2019年4月25日木曜日

野幌の家Ⅱ 屋根断熱工事

建て方が無事終わり、工程はすぐさま屋根に移行します。写真は桁上に貼った合板(1階から見上げると天井部分)に厚手のビニールを敷いてテープ止めしたところ。

その上にグラスウールを詰め込むための下地を作って行きます。一層目約24cm厚さのグラスウールを詰め込むための下地を作り、その上に10.5cm更に断熱します。写真は第一層目の断熱下地を作っているところ。

 
この工法は2012年に考え出した方法に現場毎に少しづつ改良を加えながら行ってきたものです。当初は留め付けに構造用金物を多用したりいたしましたが、大工さんたちの献身的なアドバイスや実践のおかげで最近はほぼ釘のみでたいへんスピーディーな施工が可能になっています。北国北海道とはいえ、雪解けが終わると降るのは雨ばかり・・・ですからまずは日本建築の伝統通り、屋根から仕上げて行きたくなります。もちろん天気は待ってはくれませんからシンプルで合理的な工法で屋根の防水と合わせて断熱工事も素早く終わらせてしまいます。
 
一般的には屋根の防水工事と断熱工事を分けて工程を組みますが、分けると屋根の断熱は室内側から重力に逆らうかたちでそれも工程の終盤になってしまい易いのです。それまでの間、特に夏場は屋根のトタンが焼け込んで、建物の中に居ても暑くて仕方がありません。屋内で働く大工さんや職方さんたちにとって晴天時に暑くならない室内を早くから用意することは良好な作業環境のみならず結果的に作業も早く進みます。
 
そんな理由もあって屋根の防水と断熱を一気にしかも早く終わらせる方法が欠かせないのです。

 
グラスウールはパラマウント硝子工業さんの20KG/m3高性能品。硬くて切断しても形がしっかりしています。昔のグラスウールと違って素手で扱え防塵眼鏡やマスクがなくても工事可能なところに進化を感じます。性能も良くて一般的な16KG/m3高性能品に比べて同じ厚みでも断熱性能が約1割向上します。

 
週末から雨の予報なので、特大のブルーシートをしっかり準備しておきます。断熱材は絶対に濡らせないので連休に向けて準備は万全にしておきます。

 
きれいにまず14cm入りました。次に10cm、最後に10.5cm入ります。

 
こちらは屋根の通気垂木。垂木は並べて使いますが垂木内を通る空気が一方向のみならず直行方向にも流れるように垂木に刻みを入れておきます。

 
積雪荷重1mを考慮してスパン約6.4mのエントランスポートですから、尺梁を鋼材で両側から挟み付けてたわまぬよう補強します。木造家屋の梁の間隔は元々1.8mピッチが多いのですが北国で積雪荷重を考えるとその半分の90cmピッチとしています。
 
 
サッシは地元産のYKK430。トリプルガラスでありながらコスパの高い樹脂サッシができて本当に良かったです。
 
今日はW.Montgomeryを聞きながらブログを書いていました。いいすね~(笑)
 
 



2019年4月24日水曜日

桂岡の家 解体工事

 
 
建物周囲に足場が掛かり、解体工事に着手した「桂岡の家」。
 
「祖父が建てた築50年の家を暖かく断熱改修して大切に住み継ぎたい」住まい手のSさん夫妻にそんなご相談をいただいたのが1年前。はじめて現地にお伺いしたのが4/22で偶然にもそのちょうど1年後の4/22に着工と相成りました。なんだかとても不思議な感じです。
 
まずは新築にはない解体工事から。お茶を買って現場へ・・・そこで10年ぶりにお会いしたのがS棟梁とK棟梁。想えば10年前に同じ小樽の見晴町で「銭函の家」を担当していただいたお二人でした。
 
2009年の「銭函の家」こそ今に続く300mm断熱の第一号なのですからお二人はまさに私にとって恩人そのもの。S社長のキャスティングも中々粋ですね。(笑)
 
前置きが長くなりましたが、「桂岡の家」をご担当いただくのは㈱丸三ホクシン建設さん。冒頭でもお話しした通り、出会いは早10年前、当時の「銭函の家」の元請、㈱橋本川島コーポレーションさんの大工工事でお会いしたのが最初。続いて北海道R住宅による性能向上リフォームで「西岡の家」をご担当いただき、この時に教わった外張り断熱に関わる様々なノウハウは今も大切に使わせていただいています。
 
丸三ホクシン建設HP https://www.hokushin-k.jp/
 
 

 
こちらは50年前のグラスウール。厚みは50mmで密度は10kg/m3程度。当時は中々高価でアパートのような安普請には断熱なしが当たり前の時代。繊維は荒く不注意に触ると手がチクチクして痛い。比較的汚れていないのは断熱材として効いていなかった証拠。
 
北海道には様々な時代の断熱建物がありますがそれを解体し検証することは貴重な体験。まさにタイムカプセルを空けるのと同じ。当時の人の関心がどこにあったのか?それが正しいものだったのか否か?50年ぶりに謎が今解けるのですから・・・
 

中でも特に大切なのは水が回っているところを確認すること。この水が雨水なのか?壁内結露なのか?それを明らかにしてから相応しい対策を講じます。

北側壁面のモルタルは痛みが少なく充分再利用が可能。第一解体するのももったいない。なので地場産の改修ノウハウを用いて、このまま固定を強め耐力壁(筋交い)として再利用したいと思います。
 
住宅の性能向上リフォームマニュアル http://www.hro.or.jp/list/building/koho/pdf/gijutu/taishindannetu.pdf

外廻りの装飾は今では中々手に入らないラワン材の幅広&長物。鼻隠しの銅板はぜんぜん傷んでいない。むしろ緑青(ろくしょう)が味わいさえ感じさせます。

小樽市の中でも山側で比較的海から遠い桂岡地区でもやはり海沿いの鉄は弱い。こうなるとさすがに直すことは困難です。
 
今日は春めいた暖かな日・・貴重な挑戦の機会をいただいた住まい手のSさんご夫妻に大好きなStuffを贈ります。

2019年4月22日月曜日

芦別の家 着工しました

 
好天に恵まれた先日の地鎮祭。行政に対する届け出も完了し、「芦別の家」が無事着工しました。ご担当いただくのは美瑛町の清水組さん。2015年の「東光の家」から旭川方面の案件をご担当いただき、どれも立派に作り上げていただきました。棟梁はK所長のお父さん、職長は弟さんが担当します。本社のある美瑛からでも1時間以上、大工さんの多くが住む旭川市からだとそれ以上の通勤となりますので現地に宿舎をお借りして工事を行う予定です。
 

現場には遣り方(建物の大きさと主に基礎の高さを検討するための定規)が出され、既に基礎の高さが決定されました。

 
GL(基準となる地盤面)より約1.4mまではやや軟弱な地盤ですので、砕石杭によって地盤補強を行います。写真は敷地に杭の位置を青のテープで出したところ。この位置に穴を掘り砂利を充填して充分突き固めて固い地盤を作ります。
 
この砕石杭ですが地盤補強と言う本来の目的の他に暗渠としての効果もあります。2010年に手掛けた「南あいの里の家」では支持地盤がGL-15m以深とかなり脆弱で地下水位も高く、土を掘ると敷地から水が沸く程でしたが、砕石杭によって地下水位が下がり床下への浸水はありませんでした。
 
砕石杭HySPEED工法HP https://www.hyspeed.jp/

 
芦別市の凍結深度はGL-70cm。札幌市より10cm深く、旭川市より10cm浅いとはいえ冬の厳しさは札幌以上。どちらかと言えば内陸的な気候で旭川寄りです。地方のお約束として生コンクリートの価格が高く、基礎部分のコンクリート量を安全に圧縮するアイディアが求められます。
 
そこで今回は昨年の「神楽岡の家」同様にスカート断熱を採用して札幌並みにGL-60cmの基礎にします。
 
 
今日はビートルズなんていかが https://www.youtube.com/watch?v=WrAV5EVI4tU
 

SIR工法技術講習会

 
うーん先日のセミナー・・目からウロコ・・でした。ご存知のように古い建物を耐震改修するのに、外壁を剥がして合板を貼るのはよくやる方法・・「ついでに断熱も~」なんつー人はよほど省エネだったり健康意識や予算に余裕がある人が多い・・なので全国的に見れば耐震性1番、防火性2番、断熱性3番みたいな優先順位(あくまで予算的には・・)に陥り易い。(寒い北海道のみが断熱の優先順位が高い)要は・・耐震と断熱を一緒にできればそれに越したことないけど・・耐震性向上に直接関係ない断熱はやっぱ・・予算的にはお荷物なのよね~(笑)というのが今までの常識だった。
 
 
しかしみなさんどうだろう?・・実は”ある特定の方法”でボード状断熱材を取り付けた方が遥かに耐震性に優れる建物になるとしたら? その工法が第三者機関の技術評価を取得済みで今後、国を始め地方自治体が様々に用意するであろうリノベ認証やインセンティブに使えるとしたら?・・・凄ーいいハイテクを使ったコアで高価な方法じゃなくて・・原理だけ見ればみんなやってきたありふれた民間療法・・だからそもそもハードル低し(笑)でもそれに向き合って地味な実験を繰り返しボード状断熱材が実は耐力面材として高いポテンシャルをもつことを発見し・・第三者評価まで取得する。最近、新築にも改修にも使える技術こそ最高だと思うようになってきたけど・・また新たな北海道発の技術として大切に使わせて頂きたいと思いました。素晴らしい技術を開発していただいたUM教授(元北総研)、H准教授(元断熱材メーカー)、そして関係各位のみなさんに心より御礼申し上げます

 
なーんだ・・断熱も一緒にやる方が耐震性もあがるんじゃんね~となった方が、寒冷地にとっても温暖地にとってもハッピーだと思います。

 
しっかり第三者の評価も得ているところがよい。従来型の新築のみならず、後から直す型の技術がたくさん出てくると、今あるストックを直してもう一度使うことができるようになる。親の家を子供が引き継ぐことができれば、子世代は家づくりと言う大きな投資から解放され子供の教育や自身のためにお金を使う余地が生まれる。
 
結果として、デザインや設計と言った事柄に価値を見出す人が増えると思う。

 
北海道において、良い技術とは様々な人々の協力で生まれるという事実。
 
今日はH.E.R.Oでスーパーパワーズなんていかが
 
 
 

2019年4月19日金曜日

野幌の家Ⅱ 建て方開始

「野幌の家Ⅱ」の建て方が始まりました。今年は極端な大工不足。例年なら後二人は欲しいところですが、クレーンの助けを借りて3名で建て方を行いました。
 
「野幌の家Ⅱ」は比較的大きな平屋。なのでダクト式の一種熱交換換気を使います。天井裏にダクトが水平展開できるスペースを確保するためにいつもよりも約30cm長い柱を使います。
 
昨年、この住宅の計画のために北欧までダクト換気の視察に出かけ、国内との差にショックを受けました。機械自体の扱い易さ、特にメンテナンス性や対結露性もさることながら、ダクト配管の方法や管理が日本に比べてかなり進んでいて、ダクトを天井裏に隠す場合も、室内に顕す場合も非常によく考えられた解決策を用いているのが印象的でした。
 
1:基本的に住宅であっても100φ以上の大径管を用いること
 
2:管材にフレキ管をほとんど用いないこと
 
3:断熱材の中に埋設するような配管計画をしないこと(清掃ができなくなるため)
 
これらは早速、実践しようと考えています。
 
 
屋根を完全な外張り断熱とするための根太欠き。

クレーン:1名、梁の選別と玉掛け:1名、掛け手:2名で手分けして梁掛けを進めます。

隠ぺい部分はホワイトウッド顕し部分は唐松集成材。梁伏図を睨みながらしっかり種分けておきます。

ホワイトウッドと呼ばれるスプルースの集成材は世界各地から。最近の柱材は旧東欧のものが多いです。

2019年4月12日金曜日

アース21セミナー20190411

 
昨日のアース21さんのセミナーは衝撃的だった。「中古リノベのススメ」と題して登場したのは㈱アルチザン建築工房の新谷社長さん。北海道が今まで培ってきた知見を総動員することで・・”スケルトンリフォーム”という・・ある意味TV的には美味しいものの通常では地味に新築した方がずっと安くなる(今まで安くなると信じられてきた?)分野をビジネスモデル化している。おまけに新築用のローンを使い、長期優良住宅や瑕疵担保保険、UA値(断熱性能の見える化)、家歴保存等々・・要は新築の6~8掛けの予算で既存のシステムを縦横無尽に使いこなし・・新築同等以上のメリットをパッケージした家づくり・・・新しくて素晴らしくて・・聞いていて古くさい自分にホトホトため息が出た。やっぱ凄い人は凄い・・自分も新谷さんの弟子にしてほしいっす!そー感じられるセミナーでした。


 
中でも感動したのは写真の一言・・「もう世代ごとにスクラップ&ビルドを繰り返すんじゃなくて子供の世代には家づくりに悩まなくてよい時代にしよう!そんな家づくりの方法を選ぶべき!家にお金を割かなくて済むようになると、旅行や教育にお金をかけられるようになります。デザインや設計の価値を理解しお金を払うということはこういうことです。」うーんバッサリ・・新築が多い自分は結局・・無意識のうちにスクラップ&ビルド様様だったわけで・・・今の時代・・新築でお金をかけていいもんができないわけはないはずで・・本物はお金のある人はあるなりに・・ない人だってないなりに・・最高の仕事を納められなくっちゃいけない。30代の若い建て主に囲まれて笑顔で仕事に励む新谷さんが心底羨ましいと思いました。(拍手) 自分も負けないぞ!
 
 
アース21とは? http://www.earth-21.org/
 
アルチザン建築工房HP https://a-san.jp/

2019年4月10日水曜日

芦別の家 地鎮祭

今日は「芦別の家2019」の地鎮祭です。
札幌から約120km離れた芦別市に初めての300mm断熱の家を建てます。担当していただくのは、過去にも「東光の家2015」、「神楽岡の家2018」を作ってくれた美瑛町の清水組さんです。
 
現場所長のKさん。そのお父さんが棟梁さん、弟さんが職長として腕を振るってくれます。過去の仕事も素晴らしかったので今からとても楽しみです。
 
実は昨年から計画を始めた「芦別の家」でしたが、なにせ今、北海道は深刻な大工不足。1年も前から予定に入れていただかないとお約束の期日に完成はおろか・・・着工すらままなりません。以前のように2社くらいお見積り合わせをしてから・・・なーんて言っていると引き受けてくれる大工さんがどんどんいなくなってしまいます。昨年の内から消費税増税とオリンピックの前年ということで大工不足は懸念されていましたがまさかこれ程とは・・・本当に運が良かったのと、なにより建て主さん、清水組さんの前向きな努力があってこそ今日の日を迎えることができたことに感謝したいと思います。
 
今後は秋の完成を目指してまた3者力を合わせてよい家を作りましょう!
 

 
宮司さんの祝詞(ノリト)が春の日に朗々と響き・・・何度聞いてもいいものですね。(笑)
 
春はやっぱモーツァルトですね~・・最近は毎日図面を大量に描くのでよく聞いています。

2019年3月31日日曜日

野幌の家Ⅱ 基礎工事

 
敷地は野幌(ノッポロ)地方特有の水はけのあまりよくない固い粘性土地盤。直接基礎とするには充分な強さがありますが、その反面地下水位が高く通常の布基礎だと床下への湧水が懸念されます。そこで基礎下を水平に水が通るように砂利層を連続させその上に防湿ビニル+断熱材+基礎底板(耐圧板)とすることにしました。
 
北海道で一般的な幅50cm程度の基礎底板ではなく建物の広さと同じ厚み15cmのコンクリートの大きな板を一旦作りその板で水圧を抑えようと考えました。布基礎はその上に立ち上げる方法です。


アンカーボルトが基礎幅の芯に来るように鉄筋はボルトの太さ分オフセットさせ、コンクリート打設時の圧力でアンカーボルトが動かないように、またねじ山がコンクリートのトロでつぶれないように冶具で位置を固定しねじ山にはテープを巻いてコンクリートを流し込んでくれました。

 
止水板がばっちり効いて雪解け水が流れ出さないで溜まっています。季節が春先なので雪や雨が降ったりそのせいで泥っぽくて写真がきれいじゃないのが残念ですが、建て方前には完全に水を排水し充分乾燥させて最初の清掃を行います。

平屋なので基礎が広いです。既に建て込んだ市街地なので計画では既存建物の窓の位置を意識して間取りを考えました。単純に南東に開くと敷地奥の4階建てのマンションとお見合いしてしまい、さりとて日射取得を意識した明るい室内にもしたい・・・色々と計画で悩んだ時期を想い出します。
 
実は碁盤の目状の比較的新しい都市計画が多い北海道でも都市軸と南北軸が一致しているケースはかなり稀です。そんな敷地条件で真南に建物を向けようとすると敷地内で大きく建物を傾けて配置せざるを得ないことも少なくありません。地価の高い都心部だと狭い敷地内に合理的に物置や車庫と言った付属建物も主屋の他に配置しないといけませんから、敷地内に三角や台形の余白が残るような主屋の配置は中々難しいのです。
 
そこで活躍するのが300mm断熱のような超断熱化。一般に高断熱化は室温を安定させる効果があります。さらに窓を南面させると入る日光によって室温が上昇します。この時断熱をどんどん厚くして行くと必ずしも真南からの日射にこだわらなくとも計画上充分な室温(自然温度差Δtn)が得られるようになります。
 
超断熱化によって真南という日射熱取得上最も効率の良い方位への縛りが緩んだ結果、日射取得上は不利になる北側敷地や建て込んだ敷地でも配置計画の自由度が広がります。
 
超断熱化した建物では日射熱取得上は必ずしも有利とはいえない北側の窓も充分に使いこなす余裕が生まれることで日本では一般にタブー視されがちな北側の居間も容易に計画可能になります。
 
 

基礎断熱はEPSの160mm。熱伝導率(λ)は0.033W/mK。
地元の岩倉化学工業製のセルボード。
岩倉化学工業㈱HP https://iwakura-chem.co.jp/

止水板はやっぱりこのタイプが今のところ一番使い易くて信頼性も高いです。
 
今日はDaft Punkなんていかが・・かなりファンキーです!
 

2019年3月21日木曜日

野幌の家Ⅱプレカット打ち合わせ

昨日は「野幌の家Ⅱ」のプレカット打ち合わせ。今まで当事務所の仕事を多く手掛けてくれている㈱ニッショウさん。CADオペのMさん営業のAさん。そして飛栄建設のM所長とU棟梁そして私。

数年前から各プレカット工場の加工能力を研究し、手刻みでは難しい構造デザインをCADオペさん棟梁さんと協働しながら作り上げてきました。

私:ここは赤みの強いカラマツ材の柱を20cm間隔で建てて透過性のある壁柱みたいに見せたいんですよ。 

Mさん:金物は見せられませんよね~?

U棟梁:Mさんのお手並み拝見だね~(笑)

Mさん:はい。実は考えがあるんです。クレーンは建て方の時にあるんでしたよね(笑)

みたいな感じで、私が描いた二次元な図面に現場感覚というリアルを与えてくれます。この時に指摘されたことを大切にしてすぐに詳細図や標準納まりに反映させて現場ごとに絶えず図面を改良し続けます。こうした決定事項や共有事項を打ち合わせの時だけのことにせず川上に位置する設計者の図面品質の向上に使うことで工事中の打ち合わせは大きく減り、建物の出来上がりも飛躍的に良くなります。絵だけ描いて解決は現場に丸投げという設計者もいますが、現場を始める前の時間の使い方を少しだけ工夫すると設計者、施工者、生産者、全員にとってよりよい現場となります。

今日はダフトパンクなんていかが?
https://www.youtube.com/watch?v=QOngRDVtEQI&start_radio=1&list=RDQOngRDVtEQI

2019年3月18日月曜日

桂岡の家 断熱改修工事



木立の中に佇む築50年の「桂岡の家」。
 
現地調査をしていると当時の住まい手の雪や寒さに対する気持ちや恐れまで感じることができます。断熱を除き、当時手に入る様々な工夫をほぼ全て投入してこの北国の住まいはできている。最初に伺った際に感じたことです。
 
居間の主暖房はなんとペチカ。高温の煙を煙道に導くことで蓄熱性の高いレンガの躯体をやんわりと暖め穏やかな輻射熱を得るロシア生まれの暖房方式。燃料は基本的に薪。もちろん煙突共々建築の一部ですからこのペチカを中心に周りを田形に部屋が取り囲む間取り。
 
かつて西欧列強と競い大陸に侵出した旧日本陸軍により持ち帰られた朝鮮半島のオンドルと同様に当時の第七師団が駐留していた道北旭川の将校用官舎の暖房としても同種のものが用いられた記録があります。
 
今一つは居間と浴室に採用したセントラルヒーティングの床暖房。特に浴室は脱衣室も含め暖かかったおかげで非常に痛みが少なく当時の内装がきれいなまま残っています。
                                
ペチカは「横島ペチカ製」

 
 

屋根の形状は当時から「招き屋根」と呼ばれる形式で東西に落雪を振り分け南側のエントランスと北側の勝手口を確保する設計思想が感じられます。屋根の落雪から大切な暖房用灯油タンクを守るために十分な離隔が取られています。

当時流行した外壁に大谷石を貼ったエントランス。1階には冬場の除雪用具や薪、車両等を収納しつつ積雪から逃れるために建物は高基礎により持ち上げられています。実質的に玄関は中二階の高さとなり、降り積もる雪を見下ろす恰好の居間や主室群となります。こうした垂直方向のゾーニングは今で言うなら二階リビングのようなスタイルに姿を変えて比較的多く北海道内で見られます。
 
断熱は基本的に外側からスッポリ建物を外張り断熱しようと考えています。
 
今日はリリリップスなんていかがだろう?
 
 

2019年3月11日月曜日

野幌の家Ⅱ着工しました

今年は極端に雪が少ないですね~。予定通り3月から着工した「野幌の家Ⅱ」の現場写真。平屋なので排土量が多く、基礎屋さんには頑張っていただいています。
 
担当していただくのはおなじみ飛栄建設のM所長さんです。
飛栄建設㈱HP http://www.hiei.co.jp/

こちらは敷地内に残された古い集水桝。区画割が古い地区では過去のインフラが敷地内に残されていることが少なくありません。おそらく水はけのあまり良くない敷地の水位を下げる目的で以前の持ち主が設置したのかもしれません。設備屋さんに調べていただいた結果まだ道路に向かって管が伸びている様子。他からの接続があるのかもしれないのでこのまま残すことにいたしました。

土壌は粘土質。70cm程度も掘ると黄色く固い粘土層に当たります。

こちらがその固い粘土層。案の定水はけがあまり良くありません。

面積がそこそこ広いのでユンボを二台投入して掘削を進めます。
 
今月は3人の息子たちの卒業式!みんな卒業おめでとう!
それぞれの道で頑張ってね(笑)素敵な歌を贈ります。 父より
 

2019年2月13日水曜日

南幌町冬の家づくり無料相談会のお知らせ

2019年 3/3(日)、3/10(日)に南幌みどり野きた住まいるヴィレッジにおいて「南幌町冬の家づくり無料相談会」を開催いたします。

昨年6月のオープンから・・家づくりを目指す地域の住まい手のみなさまに大いに知られるようになった南幌町。実は札幌よりも様々な面で子育て世代に優しいところも多い自治体です。学校を始め役所、利便施設のほとんどが敷地から徒歩圏内のコンパクトシティーな点も凄くお薦め!ここ数年の宅地高騰で札幌市内での土地取得&新築のハードルが上がり続ける中、最寄りの高速入り口(江別東インター)から10分、敷地からでも20分で札幌菊水インターに着くのはありがたい。ほんとうにものは考えようですね!当日は真剣に移住を希望される方との出会いを楽しみにしています!(笑)

300mm断熱による極上の冬の室内をぜひ体感してください。従来のモデルハウスに多い”ムッとするような温かさ”とは無縁の”穏やかで寒さのない家の中は新鮮だと思います。ぜひお越しください。

ご案内 https://www.replan.ne.jp/news/8190/?fbclid=IwAR0WbGY_3S4FqFBuBNNsvFe16P41kHIB3XQ8WpbeMuOXJLNmSCGxXUS-wzo

2019年1月7日月曜日

きた住まいる技術講習会のご案内


みなさん!お仕事始めごくろうさまです。今年もよい家づくりをお願いいたします。本日は「きた住まいる技術講習会」のお知らせです。家づくりにとって欠かせない住まいの断熱化。その水準を計る新たな物差しとして2013年から導入されたUA値&一次エネ評価。その一方で従来慣れ親しんだQ値&Δtn(自然温度差)による燃費推計に比べて・・分かりにくい、複雑。との声も聞かれます。正直、国の省エネ講習一回だけでオールクリアな人ってまだまだ少ないですよね?(笑)私も含めてそんなみなさんに朗報!今回は新たに作成した寒冷地向けの専用テキストを用いて分かり易くUA値の算出や一次エネ評価のメカニズムが学べます。もちろん受講料は無料ですし北海道以外のみなさんも受講可です。ぜひ冬の北海道観光と合わせてご利用ください。また当日は北総研さんによるスカート断熱の最新知見も聞けるとのことですのでお楽しみに!(笑)