14cmの付加断熱の上にタイベックを貼り、エアホール加工をした通気胴縁を横方向に貼り終えた「新琴似の家Ⅱ」です。
ここまで到達すると大工さんは外部班と内部班に分かれて外装の木貼を進めつつ、内部の工事を続けます。
そして室内側の気密&防湿ビニールが貼れた状態で第一回目の気密試験となります。
先日、気密測定は完成時1回のみ!という作り手の方とお話ししました。専門的にはボード気密と申しまして内装用のボードで気密&防湿ビニールを挟み付けることで気密が完了する!という考え方です。
もちろんそれであっても必要な気密性能が確保できるのであればかまいませんが、漏気を発見してもその原因は内装ボードの向こう側ですから、位置を特定することも、まして漏気部分を目視確認することも出来ないわけです。
要はとりあえず今回も必要な気密は出ましたー・・・しか分からないわけ・・
なので設計側、施工側の弱みを自覚することはできず、もちろんスキルUPにもつながらないのです。
そんな理由から当事務所の現場では必ず気密&防湿ビニールが目視できる状態(修理可能な状態)で1回目を行うようにしています。
こちらは構造用合板を下地にした水切りの様子。白いタイベックを先行させてその上から取り付けます。
こんな風に端部を立ち上げて更に止水&防水します。
こちらは窓上の通気層の出口。窓が室内側に引っ込むことで通気層からの排水を妨げない工夫です。
北側斜線に配慮しつつも・・南東側の光を当てにしている右隣りの二階リビングに配慮するために屋根の勾配と高さを決めている。
300mm断熱を続けたこの10年間で、超断熱化することにより室内の加温を目的とする日射量はかなり減らせること、従来のように可能な限り南側の窓を大きくする副作用として明る過ぎ、暑過ぎ・・といった問題に対処するために外付けブラインドをはじめとする対症療法が場合によっては過大になり過ぎることが分かってきた。
超断熱化は例えば、大開口部による積極的な南面採光のような従来の設計常識も大きく変えつつある。
その分、同じ敷地内での計画(間取り)の自由度は高まりこんな風に自分の受け取る日射量をあえて減らして周囲への配慮に振り分ける余裕も生まれてくる。
今日はリヒターのバッハなんていかが