2020年7月24日金曜日

常盤の家 鍛冶屋さんの良い仕事

写真は「常盤の家」の手摺の写真です。

鍛冶屋さんは幅が25mm、厚みが6mmの鉄製の板を曲げ器用に溶接しご覧のように美しい焼き付け塗装で階段を仕上げてくれます。 
建築にとって空間のもつ魅力はとても大切ですが、こんな風に毎日手にする小さな部分を丁寧に心を込めて作ることも空間の良さと同じくらい大切なことです。

まさに私たちが作る家は地域の職人さんたちの技術の展示場。私は設計者として地域建材の生産者さんや職人さんの技をたくさん紹介したいと思っています。

私をはじめ地域に生きる生産者や職人たちにとってデザインや仕事の確かさが分かる住まい手さんが増えてくれることこそ、腕を落とすことなく、冬場の出稼ぎの心配などせずに幸せに地域で生きて行ける方法だと思います。

これからもお客さんの期待を裏切らぬよう精進して行こうと思いました。

ぜひブログをご覧のみなさんも他の展示場で細部に目を凝らしてみて下さい。

どうでしょうか、平たい鉄の板がコの字に溶接されているのに継ぎ目が全然分かりません。下の階から上がって来た木製の手摺と鉄の手摺がピタリとつながってそれを止めるビスの頭も飛び出すことなく鉄の板の厚みにドンピシャで納まっています。 
こちらは足元の写真。グラグラさせないために手摺の足を二本、階段の周り段部分に回しています。 

ちなみに手摺子の間隔は11cm以下。地域仕様である「北方型住宅2020」の仕様に沿った小さな子供にも安全な手摺です。
こちらは下の階から上がって来た木製手摺と階段のジョイント部分。

段板の先端は人の足に優しいように太鼓状に面取りがされています。そこに手摺の脚の中間が1か所留められ・・・ 
脚はL型に加工され段板の一番邪魔になり難いところに留め付けられます。こうすることで手摺の脚を太くすることなく丈夫に取り付けられます。

今日は米津玄師なんていかが