
今日は数年前に行ったドイツのお話し。
今後、先進国である以上避けて通れないのが、「環境」というキーワード。残念ながら日本は個々の環境技術は世界一なのに、社会全体の目線で見ると世界に大きく水をあけられている状況です。日本と比べて最も大きな違いを感じたのは、「環境」といったときに日本ではすぐに経済や社会保障や雇用制度等と同列に論じられるのに対して、ドイツは「環境的」な「経済、社会保障、雇用etc....」という表現であらゆる物事の最初にまず「環境」を付けてそれぞれを捉える点でした。したがってよく耳にするような「環境か経済か?」といった図式の議論が非常に少なくて、あえて言うならば大切だと思われる全てのことは環境的な視点を持たねばならないと、既に国民全体が意識を切り替えているように感じました。丁度それまでの「コスト」のようにそれぞれ分野が違っても、行なう以上は掛かるものといった感じでしょうか。しかし「環境」と「コスト」と言った時にまだ日本では「理想」と「現実」のような響きを感じてしまいます。しかしドイツ人の話を聞いているとむしろ反対で従来の「コスト」中心の発想に「環境」を加えることで、真の「コスト」が分かるというのです。ムムッ??その心は???
たとえば電気は私たちの生活に欠かせないものです。これは100年後も200年後もおそらく変わらないでしょう。ならばこうしたエネルギーを石炭や石油、ウランといった外国の資源に依存しないで暮らせる社会にさっさと切り替えた方がコスト的に得じゃないの?ふんふん。そんな大事業を先進国に先駆けて実践しノウハウを確立したならば、そのノウハウには一体いくらの価値が付くと思う?なーるほど。
なんとシンプルで当然のお考え。日本ってやっぱりいろんな、中くらいの問題の陰に大きな問題を見逃しているような気がするのは私だけでしょうか?最近よく「山本さんは環境系だから~」なんて言われます。反面それは「デザイン系ではないよね~」と言われているようにも感じます。やっぱり「環境」と「デザイン」を同列に論じて比較するところから議論が始まるようです。でも両者を比較して「どっちが大切?」なんて考えること自体、なんだか時代遅れだと思いませんか?環境とデザインは比べるものじゃなくて両立させるものだと思うのですが。(笑)

古い建物の屋根架け替え工事。外断熱は当たり前、しかしこの厚さは尋常ではない。ドイツでは現在エネルギーパスという制度が普及している。簡単に説明すると建築を含む全ての製品にエネルギー消費量の表示を義務付けるというもの。不動産の場合は、古い建物でもこの数字が高ければ市場価値が高く、税金が安くなる等の優遇政策のメニューも充実している。「省燃費=高い環境性」という新たな価値観を国が示し、どうすれば古い建物でも壊さずに価値の持続や再生が可能か?という問題に一つの答えを出している。日本の場合、ここが圧倒的に弱く、古い建物の市場価値は限りなく0に近く、新築並みの大金を投じてそれを直したところで、税の優遇はおろか評価もしない場合が多い。結果、新築の方が安いといった、目先の工事費のみでコストを論じることになり、いつまでたってもスクラップ&ビルドの悪循環から抜けられない。このブログで紹介している「西岡の家」は同規模の住宅の僅か半分の工期で、ほぼ新築と同等の性能に再生できる。環境負荷は遥かに小さく、寿命は少なく見積もっても今後40年以上は楽に使用できる。既に32年を経過しているのだから、70年以上住まいとしてお役に立てることになる。考えて見てほしい、今私たちの身の回りに70年以上ゴミにならずに使えるものがどのくらいあるだろう?きっと日本なら建物はおろか街自体が別の世界に様変わりしてしまう年月だろう。
古い街を残すということは、工事費的には、割に合わないかもしれないが、次の世代に引き継ぐローンや金利、維持管理や最終処分のコストと捉えるとむしろ大きな可能性を秘めていることに気付いてほしい。
現場にタワークレーンが常備されることの多いドイツでは、かなりの建築部品が組み上げられたまま上空に運び上げられる。
今後、先進国である以上避けて通れないのが、「環境」というキーワード。残念ながら日本は個々の環境技術は世界一なのに、社会全体の目線で見ると世界に大きく水をあけられている状況です。日本と比べて最も大きな違いを感じたのは、「環境」といったときに日本ではすぐに経済や社会保障や雇用制度等と同列に論じられるのに対して、ドイツは「環境的」な「経済、社会保障、雇用etc....」という表現であらゆる物事の最初にまず「環境」を付けてそれぞれを捉える点でした。したがってよく耳にするような「環境か経済か?」といった図式の議論が非常に少なくて、あえて言うならば大切だと思われる全てのことは環境的な視点を持たねばならないと、既に国民全体が意識を切り替えているように感じました。丁度それまでの「コスト」のようにそれぞれ分野が違っても、行なう以上は掛かるものといった感じでしょうか。しかし「環境」と「コスト」と言った時にまだ日本では「理想」と「現実」のような響きを感じてしまいます。しかしドイツ人の話を聞いているとむしろ反対で従来の「コスト」中心の発想に「環境」を加えることで、真の「コスト」が分かるというのです。ムムッ??その心は???
たとえば電気は私たちの生活に欠かせないものです。これは100年後も200年後もおそらく変わらないでしょう。ならばこうしたエネルギーを石炭や石油、ウランといった外国の資源に依存しないで暮らせる社会にさっさと切り替えた方がコスト的に得じゃないの?ふんふん。そんな大事業を先進国に先駆けて実践しノウハウを確立したならば、そのノウハウには一体いくらの価値が付くと思う?なーるほど。
なんとシンプルで当然のお考え。日本ってやっぱりいろんな、中くらいの問題の陰に大きな問題を見逃しているような気がするのは私だけでしょうか?最近よく「山本さんは環境系だから~」なんて言われます。反面それは「デザイン系ではないよね~」と言われているようにも感じます。やっぱり「環境」と「デザイン」を同列に論じて比較するところから議論が始まるようです。でも両者を比較して「どっちが大切?」なんて考えること自体、なんだか時代遅れだと思いませんか?環境とデザインは比べるものじゃなくて両立させるものだと思うのですが。(笑)

古い建物の屋根架け替え工事。外断熱は当たり前、しかしこの厚さは尋常ではない。ドイツでは現在エネルギーパスという制度が普及している。簡単に説明すると建築を含む全ての製品にエネルギー消費量の表示を義務付けるというもの。不動産の場合は、古い建物でもこの数字が高ければ市場価値が高く、税金が安くなる等の優遇政策のメニューも充実している。「省燃費=高い環境性」という新たな価値観を国が示し、どうすれば古い建物でも壊さずに価値の持続や再生が可能か?という問題に一つの答えを出している。日本の場合、ここが圧倒的に弱く、古い建物の市場価値は限りなく0に近く、新築並みの大金を投じてそれを直したところで、税の優遇はおろか評価もしない場合が多い。結果、新築の方が安いといった、目先の工事費のみでコストを論じることになり、いつまでたってもスクラップ&ビルドの悪循環から抜けられない。このブログで紹介している「西岡の家」は同規模の住宅の僅か半分の工期で、ほぼ新築と同等の性能に再生できる。環境負荷は遥かに小さく、寿命は少なく見積もっても今後40年以上は楽に使用できる。既に32年を経過しているのだから、70年以上住まいとしてお役に立てることになる。考えて見てほしい、今私たちの身の回りに70年以上ゴミにならずに使えるものがどのくらいあるだろう?きっと日本なら建物はおろか街自体が別の世界に様変わりしてしまう年月だろう。
古い街を残すということは、工事費的には、割に合わないかもしれないが、次の世代に引き継ぐローンや金利、維持管理や最終処分のコストと捉えるとむしろ大きな可能性を秘めていることに気付いてほしい。
現場にタワークレーンが常備されることの多いドイツでは、かなりの建築部品が組み上げられたまま上空に運び上げられる。


中央の大きな窓の中心には向かいの公園のプラタナスの大木が見えるようにレイアウトしてあります。2階の階段を下りるときにいつも木々の緑を感じられるように。
庇は見事に頑丈に付いていました。棟梁にどうせなら60cmなんて言わないで1mくらい跳ねだせばよかったかも??(笑)なんて言ったら「やめましょうよ~」と顔で言われてしまいました。
親子鷹で現場を仕切るS棟梁、お父さんと同じ現場でまして自らが棟梁なんて素適でしょ?お若いのにご覧の通りのきれいな仕事。現在32歳とのことです。
うーん水鏡!じゃありません。深さ1cmのプール。
黒いところは表面のセメント成分が流されて細骨材(砂)が出ています。隣の白い部分は表面にセメント(トロ)が残った状態です。








定規を布基礎に打ってゆきます。
オレンジが床下の給気温調整用のエキセルパイプ(樹脂製暖房用管)のサヤ管です。150Φが給気管です。このように基礎伏せ図を確認したときに出る管類を全て確認します。相手がコンクリートなので忘れると厄介です。

外部に出る管にも断熱が施されます。給水管を凍結から守ると同時に、室内の熱も不用意に地中拡散しないように考慮 した結果です。
塩ビ管の外周に断熱を施したさや管の中に水道管等を通します。
アースチューブの様子:画面奥の上に見える給気管から吸い 込まれた空気は地熱で予熱され、画面中央の2本の管より 室内に取り込まれます。極力機械を用いないで、外部の冷気を穏やかに加熱するのが目的です。









棟梁ありがとう!すごい!綿密な段取りで1日で上棟する。工期圧縮と工事費節減、高さ制限の厳しい1種低層地域でも十分な階高と天井高で北側斜線(高さ制限)をクリアできる新開発の小屋組みで両隣に比べてぐっと建物高さを抑えたプロポーション(縦横比)となります。
後付けホールダウン金物 。今の建築基準法は新築を前提に仕様基準が書かれている。 しかし30年前にはそんな基準自体がなかった。さてあなたならどうする?(ホールダウン金物:土台と柱は鉄筋コンクリート製の基礎に埋め込んだボルトにより接合せねばならない。*
外壁に外貼り断熱の下地と筋交いを兼用した合板を貼り付けます。その際、設計者は釘頭のめり込みに特に注意が必要です。写真は正しく打ち込み深さを調整した釘打機で打ったCN65釘と合板です。
ECOは経済だ!と誰かが言いました。みなさんはどう思いますか?今のまま地球が温暖化するとほんとうに大変ですが建築家としてできる事はないのでしょうか?そんなことを考えながら作ったのが昨年の新川の家でした。でも残念ながらここまでが建築家個人の私の力の限界です。今ほんとうにECOな建築を作ろうと思ったらもはや私という建築家一人の知見ではとても足りるものではありません。
新川の家は暖房費的には大成功でしたが、断熱本来の意味、開口部の設計の自由度や性能、パッシブ換気の進化等の部分ではさらに発展の余地がありました。銭函の家ではそれらを強化するために、熱環境コンサルタントや道内のサッシメーカー、商社、先鋭的な工務店といったその道のプロフェッショナル達の協力を得て私は主に全体的な統括や契約業務、クライアントの予算や工程を監理しながら、コンセプトや建築空間の追及に集中できるといった分業システムで楽をしながら設計できました。以前とは違い、熱分野や開口部分野の専属のスタッフが常時私をサポートしてくれます。個人的な美学や好みの押し付けを減らし、彼らを信頼して任せることで思いもよらないアイディアや発想が生まれました。 「建築家の作品ではなく時代の求める美しい道具を作ろう!」きっとコラボレーションが自分の殻を破ってくれる。