2018年8月26日日曜日

新琴似の家 付加断熱工事 その2

 
外部を防風&透湿シート(タイベック)で覆い、通気胴縁を取り付けた「新琴似の家」。タイベックが耐候性の高いものであれば、極端な話このままで住める&使える状態に一旦して、それから外装を行います。
 
伝統工法は雨の多い日本の気候に配慮して屋根から作るのが特徴です。戦後広まった在来軸組み構造も基本的には屋根からだけど残念ながら断熱の工程がまだしっかり位置付けられていません。
 
なので断熱材を骨組みの中に詰め込んでしまったり、骨組みを埋めてしまったりする工法がまだまだ多いのは残念なことです。
 
そこで当事務所では基本的に屋根の場合は構造の外に断熱を行い、さらに(通気&防水)の順番で納めて行きます。
 
要は室内からは小屋組みがダイレクトに見えて、いつでも点検ができる納まりにしています。

 
こちらは玄関ドア廻りです。防風&透湿シートである(タイベック)をきれいに建具に密着させて防水と気密を完成させます。

 
サッシのコーナー部分もテーピングをして玄関ドアと同様に防水と気密が取れるようにしておきます。

 
出来上がりがこんな感じ。窓周り4辺をきれいにタイベックで始末しサッシと連続させます。


 
部分的にタイベックを破って出る構造材はすべてタイベックの面でテープによる防水処理を行います。タイベックの表面を水が流れても継ぎ目から水が入らぬようにしっかり処理を行います。
 
今日は久々にバンアパなんていかがでしょう

2018年8月24日金曜日

南幌まちなかの家とは? その1




北海道が地域で頑張る”住いの作り手” を 発信する仕組「きた住いる」
地域が認める”住いの作り手”となるべく実績を積み、登録されるのが「きた住いるメンバー」と呼ばれるつくり手たちです。
きた住いるHP https://www.kita-smile.jp/
 
サイトをご覧頂いた方は既にご存知ですよね、厳しい自然の中で長年家づくりに取り組んできた北海道の作り手たち。冬暖かく夏涼しい断熱住宅は今や地域の大切な産業であり特産品、意外にも住いをしっかり断熱気密できるのってまだまだ北海道以外では珍しいことなんです。まして性能に加えてデザインも、となるとかなりハードルが上がります。

また”きた住まいる”では真剣に家づくりに取り組む人に向けて、一目で住まいの耐震性や性能、各種認定の有無が分かる「ラベリングシート」の機能が加わりました。
                            

 
そんな”きた住いる”に登録する建築家5名と工務店5社がペアを組んでこれからの南幌の暮らしを提案すべく作ったのが「みどり野きた住いるビレッジ」の建売モデルハウス。5棟が今年の10月末まで見学できますのでぜひ一度現地をご覧下さい。
南幌みどり野きた住いるビレッジHP https://www.kita-smile.jp/kitasmilevillage
 
実は当事務所もきた住いるメンバーなんです。
きた住いるメンバーとは? https://www.kita-smile.jp/member
ぜひ、メンバーを色々と検索してみて下さい。
 
さてさて第一回目は、地元の工務店さんである㈱アシスト企画さんとタッグを組んで設計した「南幌まちなかの家」を数回に分けて・・まるっと・・ご紹介させていただきます。
 
実は当事務所”初”の建売プロジェクト。もちろん建売ですので誰でも買えます。子育て真っ最中のお父さん、お母さんに、はたまた新千歳空港からほど近い札幌近郊にセカンドハウスをとお考えの方々のために設計しました。まず第一回目は敷地からです。
 
ぜひグーグル検索で”南幌町”→”地図”の順に検索して下さい。
既に「みどり野きた住いるビレッジ」が登録されています。
 
敷地は南向きで前面には南幌中央公園が広がっています。子供たちが毎日元気に通う南幌小学校も公園に隣接して見えるロケーション。そればかりか南東には通学路である緑道が見渡せ北東側にはビレッジの全景が広がり、子供室のロフトに上がれば遠く夕張山地が望めます。
 
下に建物の配置や間取り図を載せましたのでぜひ参考にしてください。
 
昨年、最初に敷地に立って感じたことは・・なーんか長閑だなあ~ということ。(笑)あまりに月並みで笑っちゃいますけど・・次に「自分ももう少し若かったらここで仕事しながら子育てもわるくないなと思いました。
 
敷地は約100坪弱、前面道路から敷地を見て時計回りに37°方向が北になります。ざっくりした太陽の動きを説明しますと・・・
 

真冬は敷地正面の中央公園に美しい夕日が沈み(居間の窓から眺められます)
 
3月に入るとかなり日が高くなって来ますが、まだ二階の居間から夕日が眺められます。もちろんきれいな夕日になるまでは明るく眩しく・・時には暑いのが日の光、南西向きのこの窓には日射を調整する機能が複数必要になります。
 

 
夏と冬で向きが180°変わる南幌の風向も設計する上で要点となりました。1年を通して最も風上になることが少ない北東側(画面の上方向)にパッシブ換気の排気口やナイトパージ(夜間外気冷房)の窓を設けました。

 
 
 
西日対策とともに、前面道路を歩く人の視線が室内に入り込み難いように、二階居間のテラスには縦格子を設けます。都市部に比べて視線的制約が穏やかな田舎は、窓を大きくすると気持ちがいい反面、外からの視線をある程度抑えないと、住まい手の多くがカーテンを閉めてしまいがちです。結局都会とあまり変わらなくなってしまって残念なので、住まい手のプライバシーを守りながらカーテンのない暮らしを楽しんでほしいと考えました。
                              
                              

 
もう一つは夜間、敷地の周囲がまだ暗い(建て込んでいないため)ので建物自身を美しく発光させて夜の街並みに参加したいと考えました。

 
特徴的な屋根の形は、無落雪を目的とするものです。北国の子なら誰でも、冬場の軒下には近付かないように厳しく言われて育ちますよね。昔は一時期、危険であっても、積極的に落雪させることで建物の負担を除くと考えられて屋根は落雪型が当たり前でした。
 
しかし最近は三角屋根であっても屋根鋼板の進化で無落雪型の屋根が簡単にできるようになり、屋根の雪は載せておいて触らないことが住まいの常識になっています。
 
 

                               
もちろん積雪荷重(雪の重量)をはじめ建物の構造設計に関しては一般的な木造に多い簡易的な壁量計算ではなく、構造計算(許容応力度計算)を行って長期優良住宅の定める耐震等級2を満たしています。

 
「南幌まちなかの家」では従来の鋼板よりも耐久性と防水性に優れた、塩ビ系シートを用いることで、外観は無落雪、室内から見るとLDKを吹き抜けに、子供室を2階建てに拡大するべく特徴的なバタフライ型の屋根としました。
 
◆お知らせ
 
お待たせしました、「南幌まちなかの家」では9月よりオーナー募集を開始いたします。南幌暮らしを楽しむ家として、またお得感満載のモデルハウス案件として、みなさまのお問い合わせをお待ちしています。
         
お問い合わせ先
●価格&販売について ㈱アシスト企画    TEL:011-764-5150 担当:柳ゆかり 
 
●間取り・仕様・その他  山本亜耕建築設計事務所  TEL:011-671-8600

2018年8月7日火曜日

南幌時間



中央公園のジャンボ滑り台より”みどり野きた住いる”ビレッジを望む。遠くには夕張山地の連なり。緑豊かな素敵なまち・・今日も南幌時間が流れています。
 
 
 
 今日は久石譲なんていかがでしょう

2018年7月29日日曜日

新琴似の家 付加断熱工事

「新琴似の家」では付加断熱工事が始まりました。厚み14cmのグラスウール(以降GW)を、丁寧に手で充填して行きます。GWの性能を充分に引き出すためにはその角を潰さず丁寧に丁寧に入れること。もうこれしかありません。この充填工程が上手に出来ないと性能が充分に発揮できません。通常の家の約3倍のGWを使う300mm断熱の家の設計を始めて今年で10年目になりますが、まさにその価値を支えているのが丁寧なGWの施工なのです。

GWは北海道において最もポピュラーで安価な断熱材と言えますが、その半面、扱いが最も難しい材料でもあります。例えばGW以外の断熱材を用いた300mm断熱も多数設計してきましたが、その多くがGW特有の手間の大変さを何とか合理化したい。という意識がその背景にあります。もちろんそれぞれの工法とも特徴があってとても興味深いのですが、写真のピンク色のGWは、北海道の施工者の意見を取り入れて長年、改良を重ねてきたものです。地域によってGWのメーカーのシェアは異なりますが石狩管内だと、このパラマウント硝子工業さんのSUNシリーズが多いです。特徴としては、不安なく素手で触れること、形状安定性が良くて型崩れしにくいことでしょうか。

「新琴似の家」ではロシア製のKARVI社のサッシを使います。枠と金物はドイツの物を用い、ガラスはサハリンにある旭硝子で製作し輸入されます。国産の標準であるツバ付けではなく枠の内側からビスで固定する方式のためサッシの周囲に気密用のパッキンを先張りし窓を取り付けて行きます。 
全体から見るとこんな感じです。 窓下地の周りにぐるりと黒く見えるのが気密用のパッキンです。

こちらは付加断熱の足元。基礎との間にウレタンを充填して熱橋(熱の通り道)をしっかり塞ぎます。

こんな風に外側からGWを入れて行きます。
 
今日はCHICなnんていかが 

2018年7月27日金曜日

釧路の家 内外装工事

7/24(火)には「釧路の家」に行ってきました。内装のボードが貼られていて、外装の板貼りも進んでいます。室内では電気の配線がほぼ終った状態。

玄関先の独立柱は丁寧に養生されています。

居間の明るさを階段に落とすために取り付けられた縦格子。材料は唐松。

大きな屋根の下で空間がつながる「釧路の家」
 

タイベックに外装のための横下地(通気胴縁)を取り付けた北側の壁面です。

こちらが外装の貫板を貼り始めたところ。板と板の隙間は押し縁と呼ばれる捧をその上から打ち付けます。

こちらは窓上の通気層。黒い線が通気します。万が一壁に水が入ってもここから排水します。

敷地からは周囲の住宅街の様々な屋根が見えます。左側の黒い家が「フラットルーフ」と呼ばれるもの。2/100~5/100程度の緩勾配で雪だけを屋根上に留め融雪水のみを軒から地面に落とすことを意図したものです。しかし実際には雪もゆっくり動いてしまうので結局軒先に大きな雪庇が迫り出して軒が折れたり、落雪した大きな雪庇が窓を割ったりして、無落雪を目指した北海道の屋根としてはスッキリと問題解決とは行きませんでした。
 
次に右側の家の「スノーレーン」。従来の屋根とは反対に建物の中央に雪を集める方向の勾配が付いた屋根です。逆勾配ですからもう雪は軒先から外に落ちません。融雪水は屋根中央の水路に集められ、排水口から室内を経由して下水溝へ流されます。雪が落ちないためにこの形式の屋根は広く北海道で作られましたが、難点は排水口の詰まり。秋口や春先に枯葉やみぞれ雪で排水口が詰まると水は屋根をプールのようにしてしまい、2階の天井を浸水させてしまいます。そのために点検のための梯子が取り付けられましたが、1年に2回、住人自ら、屋根に登って点検をしてくれるのか?といえばそれも叶わず、無落雪ではあっても点検の欠かせない屋根というところがモヤモヤ・・・と言ったところでしょうか。

「釧路の家は」緩勾配ながら雪止めを付けたシート防水の無落雪屋根としました。まず従来の板金屋根の泣き所だった緩勾配での防水性は溶接されたシートが確保します。たとえ破れたとしても同じ材料を上から接着して簡単にふさぐ事ができます。元々水槽やプールのための材料なので板金に比べて非常に防水性が高いものです。自由に溶接できるということは、写真のように雪止めも簡単に一体化できるので、今までのように錆びたり腐ったりすることもありません。沿岸部である釧路は屋根の塩害対策が欠かせませんが塩ビ系のシートなら錆を気にする必要もないのです。こうして雪のみを屋根上に留め、融雪水を軒先の樋で受けて地面に落とすことで見た目は勾配屋根でも無落雪、雨だれ(冬は氷柱)ナシの屋根を作りました。
 
今日はモーツアルトなんていかが、大好きなクラリネット協奏曲・・最高だ!

2018年7月23日月曜日

新琴似の家 屋根断熱工事

屋根の断熱工程を完了した「新琴似の家」。雨に備えて大判のブルーシートでしっかり養生します。

屋根の下ではホールダウンボルトの確認。長期優良住宅なので構造は普段にも増してしっかり確認して行きます。

土台廻りには気密シートレールや金物等が絡みます。どんな風に解決して行くのが一番合理的なのか、しっかり打ち合わせが必要になります。

「新琴似の家」の屋根はツーバイ材の大垂木工法。垂木表面の印刷は削り落とし、35mmに厚みを揃えておきます。

こちらも金物。柱が桁から抜けぬように打ち付けておきます。

万が一の雨に備えて大判のブルーシートで覆い、しっかり養生しておきます。

「新琴似の家」は切妻(三角)屋根なので仮に雨が降っても勾配のおかげで雨水はシートの表面を流れ浸水しにくくなります。この状態で天候を睨みながら板金屋さんを待ちます。
 
最近の北海道の屋根らしく、形は切妻でも屋根素材は無落雪のものをチョイス。見た目は雪が落ちそうな形ながら実は無落雪な屋根を作ります。
 

2018年7月18日水曜日

新琴似の家 建て方完了!

無事に小屋組みまで組み上がった「新琴似の家」。重たいトリプルガラスのサッシを上げるために今回はウインチを装備。

まずは稲妻の速度で屋根を終らせるべくGWを搬入。屋根はトータルで厚み34cmのGWを三回に分けて充填します。

「新琴似の家」は大垂木を30cm間隔で渡した屋根。垂木の印刷をしっかり消す事、この常態で仕上げとなるので、釘やビスを打ち抜かないように充分気を付けること等々・・・
今ではすっかり人気の屋根になりました。

屋根にまず240cm(14cm+10cm)この上に更に10cmで合計34cm。

曇り空の下、ブルーシートを脇に置きながら断熱工事を慎重に進めて行きます。
 
今日はBucketheadなんていかが
 

2018年7月10日火曜日

新琴似の家土台敷き

昨日から始まった「新琴似の家」の土台敷き。
 
引き続き担当していただくのはアシスト企画さんのS棟梁。息子さんと二人して「南幌まちなかの家」でも腕を振るっていただいたので逆指名させていただきました。(笑)引き続きよろしくお願いいたします。

さて、建て方前の大切な工程である土台敷き・・・クレーンが入り大勢の大工さんで大きな梁を掛ける建て方は見ごたえがありますが、実はその前の土台敷きが私は好きです。
 
上の写真のように建物の中央に基準となるレーザーを設置し水平方向に照射して仮組みした土台の天端(上端)の高さを慎重に測って行きます。土台の木材自体の寸法は非常に精度が高くほとんど狂いはありませんが、それをコンクリート基礎の上に置いてボルトで締め上げると、コンクリートの形状に沿って土台が変形します。要は基礎の精度が≒土台の水平性や高さの均一性と言う訳です。
 
もちろん前回ご紹介したように基礎の天端は既にセルフレベルモルタル&水平に研磨済みですが、よーく見ると僅かな削り残しや凹凸で土台はmm単位の高さの差を生じます。そこを限りなく、S棟梁の基準では1mm以内に土台の高さを揃えるのが今日の仕事。

足場を掛ける前に地盤の汚れを建物内に持ち込まぬように地面の上にシートで養生をしていただきました。ほんの少しの配慮ですが、これだけで現場の中の汚れ方が全く違います。現場所長のS部長の粋なはからい・・・ありがとうございます。(笑)

さて、概ね揃ったかな?と思ったところで、問題発見・・3mm高いところを発見しました。
 
概ね組みあがった土台をもう一度剥がし、土台の裏を3mmノコで引き割って土台を105mmから102mmに薄くしました。もう一度組み上げて、水平器で高さを測って建て方に備えます。
 
今日はBAND-MAID /でstart over・・・相変わらずカッコいい!(笑)