また全国から集まった、みどり野住宅街の移住者の間には良好なコミュニティー意識が育ちつつあるのも特徴。田舎でありながら閉鎖的な意識を感じないところも移住者にとっては人気なのでしょう。

これからは暖かな日が少しづつ増えますが、ぜひ屋外で地元名物の南幌ジンギスカンを楽しんでほしいと思います。「南幌っていいなあ~」

いつも南幌を走るとこんな感じ!今日はブルースホーンズビーなんていかが


2020年4月8日水曜日

常盤の家 建て方完了!



本日はいよいよ登り梁(屋根最上部に掛かる大梁)の建て込み。動画は登り梁を固定するドリフトピンを打つ大工さん

カラマツ集成材の重たい尺梁(梁の高さ寸法が約30cmの梁)をクレーンのオペレーターと息を合わせながら慎重に掛けて行きます。


本日は雲は少々あるものの晴れ!建て方日和ですね(笑)

写真右下に見えるのは屋根の付加断熱。10cmのXPSと呼ばれるボード状断熱材です。普段は10cmのグラスウール(以降GW)を主に用いますが、「常盤の家」では建物の外皮面積(外壁や屋根、床の面積)が増えたのと、BELSの評価で一次エネ削減率40%以上を目標にしたので必要な分を強化したのです。

二階の床に置かれた登り梁に吊り下げようのクランプを掛けて慎重に吊り上げる。 

吊り上げられた梁は上空から少しづつ所定の位置へ・・・「おーい周りにぶつけるなよ~」・・周囲に緊張が走ります。

棟梁が梁を受け取りピタリと位置合わせをして、二人一組で落とし込み・・重たい梁が「ドン」と音を立てて建て込まれます。

こちらは外壁の外に跳ね出した階段の踊り場です。「常盤の家」では階段の踊り場にベンチと本棚を置いて読書が楽しめるスペースを作ろうと考えています。

二階の床から生える6本の柱は4本が住ま手さんのご家族,二本が両家のために・・みんなで屋根を支えています。(笑)

ホールダウン金物(耐震引き抜け防止金物)は全数見て回ります。特に壁内にGWが充填されるところは間違っても絶対に結露しないように防露処置をしておきます。

金物が躯体の中で結露すると簡単に建物を傷めてしまうのでしっかり確認します。

梁架け完了直後がこの様子・・
登り梁、計12本みなさまありがとうございました~(笑)

今日はMr.Bigなんていかがでしょう・・P・ギルバートが若い(笑)




宮の森の家ⅡBELS

「宮の森の家Ⅱ」にBELSの評価書が届きました。

想えば2009年竣工の「銭函の家」から数えて35棟目の300mm断熱の家になります。

一次エネルギー(化石エネルギー)の削減率は国の省エネ基準に比較して-39%です。ブログをお読みの方の中には意外に思われる方も多いと思いますが・・現行の国の省エネ基準(2016年基準)はまだ義務化されておらず、そもそもの目的が法制化ですから「最低限の基準」を指したものに過ぎません。

つまり21世紀に実際に必要になる北海道の住まいの性能とは? これらの最低限基準をクリアすることは当然として・・世界的+長期的な視点でどれだけ性能を上乗せすればよいか?を作り手と住まい手に問うているのです。

そうした理由から・・例えばパリ協定の削減目標を見てみると、2030年度までに家庭部門は2013年度比で39%のCO2削減が日本の割り当てとされています。

今さら聞けないパリ協定(経産省/資源エネ庁HP)

特に再生可能エネルギーに対する高い潜在性が期待されながら、依然、暮らしのエネルギーの大部分を化石エネルギーに頼っている北海道においては、一概に「省エネ」と言っても・・いったいどこに視点を置くのかでその目標は大きく異なってきます。

「宮の森の家Ⅱ」では2030年度を期限とするパリ協定の目標である2013年度比CO2-39%削減を一次エネ(化石エネ)に置き換えて設計する上での目標としました。

今日はSteve Winwoodなんていかがだろう






2020年4月7日火曜日

南幌みどり野きた住まいるヴィレッジ20200405

4月5日(日)に久しぶりに南幌に行ってきました。

おかげさまで、ヴィレッジも二期工事が始まり「北方型住宅2020」による街並みが少しづつ出来上がりつつあります。

意外に思われれる方も多いと思いますが、ヴィレッジのデザインコードは非常にゆったりとしたものです。90年代に流行った屋根の勾配の統一や外壁の素材・色の規制といった強く特定のかたちに誘導する方法はあえて取っていません。

様々な住い手の趣向を満たしつつも質の高い住まいを提案するためにはある程度の選択肢を用意する必要があります。同じ素材、同じ色、同じ設計思想によるシンプルな分かり易さはインパクトこそ大きいものの・・反面、購入者の好みも分かれるところ・・それよりはより多くの、南幌暮らしを夢見る未来の住まい手に、選ぶ楽しみを残した方がよいのでは?そんな話し合いからつくり始めた街並みです。

例えば、巷にあふれる工業製品の建材ではなく・・木や鉄のような本物の素材を使おう!北国では中々設けることが難しい「内と外の中間領域」(軒下空間やデッキ、屋根のあるテラス、焼き肉のできるカーポート、囲われた光庭等々・・)を少しでも取り入れよう!暮らしにおいては量よりも質を第一優先としよう!長く使える可変性(ゆとり)を間取りに用意しておこう!非常にシンプルな了解事項だけでデザインしています。

言い換えるなら・・街並みが建築家の良識に任されているとも言えるわけで第二期を引き継ぐ建築家にも同じ意識が求められています。

上の写真は昨年夏のヴィレッジですが、こんな風に個別に見ればかなりテイストの異なる家が街並みに同居しています。                     
                     
その一方でビレッジの向かいの区画は従来通りの分譲地として販売され、様々なハウスメーカーが自由に家を建てて行くスタイル。もちろんこちらも自由度は高いのですが・・果たしてどちらが南幌らしいでしょう?

田舎に暮らす本当の豊かさ・・無理して住宅ローンに追われる都会ではなく、ちょっとの工夫で多くの人が見過ごしてしまう・・味わい深い日常を手に入れること。

もちろんお金はあるに越したことはないけど(笑)・・南幌ならそうした暮らしがずっと楽にできちゃいます。

でも・・ありがちな形ばかりのデザイナー風住宅ではなく、全棟が建築家自らの設計による住まい。当然ながら冬の快適さや燃費の良さも一般的なハウスメーカーとは比べものになりません。全棟が「北方型住宅2020」基準をクリアしています。

北方型住宅2020とは? https://www.kita-smile.jp/north2020

「南幌まちなかの家」も素敵な住い手さんが見つかり、緑あふれるこれからの季節が楽しみです。ぜひ週末は家族みんなで名物の南幌ジンギスカンを楽しんでほしいと思います。(笑)近所の人達も集まって来ると・・楽しいだろうな~(笑)

カラマツ外壁の色もすっかり落ち着いてきれいなグレーに変わりました。

ヴィレッジの中央では「武部建設&櫻井百子」組が二軒目の現場を進行中。その現場の前で子供たちと一緒に楽し気に遊ぶ親御さんたち・・・

地域工務店と建築家の協働によるまちづくりに共感して入居してくれたみなさんはコミュニティの意識も特別なのかもしれません。

左手前に完成したのは最近完成した7号棟。中央右奥が6号棟です。

「南幌まちなかの家」の周りにも街並みが出来上がってきました。

緑道側から見たところ、中央に見えるのが「時と共に育つコートハウス」(アーキシップ&アルチザン建築工房)、右側が「カスタマイズできる家」(山之内建築研究所&晃和住宅)

今日はクラプトンなんていかが・・南幌に凄く似合う音


2020年4月6日月曜日

宮の森の家Ⅱ 基礎工事

基礎工事に到達した「宮の森の家Ⅱ」です。

道路と敷地の高低差の関係で「宮の森の家Ⅱ」では地盤の上で基礎を組み立てて埋め戻す方法を取ります。

耐圧板の下に敷くXPS50mmです。

こちらが基礎断熱と耐圧板の下に敷くEPS断熱材です。

こちらは基礎の周囲に用いる厚さ16cmのEPS断熱材です。

なんと銀河鉄道999がJAZZに・・


常盤の家 建て方開始

本日から始まった「常盤の家」の建て方。現場には大工さん4名が入り槌音が響きます。毎年、毎年・・何軒分も聞いてきたのに、何度聞いてもなんて良い音だろうと思います。

大槌(カケヤ)を握るのは宇野棟梁さん。どうぞよろしくお願いします。

2020年4月6日現在、東京をはじめとする三大都市圏では新型コロナウィルスが猛威を振るっています。幸い北海道においてはまだ影響はそれほど大きくはなく商流にも大きな影響は出ていません。

道内の場合は在来木造でも構造材に輸入集成材をよく使います。この柱はルーマニアから。写真を撮ってJASの等級を確認し記録します。

右に見えるのは件名の書かれた通し柱です。

その奥では棟梁が梁を掛けていますが剛床(厚物合板により床面に水平力を負担させる床。従来の火打梁や水平筋交いを不要とできる)が普及した北海道では梁同士の間隔は従来の1.8mの半分となりました。凄く床が丈夫になったのです。

また外壁廻りの柱間隔も同様に90cmが多くなり、無落雪屋根の積雪荷重を受け止めることに不安がなくなりました。

こちらの柱はフィンランドから

画面中央に赤く見えるのが地元のカラマツ材の集成梁、それを受ける梁はフィンランド産のスプルースの梁。理想は全ての構造材を近隣の山から集めたいのですが中々うまく行きません。

それでもここ10年程は地元のカラマツが好きです!と言ってくれる人が増えました。とても嬉しいことです。私たちも地域材をもっとPRしてより多くの建て主さんに地元材を知ってもらい地域のものづくりの力を守りたいと思います。

今日は面白いJAZZ見つけました。その名もデビルマン?聞いて納得(笑)





2020年4月2日木曜日

宮の森の家Ⅱ 基礎高さの決定

本日は基礎高さの決定のために「宮の森の家Ⅱ」の現場へ・・・

現地では既に遣り方(建設に用いる仮設の定規)が出され、前面道路との高低差からどの程度の高さに基礎高さを決定するのが車路の勾配を考えた上で妥当なのかを打ち合わせできるよう準備万端。

写真は現場を担当する、丸作吉田建産の吉田専務のCADによるスケッチ。10cm刻みに細かく高さが示され現場で、高ささえ決めれば即座に勾配がイメージできるように配慮されている。

こういうところさすが! 人によっては漠然と「どこを基準にしますかあ~?」なーんていう大らかな現場監督さんも居ますけど(笑)・・しっかり図面を作ってきて今の状態だとこの勾配、でもあと10cm基礎を上げるとこのくらい等々・・質問が具体的で分かり易い。

想像してみれば簡単なことですけど基礎のコンクリートが固まってから・・もう少し低かった方が階段上がり易かったですよね~?なーんて・・間違っても直せません。(笑)

地盤の上に建てるということは地球相手にこちらが現状に合わせないといけないわけで・・そうした理由でこの地味な打ち合わせは重要なんです。

現地には角度を測るトランシットとレベルが準備されていて・・


ピシッと張られた水糸に定規を当てて、隣地との離れ(水平距離)や振れ(隣地境界線に対して平行か否か?)を見て行きます。

高さと同様・・「山本さーんあと15cm西側に動かしたらよかったね?」なーんて後から不可能ですのでしっかり各寸法を確認しておきます。(笑)
帰りはおなじみの材料屋さんを訪問。「山本さん・・少しなんですけどキレイなモミの木の羽目板があるんですけどご覧になります~?」と担当者・・「もちろんですよ!」と私・・「じゃあ二~三枚出してみましょう、いかがです?」、「うーん色味も木目もきれいねえ~」と私。

「今進行中の現場で使えるかどうか建て主さんに提案してみますね。」と伝えてまずはお取り置き。 意外にも北海道は広葉樹の大きな市場があって域内では地元産や外国産の銘木の流通量が多くて安価。お馴染みの白樺や真カバ、目白樺、ナラ材にニレ材、そしてカエデ材・・北海道の建て主さんって幸せですよね~(笑)

ふとFMから聞こえてきたm-flo 昔の曲だけどいいですよね~



2020年4月1日水曜日

常盤の家 基礎工事完了

本日は学校が休みの一級見習い建築士さんと現場監理。「建築士さんところで設計図通りですか?」 排水、幹線引き込み、給水栓立ち上げ、その他各ケーシング、パッシブ換気の給気管等々・・もう一回全部点検よろしくです。(笑)

「アンカーのピッチは?埋め戻しのレベル設定は指示通り?来週から大工さん呼んでも大丈夫?(笑)」

おいおい土間は今日打ちたてだから・・まだ上がっちゃあだめよ乾いてないから(笑)

次はホールダウンアンカー見てよ~曲がってない?ネジにトロ(モルタル)飛ばしてない?一応全数見てみてね?(笑)ヨロシク~・・

埋設CD管は?ちやんと3本入ってますか?

周りに砂利しっかり敷き込んで均してあるから現場も乾いてきれい。「常盤の家」は敷地が広いので資材の置き場にも困らない。カラマツ材は雨にあてるとすぐに黒ずんじゃうからしっかり雨養生して置き場所を確保しよう。顕わしの仕事は養生第一!気をつけよう。クレーンを使って奥から一気に建て方を進めよう。きっと骨組みがきれいだと思う。週明けから大工さんたちが来てくれるから。

今日はBOOM BOOM SATELLITES  なんていかが・・うーんカッコイイ!




2020年3月28日土曜日

常盤の家 基礎脱型工事

常盤の家は基礎工事の脱型(コンクリート型枠を外す事)が完了した状態。後は土間コンクリートを1回打ってコンクリート工事は終了となります。

こちらは基礎パッキンを挟む予定の基礎の天端。凄くきれいで滑らかなのはセルフレベラーセメントのおかげ。この水平精度がしっかり出ていないと土台の下の気密が取れない。なので凄く大切なところです。

こちらはパッシブ換気の床下導入管。コンクリートのノロが回って穴が塞がらないようにしっかり養生済み。

埋め戻し前のベースを確認。建物内に引き込みを行う場合は基本、電気や電話、その他通信線、ガスも地中埋設にて行っています。

設備屋さんの材料が入ってきました。排水管や電力、通信線のために必要なCD管も地中にセットした後、埋め戻しを行います。

お隣の家がほぼ完成した様子。当方の現場は4月の頭に大工さんが乗り込み建て方開始の予定です。コロナウイルスに気を付けつつも一気に賑やかになりそうです。

今日はルカサーの歌でも聞きませんか