2024年8月29日木曜日

福井の家 埋設設備工事

 

先週末は雨が続いた「福井の家」の現場です。基礎の型枠が解体され埋設設備配管工事を行いました。

よく地縄マジックなる言葉があって・・基礎の型枠をバラスと凄く小さく感じて建て主が不安になる(こんな小さな家に住めるのかと・・)なんて言うお話しを聞きますが、「福井の家」はほぼ敷地パンパン。全然小さく感じません/笑

上の写真のホースは基礎内部に溜まった水を抜くためのポンプ用。ここ数日は台風も心配ですね。
9月の中半以降いよいよ木工事が始まるので基礎の天端はピシッと水平が出るように研ぎ出しておきます。基礎断熱は精度が命。基礎屋さんありがとうございます。


こちらはプロパンガス配管です。ボンベ庫の近くに配管を立ち上げておきます。

オレンジ色:電気配線用のCD管、黄色:ガス管、白:電柱より電気引き込み、グレー:排水管。埋設されてしまうと分からなくなるので今のうちに記録しておきます。

黒の箱が水道メーター、グレーの円形蓋が排水の点検口になります。

白のCD管と並行して見にくいのですが黒い管が走っています。これが水道管になります。
敷地周辺は札幌でも屈指の良好地盤なので大きな石がゴロゴロと出てきます。

今日はKOIAIで宇多田ヒカルのカバー・・凄いす!



2024年8月21日水曜日

福井の家 脱型工事

本日の「福井の家」朝から灼熱の中、枠バラシごくろうさまでした。

数日前の雨で床下に水が溜まっています。以前は水抜きの釜場を設けたりしましたがここ数年はもの凄い豪雨が降って水抜き穴からの逆流も増えてきましたので止めました。

建て方前にポンプで水抜きし充分に床下を乾燥させて木工事に入ります。

今日はダフトパンクなんていかがでしょう


2024年8月19日月曜日

海キャンプ

今年は2年ぶりに海に家族でキャンプに出掛けました。
私と妻、高校性の三男とその友人の4名+キャンプ道具で車はパンパン/笑。

三男とその友人用に3人用テントを新調。それにメインテント5人用とスクリーンタープ。
仕事でめっきり鈍った体にむち打ち、前日にはテント関係、ランタン、調理、コンロ、炭、照明等々・・装備一式を点検。ガスバーナーない、ペグ(杭)ない、テント内照明ない・・で・・購入。しかし・・

意外にもごくふつーのホームセンターが一番欲しいものが手に入ることが判明/笑

海キャンプは風も吹くしその中でテントやタープを固定しなきゃいけない。なので30cmの砂用のプラペグ(杭)が必要。でも最近流行りのオートキャンプ用の用品店だとこのプラペグ自体がない・・

散々探して、近場のホームセンターで無事ゲット/笑


三男&友人共々・・男三人で焚火の魅力を再確認できたのもよかった。なぜ炎はいつまでも見ていられるのだろう・・

前日のキャンパーが忘れていった白樺の薪がとても良くて、BBQの残り炭と共に揺らめく炎・・消えそうになると自然と薪を探しに行く子供たち・・不思議なものですね/笑

昼間の暑さと泳ぎのせいで・・さすがに疲れて22:00過ぎには、火の始末をお願いして私は就寝・・波の音を聞きながら浅い眠りに

みなさんはどんな夏休みを過ごされましたか。

今日は中孝介なんていかがでしょう



 

2024年8月9日金曜日

福井の家 基礎型枠工事

 

「福井の家」の型枠工事がほぼ終了。本日はホールダウンボルト、止水板、基礎断熱材を主体にチェックを行いました。

約65坪の敷地にほぼ一杯となった基礎。建築面積は50%なので上限は32.5坪。それに対して福井の家の建築面積は約31坪 でぎりぎりOK/笑

基礎断熱は従来のEPS160mmではなく最高性能のXPS120mmへ写真は90mmに30mmを接着して120mmとした基礎断熱材の様子

布基礎を貫通するボイド管の下に見えるのが止水板。コンクリートに反応して隙間をピタリと埋め、床下に水が入るのを止める。その結果床下を室内として収納や設備機器の置き場パッシブ換気の給気予熱等、自由に使うことができるようになる。

当然、こうしたアイディアを盛り込んでおかないと、これらは全て床の上に必要となり部屋はその分狭くなる。かつての”家は黙って40坪”時代はよかったが、今はもう30坪時代、10坪(約20帖)も工夫なく削れる訳がない・・・

そこで従来は存在すれど未利用空間だった床下を存分に使える設計に進化させることで狭く感じない30坪を実現している。

今にして思えば・・昔は基礎を断熱すれば、それが基礎断熱だと思っていた・・おめでたいことに床下が断熱で室内化したのにそれに気付かなかった。収納も暖房も床の上に作るもの、設置するものだと思っていた。必要は発明の母というがそんな昔が懐かしい/笑

耐力壁の受ける地震力を確実に基礎に流すために必要となる太い16φのホールダウンボルト

今日も暑いですね~コンクリート打設が楽しみです。

最近TMってよく聞きますよね~



発寒の家Ⅳ 温湿度測定

本日は「発寒の家Ⅳ」に北海道科学大学協力のもと温湿度測定器を取り付けました。

 ここ10年でもの凄く暑くなった北海道。昔から全室暖房は標準でも、つい数年前まではエアコンの設置率なんて3割程度だった。それがあれよあれよという間もなく、ほぼ標準設置となった今日この頃です。

そんな理由で・・断熱建物における冬の温湿度解析の蓄積こそ長いものの、夏場の冷房環境の実測&解析と言えばまだまだ・・ただ何となく、ちゃんとした断熱建物ならエアコンの効きはいいよね!とか2010年くらいから私も少しの期間使っていた高熱取得型ガラスは夏凄く暑いよね・・くらいは分かっている感じ。

夏から夏1年間の実測を通して断熱建物の冷房環境を明らかにしたいと思っています。また実測をお許しいただいた建て主さまにはこの場をお借りして御礼申し上げます。

今日はFromis9なんていかが




2024年8月8日木曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.08.08


本日は紺野建設にて南幌0カーボンヴィレッジの打ち合わせ。木構造の専門家であるH先生の積雪荷重による変形解析。小屋組みトラスのどこにどんな応力が働いてどんな風にモデルが変形を起こすのかじっくり共有させていただきました。

やはり正三角形は一番力学的には強い・・しかし下弦材が実質の天井高を決めてしまうからそれは上に押しやりたい。その途端、下弦材より下の斜材には本来トラスには生じないはずの曲げ力が発生してしまう。少しでも軽くスレンダーにしたいトラスなのに曲げ応力が支配的になればより大きな部材になってしまう。かといってトラスの潰れを無視すれば、それを支える外壁に面外の水平力が働いて二階の外壁を外側に倒してしまう。

H先生曰く:「屋根に雪が積もると毎年15mmも壁が外に倒れる家はさすがに気持ち悪いだろう?/笑」・・そんなやり取りが続き、付加断熱の厚みを使ってトラスの乗る壁が外に開かないように耐風梁?桁?計算して見ようという話に。久々の構造の講義で頭パンパンになりました/笑。


今日はHSCC、ノリノリで・・




2024年8月6日火曜日

福井の家 プレカット打ち合わせ


本日は10:30より三津橋産業さんで宇野棟梁と松田社長も含めプレカットの打ち合わせ。加工図担当のKさんと材料担当のKMさんも交えてガッチリ打ち合わせを行います。

理由はシンプル・・普通の四角い家と違ってぜんぜん難しいから/笑

「福井の家」の屋根はユニークなバタフライ型。限られた面積の中で最大の容積を狙う際に使うことが多い屋根型です。

 初デビューは2018年の「南幌まちなかの家」。当時、南幌町のみどり野地区に売れ残っていた約700区画の宅地販売を通して子育て世代を呼び込むために、地域の工務店と建築家がコラボレーションした北方型住宅のモデルタウン「南幌みどり野きた住まいるヴィレッジ」。当事務所もアシスト企画さんと組んで建設したのが「南幌まちなかの家」でした。
2018年竣工「南幌まちなかの家」施工:アシスト企画、撮影:山本亜耕

 想えば・・当時、敏腕営業レディーから社長に就任した柳さんの目指す「売れる家」の要求は正直・・高かった/笑。女性特有の細やかな視点で、「山本さん、これからは共働き社会だから特に田舎は車二台分カーポートがほしいですね、子供部屋は小さくてもいいから楽しい工夫が大切、育メンパパには助けてほしいけど子育てに向き合うママに優しい間取りじゃないとね・・家は仕事場でもあるのだから等々・・」日々、営業を通して得た貴重な知見を授けてくれました。

 でも社長、それを全部入れて設計したらすぐに40坪なんて超えちゃう。住宅以外にもBBQや洗濯物が干せるテラスも欲しいし、カーポートだって二台分なら9坪(18畳)は必要・・それから逆算すると・・住宅は30坪が限界・・昔の、”家は40坪”時代が懐かしい/弱音

そんな時に閃いたのがバタフライ型屋根でした。
こんな風に屋根なりに室内を作れば、あーら不思議・・LDに吹き抜けもできるし、3畳の子供部屋だって上に同じ広さのロフトがあれば”合わせ技6畳”の楽しい空間。ロフトに窓なんか付けてあげたらきっと気持ちの良い空間になるはず・・おまけにこの屋根型、自然に無落雪じゃんね/笑!!

まあそんな理由で加工図担当のKさんからは質疑が山盛り、現場担当の宇野棟梁もニヤニヤ。打ち合わせは白熱し・・終わったのはお昼休みに食い込んでほぼ12:30。みなさまごくろうさま、貴重なお昼休みにすいません。

実際に自社の加工機や材料の特性を考慮すると次々に浮かぶ疑問の数々。それを早い段階で白日の下に晒し、全員共有の元、早期解決するのが打ち合わせの目的。

宇野棟梁からは建て方(柱や梁の組み立て)時に順々に材料が組み上げられるように1階の材料に2階の材料を混ぜない事、どこの部品なのか分からなくならぬように木口に位置を明示すること、その部品がないために現場がストップしないように鍵となる材料は最初に現場搬入すること。使い回しの利く予備の材を若干余計に見ること、仕上げで見える構造用合板の印字は予め消してから搬入すること等々・・細かな注文が出ました。

本日の打ち合わせ内容を元に再度図面を修正して加工に入ります。

韓国のアイドルはある意味アスリート。ボラの歌は凄い・・



釧路の家2018 OBさま宅ご訪問

 

5年ぶりにお伺いした「釧路の家2018」。ここ数年で道央と道北圏の家は軒並みエアコン標準装備となりましたが、道東の釧路はまだ通風で快適とのこと。羨ましい・・

二階の屋外テラスも大活躍でBBQやご主人の読書等々・・すっかり暮らしに定着した様子。一年を通して釧路名物の美しい夕日が見える設計も好評。新規のお客さまをご案内したんですけど、自分の説明より住まい手さんの言葉が勝る・・素直に嬉しい/笑
釧路は夕日のまち。その美しい風景と共に暮らしてほしいと思います。

外壁は味わいを増し、夏の日差しが生み出す深い陰影が印象的です。

二階のテラスは縦格子で覆われているおかげで、外からの視線が気になりません。室内からは床が連続して見えるせいで居間が実際よりも広く見えます。

釧路の家では家族のBBQパーティーはこのテラスが大活躍とのことでした。

お伺いした当日も室内は26.1℃で湿度74.4%。通風があるせいで湿度の高さは全然気になりません。むしろ気持ちの良い室内でした。

今日はモーツァルトなんていかがでしょう



2024年8月1日木曜日

福井の家 プレカットチェック

 



当事務所のデザインの中で天井組は人気のパーツ。血色の良いカラマツ材を用いて、構造とデザインを両立させるべくいつも時間を割く部分です。

出来上がりだけ見ると構造に無関係ないわゆる表層的なパターンだと思う人もいると思うけど実は構造そのものです。ですので本来は天井裏に隠れる部分。それなのに無理を言ってプレカット工場の加工担当者さんと一緒に見せるように打ち合わせさせていただくのです。

昔し、大工さんが一杯いて余裕があった時代は棟梁が土場(加工場)に陣取って手加工で梁や柱を一本ずつ仕上げていました。自分も何回か、土場におじゃまして棟梁の描いた原寸図を基に柱や梁を確認させていただきましたが、それも今や昔し。最近はプレカットと申しましてコンピューター制御の加工機で家一棟分の材料を丸々加工してしまいます。

そう、現在の棟梁は通称”CADオペ”と言われる自社の加工機の癖や能力を知り尽くしたプロ。自分はリスペクトを込めてプレカット棟梁と呼ばせていただいています/笑。

実際に現場で働く棟梁がいわゆる大工さん、それに対してその大工さんが現場で組み上げる柱や梁を加工するもう一人の棟梁こそCADオペさんなのです。

担当していただくのは三津橋産業のKさん。

加工機によっては上の写真のようにミッキーマウスの耳よろしく加工溝に円形の切削痕が残ります。出ない機械もあるのですが、このわずかな痕跡の違いこそ各プレカット工場の個性。たとえ手加工が減ってもこんな風に作り手の違いは出るんです。
上の図面はそんなプレカット棟梁Kさんからの質疑。縦横&縦横で根太組をする際に、縦と横で切削痕が異なることを気にしての相談を頂きました。

こんな風に大引き加工機はミッキーマウスの耳が小さく両端に出るけど

大入れ加工機だと出ない。根太組を見上げた時に東西は同じ加工痕だけど南北は違っちゃうんのですがというもの。何だか細かい話しだなあ~と言うなかれ・・

本来天井に隠れてしまえばこんなことに気を使う必要もない。でもそれだとプレカット棟梁の仕事はずっと見えないまま・・要は構造的に強けりゃあいいじゃん!どーせ見えないんだし・・になり易い。でも自分は同じ作り手として、彼らの仕事を見える化したいと思うんです。住まい手さんにずっと見てもらえるように。

確かに見えない縁の下の力持ちもカッコイイ。でも見栄えも良かったらもっといいじゃない。せっかく美しいカラマツ材を使うんだし、手加工の時代の棟梁だってきっとどうやって美しく梁を見せようか悩んだはず・・そんな私の考えにお付き合いいただいた結果、住まい手さんに大人気の素敵な天井が出来上がるんです。

そんな風に変わり者の設計者の想いに共感してくれるCADオペのみなさんに感謝!/笑

クオリティー高いす・・








福井の家 基礎工事

 

「福井の家」の基礎工事が始まりました。敷地はほぼ平坦ですが、道路に対して僅かに下がっていてこんな風に二段に高さを切り替えて調整しています。

手前側は主屋の基礎。基礎下には断熱材がびっしりと敷かれ土間が地中の冷たさで結露しないように工夫しています。
今年からはコンクリートの高騰で通常の60cm深さの基礎はコスト的に難しくなりました。10年前は1立方メートル約1.4万円だった生コンは、現在は倍の2.7万円。設計にはより厳しいコスト意識が求められるようになりました。

そこで写真のようにスカート断熱を用いて凍結深度(札幌市は地表-60cm)を半分の30cmにまで緩和して安全な浅基礎としました。

施工はお馴染み飛栄建設さん。「発寒の家Ⅳ」では札幌版次世代住宅基準プラチナグレードの家を見事に仕上げていただきました。実は今回の「福井の家」も同じプラチナグレード。松田社長さんと宇野棟梁さんとまた精一杯家づくりを楽しみたいと思います。

今日は宇多田ヒカルをチェウオンのカバーで