2015年12月24日木曜日

東光の家 施工温度管理

12/23(水)の旭川は今年一番の冷え込みとなりました。14:00でも-7.1℃。昼間もぜんぜん気温は上がりません。内陸部特有の軽く鋭い寒さです。湿気の多い札幌のぞくぞくするような重たい寒さとはぜんぜん質の異なる感覚。これに乾いた冬の匂いが加わって道北圏独特の季節が始まります。

一方こちらはテントの中。上屋の中はプラスです。でもテントに断熱性なんてありませんからこれはジェットヒーターとコンクリートの水和反応熱が主な理由でしょう。

内部はこんな感じで、雪に当たらないのでとてもきれいです。
 
こちらはコンクリートの熱画像。発熱している様子が分ります。
 
基礎の底盤の厚みは15cmですが、その基礎の形状が熱的によく分ります。
 
コンクリートの熱が型枠を通して周囲の地盤を暖めている様子が分ります。

現場はすっかり冬支度ですね。

神々しい大雪山連峰。厳しい季節の始まりです。
 
今日はDuran Duranなんていかがでしょう。
 
 
 




2015年12月23日水曜日

東光の家 基礎工事

降雪期に入ったにもかかわらず暖かい日が続いています。おかげで旭川の現場は快調です。立派な上屋のおかげで、夏場と変わらぬ施工環境が整っているので安心して工事が進められます。現場がきれいなのもたいへん気持ちのよいものです。特にコンクリート工事を行う場合、こういった上屋による室温管理はコンクリート自体の設計も楽にします。北海道では冬季、低温に対する抵抗性をコンクリートに与える工夫が必要ですが、凍りにくい施工環境があれば過度に添加剤の量を増やす必要はありません。こんなところにも厳しい冬場にコンクリート工事を行ってきた地元建設会社の経験を感じます。

土間下の断熱材の敷き込みです。床下を断熱することで土壌の冷たさを感じにくい、暖かな1階床とすることが出来ます。高価な床暖房にする必要はなく、床下に温水パイプを置くだけで足元が冷たい、寒いといった多くの問題が解決できます。

用心のために施工したてのコンクリートが冷えすぎぬようにヒーターで加温養生します。とても北海道らしい風景だと思います。

今回の布基礎は通常3~4回のコンクリート工事が必要なところを温暖地域並に2回で完成できるように改良した工法を使います。また浅基礎ながら凍上(凍った地面が基礎を傾かせること)を生じぬように地元、旭川で開発されたスカート断熱工法で性能の担保とコンクリート量の圧縮を両立させます。
 
今日は秦基博くんなんていかが https://www.youtube.com/watch?v=Aw1nqhvHY48
 

2015年12月22日火曜日

平和の家 ディテールの確認

夜間、窓を見上げるとロフトの床が浮かび上がる仕掛けです。骨組みを顕して照明で美しい陰影を演出したいと思いました。「平和の家」はけして華美ではないけれど、生活性能の高い簡素な気持ちよさをかたちにしたいと思いました。
 
こちらは階段の巾木。カバ材で稲妻型に小さく精巧に加工されて納まります。


こちらは建具枠のタイコ面を棟梁が手加工で摺り合わせているところです。今回枠の接合は45°のトメ継ぎ。

こちらが摺り合わせの完成品。45°で白樺積層合板の切断面が美しく接合されました。
 
 
こちらは建具枠の継ぎ部分。白樺積層合板の数少ない欠点は材の長さが1.8mしかないこと。当然ながら、建具の枠にするには今の時代ちょっと短く、20cmくらい延長のためのジョイント(継ぎ)が必用になります。でも生真面目なU棟梁はこんな風にぴったり継いでくれました。

こちらは階段。一般的な家より段数を1~2段多く設計します。「平和の家」は15段。現在、旭川で工事中の「東光の家」は14段です。

こちらは内照式照明のコーブ(天井反射型)です。
 
今日はスピッツなんていかが https://www.youtube.com/watch?v=B7T4NNNWeHg


2015年12月18日金曜日

平和の家 内装工事

 
「平和の家」は内装工事がどんどん進んでいます。写真は二階寝室の天井。この穴あきボードはもの凄く音を吸収してくれます。高断熱建物特有の残響をコントロールする上で最近注目しています。やっぱり穏やかで静かな室内が特に寝室は好まれます。

こちらはお馴染み、白樺積層合板による枠です。U棟梁の丁寧な手加工で作っていただきました。

設備屋さん電気屋さんの工事もほぼ終了。写真は暖房管ですが、二階の床も暖まります。(笑)

こちらは、U棟梁の力作。階段です。段板が24mm、蹴込が18mm、針葉樹合板を美しく目透かしで納めています。今は養生で見えませんが、パッシブ換気の戻り空気用のスリットも開いていて階段下の照明を付けると段板が浮かぶように見える工夫も加えています。

現場は今はこんな感じ。これから壁のボードを貼ってゆきます。

東光の家 上屋工事

上屋を掛けた「東光の家」の現場です。積雪寒冷な気候から基礎を守り品質を安定させるために清水組のK所長が念のためにと手配してくれました。もちろんここまでしなくともコンクリートの温度調整を適切に行い、凍結に対する養生を行えば全く問題なく今の時期は作業が出来ます。そう入は言っても現場に対する愛情は嬉しいものですね(笑)

地盤を必要以上に濡らさないために前面ブルーシートの養生まで。ほんとうにありがとうございます。数日前から鉄筋工事が始まっています。引き続きよろしくお願いいたします。

北大で講義

12/16(水)は北海道大学で講義をさせていただきました。この取り組みはユニークで毎年、社会人講師を招いて、企画や運営も全て学生の手で行われます。昨年もお誘いただいたご縁で今年もお声が掛かりました。講義の後は森先生と考えている光りシュミレーションソフトの報告を院生さんからいただいて大満足。自分の狙ったとおりの光環境が室内で再現できているのかどうかを確認できました。環境建築を考える上で室内にどのくらい光を入れるのか?どこまで入れるのか?はとっても大切。光を目盛りにして熱や明るさも判断するのが計画なのだからこういった検討ソフトが手軽になるのはとても楽しみです。

「平和の家」の周囲の街並みまでPC上で再現し、四季を通じた光の状況をシュミレーションします。

角地の「平和の家」の敷地状況がよく分ります。

春夏秋冬における各時刻のごとの室内の明るさの状況を示しています。これにより暗すぎたり、明るすぎたり、熱すぎたり、寒すぎたりという日射による影響を計画段階で掴むことが可能になります。こんな風に環境的な設計スキルが進んでいるのも北海道の特色です。
 
 

2015年12月9日水曜日

東光の家 着工

いよいよ始まった東光の家、札幌から150km離れた旭川市の現場です。道北圏は北海道で最も寒い地域。雪も早く、高速道路は既に一面の雪景色です。想えば、昨年完成した「澄川の家」の内覧会でお会いしたクライアントさんご夫婦、北海道向きの間取りとして提案することの多い、二階居間型のプランをたいへん気に入って下さいました。一方、札幌と少々違うのは世帯あたりの車の所有率が高いこと、公共交通機関が札幌ほどは整備されていない地方都市の特徴として一家に2~3台の車も珍しくありません。当然、車庫やカーポートを建築に組み込んで欲しいという要望も高くて「東光の家」も貫通型のカーポートを持つスタイルで設計しました。

敷地の地盤は固く良好で不安はありませんが、地盤保証のために地表面から-1.5mまでを砂利に置き換えて改良します。その一方でスカート断熱工法を用いて一般的な旭川の凍結深度80cmより20cm浅い基礎とすることで高価なコンクリートを節約します。

こちらが掘削中の現場。砂利を入れる前は、ちょっとした塹壕(笑)。小柄な人なら隠れてしまいそうです。

こちらは砂利を入れたところ、T主任が立っているところまで砂利を入れます。まあ~けっこう入ります。しかし凍上の危険性のある敷地で、水はけを改善しておくことは安心につながります。

「東光の家」を担当していただくのは旭川の隣町、美瑛町の清水組さん。はじめての300mm断熱の家挑戦となりますが、その分、打ち合わせはばっちり。先日、建て主さんも含めて一緒に着工を祝いました。この場をお借りして、建て主さま、古川社長、K所長、T主任どうぞよろしくお願いいたします。皆で力を合わせてよき家づくりにしましょう!
 
素敵な清水組さんのHP美しい美瑛のフレーバーが一杯です。
 
北海道以外の人に見られると必ず笑われる北海道弁、「雪を投げないで下さい」(笑)
本場からお送りいたします。
 
さていよいよ冬本番、安全に配慮して楽しんでゆきましょう!
この日に聞きたかった! D.Fosterなんていかが

平和の家 内装工事

外部はすっかり完成し、内装工事に移った「平和の家」。床材は、大人気、おなじみ瀧澤ベニヤの樺フロアー、美しさとコストパフォーマンスが抜群です。窓下に設ける床の換気口は同社の白樺積層合板で枠を組み、旭川家具の老舗、匠工芸でガラリを作ってもらっています。パッシブ換気の要件である床下と床上を空気的に一体とする上で大切な役割を果たします。以前は既成の床ガラリも使っていましたがやはり床材とデザイン上の相性を考えてオリジナルデザインを起こしたものです。材質はナラやタモ、時には洋木のローズウッドにウオールナットなんかもあります。あえて材色を違えて、床のアイキャッチとしています。 
床ガラリの大敵は中に物を落とすこと。もちろん床下に自由に入ることも出来ますが、毎回だと困ります。そこで網戸用のネットを入れて物が床下に落ちないようにしています。

こちらもすっかりお馴染み、室内側の配線層と付加断熱層。大切な気密、防湿用のビニールを極力破らぬように電気の配線や給湯、給水管はこの層に納めます。

「平和の家」では新たに外壁の押し縁(縦ライン)の巾を部分的に変えて壁の表情が変わるようにしています。材質は地元のエゾ松、トド松です。
 
今日はD.Bowiなんていかが

2015年11月30日月曜日

平和の家 気密測定 1回目

本日は「平和の家」の気密測定でした。開口部が多く、小さな「平和の家」はあまりC値の測定には有利ではありません。でも、大工さんや電気屋さんみなさんがんばっていただいて無事に完了。2009年以降、基本的に全ての建物を実測してきたので漏気しそうなところはだいたい分るようになりました。しかし予想と実態は必ず異なりますので基本的には全て測るようにしています。気密に関しては上手になったのでもう測らなくてよい。ということはありません。

室内の空気を減圧することで外気がどこかの隙間から入ろうとします。もしビニールに穴がなければ、ぱんぱんに室内側にふくれますし、穴があれば室内に空気の流れを感じます。どこが漏気部分なのかを見つけ出して手当てすることが必要です。写真はシール部分に手をかざしているところ。本日の外気は4℃もありませんから穴があれば冷たい気流を感じます。

こちらは室内の空気を吸い出している整流筒です。

携帯用のサーモカメラも使って漏気部を探します。ちなみに室温は約14℃、外気は約4℃なので10℃の温度差を熱画像で見付けようとしています。熱画像は温度差が大きいほど鮮明になりますからこれからの季節はより有利に働きます。

各人が家中の隙間チェッカーになります。

結果は最初C値が0.3cm2/㎡から改善して、いつものように0.2cm2/㎡で落ち着きました。今日のようにビニールが露出している段階で極力気密は上げておきましょう。人が暮らすと室内を負圧にする機会(換気扇を使用する等)が増えます。一方外で大風が吹いたりすれば風上は正圧、風下は負圧となります。要は室内のビニールは絶えず室内から引っ張られたり反対に押されたりして動いていて、長期的には気密性も疲労し減衰してゆきます。それを見越して今の内に気密をしっかり上げておくことはとても重要なのです。
 
 
 
 

2015年11月24日火曜日

まちの学校


今日は降りしきる雪の中、札幌市立大学の「建築環境学特論」へ。

 学生のみならず社会人参加もOKのいわば「まちの学校」だ。今年の会場は平成24年に閉校した旧真駒内緑小学校を再生したコミュニティー施設「まこまる」。そうはいってもこの旧緑小学校、地下鉄駅から歩いて3分の立地。こんなところにも急速な少子化を感じる今日この頃だ。

 授業は新鮮な気付きがあっていい。退屈な物理とは違う。自分は今年、再履修だ。(笑)担任は同大学の斉藤雅也先生、教科書は宿谷先生の「自然共生建築を求めて」。本日はエネルギー、エンタルピー、エクセルギーの概念の違いや、物事のふるまいをシステムという視点で眺めることの大切さを学んだ。

私を含めて7人の聴講生のうち5人が現役の建築家だったことは嬉しくもあり同時に凄く刺激になった。意匠の人間ながら、環境学の知見を新たな空間獲得につなげたい。という意識に北海道らしさを感じました。次回は12/1(火)9:00~。みなさんぜひ一度参加してみては?(笑)

詳しくは http://coc.scu.ac.jp/event/2015/11/20151117333.html

2015年11月23日月曜日

平和の家 建て主さんと一緒に

先週は遠路、建て主さんが現場見学に来られました。奥様やお子さんたちも全員お揃いのヘルメットを被り、現場をあちこち見て回ります。
子供たちは何を見ても興味津々!現場に嬉しそうな笑い声が響くすてきな週末となりました。想えば、私も子供の頃、工事現場はとっても楽しみな場所でした。大工さんたちが見る見る家を仕上げてゆく様子や工作に使えそうな木材がたくさんあって、何回か現場に通ううちに大工さんと仲良くなると、ちゃんと良さそうな木材の切れ端を取っておいてくれたりします。その他にも、見たこともない機械や道具の数々・・・子供心的にはたまらない場所でした。(笑)

建て主さんと久しぶりにお会いして、子供たちが家の完成を楽しみにしていることや図面を見ながら兄弟同士でどの部屋がよいのかもう決めている。というお話しを聞くと、とても嬉しい気持ちになりました。普段の現場は建て主さんがよく来られます。もちろん間取りを決めるまでにたくさんのお打ち合わせを重ねますし、そうやってできた間取りが出来上がる瞬間に立ち会うことは、誰あろう、建て主さんとご家族にとって、日々の大きな楽しみです。しかし「平和の家」は大切に作った図面が実物になる様子を勤務地の遠い、建て主さんは中々見ることができなかったのでした。
後日、丁寧にメールをいただいて「安心しました。」なんて言って頂いて、私も嬉しくなりました。それと同時に「現場にとって建て主さんの笑顔はなんて大切なんだろう。」と気付きました。現場の全員が同じ想いだったと思います。さて、あと一月頑張るぞ!(笑)

壁の押し縁も「平和の家」では間隔を変えて、新たな表現を狙います。開口部廻りも、サッシ本体の枠を見せずにスッキリと納めました。

もうすぐに足場は解体し、内部の仕事に移ります。足場のある内にあちこち外部をチェックしておきましょう。
 
今日はjazzなんていかが

2015年11月14日土曜日

申請前夜

本日は月曜日に提出する「東光の家」の書類作りでした。住宅ローンの老舗であるフラット35の大幅な金利引き下げや補助金の充実。果ては住まい取得後の税控除まで受けられるとあって近年は一般に比べて上級仕様に当たる「長期優良住宅」の設計が増えています。いわゆる住宅品確法の10項目の中から1:構造強度の25%割り増し、2:省エネ等級4つ星、3:高耐久性の確保、4:維持保全計画策定の4項目に対して指定されたグレードのクリアが求められます。もちろんこの他に300mm断熱やパッシブ換気も込みで設計するんですが・・・毎回増える書類や追加資料にはちょっと凹みそうになります。(笑) おそらく現在、巷を騒がせている杭の偽装問題の影響でまだまだ書類は増えるでしょう・・・・・ まあ~これも仕方ありませんが、仕事をしながら見たニュースによれば他社でも同じことが常態化していたそうで建築関係者としてはとても複雑な気分です。
 
想えば・・・建築業界でも世界標準規格の導入ということで約20年前から始まったISO化の流れ。企業ブランドの確立や品質向上を目指すとのことでしたが、同時に膨大な書類作業が増えたのも大きな変化でした。とにかく書類で残せ!そんな感じを受けてふと気付けば社会全体が書類至上主義に陥っているように感じてしまうのは私だけでしょうか?もちろん書類として残すことは大切なことですが、机上の事柄にばかり足をすくわれぬよう、これから始まる「東光の家」の現場をまとめて行きたいと思います。 
 
妻よ!手伝ってくれて今日は一日ありがとう!