2023年4月16日日曜日

藻岩の家へ

 

本日は雨、クライアントさんを「藻岩の家」へご案内しました。ありがたいことに、ここ最近は300mm断熱のファンが全道に増えて、私の手前味噌な説明よりもずっと上手に住んだ実感を伝えてくれます。

設計の最中のこと、工費のこと、間取りのこと、図面では心配したけど意外に大丈夫だったこと、思いもよらず大変だったこと・・・ほんの1年先輩なだけなのに、OBさんは家づくりの名コーチのように感じます。

例えば薪ストーブとの付き合い、薪の集め方や乾燥方法、ひと冬の薪代、それ以外にも灯油代やガス代、使える収納と使えない収納、特に新築希望のクライアントさんの場合は実家とアパートしか暮らしの実体験がなかったりするから、図面だけだとリアルな想像は中々難しい。設計者にこれでいいですか?と聞かれても答えられる経験がなかったりするのも事実。


そんな時に類似のコンセプトに暮らす、他の住まい手さんとの交流は凄く響くようです。

普段から図面は分かり易く極力シンプルに描くようにしています。いきなり細かな間取りではなく、まずは敷地内のゾーニング(敷地利用)や屋外動線の整理、景色が望めるならそちらの方向、風向きや方位、除雪動線と無理のない堆雪場所、除雪道具置き場やタイヤ置き場、雪庇と落雪方向等々・・間取りの前に一般論(基本)として整理しておくことはかなり多いのです。

設計者はこだわりの一軒を作るのが仕事・・だから一般解ではなく変わった特殊解が大好き!と思っている人も多いけど・・実はこうした基本は人や場所を問わず必要となる点。当たり前のことは地味で目立たないけど、変わったところは少しでも目立つ・・カッコよくないとよくないけど・・基本が疎かなのはNG。理由はシンプルで長く住むのが住まいだから。ハレの日よりケの日が多いのが人の暮らしだから。新築時のパーティー気分なんて一瞬・・それよりさりげない普段暮らしの質が大切。やり過ぎって疲れます/笑。


自分は設計者として素晴らしいクライアントさんに恵まれてきた。その多くが見学や訪問を許してくれる。今日もなんて幸せなんだと感じました。心より感謝です。

今日は最近、製図の時にハマっているグループなんていかがでしょう?いいすよ/笑