仮に土地が安くなったにせよ・・上物は地元の建築家&工務店と来れば簡単にお安くお値打ちに~!とは中々行かない。そこで登場するのがヴィレッジにおいて資金調達の可能性を担保する工夫だった。「北方型住宅2020」の性能基準はざっくり言えば現行の「長期優良住宅」に「BELSの★★★★★」と「1.2地域HEAT20のG1のUA値」を組み合わせたものだ。これらをまとめて「地域型住宅グリーン化事業」の提案として登録工務店の所属団体である「北海道ビルダーズ協会」が行うことにした。その結果ヴィレッジ内で「北方型住宅2020基準」を満たせば半ば自動的に110~140万円の補助が付くように制度設計している。
もちろん地元金融機関による北方型住宅専用ローンの開発、フラット35SA金利への対応等を想定し、複雑化する届け出に対しては作り手が混乱しないように「北海道建築指導センター」による北方型住宅セミナーにも力を入れている。意外なことだが移住者に対する南幌町独自の補助は町単費の予算であるために、こうした各種の補助を複数、抱き合わせで使えることも作り手と住まい手にとって大きなメリットとなっている。良いものを得るにはお金が掛かる。しかしそれがどうしても必要だとしたら、この不況の中、資金力に限界のある若い世代にこそそうした住まいを建てて欲しいと思うなら・・最低限の錬金術は絶対に必要な仕組みである。そのためには行政官と地域の金融機関、住宅金融支援機構との連携が欠かせない。立派な基準を作ったはいいが、仮にそれを守っても全く報われることなく、若い世代に高額なローンがのしかかるだけでは、誰もやりたくないよね(笑)。
アバロンジャズバンドなんていかがでしょう