2010年12月11日土曜日

菊水の家 内覧会のご案内


「菊水の家」の内覧会を行いますので、みなさまお誘い合わせの上ぜひお越し下さい。

今後、北海道において主流になる300mm断熱から生まれる温熱環境、改良型のWスキン玄関ドア、道産木製サッシ(三層希ガス入ガラス)、遮熱外付けブラインド、高効率一種熱交換換気、空気熱源ヒートポンプによる暖房と給湯といった次世代のベーシックスペックに加え、地元の白樺を用いた美しい積層合板による各部の意匠や極力仕切らない間取りの提案、一体空間でありながらスキップフロアによる空間演出、北海道を楽しむための外でも内でもない空間等々、みどころ満載。
もちろん優れたコストデザインで坪単価は50万円台を実現しています。

チーム菊水  プロジェクトマネージャー   山本亜耕


菊水の家とは?
北海道が推進する優れた地域住宅の建設基準である北方型住宅エコプラス仕様(以降ECO+)として最高の提案を目指した「南あいの里の家」に対し、そうした設計思想を踏まえながらも更なる高みを求めたのが「菊水の家」です。Dr.タギ氏による綿密な温熱計画の導入に加え、ECO+では禁止された熱交換換気による①Q値の算定②室内段差の導入による空間演出、③一部階段の規定等々に対して設計者の視点で新たな解釈を提案しています。要は「ECO+」の思想は踏まえつつも「これからの住まいの方法論はけして一つではないのでは?」というメッセージが「菊水の家」です。

①:安易に熱交換換気に頼ってQ値を下げることを禁止するために今年より導入された処置。薄い断熱を防止する意図だがしっかり断熱した人も機械換気によるメリットが生かせない側面も生んでしまった。菊水の家では、壁、屋根ともに30、45cmの断熱を行った上で熱交換換気を導入している。

②:ECO+では基本的に室内のバリアフリーの観点から段差を禁止している。反面、段差による豊かな空間分節や演出が盛り込めない。そこで「菊水の家」では基本の床レベルの上に仮設の置き床をして(必要ならばいつでもバリアフリーに戻せるようにしたうえで)空間計画の自由度を確保している。

③:階段等の設計に関しては、使用者に危険を認知させなければよい等実にそっけない。しかし階段は単なる上下の通路ではない。美しく空間を引き締めながら高い安全性を有し光や空気の通り道としても大切な仕掛け。「菊水の家」ではより自由な立ち位置で階段をデザインしている。

■データー

①:Q値   0.7W/㎡/k(一種熱交換換気、熱交換効率60%時)

②:C値   0.2cm2/㎡(断熱気密工事終了時)

③:必用暖房容量  2.1kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合) 

④:断熱  壁:30cm相当、屋根:45cm相当(グラスウール24kg/m3換算)

⑤:換気      一種熱交換換気機(ロータリー型/熱交換効率max83%)

⑥:暖房      空気熱源ヒートポンプによる低温水輻射暖房
           (発熱端末:パネルヒーター)

⑦:給湯      空気熱源ヒートポンプによる給湯器(エコキュート)

⑧:断熱サッシ  木製枠+トリプルアルゴン入りガラス(北欧製、北海道製)
           遮熱ブラインド(ドイツ製)
⑨:断熱材    フェノバボード(フェノールフォーム)90mm+GW24kg/m3
          複合断熱(外貼りヒートブリッジレス工法は菊水と南あいの里
          の家のために開発されたオリジナル。費用対効果に優れ外壁
          のバリエーションにも対応する。手軽に300mm断熱を行う目
          的の壁仕様)

⑩:耐震性    通常設計(但し木造3階建てのために構造計算済み)

⑪:省エネ性   省エネ法による「住宅事業建築主の判断基準」 
           目標達成率171%(1b地域)

⑫:フラット35  フラット35S20年金利引き下げタイプの仕様をクリア。

*:建築主さまのご好意により次世代型北海道住宅の普及のために会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただきますようお願い申し上げます。また会場は住宅街ですので駐車場はございません。地下鉄をお使いになるか、車でのご来場の際は、近隣の迷惑にならぬようお願い申し上げます。

「チーム菊水」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所

■建築環境計画                  (有)タギ建築環境コンサルタント

■生   産(ゼネラルコンストラクター)    ㈱山謙工業
         ●電気設備:太進電設㈱
         ●機械設備:前谷設備㈱
          ヒートポンプ給湯器:㈱北海道日立
          ヒートポンプ暖房機:北海道エナジテック㈱
                       サンポット㈱       
          一種熱交換換気器:㈱ガデリウス

■断 熱 材                  積水化学北海道 ㈱

■断熱開口部の設計、施工         ㈱エンヴェロッブ

■道産白樺による積層ベニア        滝澤ベニア㈱

■建具及び可動間仕切り           ㈱日新インテック

2010年12月9日木曜日

リプラン12月28日号掲載 「チーム南あいの里」

4ヶ月に渡りみなさんに応援していただいた「チーム南あいの里」の活躍がリプランさんの記事に。先日、雪の日に取材していただきました。はじめはうす曇の空が撮影とともにどんどん晴れ上がり最後にはとうとう青空に。

概要 「南あいの里の家」と「チーム南あいの里」とは?
1988年より北海道が推進する優れた地域住宅の建設基準「北方型住宅」、厳しい北海道で快適な住宅とは何か?を求め、度重なる改定を経て現在に至ります。その北方型住宅のハイエンド仕様が北方型ECOプラス、国の進める長期優良住宅に見事選ばれ、先進的な設計思想が全国から大いに注目されています。南あいの里の家はそのハイエンドに位置する北方型ECOプラス仕様をさらに高めた内容のプロジェクトです。その設計+建設に参加したメンバーが「チーム南あいの里」です。プロジェクトマネージャー(設計+監理含):山本亜耕建築設計事務所、生産(ゼネラルコンストラクター):㈱丸稲武田建設、建築環境計画:(有)タギ建築環境コンサルタント、断熱材:積水化学北海道㈱、構造用製材:物林株式会社、ペレットストーブ及び道産ペレット:㈱イワクラ、道産白樺による積層ベニア:滝澤ベニア㈱、断熱開口部の設計、施工㈱エンヴェロップ。ぜひお楽しみに!

2010年12月8日水曜日

みなさん業界紙はいかが?

最近ずいぶんブログを読んでいただいているようで、ほんとうに設計者として嬉しい限りです。現場から極力ものづくりのリアリティーを伝えたい。そんな思いで始めたブログですがみなさんの応援のおかげでずいぶん回を重ねることができました。あらためて御礼申し上げます。このブログのおかげで、内覧会にもたくさんの方々に来ていただけるようになりましたが、みなさんとお話しをすると意外に多いのは情報の仕入先についての質問です。こんなに便利なIT社会のはずなのに?いやむしろ情報が多すぎてほんとうに必要で大切な情報が見えにくくなっているのかも知れません。いつもブログでお話しするように、北海道は建築技術の先進地、これほど豊富なノウハウが簡単に手に入る地域も日本では珍しいのです。もうひとつ忘れてならないのが住宅関連を扱う業界新聞社のレベルが高いこと。読者はほとんどが工務店さんや設計事務所ですがその分地域的で一目で北海道の住宅事情が分かります。住宅雑誌をたくさん買い込んで読みまくるのも楽しいものですが、たまには業界紙なんていかがでしょう?きっと灯台下暗し。意外な発見があるかもしれません。ご購読は意外にリーズナブル。下記は先日特集していただいた時のものです。

㈱北海道住宅通信社 HP http://www.juu-tsuu.jp/index.htm

菊水の家 椅子製作工事

写真は菊水の家に納める、ダイニングチェアの製作風景です。場所は道北、東神楽町にある㈱匠工芸さんです。弊社のオリジナルダイニングチェアをいつも作ってくれる家具屋さんとしてまた一流ホテルを始めとする製作家具や什器を製作する家具工房として最近ではみなさんおなじみですよね~(笑)。今回は製作の様子をお届けしましょう。シンプルで丈夫、おまけにリーズナブルな価格がクライアントのみなさんに人気のダイニングチェアですが、製作はご覧のとおり全て手作りの一品生産なんです。写真は治具(ジグ)にて締め付けて接着後の養生をしているところです。極力ビスや釘を用いず、楔(くさび)やほぞで組み立てるために発注から仕上がりまで2週間を要しますが、使ってみると実に洗練された座り心地です。良い椅子は一生もの。みなさんはどんな椅子が好きですか?

一見、毎度の形ですが、今回から改良されたニューフレームになりました。

こちらは一体の背と肘掛です。

布貼りバージョンです。

ペーパーコードバージョンです。


2010年12月7日火曜日

内覧会を終えて

二日間に渡り開催させていただきました内覧会、たくさんの方々にご来場いただきまして誠にありがとうございます。また北方型ECO+の普及にご理解を頂戴し、快く現場をお貸しいただきました建て主さま、チーム一同心より感謝いたします。当日は「ブログでは見ていたけれど実物はまた違いますね良い意味で~(笑)」とか「気持ちいいですね~」とかたくさんのうれしい感想をいただきました。私も設計者としてたいへん勉強になるとともに一般の方々の建築や環境に対する意識の高さにふれて大きな刺激をいただいた次第です。みなさんほんとうにありがとうございます。次は12/19(日)に菊水の家の内覧会を予定しています。ぜひお越しください。また現場でお会いしましょう。それでは内覧会で好評だったカットをダイジェストで。

やっぱ北国の家に炎が見えるのって良いですよね~。山本さんがご提案されたの?いえいえここの奥さまです。オール電化が進む中、意外や意外ほとんどの方に大好評だったペレットストーブ。極微小域まで安定した燃焼を約束するイタリア製のこのストーブ。室内の気圧センサーを備え、南あいの里の家のような超高気密、断熱ハウスにも対応できる性能を有している。国産ストーブによくある、火力:大中小ではなくたとえば設定温度20℃まで緩やかに上げるのか一気に暖めるのかさえコントロール可能。自己責任のアメリカ型ボーイング式設計思想ではなくヒューマンエラーを防止するためにシステムを使う、エアバス社ヨーロッパ型設計思想のペレットストーブ。うーんEUはこの分野進んでますねぇ~っ。

ロフトの隠れ家空間は子供たちに大人気。上がったら降りてきやしません。(笑)

みなさん内照式の照明はまだまだ目新しいようで、天井を注目する人がたくさん。器具は特別なものなんですか?いえいえ蛍光灯です。はあ~?照明を建築の一部に組み込むのはリーズナブルで雰囲気よし!ぜひお勧めですよ~。

照明板を壁と同じ素材で。

美しいエコシラ合板も大好評でした。ぜひ北海道の特産として応援してくださいね~。(笑)


2010年11月29日月曜日

南あいの里の家 内覧会のご案内


ブログを通して現場の様子をお届けしてまいりました長期優良住宅、平成22年度北方型住宅ECOプラスの普及のため、「南あいの里の家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。パッシブ換気をはじめ「北海道発のECO住宅の今」をぜひご覧下さい。  
チーム南あいの里  プロジェクトマネージャー   山本亜耕

「南あいの里の家」とは?

1988年より北海道が普及を行ってきた地域仕様が「北方型住宅」。この仕様をベースとして、断熱性の大幅な強化や地域材の使用等を盛り込んだのが、ハイエンド仕様ともいうべき「北方型住宅ECOプラス」です。見事、国の定める平成22年度の長期優良住宅に選ばれ、全国的にその性能はもとより設計思想の先進性が注目されています。南あいの里の家ではこうしたハイエンド仕様を満たしながら、今後の北海道においてふさわしいとされる壁300mm断熱仕様(グラスウール換算)に挑戦しています。一般的なECOプラス仕様が壁200mmなのに対してさらに断熱性能を上げました。それらに加え道産白樺を原料とする積層合板による美しい意匠や構造材にも道産材を使用、また暖房用のペレットも道産にこだわっています。計画的には、綿密な温熱計画の導入による建物全体の省燃費設計や市販品ながら三層ガラスでチューンUPされた開口部、坪単価を50万円台/坪に抑え込む高度なコストデザイン等々見所も盛りだくさんです。
■データー
①:Q値   1.0W/㎡/k(自然換気0.5回/hとする。0.3回の時はQ:0.9W)
②:C値   0.1cm2/㎡(断熱気密工事終了時)
③:必用暖房容量  3.3kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合) 
④:断熱  壁:30cm相当、屋根:40cm相当(グラスウール24kg/m3換算)
⑤:換気      パッシブ換気
⑥:暖房      主暖房:ペレットストーブ、予備暖房:電気式パネルヒーター
⑦:給湯      電気温水器
⑧:断熱サッシ  PVC枠+トリプルアルゴン又はペアクリプトンガラス
⑨:断熱材    フェノバボード(フェノールフォーム)90mm+GW24kg/m3複合断熱
⑩:耐震性    通常設計より25%UP

*:建築主さまのご好意により北方型住宅の普及のために会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただきますようお願い申し上げます。また会場は住宅街ですので駐車場はございません。JRをお使いになるか、車でのご来場の際は、近隣の迷惑にならぬようお願い申し上げます。
  

日時:2010年12月4日、5日(土、日)
    10:00~16:00 

場所:札幌市北区南あいの里4丁目


「チーム南あいの里」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所
■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱丸稲武田建設
■断 熱 材                   積水化学北海道 ㈱
■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント
■道産構造用製材               物林㈱
■断熱開口部の設計、施工         ㈱エンヴェロッブ
■ペレットストーブ及び道産ペレット     ㈱イワクラ
■道産白樺による積層ベニア        滝澤ベニア㈱

主暖房は、ペレットストーブです。

2010年11月23日火曜日

菊水の家 気密測定 第一回目


本日は菊水の家の気密測定の第一回目です。私の事務所の場合は気密測定はビニールが貼られ、設備及び電気の配線が終了した時点と完了時の二回行います。測定者はお馴染みDr.タギ氏本日も愛用の測定器を組み立て計測開始です。

結果はというと、初回ではまずまずの0.2cm2/m2、漏気部分は、木製サッシの取り付けビス部分、シーリングの結果、前記の数値が安定して出るようになりました。今後、室内下地のボードを貼り込み、最終性能値0.1cm2/m2を目指します。

写真は、チーム菊水の「生産」担当のF所長、自らビニールのジョイントをテープ止めしコーキングを行い、試験に臨みました。所長の細やかな性格のおかげで建物の性能は大きく変わります。何事もそうですが、大切なのは人ですよね、私の場合は現場の指導者に恵まれることが多いです。建築家だけでは家はつくれません。大工さんをはじめ各工種の意識を高め、目標を示し、励まして団結させる所長なくしてよい家は生まれないのです。建築家の行なう監理は、基本的にサンプリング抜き取り方式が原則、設計図と現場が同等の内容かどうかを確認することが仕事です。それに対し現場監督の管理は品質管理、すなわち全数を確認し設計図に示された内容をクリアできるか否かを確認します。要は建築家の監理とは、建て主の意思が現場に伝わっているか?(設計図通りか否か?)を重視し現場所長の管理は製品として落ち度が無いかどうかを重視するものです。建て主の思い通りならばそれでよいとは限らず、ただ使用上安全で支障がなければよいとも限りません。自由度と高い品質を両立させるそれぞれの監理と管理が手を組んでよい建築が生まれることをぜひご理解いただければ幸いです。

2010年11月22日月曜日

菊水の家 気密チェック

菊水の家は、いよいよ気密測定の工程に入ります。本日は最終確認です。建築、設備、電気、各役割分担の中で見落としはないか、可能な限り見て行きます。

天井下地を貫通する、電線周りの処理、一見できているように見えても、圧力を与えると各部の様子が分かります。

壁を貫通するスリーブ周り、スリーブとビニールの間は良いようですが、スリーブ自体にGWしか詰め込んでいません。設備屋さんにテーピングのお願いです。同様に排水管、予備のカラ配管、木製サッシの連結部分、玄関ドアの敷居の下、一見見えにくい貫通部分、等々を確認してゆきます。

現場は、隠蔽される電気の配線及び設備の配管が完了した状態。要は見えるうちに試験をして不十分ならば直してから壁を貼ります。

緊張が高まってきましたね~。(笑) ガンバレーチーム菊水。

2010年11月19日金曜日

大学生のみなさんへ

本日、南あいの里の現場に地元の工業大学の学生さんが見学に観えました。
建築学科の学生さんが約30名。北方型住宅のこと、北海道の建材や技術の素晴らしさ。
なによりそんな環境で建築を学べることの幸せについて、お話させていただきました。
「チーム南あいの里」の一員として、未来を担う若い皆さんに現場のものづくりに触れていただけるのは望外の喜びです。ぜひ北海道の建築をみなさんの力で元気にしてくださいね。

引率のT先生、本日はごくろうさまです。この場をお借りして御礼申し上げます。

         チーム南あいの里 プロジェクトマネージャー  山本亜耕

2010年11月18日木曜日

菊水の家 気密工事+α

現在、菊水の家では気密測定に向けて準備が進行中です。写真はチーム菊水の電気工事担当のK専務。壁付けブラケットの高さや離れ、供給側の電線の貫通位置等々を細かく決めてゆきます。

3階では、スキップフロアが進行中。菊水の家ではリビングとダイニングキッチンを段差で分けて配置して一体空間ながら用途分節も同時に行います。

2階からバルコニーへ出る扉には少々仕掛けがあります。本邦初公開です。一見見た目は普通のテラスドアですが実は....

レバーを水平にすれば、内開きになり.....

レバーを上まで回すと、扉の上部が室内側に倒れて、簡単にロックされたまま換気ができる状態になります。ドイツでは一般的なドレーキップというスタイルの窓で、慣れるには少々時間が掛かりますがなかなか優れた開閉のスタイルです。まあ欠点は少々コストが掛かるところですが..(笑)

お馴染み気密施工です。菊水ではガスケット+テープです。

サッシも内側からシールします。反対に外部側はオープンジョイントです。

樹脂製窓と異なり木製窓は廻りに1cmの隙間をぐるりと設けてそこにシールを打ちます。

一見美しく塗り分けてあるように見えますが、まったく別のエコシラ合板を継いでいます。

裏から見ると...座金とボルトでお互いを引っ張り合って継いでいます。こうすることで長物を特注することなく、安価な規格品を用いて長物材を作ります。㈱日新インテックさんはチーム菊水の内部建具担当ですが、こんな技を使ってさりげなく、現場の要求に応えてくれます。

実はかなりメカニカルです。


南あいの里の家  内装工事(階段)

本日は待ちに待った階段が掛かりました。まだ手摺がつきますが、部屋に及ぼす光の影響が伝わるでしょうか?実際の壁は白色ですからこの陰影がさらにはっきりします。北側の窓からの光で階段の段板を壁に映しこもう。きっと放射状の美しい影ができるはず.....等々頭の中で考えていた事柄を確認しながら細部に目を光らせます。ちなみに2階からロフトへは、片持ちのささら階段。壁側にもササラを付けると影が美しく伸びないので壁の中に段板を呑み込ませて留めています。印象はご覧のとおり、段板が壁から生えたように見えます。

一方1階と2階の間にある踊り場から2階に上がる階段は下支えの3列ササラ階段。写真では分かりませんが、この階段は壁から離れています。純粋に下支えのササラ3枚で階段を支持しています。

1階から踊り場までが箱階段、段板と段板の間からむこうが見えない安定感のあるタイプです。ご覧のように南あいの里の家では、3種類の階段スタイルを使い分けています。段階的に上に掛かる階段ほど、シンプルに軽く透明にすること。要は上に行くに連れて階段のボリュウム感が薄れるように考えてあります。これは吹き抜けの上部からの圧迫感を押えるためと、上がる人に高さを意識させて注意を喚起させるためです。日本人は足元の見えない、一見怖くない階段を好みますが、このように高さから来る情報をまったく取り去ってしまうと逆に注意をしない癖がついてしまいます。これは本末転倒で、住人を安易に油断させる設計はあまり好きではありません。安全な階段とは怖くない階段ではなく、回り段を設けない、段板の奥行きが24cm以上ある。蹴上げ(一段の高さ)は極力18cm以下にする。そして注意喚起を忘れない。空間を阻害しない。光を遮らない。等々の観点からいつも非常に時間をかけて設計します。お馴染みU棟梁はその図面を見ながら更に時間をかけて作ってくれるのです。

階段手摺の打ち合わせ中。握りには木をつけて握りやすく安全に。細い部材ながら強靭に強く等々確認してゆきます。

2010年11月15日月曜日

南あいの里の家 自然温度差⊿tn

本日は、小雪がちらつきとても寒い一日でした。みなさんはいかがお過ごしですか、現在、南あいの里では、床のフローリングが貼られ、室内のボードもほぼ終了しつつある状態です。本日は大工さん5名、休日もそこそこに全力で頑張っています。この季節になると昨年の銭函の家でもそうでしたが、建物の自然温度差(⊿tn)を実感することができるようになります。前回のブログでも触れたように、断熱工事的には完了している南あいの里の家では、家自体が暖房に頼らずに作り出す温度(自然温度差⊿tn)が、北海道の一般的な建物とは大きく異なります。みなさん一緒に覗いてみませんか?

この温度計は現場の仮設トイレ内のものです。室温は3.6℃、湿度54%です。
実際は風や雪の影響で屋外はさらに寒いのですが、一応基準の屋外温度とします。
一方、大工さんが働く室内は、下記の状況です。 


17.5℃で湿度70%です。もちろんヒーター類は使用していません。あえて言うならば大工さんの体温と、工具の動力用コンプレッサーからの発熱程度でしょうか。昨年の銭函の現場でためしに温度計を工事中の屋外と屋内に置いてみようということになり気付いた次第ですが、意外や断熱の恩恵を実感できます。

ちなみに、昨年の銭函の家の現場でも http://ako-re.blogspot.com/2009/12/blog-post_03.html


2010年11月14日日曜日

ASJイベントを終えて

11/13.14、モエレ沼公園ガラスのピラミッドで行われたASJ南スタジオのイベントが無事終了いたしました。二日で120名を越える方々のご来場をいただき、心より感謝させていただくとともに少しだけ建築家に興味を持っていただいた事に嬉しさを感じました。私も会場でたくさんの方々とお話ができてとても勉強になりました。また機会を見つけてイベントに参加させていただきますので、建築家に興味をもたれた方はぜひお越し下さい。みなさまが家作りを楽しめますように心より願っています。        

 山本亜耕

2010年11月12日金曜日

菊水の家 最終的なQ値

みなさま、寒くなってきましたね~。インフルエンザが流行の兆しとか、風邪など引いていませんか?私といえば、菊水と南あいの里の現場が最後の追い込みに入り、幸せな忙しさのなかで毎日を過ごしています。
北海道が1988年より推奨してきた北方型住宅仕様を遵守しそのルールの中で最高性能を目指す南あいの里に対して、そのルールを下敷きにしながらも独自の仕様も加味して高みを狙う菊水。両者は似ているようでいて実は設計のコンセプトが異なります。
南あいの里では、今年度の北方型ECO+のルールに則り、Q値計算上禁止された機械換気ではなくパッシブ換気(自然換気)を前提にQ値の算定を行っています。安易に熱交換換気の性能に頼って断熱を軽視することを防ぐための措置ですが、反対にしっかり断熱をした建物に熱交換換気装置をつけたならば、今の北海道の標準技術でQ値がどのくらいになるのかも大いに興味があるところだと思いませんか?菊水の家はそうした問いに答えるために1種熱交換換気システムを装備しています。さらに、空気熱源のヒートポンプを用いた暖房、給湯を用いることで低燃費を狙い、オール電化の泣き所である電力生産時の一次エネルギーの削減にも取り組んでいます。設備的にはたいへん今風であえて言うならば、太陽光がないくらいでしょうか?(笑い)
しかし今までブログをお読みの方は既にお分かりだと思いますが、こうした設備は優先順位としては二番目であることをぜひ上の表から感じてほしいものです。この表は現在建設中の菊水の家の最終的な断熱仕様をもとにQ値の算出をした資料の一部です。もちろん作成者はDr.タギ氏、実に分かりやすくまとめていただいています。それによればQ値は0.7W/㎡k、家全体で必用とされる暖房設備の大きさは2kw少々。みなさんが毎朝お使いのドライヤーは1本約1kwですから、2本分で家全体の暖房がまかなえることになります。従って室内に置く発熱体はたいへん小さくできます。
断熱に軸足を置いて室内の快適性をデザインすることは、けして暖房設備を否定するものではありません。一般にライフサイクルの短い機械暖房設備に掛かる負担を抑え、適切な大きさにすることでコストを抑えさらに燃費も改善します。換気設備も同様に複数のメリットが考えられます。私たちが取り組む省エネやCO2の削減には今後たいへんな努力が必要ですが、全て革新的な技術開発に任せるのではなく、自らの意識を変えることでずいぶんと楽になることをぜひ知っていただけたら幸いです。寒さを理由に始まった北海道の断熱が実はたくさんの長所と価値を備えた賢い暮らしの知恵として地域に根付き、育つことを願っています。1軒また1軒と設計し建てることでこのテーマにたくさんの仲間たちとのコラボレーションを通して挑戦し続けたいと思います。


2010年11月10日水曜日

南あいの里の家 気密+断熱


現在、チーム南あいの里は気密試験の成功の余波で活気付きながら、内装下地のボード貼りが進行中です。丁寧に丁寧に漏気部分をつぶしていった結果、気密性能は0.1cm2/m2にまで到達しました。このブログをお読みの皆さんの中には私のご同業の方々も多いと存じます。「なにもそこまで気密にこだわる必要はないでしょ?北方型ECO+の基準だって1cm2/m2以下じゃないの、それで高気密住宅としては十分なのだからオーバースペックを喜んだってあまり意味が無いんじゃないの?」もちろんご説ごもっともです。しかし1cm2/m2の気密住宅はどんな条件でも1cm2/m2の性能ではありません。街の周りに空地が多く、冬期の季節風も強く吹き付ける現在の敷地の条件下では気密性能は簡単に低下してしまいます。風の強い地域では、その影響により建物の漏気量は飛躍的に増えますから風の強い地域ほど気密性能に安全側のマージンが必要となるのです。もう一つの理由は、北海道の住宅に必用とされる断熱の水準が300mmであると考えている点です。この世界になると、体温や日射、調理や入浴の際にでる生活排熱さえ室内を暖房する大切な熱源として無視できなくなります。驚くべきことに昨年竣功した銭函の家では、冬の夜に子供の友人が遊びに来ると室温が上がりそれを家族が体感できるほどです。照明をつけても室内の気温が緩やかに上がるのがわかります。室内の気温変化はさらにゆっくりと穏やかになります。普段はほとんど気付かない熱が支配的になる環境においては、前述の漏気量もずっとデリケートに扱う必要が生じるのです。
測定シートを見て、ほ~っと目を細める人はかなりのマニアですね~。外気温が6℃に満たない条件下で室温が約15℃、既に断熱気密的には完成した状態ですから建物の性能を体感することができます。

ASJイベントに参加します。

11月13(土)、14(日)ASJさんのイベントに参加させていただきます。
当日は私の他にも、北海道で活躍中の建築家が多数参加いたしますのでみなさんぜひモエレ沼公園に遊びに来てください。

詳細は http://www.asj-net.com/event/data.php?eventid=94-10

2010年11月9日火曜日

菊水の家 充填断熱工事


外貼り断熱工事が終了し、今度は室内側からGW(グラスウール)を充填してゆきます。このとき大切なのはグラスウールと、防湿ポリフィルムの間に極力空隙を作らないこと。丁寧に丁寧に充填してゆきます。

こうした空隙は、手直しが必要です。充填断熱の監理は少し神経質すぎるくらいにやります。品質第一、こうした部分の積み重ねが普及型の300mm断熱プロジェクトを支えています。

がんばれ!チーム菊水のみんな。 南あいの里は強敵だぜ~っ!

菊水の家の開口部の設計を担当する㈱エンヴェロッブさんがチョイスしたのは既製品と特寸サッシを上手に組み合わせた方法論。こうすることで性能とコストを高い位置でバランスさせられます。

菊水の家は既成の木製サッシを上手に用いて普及型300mm断熱仕様としての高い費用対効果を狙います。写真はスウェーデン製のトリプルガラスのサッシですがガラス同士をつないでいるグレーの部分に注目。以前はこの部分にアルミを用いていましたが、新製品は熱伝導率の低い樹脂に変更されています。これによりガラスの四周面からの熱がずっと逃げづらくなります。ペアのLOW-Eアルゴンのガラスと比べると手で触っても明らかに表面温度が違います。北海道の建築をさらに進化させるためには、このように高い性能を有する開口部を地場で作ることが必要です。そのためにはいつもこのブログで訴えているように、ユーザーの皆さんが正しく断熱の意味を理解して、窓に対する意識の高い建築主になってほしいと思います。みなさんのニーズが素晴らしい地場産品を育てることをけして忘れないでいたただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
トリプル断熱サッシ ガデリウスエリートフェンスター HP http://www.gadelius.com/

こちらは北海道製の㈱エンヴェロープのトリプルガラス仕様。菊水の家では規格品をメインに使いますが、特寸が必要なものは、断熱仕様を揃えて旭川の工場で生産しています。設計チームに開口部のスペシャリストを加えることで、建物全体の設計の自由度が飛躍的に向上します。性能とコストを両立させるアイディアの多彩さにはいつも脱帽です。担当者のMr.平井氏は北海道屈指の窓のスペシャリスト。勤め人時代から弊社の無理難題を解決してくれた仲間の一人でもあります。2004年の宮の沢の家や星置の家のカーテンウォールも同氏の仕事です。

直接ガラスを柱に貼り付けシャープに簡単にガラスの大壁面を作っていただいた星置の家2005

ビルのカーテンウオールよろしくガラスのつなぎ目に大きな部材を用いない納まり。
宮の沢の家2004

木造だからと言って柱と柱の間に小さく窓を作る必要はありません。柱の外側に大きなガラスを貼り付け壁面全体をガラスにすることも可能です。 グループホーム夏桜2005