外部のバラ板も撤去し、骨組みが露わになった性能向上改修工事「発寒の家Ⅲ」の現場です。大きな構造の傷みは東側と南側にそれぞれ1か所。中でも南側は柱のみならず土台も一部交換が必要となります。これで傷みの状況がほぼ明らかになったので、今回の状況について建て主さまにご報告して修理の方法を話し合いたいと思います。こっから先は余談になりますが・・・築深の性能向上改修を行う場合は外装がきれいだからと油断せずに土台と胴差廻りくらいは最低限建物一周ぐるりと開口して確認すべきです。くれぐれも構造の傷みを放置したまま上からぺたっ!と断熱を貼るような・・てんぷら工事はNGです。
東側、玄関上の大梁の激しい痛みの様子。胴差、梁共い3割程度断面損失。柱頭もぼけて柱表面から深さ20mm程度は表面が手でめくれます。上下筋交いはきれいに接合部が消失していました。
1階の掃き出し窓の上に二階の窓があり、その窓際で漏水。水は胴差と2階梁を傷ませていいます。1階掃き出し窓の際でも漏水が生じたようで両側の柱脚と土台が傷んでいます。
外部より見た掃き出し窓の左側の柱脚。土台が傷み柱がめり込んでいます。