2022年7月28日木曜日

藻岩の家 建て方工事

見上げるような斜面で始まった「藻岩の家」の建て方工事。山の麓とはいえ朝から気温は約30℃。クレーンが使えない現場なのでまずは坂の下から1階床まで人力で荷揚げ、その後は5人がかりでこれまた全て人力による梁掛け。もちろん機械がある方が労力は軽減できるけど・・基本は人力。飛栄建設の大工衆のみなさん、宇野棟梁さんよろしくお願いします。

よくよく見ていると、材の置き方から、脚立を立てる位置まで棟梁はよく知っていて若い衆に的確に指示を出す。今回現場は札幌だけどプレカットは180km離れた士別市で加工し作業に応じて小分けで届けてもらっています。

自分も最近うっかりしていて・・知らず知らずのうちにクレーンによる建て方が当たり前になっちゃってまして・・長さ3間(約5.5m)×梁成36cm・・みたいな重たい大梁を半間(91cm)間隔に掛ける・・みたいな図面描いちゃったんです(最初からクレーン使えないなら短い梁の伏せ図にしてよ~/笑)・・その3人掛かりでないと到底動かせないような梁を何本も坂の下から・・1階まで上げてそれから、脚立&人力でさらに9尺上の二階床に組むんだから・・そりゃあもう・・上のカッコ内の言霊が無言で全身に突き刺さるのを感じながら写真を撮らせていただきました/笑。

これが現場のリアルっす!

今年も昨年の「桂岡の家Ⅱ」に続き屋根の上は超絶景・・暑いのも同じ・・

長くて高級な特殊ビスですけどこれは効く・・但し一発で打ち込みたいなら電池は40V以上を使うべし!
先進国でも林業で世界相手に勝負ができる・・見習いたい。

「材料屋さ~ん・・なんとかさ~ここに置いて~」の図。「藻岩の家」の前面道路は4m。従って大型トラックは中々厳しい・・そこで材料屋さんは神業バックで画面左からそろそろと敷地前まで材料を届けてくれる。材のストックヤードも限られるので、使う順番が逆にならぬように棟梁の荷下ろしチェック・・早く右のカーポートの床を使えるようにしよう・・これじゃあピッチが上がんない。みなさん今日もごくろうさま。


これはこっちで・・あれはそこでいいわ~等々・・

今日の投入人員は5名。滝のように汗が出るので水分補給は特に大切。500mlペットボトルを15本差し入れ。みなさんくれぐれも事故には気を付けて!

今日はYMO・・懐かしい曲だけど大好きなんです



 

2022年7月16日土曜日

追分の家 木外装工事(W・ショック)

順調に木外装工事が進む「追分の家」です。今回初めて道産以外の杉材を使っています。コロナ禍からの脱出を契機に始まった世界的なウッドショックを背景に高騰が続く木材市場・・・どんどん手の届く材料がなくなりつつあります。

本来は山に使える木はたくさんある北海道ですが、今まで地域内の流通と生産を充分に鍛えてこなかったために・・輸入材の高騰で大きな影響を受けました。それでも当初値上げは木分野に限定されるとみられていた時期もありましたが・・ウクライナ戦争の勃発で石油価格の高騰も重なり、生産と流通のコストに対する見直しが相次ぎ・・建築建材全体にさらには生活物価全体に値上げの波が押し寄せています。

その結果・・輸入価格に影響されない生産力を有している地域の木材が輸送費の高騰分を差し引いても今のところは比較的使い易い・・という状況にあります。

こうした影響を少しでも回避するためにはデフレ脳からインフレ脳にスイッチする意識の転換が必要なのですが、長らく続いた不景気もあってか・・じっくりと考えたいという人がまだまだ多いのが実情です。
なんだかネガティブなお話しになってしまいましたが、物価上昇の波が激しさを増す今こそ、信頼できる作り手と住まい手同士の協力と理解が欠かせないと思います。特に工程と連動して必要な建材を次々に発注(予算消化)して行く建築現場では短い時間で妥当な判断が絶えず求められます。「先週発注しておけば第一希望が叶ったのに(泣)」みたいなことにならぬように住まい手さんは作り手さんと充分コミュニケーションを深めてほしいと思います。

今日はHSCCで・・上手い





 

2022年7月12日火曜日

安平町ラ・ラ・タウン・おいわけ

ここ数年、札幌市内の宅地の値上がりが著しい。正直・・30~40代のマイホーム取得中心世帯の平均的年収で市内に土地と建物を得ることはどんどん困難になってきている。

それでも市内にこだわろうとすれば・・当然ながら建物に掛けられるコストは減少し、コロナ以降厳しさを増すウッドショックとウクライナ戦争で高騰する建築物価がさらに追い打ちをかけるという負のスパイラルに飲み込まれてしまう。

その一方で、札幌周辺の自治体が進めてきた移住施策に今注目が集まっている。仕事の仕方さえ工夫できるのであれば、JR駅から徒歩10分圏内の土地が100万円以下で買えるまちはまだまだ多い。今回ご紹介する安平町の「ラ・ラ・タウン・おいわけ」もそんな住宅街の一つだ。また安平町は子育てを抱える移住者に対してきめの細かい施策を行う自治体として知られている。土地探しに困ったらぜひ検討して見てけして損はない。


詳しくは安平町HPまで https://www.town.abira.lg.jp/oshirase/14/16555

 

藻岩の家 脱型工事

 

主屋の基礎が完成し脱型(型枠を外すこと)が完了した「藻岩の家」です。

切り土、出水対策(暗渠)、排水経路、埋め戻しによる地盤面の復旧、道路からのアプローチ等々・・傾斜地は中々たいへんです。まだカーポート部分の基礎工事もありますから、一旦運び出した膨大な土を新たな砂利と火山灰で元の地型に戻し作業を続けます。

山の斜面に基礎を突き立てるように施工するので基礎の前後で高低差が生じます。札幌の夜景を眺める東側に大きな窓を取りその反対側に水廻りを取りました。

山の頂上は西側なので西側の基礎は最も深くなります。要は土圧と共に雪融け時や大雨の時には水圧を受けますから基礎と配管の貫通部分から漏水しないように念入りに暗渠を敷設します。
一般に風景を眺める側に主室を設けた結果その反対側(山の頂上側)に水廻りが来るパターンは多いので、こうした部分を特に念入りに確認しておきます。

今日はXGでMASCARAなんていかがでしょう