2017年3月30日木曜日

概算.概算.また概算!

 
あっという間に雪が融け・・・ふと気が付けばもうすぐ4月。今年もおかげさまで8月までに3軒の着工が決まっています。そんな今の時期、実施設計(工務店との契約や各種申請に使う正式な図面を作ること)の前に行う大切な工程が工事費の概算です。東京オリンピックや震災の影響で建設物価は変動します。
 
もちろん人がいない。物がないとなれば、その工事種目は高騰します。建設費は比較的安価といわれるものでも数百万~数千万という額になりますから、時には、ほんの数パーセントの上昇が想定外の予算オーバーを引き起こすのです。そこで当事務所ではクライアントさんと概ね間取りが決まった段階で一度概算(工事費シュミレーション)を行うようにしています。
 
特に近年はインターネットで簡単に映像や情報が手に入る時代。クライアントさんの中には、そうした素敵な写真ばかりを集めてご相談に来られる方も少なくありません。作り手側としては、丁寧にそうした要望をお聞きしますが、あまりに素敵なものばかりの詰まった図面を描き過ぎると、予算を大幅に振り切ってしまうことも珍しくないのです(笑)まあ~当然と言えば当然ですが・・・
 
平たく言えば・・・誰でも予算と要望は別人格ですから(笑)。双方が大きく乖離しすぎないようにこうした工事費のシュミレーションが大切なのです。もちろん私は普段から各工務店ごとに同じ設計の見積りに大きな差が出ないように気を配るとともに、生産者から直接見積りも取って各工務店の単価が妥当かどうかに目を光らせています。しかしデーター(相場)の取りやすいものならまだしも、300mm断熱の付加下地を手間賃を掛けて安価な材を使うべきか?それとも手間の掛からない高価な断熱材を使うべきか?といったことは前例が乏しいためにデーターが貯まるまで色々と苦労しました。
 
誰でも作れる平凡な家でよいのなら一番安く作る!という工務店さんにお任せでよいのかもしれませんが、そうではない場合は単なる価格だけではなく、その費用対効果(内容)にまで踏み込んで検証が出来なくてはいけません。そんな意味で当事務所の工法は複数の工務店さんと話し合いを深めながら少しづつ改良を加え作り上げてきた財産だと感じています。もちろんそういった気付きや発見の機会をいただいたのはこれまたクライアントさんなんですよね。
 
今シーズンもクライアントさんの予算を精一杯生かした最高の家づくりができるようにこれからも頑張りたいと思います。
 
今日はClean Banditなんていかが

2017年3月22日水曜日

熊本地震NHKスペシャル

昨年、熊本地震の被災地を訪ねる機会をいただきました。壊れた建物から、益城町のみなさんのたいへんなご苦労を知るとともに、現在の住いの問題点もまた垣間見えた経験でした。
熊本地震を取り上げたNHK特集はぜひ見ていただきたいです。普段何気なくいいなと思いがちな間取りの中にもさまざまな危険や事前に理解しておくべきことが隠れています。

立ち入りが危険であると判断した建物に貼られる赤い表示。

ボランティアのみなさんの懸命な協力が伝わってきました。

新しいにもかかわらず1階が倒壊した住宅。

構造金物が使われていて現在の耐震基準を満たすものである。

こちらの家は激しい横揺れで地表を滑り、家の裏側の擁壁の上に乗り上げて幸運にも家が止まった様子が見て取れます。

家の基礎が土止め擁壁の上に乗り上げているところ。

青森に渡ったパッシブ換気の家

昨年から何度も視察に来られた青森の先進的な工務店、建築工房クームさん。

色々と苦労がおありだったと思うけどついに青森でパッシブ換気の家が完成した様子。ブログを拝見して嬉しくなりました。当事務所のディテールを敬意を込めてお使いいただいたところや実際に現場を担当した大工さん、現場監督さんの生きた言葉が響きました。それと同時にたくさんの先輩たちが苦労の末に残してくれた北海道の技術が海を越えて青森の住い手さんの役に立っていることがなんだか不思議でもあり嬉しくも思います。これからもクームさんには青森により適したパッシブ換気の家を追求していただきたいですし、そうした技術を自らのものにして地域の住い手さんを笑顔にしてほしいと思います。私もクームさんに負けないように一層精進したいと思います。

沢目社長さんそして現場をはじめて担当した大工さん、本当にごくろうさま!
今度、見学させてくださいね。(笑)

クーム建築工房ブログ http://ameblo.jp/cumu/entry-12254684512.html

今日は春っぽくChayなんていかが
https://www.youtube.com/watch?v=J3U2JU34Jas

2017年3月16日木曜日

キムラ&ニヘイ展示会

 
 道内の建材卸し大手のキムラさんとニヘイさんの展示会に行ってきました。毎年、春のこのシーズンは新たな商材やトレンドを仕入れに展示会に足を運びます。写真はいつもお世話になっているグラスウールメーカー、パラマウント硝子工業さんのブース。今や住いの断熱はどんどん厚くなり道内でも300mm断熱に挑戦する作り手が増えつつあります。とても嬉しい事ですね。
こちらは木製トラスの展示。お話しでは30mオーバーの無柱空間(体育館みたいな)まで木造でできるのだそうですが・・将来的には体育館のように造って、子育ての間は内部を間仕切っておいて、子供たちが独立したら間仕切りを取って広々させて暮らすもよし、テナントよろしく貸したり売ったりするもよしみたいな住宅ができないかな~なんて思いました。
 
その約半分の14mスパンの張弦トラスでも巨大です。
 
いつもお世話になっているクリナップさんも忙しそう・・・みなさん今日はごくろうさまです。
 

今日もバンプ・・やっぱりいいですよね~
https://www.youtube.com/watch?v=WfB79A7EKxo

2017年3月15日水曜日

旧荒谷邸特集 建築知識ビルダーズ


 
ブログでも何回かご紹介している旧荒谷邸。約40年前に当時の北海道大学工学部教授、荒谷先生の手で竣工した超断熱の家である。驚くべきは40年も昔の家が最新の新築の性能を遥かに凌駕していることである。この度、建築知識ビルダーズ誌で巻頭16Pの特集を組んでいただきました。お忙しいところ取材と見学をお許しいただいたタギ先生、激務の中、全体校正をお手伝いいただいた登尾さん、入院中にもかかわらず校正にご協力いただいた荒谷先生、淑子さま。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
 
過去ログもよろしくおねがいいたします。
 
 
 
まだまだ知られていない北海道の断熱。建物を断熱することに戸惑いを覚える人間は北海道には少ない。しかし全国に目を向けるとかなり実情は異なる。主に温暖地と呼ばれる国内の多くの地域では四季の暑い寒いを当然のこととして住いに受け入れそれとともに暮らすことを歓びとしてきた。という伝統を持つからだ。その一方で先進国の一つとして将来的な地球環境保全のためには建物の断熱を法制化し2020年の完全義務化に向けた動きが既に始まっている。
 
特集では1979年竣工の荒谷邸の各部を紹介しながら、現代に通じる荒谷先生の哲学を当時の講演録とともに紹介している。ぜひお近くの書店でお買い求めいただければ幸いである。私も久々に原稿に汗をかきました。(笑)
 
木藤編集長さま:ありがとうございます。先ほど受け取りました。編集部のみなさんの思いの込もった号になりましたね~。心より御礼申し上げます。年末のお忙しい最中、北海道取材までしていただいて、ほんとうにごくろうさまでした。パッシブ換気の西方邸に旧荒谷邸特集、全国でエコハウスに取り組む皆さんのお仕事の数々・・これからじっくり拝読させていただきます。後ほどJIA北海道支部にも一冊届けてまいります。おかげさまで支部長も喜んでいます。(笑)今後とも若手を含めまして積極的に環境的な建築を発信して行きたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

今日はバンプなんていかが・・いい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=plXjYiRcBtA