2019年9月27日金曜日

芦別の家 出来てきました!


清水組さんのT所長をはじめ政田棟梁、タイル&左官を担当していただいたMさん、竣工を目指して頑張っていただいたみなさんのおかげで、やっとできてまいりました!(笑)
                     
玄関のステップはちょっと斜めに振って上がり易く・・なんて設計屋の私は気楽なものですが・・タイル屋さんはピシッと目地を割り付けて、小さな三角形にタイルを加工して丁寧に貼ってくれました。        
こちらは政田棟梁が加工してくれたテーブル。天板の断面が柔らかな太鼓面をしていて優しい手触りになっています。

本日は芦別市役所の完了検査も無事終了!さーてあと少し現場を楽しみたいと思います。

今日はアレサ フランクリンなんていかが


2019年9月23日月曜日

芦別の家 内装&建具工事


内装がほぼ終わり、器具付けや細かな調整を行いながらあともう少しで完成が見えてきた「芦別の家」です。

内装はおなじみのカバのフロアや積層合板の生産者である住まい手の材料をふんだんに使い、長い芦別の冬を楽しく暮らせるように明るく木質感豊かに考えました。

こちらは客間の建具ですが、和風が出過ぎないようにふくりんは広葉樹を使い普段使いで気にならない洋風の和室としました。

以前は白木の和を強く感じる障子格子を作っていましたが、最近は障子という和を強く感じる建具をあえて洋材(広葉樹)を用いることで普段の暮らしに馴染ませることが多くなりました。

もちろん人によっては、伝統的な白木にこだわる作り手も多いのですが、ふと過去に目をやれば日本中で最初に洋風化された地域が北海道であり、ここ20年は特に住まいの中から和室が消えてしまった地域とも言えます。

理由は核家族化や自宅での法事の衰退、習い事やライフスタイルの変化等々色々と考えられますが・・・一番大きな理由は私たちの暮らしが以前に比べて必ずしも和室を必要としなくなったことが大きいのかもしれません。

*:上はタモ材で作った障子格子で窓を結露させぬように通気スリット切ったものです。障子自体は意外に断熱性と気密性があるのでこんな風に現代の事情に合わせてひと手間加えます。

だからこそ・・・伝統的な和室にこだわりたい!という気持ちも分からなくもありませんが、私はむしろ現代的な暮らしに合わせて変えて行くことで新たな魅力が再発見され、それが結果的に和室を更に魅力あるものに変えて行く方が住まい手にとっても和室にとっても幸福な気がします。

かつて和室が愛された理由はそれが暮らしの中で必要とされたからであり、同時にそうした暮らしが魅力的だったからだと思います。現代ではその必要性や魅力が昔とは変わってしまった・・・と言うのであればそれを寛容に受け入れて自ら変わることを選ぶのも和室が生き残る新たな道ではないか?和室を心から愛する作り手の一人としてそんな風に感じます。

*:上はふすま紙の代わりに布を貼ったふすま。伝統的で繊細な和紙が正統なふすまの作りだが、張地を布にまで拡大することで様々な表情を演出できる。その一方で見栄えが変わったからと言って、張替えがきくとか、隣り合う部屋に合わせて意匠性の自由度が高いとか、ふすま本来の特徴はなんら失われることはない。

今日は吉田兄弟でも聞きませんか






2019年9月20日金曜日

APWフォーラム2019松山 無事終了

ブログが遅れてしまいましたが、先週おかげさまでAPWフォーラム2019松山、無事終了いたしました。お忙しい時期にもかかわらず会場にお越しいただいたみなさまに心より御礼申し上げます。 
また四国支社長さまをはじめ愛媛支店長さま、支店のみなさん、講演をご一緒させていただいた吉本さま、リノベーション事業部のみなさん・・会場の手配から司会進行まで本当にごくろうさまでした!人も最高、気候も穏やか、そして地元で愛されているとっておきのお店・・・益々松山が好きになりました。(笑) 

もっともっと日本の住まいと窓に断熱性を!みなさまの挑戦をいつも応援しています!

今日はB.エバンスなんていかが

2019年9月15日日曜日

新琴似の家Ⅱ気密測定

昨日は「新琴似の家Ⅱ」の気密測定(1回目)でした。

結果は1回目でC値0.2cm2/㎡が出て・・開始早々15分であっけなく検査終了でした。
現代的な断熱は十分な気密を必要とするところが従来との大きな違いです。。伝統的な茅葺屋根のように気密を伴わない断熱もありますがそれらは主に部位の表面温度の改善には寄与しても室内全体の環境改善までには届きません。

断熱による家全体の改善を目標にするなら気密試験は現場毎に必ず行う必要があります。

意外に知られていませんが、新築測定時の気密が十分でも経年と共に気密は疲労し低下する場合があります。気密が落ちやすいのは気密シートに遊びのある部分。

例えば気密シートと天井下地の間に空間があるような場合です。毎日の調理で使うレンジフードは500m3/h以上の排気能力を持っていますから天井下地で気密シートが膨らまぬようにしっかり押さえていないと簡単にシートジョイントの口が開いて気密は低下します。

上の写真は壁ですが室内側の付加断熱下地と柱で気密シートを挟み付けて同様の効果を狙っています。こうしておくと大きな差圧を掛けてもシートが膨らんで破れないので結果として測定の幅が広がります。

気密性能の劣化とその対策は先輩からの大切な教え、私も伝えて行きたいと思います。

今日はパフィュームなんていかが?


2019年9月9日月曜日

大人気「南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジ」第二期開始

南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジの第二期分譲が始まります。

https://www.replan.ne.jp/articles/11941/?fbclid=IwAR0kvA1EiDzQkis_oljzY9-zG_JFo5Z5kOjKYIgDgj5vCSD8sEhthJ_IxL0

詳しくは上のリンクを貼っておくのでぜひご覧ください。
ここではこのプロジェクトの特徴をダイジェストでお伝えします。

1:地域工務店と地域の建築家の協働による家づくりです!
性能とデザインを両立した住まいが手に入ります。

2:価格に関わらずヴィレッジには性能基準があります。(詳しくはリンク参照)「うちは予算がないから断熱なんて最低にしかならないんだろうな~」という心配は無用。ヴィレッジには独自の性能基準があってそれを下回る性能の家を建てることはできません。

3:きた住まいるメンバーが設計と施工を行います。
設計を担当する建築家も工務店も「きた住まいるメンバー」です。この「きた住まいるメンバー、建築家なら建築士、工務店なら建設業の許可と言った最低限必要な資格や登録はもちろんのこと、BIS(ビルディング インシュレーション スペシャリスト/断熱技術者)と呼ばれる断熱・気密・計画換気・計画暖房に関する専門資格と国が義務付けた住宅省エネ技術講習会の受講者がメンバーとなります。

きた住まいるメンバーとは?  https://www.kita-smile.jp/member

BISとは?          http://hobea.or.jp/bis/

住宅省エネルギー技術講習会  http://www.do-ba.net/info/wp-content/uploads/2018/10/8e6884c6783cc5aaeb2fef90294c0e3c.pdf


4:住宅取得に当たってはさまざまな優遇施策が用意されています。
正直言って、札幌の郊外の住宅地を探しているのなら、手厚い補助と移住に前向きな南幌町をお薦めします。安価な土地価格や購入に関わる様々なインセンティブ、住まうまちとしてのインフラの充実度は非常に恵まれています。
支援制度の紹介 https://www.kita-smile.jp/kitasmilevillage







2019年9月6日金曜日

野幌の家Ⅱお引渡し

本日は午後から「野幌の家Ⅱ」のお引渡しでした。3月から丸々半年。ついに完成!・・・ほっ・・

「チーム野幌Ⅱ」のみなさん!小川さん、貝塚さん、佐山さん、クリナップの石川さん、匠工芸の桑原さん、新宮商行の瀧川さん、瀧澤ベニヤの瀧澤さん・・・そして現場をまとめていただいた飛栄建設の松田所長さん、U棟梁・・本当にごくろうさまです。

オーダーキッチンを担当していただいたクリナップさんの取説。いつも本当に丁寧な仕事をありがとうございます。

タイルと見切りとクロスの取り合い・・・いつものように基本的にタイルのネット貼りはナシ・・全て一枚一枚割付・・端部の役物もナシ・・・飛栄建設さん本当にありがとうございます。
北海道産ニレ材のフロア・・・瀧澤べニアさまありがとうございます。虎杏がワイルドで住まい手さんにとても気に入っていただきました。

住まい手さんのご要望・・・気軽に掘りごたつ(笑)。こちらも見事にU棟梁に作っていただきました。ありがとうございます。

おっ!基礎断熱ならではの手軽さで掘りごたつ・・・ふっふっふっ・・鍋の季節は足元のコンセントが大活躍(笑)

おおっ!

お見事!パチパチパチ・・

超硬質セラミックの天板にエコシラ合板(白樺積層合板)の扉
タイルは住まい手さん好みの翡翠色

床の換気ガラリもピシッと


開けると網戸用ネットが貼ってあります 

あらためて最新の一種換気をEU品質で使ってみようと思いました。結果はなかなか設計も大変・・・でもすごく静かで各種機能も凄く進化していてびっくり。

もう国産には戻れないかな~(笑)まあ・・大口径スパイラル配管の設計と施工が命ですけど。

こちらはリモコン。例えばリフレッシュモードは日常の窓開けのように大量の外気を導入してスッキリしたい時に使うモード。もちろん外気温と室温を比較して熱交換が不合理な夏場は熱交換を自動キャンセル。冬場は古臭い電気デフロスター(熱線)なんて使わないで勝手にバイパスモードに切り替わり熱交換素子の結露を防ぐ。もちろん結露水用にドレンは完備、薪ストーブを焚きたい場合は着火時に大量の空気が必要なので一定時間給気量を増量・・もちろん今書いた機能はほんの一部でそれらの組み合わせや実行停止をスマホにて外部より遠隔操作可能・・等々・・あんま言いたくないけど進んでます・・

丸ヨイケウチの小川さん、そしてスパイラル配管を担当していただいたカイヅカ電気の貝塚さん、ありがとうございます。

でも・・これって完全に窓を否定してない?(笑)・・ 
天井のRAグリルも照明ラインに合わせてピシっ!とね(笑)風切音はとっても静かです。

こちらはエコシラ合板で作ったトイレのキャビネットカウンター。強度のあるエコシラの天板に手すりを彫り込み加工。U棟梁ありがとうございます。 
こんな感じで掘り込み部分にまで握りやすいように太鼓面取り・・恐れ入りました。
本日は昨年の胆振東部地震からちょうど一年・・・全道ブラックアウトの教訓から、普段使いできるPVシステムを導入。まちの巨匠、佐山さんは元大手電機メーカーのアイディアマン。身近な電気部品で予算に応じた自家発電システムを設計製作してくれます。

想えば・・去年このシステムが付いていたらなあ~

最後にまた新たな挑戦の機会を与えていただいた住まい手さんに心より感謝申し上げます。今までお待たせして申し訳ありませんでした。そしてこれからもよろしくお願いいたします。

本年二軒目のお引渡しが完了。今はホッと一息・・・明日は道東からお客様。

また来週から頑張りまーす!(笑)

今日はスティングでも聞いてワインでも飲むことにします。





新琴似の家Ⅱ 外装工事

14cmの付加断熱の上にタイベックを貼り、エアホール加工をした通気胴縁を横方向に貼り終えた「新琴似の家Ⅱ」です。

ここまで到達すると大工さんは外部班と内部班に分かれて外装の木貼を進めつつ、内部の工事を続けます。

そして室内側の気密&防湿ビニールが貼れた状態で第一回目の気密試験となります。 

先日、気密測定は完成時1回のみ!という作り手の方とお話ししました。専門的にはボード気密と申しまして内装用のボードで気密&防湿ビニールを挟み付けることで気密が完了する!という考え方です。

もちろんそれであっても必要な気密性能が確保できるのであればかまいませんが、漏気を発見してもその原因は内装ボードの向こう側ですから、位置を特定することも、まして漏気部分を目視確認することも出来ないわけです。

要はとりあえず今回も必要な気密は出ましたー・・・しか分からないわけ・・

なので設計側、施工側の弱みを自覚することはできず、もちろんスキルUPにもつながらないのです。

そんな理由から当事務所の現場では必ず気密&防湿ビニールが目視できる状態(修理可能な状態)で1回目を行うようにしています。

 こちらは構造用合板を下地にした水切りの様子。白いタイベックを先行させてその上から取り付けます。
こんな風に端部を立ち上げて更に止水&防水します。

こちらは窓上の通気層の出口。窓が室内側に引っ込むことで通気層からの排水を妨げない工夫です。

北側斜線に配慮しつつも・・南東側の光を当てにしている右隣りの二階リビングに配慮するために屋根の勾配と高さを決めている。

300mm断熱を続けたこの10年間で、超断熱化することにより室内の加温を目的とする日射量はかなり減らせること、従来のように可能な限り南側の窓を大きくする副作用として明る過ぎ、暑過ぎ・・といった問題に対処するために外付けブラインドをはじめとする対症療法が場合によっては過大になり過ぎることが分かってきた。

超断熱化は例えば、大開口部による積極的な南面採光のような従来の設計常識も大きく変えつつある。

その分、同じ敷地内での計画(間取り)の自由度は高まりこんな風に自分の受け取る日射量をあえて減らして周囲への配慮に振り分ける余裕も生まれてくる。

今日はリヒターのバッハなんていかが


2019年9月5日木曜日

野幌の家Ⅱ 家具工事

昨日は、旭川の匠工芸さんが製作家具を届けてくれました。美しく作り込まれたナラ材の丸テーブルや椅子たち。二代目の桑原専務自ら組み立てていただきました。

想えば独立後10年以上のお付き合いに・・専務とは過去にもいろんな現場で仕事をさせていただきました。




竣工検査も終わりお引渡しを待つばかりとなった現場も、家具が入ることでぐっと暮らしの雰囲気が上がります。

「㈱匠工芸」さんと言えば今や旭川家具屈指の工房として有名になりましたが、その広葉樹を加工する高い技術で、いつも当事務所の床換気ガラリを作ってくれています。

広葉樹の大きな市場がある道北圏。身近に手に入るナラやタモ、チェリー、ウオールナット、カバ、ニレ等を幅加工する際に出る端材を再利用し作られるので、ガラリの羽の色味が一枚一枚異なるのです。

この換気ガラリに各棟梁たちが枠を加工し裏に網戸ネットを貼って基礎断熱に欠かせない床下と床上の通気を図るための床換気ガラリが完成します。

以前は樹脂メーカー製の味気のないものを使っていましたが2011年以降は全てこの床ガラリに切り替えました。

養生した床の上でテーブルを慎重に組み立て、裏までよく拭いて・・・

足の裏には座りのよいように、音が静かなようにフェルトを貼ります。

この🍙型の手摺は、前に体重を預けると作業用の椅子として、座面に体を預けると安楽なロッキングチェアとして機能する優れもの。オリジナルのデザインは北欧のデザイナーですが大きさや各部の作りを日本人向けにリデザインしてあります。

こちらはパウダールーム用の椅子。匠工芸さんオリジナルのデザインですが、それこそ膨大な試作の末にたどり着いたシンプルな構造と背のアーチとその断面。座面はもちろん板座よし貼座よしです。

丸テーブルはナラ材。お客様が増えても椅子間に席が増やせるように考えてあります。

午前中の居間の様子です。家具が置かれるとぐっと住まいらしさが増しますね。

㈱匠工芸HP https://takumikohgei.com

今日はクラプトンなんていかがでしょう?




YKKAPセミナー松山

9/12(木)に愛媛県の松山までお伺いいたします。みなさまお忙しいこととは存じますがぜひご来場いただければ幸いです。当日は北海道のお話し、私のお話し、地元で取り組んでいる新築とリノベについて45分楽しくお話しさせていただきます。(笑)

今日は米津くんで行きましょう!