2023年5月12日金曜日

発寒の家Ⅲ着工しました

5/11(木)より着工した性能向上改修(長期優良住宅化リフォーム推進事業)「発寒の家Ⅲ」(ハッサムノイエⅢ)。最初の確認申請が昭和56年(1981年/新耐震)、平屋から2階増築のために行った二回目の確認申請が平成元年(1989年)。築42年の木造モルタル2階建てをマルっと「性能向上改修」します。今日は飛栄建設さんと建て主さん退去後、最初の現場打合せです。私の仕事は大工さんに床と壁の部分解体をしてもらって実態を確かめる事。理由は簡単で、この年代の確認図面は当てにならない場合も多いのと、住まい手さんが居る間は非破壊&目視が調査の限界だからです。検査の結果・・外装モルタルは当時一般的だった30~35mm厚ではなく20mm厚だったこと、下地のバラ板も厚18mmではなく12mmだったこと、内装ボードが9mmだった時代なので横胴縁が@455に施工されていること、1階根太は45×105(mm)なので大引きはピッチ@1820であることが分かりました。本日分かったことを加味して実施図面に修正を加えて行きます。
Construction began on May 11th (Thursday) for performance improvement renovations (long-term high-quality housing renovation promotion project) ``Cold House III'' (Hassam Noie III). The first application for confirmation was made in 1981 (New Earthquake Resistance), and the second application was made in 1989 for the purpose of adding a second floor from a one-story building. A 42-year-old wooden mortar two-story building will be completely renovated to improve its performance. Today is the first site meeting after Hiei Construction and the owner moved out. My job is to have the carpenter partially dismantle the floor and walls and check the actual situation. The reason is simple: confirmation drawings from this era are often unreliable, and non-destructive and visual inspection is the limit of investigation while the homeowner is present. The results of the inspection were that the exterior mortar was 20mm thick instead of the 30-35mm thickness that was common at the time, the underlying loose boards were 12mm thick instead of 18mm, and the interior board was 9mm thick, so the horizontal rim was constructed at @455, and the first floor joists are 45 x 105 (mm), so the pitch is @1820. We will take into account what we learned today and make corrections to the implementation drawings.
 
木造モルタル2階建て(元々は平屋)築42年をマルっと性能向上改修します。
The 42-year-old two-story wooden mortar building (originally a one-story building) has been completely renovated to improve its performance.

陸屋根を室内側から見上げたところ。本州の屋根が建物外周部に向けて勾配を取るのに対して、北海道の陸屋根の場合は勾配が逆。意外にも造りは似ていて@900の母屋に対して□45の垂木が@455、その上に12mmの野地板、ルーフィング、カラー鉄板の順。お約束なのは、屋根に載せた雪できんきんに冷やされた野地板に室内から逃げた湿気が触れてできた黒い結露痕。
Looking up at the flat roof from inside. While roofs in Honshu slope toward the outside of the building, flat roofs in Hokkaido have the opposite slope. Surprisingly, the construction is similar, with @455 having □45 rafters compared to the main building @900, followed by 12mm roofing boards, roofing, and colored iron plates, in that order. What you'll see is the black condensation marks left by moisture escaping from inside the room and coming into contact with the roof boards, which have been cooled by the snow on the roof.
竣工当初の風呂釜がFEタイプ(室内の空気を燃焼に使うタイプ)だったことが分かる痕跡。風呂釜が不完全燃焼しないように零下の外気を取り入れねばならなかった。現在一般的なFF式(燃焼には直接外気を燃焼部に導入する)に進化した理由がよく分かる。
Evidence shows that the bathtub was an FE type (a type that uses indoor air for combustion) when it was first built. To prevent incomplete combustion of the bath kettle, we had to draw in outside air at below zero temperatures. It is easy to see why it evolved to the currently common FF type (in which outside air is introduced directly into the combustion section for combustion).
室内側のグラスウールは比較的きれい。反対に屋外側は黒くなっている。理由は単純で・・内装のビニールクロスが結果的に防湿シートとして働いて壁内に湿気を入れなかったから。間柱は30×105(mm)@455、筋交いは45×90(mm)。モルタル下地のバラ板12mmとその隙間から黒く防水紙(アスファルトフェルド17kg/m3)が見える。
The glass wool on the indoor side is relatively clean. On the other hand, the outdoor side is black. The reason is simple...the vinyl cloth on the interior actually acts as a moisture-proof sheet and prevents moisture from entering the walls. Studs are 30 x 105 (mm) @455, braces are 45 x 90 (mm). The black waterproof paper (asphalt feld 17kg/m3) is visible through the gap between the 12mm loose boards on the mortar base.

湿気の入らなかった室内はあんなにきれいだったグラスウールの屋外側がこれ。室内側より、グラスウール、バラ板12mm、防水紙17kg/m3、ラスモルタル20mm
This is the outdoor side of the glass wool, which was so clean indoors with no humidity. From the indoor side: glass wool, loose board 12mm, waterproof paper 17kg/m3, lath mortar 20mm

こちらは中間仕切り。当時の内装ボードの主流が薄い9mmだったので、補強用に横胴縁18×45(mm)@455が標準。驚くべきことは・・柱と間柱の書き込みが現場施工であること。一本一本、鋸とノミで掘り込んでいる。今じゃあこの仕事はぜーんぶプレカットのルーター加工。新築ばかりの若い大工さんにはできませんよねえ~(笑)
This is the middle partition. At that time, the mainstream interior board was a thin 9mm, so the horizontal rim 18 x 45 (mm) @ 455 was standard for reinforcement. What is surprising is that the markings on the pillars and studs were done on-site. Each one is dug out with a saw and chisel. Nowadays, this job is all pre-cut router processing. A young carpenter who only builds new buildings can't do it (lol)

畳床を開口して床の構造を確認する。畳みの下はバラ板敷ではなくコンパネ(ラワン合板)が敷いてありました。
Open the tatami floor and check the structure of the floor. Under the tatami mats, there was a control panel (lauan plywood) rather than a wooden board.
素手で触るのは危険な40年前のグラスウール100mm(つーことは根太高さが105mm)。落下防止は根太間にトリカルネット
100mm glass wool made 40 years ago (the joist height is 105mm) which is dangerous to touch with bare hands. Trical net between the joists to prevent falls.

畳床を開口したところ。グラスウールの厚みが100mmあったにせよ、生グラスウールを直接床下の冷気に晒すとあまり効かない。もしトリカルネットの代わりに風を通さない透湿防水シートで覆ってあれば床の断熱は効く。今だからこそ言える事・・・
Opening the tatami floor. Even if the glass wool is 100mm thick, exposing raw glass wool directly to the cold air under the floor will not work very well. If the floor is covered with a breathable tarpaulin sheet instead of Trical Net, the floor insulation will be effective. I can only say this now...

防湿シートナシの床下。うっすらかび臭くもある。トリカルネットの下に見える二又菅は灯油のオイルライン(銅管)。防湿をして、床下地表面を断熱して、大引きを倍に増やす・・・
Under the floor without a moisture-proof sheet. There is also a slight musty smell. The forked tube visible under the trical net is a kerosene oil line (copper pipe). Moisture-proofing and insulating the subfloor surface will double the capacity...

今日はFIVW NEW OLD なんていかが
How about FIVW NEW OLD today?












2023年5月8日月曜日

野菜の苗を植えました

北海道に相応しい住まいと暮らしを目指す当事務所にとって毎年恒例の家庭菜園の季節が巡ってきました。当初は趣味と実益を兼ねて始めましたが・・ブログで収穫や料理の様子を投稿したのがきっかけで、OBさんをはじめ新規のクライアントさんにも大人気となりました。

そんな反響もあって、今ではすっかり当事務所の大切な仕事となりました。

想えば・・家づくりって、土地を入手することを意味しますけど・・それを家を建てるだけにしか使わないのは勿体ない。 南側の土地なら玄関までの間とか、北側の土地なら建物の裏側とか・・余剰スペースは必ずあります。

従来なら、そこに立派なお庭を作るという・・お決まりのテンプレートも存在しましたが、実際には日々の手入れや冬囲い・・特に高木類を植えちゃうと堆雪スペースにできない等々・・雪国ならではの悩みもあります。そこで、夏のBBQに向けて家族みんなで汗をかける土地活用術として「家庭菜園」をお勧めするようになりました。

5月前半に植え付けると約2~3カ月で次々に収穫を迎えるので長すぎず、短すぎず丁度良い頃合い。作物によっては10月まで実が採れるものもあります。みなさんもぜひチャレンジしてみてください。楽しいですよ!/笑

こちらはトマトの苗。以前は大玉、中玉、ミニトマトと3種の大きさを作っていましたが、ここ数年は作り易くて失敗の少ないミニトマトと中玉がメインです。生食、トマトソース、焼きトマト、余ったらオーブンでドライトマトにするとすごーく長持ちします。

こちらはピーマンの苗。ピーマンも収穫気が長く7月~10月くらいまで採れます。

こちらは中茄子。寒さと乾燥そして風に弱いので、植え付け後2~3週間は充分に水やり
をして風除けをしてやります。肥料が大好きなので実をつけ始めると追肥をしながら秋口まで楽しめます。
こちらは多年草のハーブであるオレガノ。庭の一角に植えておくと勝手に増えて毎年採れます。乾燥させて洋食に

こちらも多年草ハーブのミント(ハッカ)です。ハーブティーやアイスクリームのトッピングに、爽やかな香りが楽しめます。

こちらはレタスのレッドウエーブ。丈夫で育てやすい品種です。畑の一角に4~5本植えておくとすぐに根付いて葉を大きく伸ばします。毎日サラダが食べられるので夏の間はお店でレタスを買う頻度が激減します。

キュウリの苗です。キュウリは接ぎ木の苗が病気に強くてたくさん実が採れます。乾燥と寒さそして風に弱いので茄子と同様に風除けと水やりに気を付けて育てます。

もう4~5年以上毎年、新たな葉を茂らすセージというハーブです。肉料理に活躍します。例えば刻んでひき肉料理(ハンバーグやつくね)なんかに入れたり、お肉を焼く前の油に数枚入れて香りを油に移したり、乾燥させると保存も効いて香りも長持ちします。

こちらは自生しているタイムです。生でセージと同じように使ってもいいですし、タイムはお魚料理やスープにピザと何にでも使えるハーブです。

こちらはイタリアンパセリ。爽やかな香りでパスタに欠かせません。

こちらはカーリーパセリ。イタリアンパセリより香りが強いので飾りにしたり、サラダに加えてフレッシュな苦みを楽しみます。

こちらはバジル。2~3本植えておくだけで秋口まで素晴らしい香りが楽しめるハーブです。余ったら干してドライハーブにします。葉を取った後の茎は小さく折って畑に戻して堆肥にします。実を採った後の枝や茎を畑にすき込んで耕すと、地力回復と同時に連作障害にも強くなるそうです。

今日は最近、お世話になっているieZOOM白井編集長のyoutube。いろーんなことを手軽に学べるようになったyoutubeなんですけど・・肝心のyoutubeって地域性が失われるから・・温暖地情報も混同しちゃってるクライアントさんも増えてきました。自分も同じですけど・・地元の常識をいちいちことわりません。家づくりには畑と同様、その地の気候や季節が大切!そんな意味では北海道の住宅を30年以上取材して来た白井さんの情報は確か。ぜひご覧ください。



2023年4月16日日曜日

藻岩の家へ

 

本日は雨、クライアントさんを「藻岩の家」へご案内しました。ありがたいことに、ここ最近は300mm断熱のファンが全道に増えて、私の手前味噌な説明よりもずっと上手に住んだ実感を伝えてくれます。

設計の最中のこと、工費のこと、間取りのこと、図面では心配したけど意外に大丈夫だったこと、思いもよらず大変だったこと・・・ほんの1年先輩なだけなのに、OBさんは家づくりの名コーチのように感じます。

例えば薪ストーブとの付き合い、薪の集め方や乾燥方法、ひと冬の薪代、それ以外にも灯油代やガス代、使える収納と使えない収納、特に新築希望のクライアントさんの場合は実家とアパートしか暮らしの実体験がなかったりするから、図面だけだとリアルな想像は中々難しい。設計者にこれでいいですか?と聞かれても答えられる経験がなかったりするのも事実。


そんな時に類似のコンセプトに暮らす、他の住まい手さんとの交流は凄く響くようです。

普段から図面は分かり易く極力シンプルに描くようにしています。いきなり細かな間取りではなく、まずは敷地内のゾーニング(敷地利用)や屋外動線の整理、景色が望めるならそちらの方向、風向きや方位、除雪動線と無理のない堆雪場所、除雪道具置き場やタイヤ置き場、雪庇と落雪方向等々・・間取りの前に一般論(基本)として整理しておくことはかなり多いのです。

設計者はこだわりの一軒を作るのが仕事・・だから一般解ではなく変わった特殊解が大好き!と思っている人も多いけど・・実はこうした基本は人や場所を問わず必要となる点。当たり前のことは地味で目立たないけど、変わったところは少しでも目立つ・・カッコよくないとよくないけど・・基本が疎かなのはNG。理由はシンプルで長く住むのが住まいだから。ハレの日よりケの日が多いのが人の暮らしだから。新築時のパーティー気分なんて一瞬・・それよりさりげない普段暮らしの質が大切。やり過ぎって疲れます/笑。


自分は設計者として素晴らしいクライアントさんに恵まれてきた。その多くが見学や訪問を許してくれる。今日もなんて幸せなんだと感じました。心より感謝です。

今日は最近、製図の時にハマっているグループなんていかがでしょう?いいすよ/笑





2023年4月7日金曜日

YouTube対談後編

今年の冬の電気代は痺れましたよね~道北のクライアントさんはついに14万円/月、札幌でも10万円/月超え・・・という声も聞こえてきました。

あっスイマセン・・いずれも当事務所の設計ではありませんのでご安心を/笑。要は北海道で一般的な壁:GW140~150mm断熱+オール電化(太陽光ナシ)の家は本当に今年の冬は厳しくて困ったとのこと。築浅のZEH住宅でも、電気代値上げ前にも係わらず年間15万円以上の赤字(売電含み)とのことで、ZEH(ゼロエネルギーハウス)のはずが実態は1.3万円/月とのこと・・6月1日より北電も基本料金値上げの方針で、当初に比べ若干値上げ幅の圧縮が伝えられるも・・今後はZEHでも2~3万/月の時代に突入しそうです。

2009年以降300mm断熱の家しか作ってこなくてよかった・・今ではそう思います。

そんな訳で前回の続きYouTubeの対談後編です。ぜひご覧ください。

 


2023年4月2日日曜日

YouTubeデビュー

 いつもお世話になっている北海道住宅新聞社の白井編集長に誘われてなんと・・・YouTubeデビューさせていただきました。今までも繰り返しブログでも述べてきたことなのですが、自分は北海道の建築家として北海道の人を笑顔にする設計に取り組んできました。動画の中でも触れていますが・・自分も建築の教育を受ける際に雪のない地域の巨匠たちの住宅を手本に学びました。雪のない地域、気温はめったに零下にならず、雨は水のまま。雪や氷にはなりません。今想いだしても不思議なのはそんなこと当時はぜんぜん疑問に思わなかったことです。そんな中でふと気付けば・・事務所を始めて今年で25年・・その間に描く間取りも大きく変わりました。詳しくはぜひ動画で!・・かなり本人緊張してます/笑



2023年3月11日土曜日

2011.3.11

今日は3月11日・・断熱に乏しい建築が どんなことになるのか、

私たちの暮らしとエネルギーのあり方について想いを新たにする日です。

あれから12年・・・確かに学んだはずでした。普遍性の高い工夫とは一体何かを?

いつも想いだせ教訓の中の教訓を!尊い犠牲が教えてくれた建築の極意を忘れないでいよう。

私たちは少しだけ進めたろうか?それとも同じところを回っているだけだろうか?

今年も心より手を合わせます。合掌そして黙祷・・

当時の言葉をけして忘れないでいよう・・

http://ako-re.blogspot.com/2011/03/blog-post_18.html

2023年1月30日月曜日

7年ぶり東光の家

 


先週は新規のクライアントさんと一緒に2016年竣工の「東光の家」にお伺いしました。

7年前と全然変わらない「東光の家」。今日は朝方-15℃まで冷え込んだ旭川でしたが。

室温を上げなくても寒くないので内装の狂いが全然少ない。空気を大きく動かさないので室内が汚れない(超断熱化)。設備音が全くしない(パッシブ換気)。5mの天井と足元が同じ温度(高い気密性能)。ただただ平和で穏やか・・・・・手前味噌な設計者の説明より、聞くべきは住まい手の話し。なんだか今日も楽をさせていただきました。

引き渡し時からの光熱費を記録している住まい手さん。


階段壁面を使った家庭用プロジェクター。コルトレーンを聞きながら、じっくり見学をさせていただきました。

朝方の冷え込みで浴室の換気の出口が凍結している様子。

住まい手さんには冷え込む夜はお風呂の換気を止めても大丈夫ですよとアドバイス。浴室で発生した湿度は室内の加湿に回すのも賢い暮らし方です。
注:但し、全室暖房と計画換気がばっちり効く家前提です。

今日はJ.コルトレーンで








2023年1月16日月曜日

2023年

本年もよろしくお願いいたします。

実は今年、昨年から続くお仕事の連続で1/2から仕事始めという・・なんだか切れの良くない年始となりました。忙しいのはありがたいことでもあるのですが


そんな平日感の連続の中でついつい新年のご挨拶も遅れてしまうことに・・今年も引き続き精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします。

 

2022年12月29日木曜日

2022御礼

 

2022年は新型コロナ感染症が収まりかけたと思った矢先、2月24日にはウクライナ紛争が勃発し、春先からは世界的なコロナ収束を背景に建築需要が急速に復活したことを受けてウッドショックが始まりました。毎月毎月、建材の値上げが続き一時は一部の輸入材が3倍という時期もありましたが、今では落ち着きを取り戻し、来春に向けては少し値下げの噂も聞こえています。12月現在は、円安と戦争の影響もあってかエネルギー価格の高騰が続き、私たちの暮らしに影を落としつつあります。

想えば・・14~5年前にはほぼすべての新築をオール電化で作っていました。断熱も壁がグラスウールで15~20cm、屋根が25cmのような感じでした。冬場の光熱費は2万円前後まだまだ安かった記憶があります・・その後2011年に東日本大震災が起きてからはオール電化はすっぱりと止め2009年から始めた300mm断熱の家(オール電化以外)しか作らなくなりました。その後もどんどん電気料金は値上がりしましたからあの時止めてよかったと後から何度も思いました。もちろん灯油やガスも値上がりしましたが・・特に2011年以降、道内は電気料金が国内一高い地域となりました。

そんな中、2022年は「追分の家」、「藻岩の家」というウッドショック時代に合わせて断熱構造を最適化した2軒の300mm断熱の家を完成させることができました。300mm断熱第一号の「銭函の家2009」から数えてちょうど38棟目と39棟目。来年は記念すべき40棟目の新築となる「発寒の家Ⅳ」、300mm断熱改修として「発寒の家Ⅲ」を完成させたいと思います。

今年もクライアントのみなさまには厳しい情勢の中、最高の環境でお仕事をさせていただきました。またコロナが収まるにつれ少しづつ復活したOBさま宅訪問、新築の見学会にもOB&OGさまをはじめたくさんのクライアントさんにご協力いただきました。久しぶりにお会いする人も居ましたが、どのクライアントさんも光熱費が高いとか寒さを我慢しているという人はおらず、幸せに気持ちよく過ごしているとお聞きして安心しました。こっから先は余談ですが・・14~5年前の断熱仕様とオール電化の家だと、今や冬場の光熱費が6~7万円という家も珍しくないとか・・私に断熱の大切さを教えてくれた当時の先輩たちには感謝しかありません。

現場で奮闘してくれた作り手や様々な建材の生産者のみなさんにも心より感謝いたします。地域のノウハウや建材を積極的に使って作る「300mm断熱の家」はみなさんのご理解と協力なくしてはできません。これからも心を込めて作っていただいた材料や仕事に答えられるように一層、精進したいと思います。

今年一年、お世話になったみなさま、ありがとうございます。よい年末をお迎えください。


冬季休業は2022年12/29~2023年1/5までとさせていただきます。

みなさま良いお年を!


2022年12月9日金曜日

第51回熱シンポジウム


 実は2009年から開始した自社設計案件のオール300mm断熱化。その取り組みを認めていただいて、開発者の仲間共々・・日本建築学会さんより表彰頂いたのがかれこれ4年前。本来なら翌年に講演となるはずが・・コロナのせいで気付けば2022年もあと僅か・・そんな訳で明後日12/11(日)に北海道大学にて少しだけお話しをさせていただきます。みなさまぜひ「第51回熱シンポジウム」へ!ZOOM聴講も可能みたいです。






2022年12月4日日曜日

クライアントさんと冬の桂岡の家Ⅱへ

 

今日はクライアントさんと一緒に「桂岡の家Ⅱ」へ。着いた時は吹雪いていたけど、やがて青空に。冬の石狩湾がとてもきれいでした。薪ストーブが燃える静かな室内。断熱は冬を一層素敵な季節に変えてくれます。今年の冬も楽しく過ごして下さいね/笑


OBさま宅の訪問は、新規のクライアントさんには人気のイベントです。自分と同じ等身大の他人がどんな風に家づくりを始めたか?、疑問や不安をどんな風に乗り越えたのか?土地探しのコツや、なぜその敷地を選んだのか?、住んでみての感想や実際の光熱費等々・・最近はコロナだったりSNS絡みのプライバシー保護だったりで・・中々、見学会やお宅訪問が難しくなりましたが・・逆に何はZOOMでもよくて何は難しいのかがハッキリしたのもここ数年の大切な気付きだと思います。

お話しをしている間にどんどん晴れて、冬の石狩湾が見えました。

今日は久々にHSCCなんていかがでしょ





2022年11月25日金曜日

住い手のみなさん、ありがとう

 

先日、ふとフェイスブックを見たら「藻岩の家」が住まい手さんによって投稿されていました。いつもは自分が投稿する側なので・・なんだか不思議な感じ/笑・・でも嬉しかったのはとても幸せな様子が伝わってきたこと。住まい手さんにとって最高のアジト/笑になることを心よりお祈りしています。

今年も年始からウッドショックにウクライナ戦争・・最近では歴史的円安等々・・建築業界的には大変な一年でしたが・・こんな風に喜んでいただいて今ではホッとしています。

こちらは久々に点検で伺った「追分の家」。少し見ない間に外壁は味わいを増していて・・こちらも楽しそうに暮らされている様子が伝わってきました。
住まい手さんにあらためて住み心地や冬前の注意点をお伝えし、お引越し後から現在までのお話しになりました。その中で・・「ブログってまさにその人の人間性が出るんですよね」そんなお話しを聞いて、こちらも少し不思議な気分になりました。

特にブログは他の交流型SNSと違って匿名性の高いものです。意外に読者の方々の生の声を聞くことは少なく・・建て主さんと言えども如何に計画するか?問題を解決するか?の話しが多くなるので必然的にご契約前のブログの感想なんて中々・・そんな中で、実は今日の日があるのは~なーんて聞くと・・設計者冥利に尽きます。

ああ忘れていました、上の写真はお嬢さんのお友達が遊びに来ていて大好評の屋外テラスの様子。こんな風に楽しんでお使いいただき本当に幸せ・・また雪の前に伺いますね!/笑

今日はテイラーで・・








2022年11月22日火曜日

藻岩の家各室スナップ

「藻岩の家」の各室スナップ。見学会では多数のご来場ありがとうございます。夏のみならず雪と氷点下を前提とした設計の数々をぜひご覧ください。

地方都市の共働きには車二台必要でしょう。とか・・靴や体に雪が付くことを前提にした玄関とか、ウインタースポーツや季節のアクティビティに対応する土間空間、基礎断熱で手に入る床下も照明と換気を完備して使える空間に変えようとか・・・ああ忘れてました・・ジンギスカンやBBQが一層楽しくなる半屋外空間とか/笑

当事務所のミッションは地域固有の「らしさを建築化」することなんです。

 地方都市に車二台の要求は多いし、今回のような敷地環境だと必要ですよね。もちろん車二台だと冬タイヤも合計8本にもなる訳でして・・その他にも冬に欠かせない灯油やガスの給油やボンベ交換等々・・敷地周辺の道路事情や積雪量等に応じて、住宅本体とは別に附帯施設には工夫が必要です。もしこれが街中ならまた違った視点が求められます。
前面道路が4mしかないので冬給油のローリーが停まると道路を占領しちゃいます。唯一の生活道路がそれだとご近所さんに申し訳ないのでカーポート自体を2.3m道路から離し寄り付き空間を確保。もちろん昨年のような大雪の年は家の前までローリーも来てくれない。そんな場合は画面右奥からホースを引っ張ってきて給油せざるを得ない。なので灯油タンクはこの位置なんです。普通・・ガスや灯油なんて家の前に置きたくないじゃない?でもそれに向き合って解決する方法が今回は特に求められました。

車二台ともなれば替えタイヤは常時8本、それ以外にも夏場なら除雪機やスコップ&シャベルその他、一般的に必要となる家庭の物置容量が必要。日本の家づくりってほぼこの屋外物置に関心がないので、実際はカーポート共々完成後にホームセンターに買いに行くのが悲しいかな・・当たり前。ちなみに物置の広さは4畳、灯油&ガス置き場が2畳です。

北海道に住まう人の夏季の楽しみジンギスカン&BBQ。意外や意外・・雪のない時期に屋外で大らかに肉を焼き近所から苦情がこない地域が北海道。当事務所の設計でも安全安心にこの愛すべきリクリエーションを行える場所を大切にしています。具体的には床が熱に対して安心できるものであること、煙がこもらない構造であること。そんな理由でこんな風に作っています。広さは18畳もありますから家族の他に両親や兄弟世帯を呼ぶのもOK。

例えばね・・子供たちと一緒に雪まみれになって遊んだ後とか・・明日のスキー学習に備えてワックス塗ってあげるね~とか・・雪まみれのヤッケやボード&スキーを乾燥させたいとか・・肩や靴の雪を払ってもお母さんに叱られない玄関とか・・色々と違った工夫が要るんですよ/笑

そんな理由で雪国向けの大きな玄関土間です!

北国に住んだことのある人だと分かると思うけど・・気候に幅があるとアウターって凄く増えるじゃないですか。北海道もまさにそう。春、秋、冬のアウターや靴は雪のない地域のほぼ倍・・なのでこんな空間が凄く喜ばれる。学生時代に習った住宅作家の巨匠たちの狭い玄関だと・・まあ無理かな/笑

基礎をぐるりと外断熱した結果・・床下は室内として手に入る。こんな便利で使える空間、なぜ今まで注目しなかったんだろう?って設計者として疑問になるくらい凄く役に立つ。子供たちの探検ごっこにも最高だし、小さな設備屋さんたちは「あのね今日ちょっと床下濡れてたよ」なーんてすぐに教えてくれる。壊れにくいものを作ることも大切だけど・・普段から簡単に目視できる。直し易いことも大切。

床下に置いた小さな熱源は上階を暖めると同時に外断熱されたコンクリートを簡単に蓄熱させる。蓄えた熱を引き出すために冷たい外気を床下に導入し、作り出した温度差勾配を利用して無理なく外気に予熱(熱交換)を行う。つまりパッシブ換気って冷気をダイレクトに部屋に入れないから、すごく居心地がいい。もちろん季節ものの収納や基礎コンクリートの乾燥にも合理的。
手摺は白樺合板。太鼓状に面取りしてWAX仕上。壁はぱっと見塗り壁ですけど、実は表具。補修&塗装可能な石膏素材の壁紙です。

スッと水平に通した薄い床で上下に分割された水廻りの図。「階間に隠蔽ダクト」という縛りから自由になったおかげで、階高やフトコロ厚もまた自由。

すごく大切な家庭事務を中心とした裏のサービス動線。ハレの空間づくりにばっか集中する人が居るけどこういう整理や収納のスペースを用意してあげるから・・結果的に居間や食堂が片付きます!という考え。

眺め的に思いっきり開放可能な方角とそうでない方角を区別して作る半屋外空間。高断熱高気密住宅がともすれば失いがちな大切な空間。暖かいところだけでもダメ、部屋ごとに温度ムラがあるなんてもっとダメ・・意図的に暖かい、涼しい、ちょっと寒い、寒いを選択できるようにするのが大事。

ふり返ると半屋外の収納が・・例えば手直に使う根菜類をちょっと仕舞っておきたいとか、二階がKなので明日朝のゴミ袋をちょっと入れておきたい等々・・もちろん二階テラスは夏も最高なので、ホットプレートや椅子&机なんかも仕舞っておけます。

最近はまっているFIVE NEW OLDいいっすね~




2022年10月28日金曜日

「藻岩の家」見学会のご案内

 


みなさまのおかげをもちまして取り組んでまいりました「藻岩の家」がいよいよ竣工となります。 この度、建て主さまのご厚意で3年ぶりにリアル見学会を行いますので見学をご希望の方は必要事項をご記入の上当事務所のお問い合わせフォームよりお申込みいただければ幸いです。

*:注 新型コロナ対策のために当日はマスクの着用をお願いいたします。また3密を避けるため、概ね一組さま1時間程度のご見学にご協力いただければ幸いです。
今回は11/5.6のご同業者の見学等はご遠慮いただきますようお願いいたします。

お問い合わせフォーム https://ako-a.com/contact.html

◆「藻岩の家」とは
 山麓の美しい山並みと眺望が人気の住宅街 藻岩地区。眼下に広がる眺望を取り込んだ傾斜地に建つ家です。前面道路が狭いために冬場の暮らしや除雪に配慮した配置の工夫。今までなかった車のすれ違いスペースの確保や2台分のカーポートと収納力抜群の物置。ガスや灯油タンク類を見え難くスッキリ格納するサービスヤード。夏場は家族で楽しむ最高のBBQスペースにかわる多用途のカーポートは当事務所の”らしさ”でもあります/笑。北海道の人のために最高の間取りや工夫を提案することが当事務所のモットーですから、春夏秋冬に欠かせない工夫をたくさん建物中に盛り込みました。

 傾斜地のため玄関が道路から3m以上も高くなる立地。(有)ガーデンジャパンのガーディナーである小坂さん設計のアプローチを登って玄関へ。夜間は暗いので人感センサー付きの照明で足元を照らすように工夫しました。今後は好きなハーブを植えたり家庭菜園をしたり自由度の高さを確保しつつ除雪の障害になる高木の使用を抑えた雪国らしい庭です。

 国は2050年の0カーボン社会の実現に向けて従来の断熱等級4の上に等級5を新設し令和4年10月1日よりは更なる上位等級6・7を施行しました。もちろん従来の最高等級4の上に3つも新たな断熱グレードが今年から追加されることは既に知っていましたので等級7を目指して「藻岩の家」をデザインしました。札幌は国の地域区分では寒冷な2地域となり等級7を満たすためにはUA値で0.2W/㎡K以下が求められます。「藻岩の家」のUA値は0.18W㎡K。「追分の家」、「桂岡の家Ⅱ」と同様、最高の断熱性を実現しています。

 今年の春より始まったウッドショック。コロナから立ち直りかけた日本を今度は建設資材の高騰が襲いました。まさにその波をもろに受けた「藻岩の家」でしたが断熱工法を大胆に変更し木材の使用量を抑えつつ国産材の比率を高め、従来の性能や意匠を越える新たなデザインを生み出すことを目指しました。

 1988年から進化を続ける「北方型住宅」その最新版である「北方型住宅2020」の仕様を満たし大きく超えるとともに将来的に太陽光を搭載すれば容易に0エネ化できる仕様としています。床下に設けた蓄電池スペースや予備の埋設管等々、将来的な「北方型住宅ZERO」への進化にも最短で対応可能な住まいです。

当日は久々にリアルにお会いできることを楽しみにしています。
ぜひご覧いただければ幸いです。

今日はXGのChisaのボーカルなんていかがでしょう。上手いす。






2022年10月22日土曜日

藻岩の家見学会の準備に向けて

昨日、足場を解体した「藻岩の家」です。

今年は本当に久しぶりにリアル見学会をしたいと思っています。最新版の「北方型住宅2020」ですし。飛栄建設さんの仕事も最高!

当日はもちろんコロナ対策もしっかりとしなくちゃいけないので・・午前中2組、午後3組×二日≒10組くらいなかと考えています。
これから見学会のご案内を作成しますので乞うご期待!
紅葉の美しい「藻岩の家」の現場からでした。

今日はDreamcatcherなんていかがでしょう